地籍調査事業
公開日 2022年02月06日
更新日 2022年02月06日
地籍調査とは
地籍調査とは、国土調査法に基づき、一筆ごとの土地について、その所在、地番および地目を調査するとともに、境界の確認を行って測量および地積(面積)の測定を行い、その結果を地籍簿(土地台帳)および地籍図に取りまとめるものです。
地籍簿は、土地登記簿の表題部と同じ内容で、一筆ごとの土地の地番、地目、地積、所有者等の調査結果を記載したものです。
また、地籍図は、近代的な測量方法により、国土地理院が設置した基準点に基づき測量が実施される結果、一筆ごとの土地の境界点が地球上で占める位置が明らかにされるので、災害その他の理由により土地の境界が不明になっても、地籍図によってその境界を現地に復元することができます。
この作業終了後、地籍簿および地籍図は、その写しを登記所に送付し、登記所は、それに基づいて土地登記簿の修正をするとともに、不動産登記法第14条地図として備え付けます。
地籍調査の必要性
現在、登記所に備え付けられ利用されている登記簿および地図(公図)は、明治時代の地租改正に伴って作成されものを基礎としており、現況にそぐわない箇所が多く、特に地図は、実際の位置、形状、面積など現地と大きく異なっており、地図としての役割を果たしてないものが多くあります。
そのため、その後における土地の実状は、災害や道路の新設、改良等によって変化しているにもかかわらず管理が十分に行われていないため、公簿上で地籍等の実態を把握することが困難な現状です。
このような問題を解決し、土地の権利を守るため、また、土地を有効に利用するためにも、地籍調査によって、地籍図および地籍簿を作成する必要があります。
地籍調査の効果
地籍調査の成果は、土地に関するあらゆる施策の基礎資料として利用できます。その具体的な効果として、主に次のものが挙げられます。
- 土地に関わるトラブルの防止
- 土地取引の円滑化
- 災害復旧の円滑化
- 公共事業の円滑化
- 課税の適正化
地籍調査の流れ
説明会 | 調査地区の土地に関わる権利者の方へ周知します。 |
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一筆地調査(立会い※) | 調査図をもとに現地で杭(筆界)を確認します。 (当日までに、隣接地の方と境界を決めておいてください。) |
測量作業 | 調査作業と平行して測量作業を行います。 |
地籍図(案)の作成 | |
閲覧 | 地籍図(案)、地籍簿(案)の最終確認を行います。 (地番、地目、地積、その他表示登記) |
国土交通省の認証 | |
成果品の登記所への送付 | 地籍簿、地籍図に基づいて、登記簿・公図が変更されます。 |
※立会いは、事前に隣接地権者間で決められた境界の現地確認を行うもので、その当日、境界を相談するものではありませんのでご注意ください。
地籍調査により整理できる登記上の処理
- 地目変更があったものとして調査ができる場合
土地登記簿の地目と現況の地目が異なっている場合には、現況に合わせて地目を変更します。
ただし、保安林および墓地から他の地目への変更はできません。また、農用地域指定の農地、または田・畑など農地から宅地・山林等農地以外への地目の変更は、農地法等の関係から、市農業委員会等と協議し決定することになります。 - 分筆があったものとして調査ができる場合
次のいずれかに該当し、土地所有者の同意が得られた場合
※ただし、地役権や地上権など所有権以外の権利に関する登記がある場合は、分筆できない場合があります。
・土地の一部が別地目となっている場合
・土地の一部が別の町、字となっている場合
・土地の利用または管理上分割することが適当であると認められる場合 - 合筆があったものとして調査ができる場合
次の全てに該当し、土地所有者の同意が得られた場合
※ただし、いずれかの土地に抵当権・根抵当権・各種仮登記・地役権・仮処分など、所有権以外の登記がある場合は、合筆できない場合があります。
・合筆しようとする土地の所有者と地目が同一であること
・合筆しようとする土地が同一地番区域内で同じ字で接続していること
・境界が現地で確認できない場合、またはそれらの面積が著しく狭小な場合
地権者の皆さんへのお願い
境界の確認について
当日の立会いをスムーズに進めるために、境界については、原則として、個人同士、同意の元で打設することになっていますので、隣接地との境界を事前に調整いただくなど、立会当日までに決めていただくようお願いします(個人間の土地に関して、市は関与できません)。
なお、双方同意の元で境界標を打設する場合、プラスチック杭、金属鋲を希望される方は、市から支給しますので、産業建設部にご連絡ください(現地がコンクリート舗装されているなど杭が打てない場合は、ペンキ、マジックを用意します)。
杭打ちは、公図を基本として、その形を現地に表すという考えで行っています。
1.一筆地調査立会(境界杭設置)の考え方について
最初の杭から最後の杭のそれぞれを直線で結んで、一筆の土地の形状を表します。その土地の周囲を囲むように杭打ちをします。杭は、境界のまがりまがりに打設します。また、基本的には鋲又は杭の中心を基準として測量します。
2.現況地目により杭を打つ
現在どのように土地が利用されているか(地目)によって、杭を打ちます。登記では一筆の土地でも今回の調査により分筆が発生する場合があります。
3.合筆・分筆する場合の杭打ち
合筆する場合は、合筆する土地の周囲に杭を打ちます。
分筆する場合は、一筆の中に新たに境界線ができるように杭(金属鋲)を打設します。
境界標の確認について
- 市
地権者の方が事前に打った杭、当日確認して打設した杭の確認をした後、白テープを巻き、番号を記入します。 - 測量業者
白テープの巻かれた杭1本1本を測量します。番号を結んで図面を作成しますので、白テープの巻かれた杭は、絶対に抜かないようお願いします。
閲覧について
図面(面積)および土地の表示内容の最終確認をお願いします(立会いの翌年度予定)。
立会いにお越しいただいた方(その後他の方に委任された方を除く)に連絡します。なお、閲覧までに所有権移転が生じた場合には、移転後の所有者に、現在、地籍調査を行っており、閲覧があることをお伝えいただくとともに、市への連絡を併せてお願いします。
閲覧後、境界が誤っている箇所等は、再調査をします。
筆界未定について
地籍調査において、地権者間の境界紛争・物証不足等の理由で筆界が確認 できなかった場合は、やむを得ず「筆界未定」としての処理をします。
この処理は、「調査区全部の境界が決定しなければ地籍調査が終了しない」ということでは地籍調査はいつ終わるかわかりませんので、これを避けるために定められているものです。
筆界未定地として処理した場合には、登記について下記の取り扱いになりますので、ご承知ください。
- 地籍図に境界線が記入されない
地籍調査完了後は、公図が廃止され新しく作成された地籍図で運用されますが、筆界未定地については、筆界の測量ができていないため境界線が記入されません。その部分だけ公図が残ることになります。 - 土地登記簿等
所有権移転(売買・相続)・権利の設定(抵当権)等の制限はありませんが、分筆・合筆は筆界未定の解消をしなければできません。 - 事業終了後における筆界未定の解消
地籍簿・地籍図を登記所に送付した以後において、筆界未定を解消する場合には、当事者が隣接地権者の承諾を取り、登記所で申請手続きをしないと解消することができません(市では、筆界未定の解消はできません)。その場合は、地積測量図が必要になり、これらの諸費用は、全て当事者の負担となり、相当多額の費用や手間が必要となります。
地目について
登記簿に記載されている土地の利用状況を示すもので、主に以下のものがあります。
田 | 用水を利用して耕作する農耕地 |
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畑 | 用水を利用しないで耕作する農耕地 |
宅地 | 建物の敷地およびその維持・機能を果たすために必要な土地(塀、石垣、庭、通路、納屋等) |
山林 | 耕作をせず竹や杉、檜など木の育成する土地 |
原野 | 耕作されておらず、雑草や小さい雑木、竹の育成する土地 |
公衆用道路 | 人や車等の通行に利用される土地 |
墓地 | 人の遺骸、遺骨を納める、あるいは納めた土地(内外墓地を含む) |
境内地 | 神社、寺院の敷地 |
水道用地 | 給水を目的とする施設の敷地 |
池沼 | 灌漑用水でない水の貯留地 |
用悪水路 | 灌漑用、悪水排泄用の水路 |
ため池 | 灌漑用水貯水のための池 |
堤 | 防水のための堤防 |
井溝 | 田畝または村落の間にある通水路 |
公園 | 公衆の遊楽のための土地 |
学校用地 | 校舎、運動場等その他付属の施設 |
保安林 | 森林法に基づく防災のために指定された山林 |
雑種地 | 上記のいずれにも該当しない土地(鉄塔敷地、私道、駐車場、広場、資材置場等) |
※ 赤線(道):字限図(公図)に表示されている道で、現在は、大部分が市有財産とされている。
※ 青線(水路):字限図(公図)に表示されている水路や谷で現在は、大部分が市有財産とされている。
さらに詳しい内容は、国土交通省地籍調査(http://www.chiseki.go.jp/)(外部リンク)をご確認ください。