狭あい道路
公開日 2020年03月13日
更新日 2021年08月17日
背景・目的
私たちの身近にある生活道路は、日常の通行のみでなく、緊急車両などの通行のための利用機能や、通風・採光などの空間機能としての環境面からも重要な役割があります。
しかし、この生活道路が狭いために十分に役割が果たされず、以下のような問題が生じています。
- 緊急時の救急車や消防車がはいりにくく避難路として危険である。
- 火災時の延焼を防止しにくい。
- 生活に必要な日照・通風が十分に得にくい。
- 園児、児童の通園、通学路として安全を確保しにくい。
- 歩行者と自動車及び自動車同士のすれ違いが危険である。
- 高齢者や体に障害を持つ方の移動に不便である。
- 公共交通や物流に制限を受ける。等
そこで、上記の問題を市民と行政が再認識し、住宅地の防災機能や生活環境の向上を図り、建築基準法(以下、法といいます)にも定められている4メートルの道路幅員が確保できるよう、「狭あい道路後退用地整備事業」を行っていきます。併せて、生活道路の整備のため、中心市街地の土地利用の活性化を促進し、コンパクトシティの形成を図ることによる支援を行うことにより、安全で安心な住みよいまちづくりに寄与いたします。
狭あい道路後退用地整備事業の考え方
幅員4メートル未満の道路(このような道路を狭あい道路と呼びます)に接する都市計画区域内にある敷地で建物の新築や建て替え等を行う際には、道路中心線から2メートル以上後退(セットバック)して建築等を行わなければならないことが建築基準法により義務付けられています。
狭あい道路後退用地整備事業は、このような場合等の後退用地を道路として利用できるように、建築主等が通行の支障となる物件等の除却や整地を行った後に寄付を申し出た後退用地を市が取得することにより、公共用地として4メートル以上の道路幅員を確保しようとするものです。
(セットバックについては、「道路後退のイメージ」を参照ください。)
なお、狭あい道路後退用地整備事業では、後退用地の寄附の申し出のために建築主等が負担することとなる土地の測量・分筆や支障物件の除却等にかかった費用の一部についての助成金や、寄附を行った後退用地の面積等に応じた報償金の支給を行っています。
また、亀山市道として取得した後退用地については、市が舗装整備等を行い管理していきます。(亀山市道以外の道路が拡幅された場合は、舗装整備等は行いません。)
道路後退のイメージ
建築基準法の規定により都市計画区域内では4メートル以上の道路に2メートル以上接している敷地でないと建築物を建てることはできません。これが接道義務と呼ばれるものです。
幅が4メートル未満の道路に接している敷地に建築物を建てようとする場合、現在接している道路の中心から2メートルの範囲は、住居等はもちろん、ブロック塀などもつくることができません。
⇒ 建て替え等により道路に面したすべての敷地が後退したとき、幅4メートルの道路が完成します。
〈道路の片側が河川やがけ地、線路敷き等の場合〉
道路の片側が河川、がけ地、線路敷地その他これらに類するものに沿う場合は、当該がけ地等の道の側の境界線及びその境界線から道の側に水平距離4メートルの線をその道の境界線とみなします。この場合、がけ地などの反対側の道路境界線から4メートルがセットバックの対象となります。
助成制度等について
建築物等を建築されるときに、市民のみなさんから「後退用地」やそれに伴う「すみ切り用地」の「寄附」が得られますと、市は以下のような施策を行います。(自己管理の場合は助成対象外となります。)
●拡幅整備助成金制度
次に掲げる行為に要する費用の一部に対して後退用地等に係る助成金を交付することができます。
行為 | 助成額 |
後退用地等に係る測量、分筆登記及び所有権以外の権利の抹消登記 |
当該行為に係る費用に相当する額 (15万円を超える場合は、15万円) |
支障物件の除却及び後退用地等に係る整地 (亀山市立地適正化計画で指定した居住誘導区域内※1のみ) |
当該行為に係る費用の2分の1に相当する額 (30万円を超える場合は、30万円) |
●報償金制度
後退用地等の所有権移転登記が完了した場合は、当該所有権移転登記に係る土地所有者に対し、次の表に掲げる後退用地等の地目の区分に応じて報償金を交付することができます。
地目 | 報償額 |
宅地 | 後退用地等に接する道路における一般財団法人資産評価システム研究センターが提供する「全国地価マップ」に掲載されている直近年度の固定資産税路線価(対象外の箇所については市が定める標準宅地単価等)額※2に当該後退用地等の面積を乗じて得た額(15万円を超える場合は、15万円) |
田 | 宅地と同様に算定した額の75/100の額(15万円を超える場合は、15万円) |
宅地、田以外の地目 | 宅地と同様に算定した額の80/100の額(15万円を超える場合は、15万円) |
●後退用地及びすみきり用地の管理
亀山市道として取得した後退用地等については、市が舗装整備等を行い管理していきます。(亀山市道以外の道路が拡幅された場合は、舗装整備等は行いません。)
●地元地域からの狭あい道路後退用地整備要望における支援
一定の要件を満たした路線としての道路後退の整備については、上記のほか市の負担による測量や分筆等の支援を受けることができます。(詳細については、ご相談下さい。)
※1 「亀山市立地適正化計画に伴う届出関係」(内部リンク)参照
2017(平成29)年10月に亀山市が策定した「亀山市立地適正化計画」において指定された、「人口減少の中にあっても一定のエリアにおいて人口密度を維持することにより、日常生活サービス機能や公共交通が持続的に確保されるよう居住を誘導すべき区域」のこと。
※2 「全国地価マップ(一般財団法人資産評価システム研究センター提供)」(外部サイトにリンク)参照
狭あい道路後退用地整備事業フロー
ステップ |
内容 |
1) 事前相談 |
狭あい道路に接した敷地で建築行為等を行う場合、狭あい道路の拡幅整備について、市と事前相談を行います。 |
2) 事前協議書の提出 |
事前協議は、建築主等から市に事前協議書を提出し、行います。 |
3) 整備、管理、助成内容について協議 | 拡幅整備の内容、後退用地の管理及び助成内容について協議を行います。 |
4) 中心線の確認 |
狭あい道路の中心線は、建築主等において亀山市や関係地権等と立会いを行い、亀山市が確認します。 |
5) 事前協議済書の交付 | 中心線の確定等の事前協議が終了したときは、市から建築主等に事前協議済通知書を交付します。 |
6) 建築確認申請の提出 門塀等設置完了届の提出 |
建築確認申請の提出は原則として協議と中心線が確定した後になります。 門、塀等を設置する場合、工事が完了した後に門、塀等設置完了届を提出していただきます。 |
7) 測量・分筆 | 建築主等により、測量、分筆を行っていただきます。 |
8) 後退支障物件の撤去 | 建築主等により、後退用地内にある門、塀、擁壁、生け垣などを除却していただきます。 |
9) 寄附申出書等の提出 | 事前協議書に基づき、後退用地、すみ切り用地の寄附申出書等を提出していただきます。 |
10) 助成金・報償金の交付申請 | 後退支障物件の除却が完了し後退用地等の土地所有権移転登記が完了した後に、事前協議書に基づき助成金及び報償金の交付申請を行うことができます。 |
11) 助成金・報償金の交付 |
建築主等から提出のあった助成金・報償金の交付申請に基づき交付いたします。 |
舗装整備 |
後退用地等の所有権移転が完了した後、建築主等から舗装整備について依頼を行うことができます。 |
ダウンロード
要綱・パンフレット・申請様式(内部リンク)のダウンロードができます。