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令和4年3月亀山市議会定例会施政方針

公開日 2022年02月25日

更新日 2022年02月25日

 

 令和4年亀山市議会3月定例会の開会に当たり、市政運営に対する所信の一端を申し述べさせていただきます。

 

 さて、感染力の強いオミクロン株による新型コロナウイルス感染第6波により、三重県をはじめ多くの自治体におきまして、現在も「まん延防止等重点措置」が実施され、収束が見えない状況が続いております。

 こうした中、本市におきましては、3回目のワクチン接種を可能な限り前倒し接種できるような体制を整備するなど、感染状況を見極めながら、迅速かつ的確な対応に鋭意努めており、引き続き「亀山市新型コロナウイルス感染症対策本部」を中心に全庁挙げた総合的な感染症対策を徹底するとともに、関係機関と連携を図りつつ万全を期してまいります。

 

 一方、2年を越える感染症との闘いは、それまで当たり前であった日常が制約を受け、人々の生活や習慣、働き方を大きく変化させました。この環境変化は、不安定な社会活動や健康・精神面での不調等を生じさせた一方、真の豊かさや幸せの本質、人との関わりの大切さ、ワークライフバランスなどを見つめ直すきっかけともなりました。ポストコロナ時代はまだ始まったばかりであり、人口減少・少子高齢社会やスマート社会が到来する中で、私たちは、この変化と不確実性の時代をしっかりと生き抜いてまいらなければなりません。

 そうした中で、かつて経験のない急激な外部環境の変化と、それに伴う人々の行動変容や加速化するデジタル化などに適応しながら、ニューノーマル(新たな日常)へと向かう確かな道筋を築いていくことが求められております。

 

 こうした時代の潮流の中で、本市は、豊かな自然環境と歴史文化に恵まれた交通の要衝を礎に、新たな局面を迎えたリニア中央新幹線市内停車駅誘致や新図書館を核としたJR亀山駅周辺の整備など、将来への都市成長に向けた新たな胎動が生まれつつあり、今後更に本市の真価が問われてくることとなってまいります。これらを千載一遇の好機と捉えつつ、新年度は、ポストコロナ時代を展望しながら、「第2次亀山市総合計画後期基本計画」を策定し、始動させる節目の年を迎えることとなります。

 そこで、令和4年度を「改進の年」と位置付け、長引くコロナ禍の早期克服と、より健やかで活力ある持続可能な「緑の健都 かめやま」の実現へ、一層しなやかな挑戦を進めてまいります。

 そのため、政策・財政・組織の3側面から成る「行政経営の重点方針」を掲げ、まずは、現在、亀山市総合計画審議会において審議が進められております後期基本計画案等の取りまとめを急ぐとともに、引き続き政策推進と健全な財政運営との両立を図ってまいりますほか、新年度当初に組織・機構改革を実施し、第2次総合計画の推進体制を一層強化してまいります。

 

 一方、我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況から徐々に回復しつつあり、その先行きについて、景気が持ち直していくことが期待されておりますが、オミクロン株の感染拡大の影響が続く中で、下振れリスクにも十分注意する必要があります。こうした中、政府は、令和3年度補正予算と令和4年度予算を一体的に編成し、新型コロナウイルス感染症対策に万全を期しつつ、成長と分配の好循環による新しい資本主義の実現を目指すこととしております。中でも、その成長戦略として、「デジタル田園都市国家構想」の観点から地方の活性化を支援し、また、分配戦略として、看護、介護、保育等の現場で働く方々の処遇改善に取り組むことといたしております。

 一方、昨年9月に一見県政がスタートした三重県におきましては、現在、県政の長期ビジョンとなる「強じんな美し国ビジョンみえ(仮称)」及び「みえ元気プラン(仮称)」の本年6月の計画策定に向け、その取組が進められているところであります。こうした国・県の動向は、市民生活や本市の行財政運営に影響がございますので、引き続き的確な情報把握に努めてまいります。

 

 これらを踏まえ、新年度の予算編成に当たりましては、第2次総合計画後期基本計画の策定を3箇月延伸することに伴い、前期基本計画期間から継続して実施する主要事業に係る投資的経費や標準予算の事業経費を軸に計上いたしております。

 なお、後期基本計画に基づく新規事業の予算計上につきましては、後期基本計画の策定に合わせて、令和4年6月定例会での予算補正を予定いたしております。

 そうした中、一般会計の歳出の主な継続事業として、事業の最終年度となる亀山駅周辺整備事業や新図書館整備事業、更には和田保育園保育室増設事業のほか、新型コロナウイルスワクチンの3回目の追加接種に係る経費などを計上いたしております。これにより、民生費では過去最高額に、教育費でも増額となる一方で、土木費などでは減額となったものであります。

 また、歳入では、市税の減収、亀山駅周辺整備事業などの補助事業費の減による国県支出金や市債の減を見込んでおりますが、地方交付税等の増により、財源調整のための財政調整基金繰入金は、前年度より減少いたしております。

 なお、各会計別の予算額は、一般会計予算が前年度比4.4パーセント減となる220億7,700万円といたしましたほか、国民健康保険事業特別会計は45億2,140万円、後期高齢者医療事業特別会計は10億8,140万円、水道事業会計は17億9,480万円、工業用水道事業会計は1億3,150万円、農業集落排水事業特別会計を企業会計へ移行し、公共下水道事業会計と統合した下水道事業会計は34億4,360万円、病院事業会計は21億740万円で、一般会計、特別会計、企業会計を合わせまして、前年度比1.2パーセント減の351億5,710万円の当初予算額といたしております。

 

 それでは、市政の各部門にわたり、第2次亀山市総合計画の施策の大綱に沿って、ご説明申し上げます。

 なお、施策の大綱ごとの方針等つきましては、現在、策定を進めております後期基本計画の素案における基本施策の体系に基づいてご説明申し上げますので、ご理解賜りたいと存じます。

 

快適さを支える生活基盤の向上

 

 まず、「快適さを支える生活基盤の向上」についてでございますが、魅力的な都市空間の形成につきましては、引き続き土地利用制度の検討や新たな用途地域の指定を進めるとともに、エリアプランの策定を行い、都市マスタープランにおける戦略方針を具体的に推進してまいります。

 また、活力ある市街地の形成に向けた取組といたしまして、本年10月の完成に向け、亀山駅周辺2ブロック地区市街地再開発組合により進められております市街地再開発事業につきましては、施設建築物の進捗に伴い、新たな駅前のシンボルとなるKitto terrace(キットテラス)の完成が間近となってまいりました。市といたしましても、中心的都市拠点であるJR亀山駅周辺の新図書館を核としたにぎわいづくりや拠点力向上を図るため、引き続き当該再開発組合への支援を行うとともに、駅周辺道路や駐輪場の整備に向けた工事等を計画的に進めてまいります。

 更には、居住誘導区域への転入者等を対象に住宅取得を推進し、定住促進と既成市街地の活性化につなげてまいりますほか、土地利用の促進につなげていくため、東台北山地区等において、計画的に地籍調査事業を実施してまいります。

 一方、西野公園及び亀山公園において複合遊具等の改修を行うとともに、西野公園庭球場等の改修を図り、公園利用者の更なる利便性向上に努めてまいります。

 

 次に、住環境の向上につきましては、住宅確保要配慮者の居住の安定の確保を図るため、民間賃貸住宅を活用することにより、既存の市営住宅と併せ必要な住宅供給を行ってまいります。また、木造住宅の耐震化を促進し、安全な住環境の確保に取り組むほか、空き家情報バンク制度による移住希望者と空き家所有者のマッチングや空き家活用のPRに努め、移住希望者の市内への定住を促進してまいります。

 

 次いで、上下水道の充実のうち、上水道事業につきましては、「亀山市新水道ビジョン」に基づき、安全でおいしい水の安定供給を図るため、基幹管路等の計画的な耐震化を進めてまいります。また、能褒野地域の水圧低下に伴う配水管改良工事を引き続き進めるとともに、国、県で策定されました洪水浸水想定区域図における浸水リスクが高い水道施設の浸水対策については、鋭意検討してまいります。

 一方、公共下水道事業につきましては、「流域関連亀山市公共下水道事業計 画」に基づき、能褒野町、川崎町、阿野田町等で管渠布設工事等を行うとともに、本年度に実施しております事業区域拡張に伴う事業計画の変更により、拡張区域の測量設計を進め、普及促進に向けて取り組んでまいります。さらに、「亀山市公共下水道ストックマネジメント計画」に基づき、老朽化の進むみどり町地内で管渠改築工事を行い、施設の適切な維持管理に努めてまいります。

 また、農業集落排水事業につきましては、令和3年度に引き続き「農業集落排水施設機能強化対策事業計画」に基づき、辺法寺地区処理場において施設の更新工事等を行い適切な維持管理に努めるとともに、新年度からの企業会計への移行により、健全な事業運営に努めてまいります。

 

 次に、道路の保全・整備につきましては、都市拠点の利便性の向上を担う亀山環状線の形成に向け、和賀白川線の国道1号亀山バイパス側道との交差点改良工事を実施してまいります。また、国の交付金等を活用し、市道川崎白木線や市道名阪工業団地3号線における舗装の老朽化対策を行うとともに、坂下中乃橋の橋梁長寿命化に取り組み、道路施設の安全性の確保を図ってまいります。

 

 次いで、地域公共交通網の充実につきましては、身近な地域公共交通を利用して、誰もが自由に移動できるまちを目指して、まちづくりと連動した地域公共交通ネットワークの形成を進め、鉄道、バス及びタクシー事業者等と連携して取り組んでまいります。

 一方、乗合タクシー「のりかめさん」につきましては、引き続き市民の身近な移動手段として制度の充実を図るとともに、新規登録者を対象に無料体験乗車券を配布するなど、一層の利用促進を図ってまいります。

 また、本年度改修工事が完了いたしますJR加太駅舎につきましては、歴史観光資源や地域のにぎわい交流・情報発信の新たな拠点として活用するとともに、鉄道利用者の増加及び地域住民の方々の利便性向上につなげてまいります。

 

 次に、防災・減災対策の強化につきましては、自助・共助を基本とした防災対策を推進するため、地域が主体となって取り組む地区防災計画の策定支援や地域への防災出前講座などを通じ市民・地域の防災力を高めてまいります。

 また、発生が危惧される南海トラフ地震や巨大化する台風、多発する集中豪雨等の大規模自然災害に対し、その事前の備えとして、木造住宅の耐震化の促進やため池の耐震化、橋梁の長寿命化等「亀山市国土強靭化地域計画」の総合的かつ計画的な推進を図ってまいります。

 なお、防災重点農業用ため池の耐震、劣化、豪雨調査につきましては、継続して調査を進めるとともに、調査結果が出ましたら、地域住民の方々に情報提供してまいります。

 一方、武力攻撃や大規模テロ等の発生時において、的確かつ迅速な措置がとれるよう、本市では初めてとなる国、県等との国民保護共同訓練を実施し、相互の活動要領の確認と連携強化を図ってまいります。

 

 次いで、消防力・地域安全の充実につきましては、本年度策定を予定しております「第3次亀山市消防力充実強化プラン」に基づき、多種多様化する災害に的確に対応するため、消防施設・設備の充実や人材育成に取り組んでまいります。中でも、本市と津市及び鈴鹿市の3市消防本部で検討を進めております消防指令業務の共同運用につきましては、3市消防本部の共同事業として実施した基礎調査において、整備場所をはじめとする諸課題の詳細な検討が進められたことから、これらを踏まえ、新年度は、実施計画の策定をはじめとする、共同運用に向けた準備を着実に進めてまいります。

 ところで、災害が多発化・激甚化する中、消防団員の負担が増加していることから、消防団員の処遇改善を図るため、本議会に関係条例の改正について提案いたしております。

 また、防火対策の強化を図るため、昨年12月に大阪市北区で発生したビル火災を踏まえ、事業所等への防火査察を強化するとともに、防火思想及び住宅防火対策の普及啓発により、火災予防の推進を図ってまいります。

 一方、犯罪に巻き込まれた被害者等が安心して暮らすことができるよう、警察等関係機関と連携しながら、支援窓口での相談をはじめカウンセリングや経済的負担の軽減等寄り添った支援に努めてまいります。

 

 次に、脱炭素社会の実現に向けた取り組みの推進と循環型社会の構築につきましては、高度な低炭素社会の構築に向け、本年度策定いたしました「第2次亀山市環境基本計画」に基づき、市民、事業者、行政等が参画する検討組織を中心として、環境政策の推進に取り組んでまいります。また、公用車の電気自動車への移行を図るため、本年度に引き続き電気自動車を購入するとともに、新たに三重県産CO2フリー電気「三重美し国Greenでんき」を購入し、二酸化炭素排出量の削減に率先して取り組んでまいります。

 さらに、ごみの減量化・リサイクルの推進につきましては、引き続きごみ溶融処理施設から日々発生する溶融飛灰を山元還元方式により全量を再資源化し、最終処分量・ゼロを維持してまいります。

 一方、廃棄物処理施設の適正管理につきましては、引き続きごみ溶融処理施設及びし尿処理施設の大規模整備工事を実施し、老朽化した設備・機器の計画的な更新により、施設の延命化を図ってまいります。また、ごみ溶融処理施設の更なる延命化を図るため、主要設備・機器の機能診断や健全度の評価を実施し、現在の長寿命化計画を見直してまいります。

 

 次に、自然との共生につきましては、鈴鹿川等源流の森林(もり)づくり協議会の活動を支援することで、源流域への愛着と誇りの醸成につなげてまいります。また、水源かん養、土砂流出防止、地球温暖化防止など森林の持つ多面的機能の維持・発揮を図るため、森林環境創造事業、森林経営管理事業を進めるほか、みえ森と緑の県民税市町交付金を活用し、森林環境教育、森林公園の整備や地域産材を使用した木製備品を新図書館に導入するなど、森林や木材の持つ魅力を発信してまいります。

 また、農地の保全につきましては、農地、農道、水路の維持など地域資源保全活動を支援するとともに、耕作放棄地の発生防止、持続的な農村景観と田園環境の保全を進めていただく農家や営農組織等の取組を支援してまいります。

 

 次いで、歴史文化を生かしたまちづくりの推進につきましては、本年度策定いたしました「亀山市歴史的風致維持向上計画(第2期)」の推進を図ってまいります。また、昨年3月に国史跡に指定された鈴鹿関跡につきましては、新年度において、これまで実施した学術調査の総括報告書を作成するとともに、引き続き発掘調査等を実施しながら調査研究成果を積み重ねてまいります。このほか、歴史博物館において、亀山高校の協力を得た同校100年に因んだ企画展示などを行い、歴史資料の公開・活用により、市民に身近な歴史を知る機会を提供してまいります。

 

健康で生きがいを持てる暮らしの充実

 

 続きまして、「健康で生きがいを持てる暮らしの充実」について、ご説明申し上げます。

 まず、健康づくりの推進と地域医療の充実のうち、WHOが提唱する「健康都市」の推進につきましては、本市が健康都市連合へ加盟以来12年目を迎える中で、長引くコロナ禍の影響もあり、ヘルスプロモーションの重要性の高まりと、それらを踏まえた健康都市政策の一層の推進が求められております。こうした中で、市民が住み慣れた地域で豊かな食生活と健康で充実した暮らしを続けられ、安心して医療を受けることができるよう、その取組方向を位置付ける「第2次亀山市健康・医療推進計画」の策定を、後期基本計画に沿って進めてまいります。

 また、疾病予防の推進を図るため、健康づくり事業により、各種検(健)診事業や健康マイレージ事業など、コロナ禍で外出機会が減る中、市民が自ら行う健康づくりを勧めることにより、健康に対する意識を高め、健康寿命を延伸できるよう取り組んでまいります。このほか、新年度から国民健康保険制度における特定健康診査の自己負担金を無料とするなど、受診率の更なる向上に取り組んでまいります。

 一方、新型コロナウイルスワクチン接種につきましては、「亀山市新型コロナウイルスワクチン接種計画(3回目)」と国の方針に沿って、接種を希望される市民の皆様へ接種が1日でも早く安全に行われるよう、迅速かつ柔軟に接種を進めてまいります。

 ところで、HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)の定期接種につきましては、積極的勧奨の差し控えの終了を受け、接種対象者と積極的勧奨の差し控えにより接種機会を逃した方への通知について、国の動向を踏まえながら亀山医師会とも協議し対応してまいります。

 一方、医療センターにつきましては、オミクロン株の影響により新型コロナウイルス感染者が急増する中、増加するPCR検査に対応するため、院内でPCR検査が実施できるリアルタイムPCR装置を2台に増やし、検査体制の強化を図ってまいります。また、現在、感染症の診察にも対応した常設の発熱外来診察室の建設を3月末の竣工に向け急ピッチで進めており、新年度も引き続き県や亀山医師会等と連携し、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に努め、地域医療を担う自治体病院としての役割を果たしてまいります。さらには、来る4月からは、眼科の診療を週3回から4回に増やし、診療体制の充実を図るとともに医療提供サービスの向上に努めてまいります。

 また、地方税法の一部改正により、令和4年4月1日から国民健康保険制度において、子育て世帯の経済的負担軽減の観点から、未就学児の均等割保険税を減額することといたします。そのため、本議会に関係条例の一部改正について提案いたしております。

 

 次に、地域福祉力の向上につきましては、本年度策定を予定しております「第2次亀山市地域福祉計画(後期計画)」に基づき、「ともに支え合いともに暮らせるふくしのまちづくり」の実現に向けて、新たに社会福祉法に位置付けられた相談支援・参加支援・地域づくりに向けた支援などを一体的に行う重層的支援体制の構築や、ひきこもり、成年後見などの喫緊の福祉的課題に係る取り組みを進めてまいります。

 また、生活困窮者自立支援事業により、引き続き、自立相談支援事業、家計改善支援事業、住居確保給付金支給事業の各事業を展開し、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、経済的困窮に陥った方々などの生活困窮者への支援を行い自立の促進を図るとともに、生活困窮者に対する包括的な支援体制の強化に努めてまいります。

 さらに、住民税非課税世帯等臨時特別給付金事業につきましては、申請期間が本年9月末となっておりますことから、引き続き、当該事業の周知に努め、支給対象世帯への支援を行ってまいります。

 

 次いで、高齢者の地域生活支援の充実につきましては、基幹型地域包括支援センター及び2か所の地域包括支援センターを設置したことにより、市民の皆様への広報活動、高齢者への支援体制、関係団体や医療・介護の関係者との連携体制の強化を図り、これまで構築してきた地域包括ケアシステムの更なる推進に努めているところであります。人生100年時代を見据え、高齢者が住み慣れた地域で安心して生き生きと過ごすことができるよう、高齢者を取り巻くあらゆる主体と連携し、高齢者の支援強化に努め、地域での見守りや支え合いの体制の構築、定着を図るとともに、地域での仲間づくりや生きがいづくりを推進してまいります。

 

 次に、障がい者の自立と社会参加の促進につきましては、本年度中間見直しを予定しております「第2次亀山市障がい者福祉計画」に基づき、「障がい者が生涯にわたり自分らしく活動ができ、共感と共生ができるまちづくり」の実現に向けて、取り組みを進めてまいります。こうした中、地域における総合支援の中核的な役割を担う障害者総合相談支援センター「あい」につきましては、その機能強化に向けた検討を進めながら、地域の相談支援体制の充実を図り、障がい者の自立と社会参加の促進に努めてまいります。

 なお、障がい者医療費助成事業などの福祉医療費助成制度につきましては、限られた財源で事業を持続的に運営していく必要がございますことから、市単独事業として実施しております入院時食事療養費の助成を令和4年9月から廃止するため、本議会に関係条例の改正について提案いたしております。また、障がい者医療費助成制度につきましては、県制度に合わせた所得制限を導入するため、規則の改正を予定いたしております。

 

 次いで、文化芸術の推進につきましては、昨年12月に制定いたしました「亀山市文化芸術基本条例」及び本年度策定を予定しております「亀山市文化芸術推進基本計画」に基づき、文化芸術を担う人材の育成や観光、まちづくりなど関係分野との一層の連携等を推進してまいります。また、本年10月に開催を予定しております、商店街及び文化財等を活用した新たな文化芸術の創造に寄与する現代アートの祭典「亀山トリエンナーレ2022」を支援してまいります。

 

 次に、スポーツの推進につきましては、本年度策定を予定しております「第3次亀山市スポーツ推進計画」に基づき、地域スポーツコミッションやスポーツツーリズムの視点を取り入れながら地域経済や観光との連携を図るとともに、本年4月の組織・機構改革により、スポーツの推進に関する事務を健康福祉部において分掌させた上で、健康増進や介護予防等との連携等を一層推進してまいります。

 

交通拠点性を生かした都市活力の向上

 

 続きまして、「交通拠点性を生かした都市活力の向上」について、ご説明申し上げます。

 まず、企業活動の促進・働く場の充実につきましては、本市の立地特性や交通アクセスの良さ、自然災害への強さなどを生かし、残りわずかとなりました民間産業団地「亀山・関テクノヒルズ」への企業立地に向け、開発主体や県と連携を図るとともに、産業振興奨励制度を活用しながら、積極的な企業誘致活動を展開してまいります。さらに、今後は工業用地への水の安定供給に関する調査結果を基に、新たな産業団地の開発に向けた検討を進めてまいります。

 なお、令和4年3月で終期を迎える産業振興奨励制度を延長するため、本議会に関係条例の改正について提案いたしております。

 一方、本市に進出決定をいただいた企業の円滑な操業開始に向け、支援を行うとともに、コロナ禍で雇用の維持及び確保が厳しい市内企業に対して、亀山市雇用対策協議会、ハローワーク鈴鹿、亀山商工会議所等の関係機関と連携し、雇用確保に向けた支援を実施してまいります。

 

 次に、地域に根ざした商工業の活性化につきましては、亀山商工会議所と連携を図りながら、引き続き創業セミナーの開催や空き店舗等活用支援事業補助制度の運用により、創業を志す若者や女性等を支援し、にぎわいのある商業地域の形成を進めてまいります。

 また、本市の特産品等を市内外に戦略的に発信する「亀山ブランド」につきましては、本年度初認定した10事業者17品目を中心に、新たな組織体制のもと観光戦略とも連携しながら展開してまいります。

 なお、新型コロナウイルス感染症対策に係る地域経済の支援につきましては、今後も地域経済への影響を注視しながら、地方創生臨時交付金の活用を含め、国・県とも連携しつつ取組を進めてまいります。

 

 次いで、農林業の振興につきましては、県やJA鈴鹿等と連携し、認定農業者等への利用集積を推進するとともに、担い手農家や営農組合、新規就農者等への取組を支援し、農業生産力・経営力の向上を図り、農業経営の安定化に努めてまいります。

 また、豚熱(CSF)、鳥インフルエンザ等の感染予防対策につきましては、引き続き三重県や関係機関と連携し、対策を講じてまいります。

 さらに、林業の振興につきましても、県や鈴鹿森林組合等と連携し、林業経営の安定化に向けまして、林業事業体の木材生産の向上のため、引き続き、林業事業体による施業集約化、利用間伐など林業生産活動を支援してまいりますとともに、地域材の利用促進に努めてまいります。

 

 次に、まちづくり観光の活性化につきましては、地域資源を生かした持続可能な観光政策の推進を図るため、亀山7座トレイル整備・活用推進事業により、亀山7座の魅力を体験していただくトレッキングイベント等を通じて、鈴鹿川等源流域における自然の素晴らしさを発信するとともに、市民の7座登山クラブの結成支援など、更なるエコツーリズムの推進を図ってまいります。また、本市の新たな観光資源の掘り起こしや、関宿を中心とした観光地の魅力を効果的に情報発信し、訪問者との交流促進を進めてまいります。

 さらに、まちづくり観光を支える人材と組織の育成・確保を図るため、まちづくり観光のコーディネーターである亀山市観光協会に対し、引き続き、観光イベントの開催、ホームページでの観光情報発信、フィルムコミッションのロケ誘致等について支援を行ってまいります。

 一方、快適に滞在できる受け入れ環境の充実として、旧国民宿舎関ロッジにつきましては、本年度末で定期建物賃貸借契約が期間満了を迎えますが、現契約者から令和7年3月末までの3年間の再契約の申し出を受けましたことから、引き続き、関宿等への訪問客の宿泊施設として、順調な運営が進むことを期待するところでございます。

 

 次いで、広域的な交通拠点性の強化のうち、リニア中央新幹線市内停車駅誘致の推進につきましては、県及び県内全市町等で構成する「リニア中央新幹線建設促進三重県期成同盟会」において、本市が県内唯一のリニア県内駅位置候補と決定され、四半世紀以上にわたる本市の駅誘致活動も新たな局面を迎えております。昨年秋には、当同盟会に対し本市から駅候補地案を提案いたしましたので、それらの分析・評価等も踏まえ、新年度には駅候補地が決議される予定であります。また、今月8日には、リニア開業を見据えた地域づくりを進めることを目的に、県において知事を本部長とするリニア推進本部が設置されました。こうした状況を踏まえつつ、新年度は、本年度から実施しておりますリニア駅を生かしたまちづくりの可能性に関する調査の取りまとめを行うとともに、県等関係団体との連携を強めながら、駅誘致に向けた更なる機運醸成に取り組んでまいります。

 また、産業振興や災害時の道路機能・高速道路ネットワーク網の強化を図る上で重要な路線である、地域高規格道路「鈴鹿亀山道路」につきましては、昨年2月に県において都市計画決定が行われましたので、関係市町等で組織する「鈴鹿亀山道路建設促進期成同盟会」を通じ、早期事業化の促進を一層図ってまいります。

 

子育てと子どもの成長を支える環境の充実

 

 続きまして、「子育てと子どもの成長を支える環境の充実」について、ご説明申し上げます。

 まず、安心して子どもを産み育てられる環境づくりの推進のうち、本年度実施設計を行っております和田保育園保育室増設事業につきましては、現在進めております実施設計に基づき、新年度において園舎増築工事を進めてまいります。引き続き、就学前教育・保育施設の再編方針に沿った事業化の検討を行い、待機児童の解消に向けた就学前教育・保育施設の受入機能の強化に取り組んでまいります。

 このほか、保育所等における新型コロナウイルス感染症対策につきましては、衛生資材の調達などの支援に加え、業務負担の増加している保育士等の処遇改善を図るため、新たに民間保育所に対し国の補助金を財源とした補助金を交付することとし、引き続き、園児や職員が安心して過ごせる環境づくりに取り組んでまいります。

 ところで、国の令和3年度子育て世帯への臨時特別給付金給付事業につきましては、児童手当の仕組みを活用し、昨年末から迅速に支給したことで、先月末現在では、約94パーセントの支給率となっております。こうした中、この給付事業は、給付金の支給日に対象児童の養育者になっているにもかかわらず、基準日以降の離婚等により給付金を受け取ることができない場合がありましたが、国においてその是正がされましたので、本市におきましても、そうした子育て世帯に対し、速やかに給付金を給付してまいります。

 一方、地域子育て支援センターが未就園児やその保護者にとって、つながりを持てる貴重な場所であり続けられるよう、感染予防対策等の徹底を図りながら、その機能維持に努めてまいりますほか、亀山子育てLINE(ライン)の充実など、子育て世帯への情報発信により、子育てが孤立しない環境づくりに取り組んでまいります。

 また、子ども総合相談につきましては、引き続き、子ども家庭総合支援拠点として、虐待対応や家庭支援のため、専門スタッフによる相談体制の下で、保健・福祉・医療・教育等の関係機関と連携しながら、ワンストップの適切な対応に努めてまいります。また、子育て世代包括支援事業を通じて、コロナ禍における子育て家庭の孤立や不安を防ぐため、各関係機関と連携し、不安を抱える妊婦や乳幼児、そのご家族に寄り添った丁寧な対応を心掛け、妊娠期から乳幼児期にわたる切れ目のない包括的な支援を行うことで、子育ての希望をつなぐ支援の充実を図ってまいります。

 さらに、発達等に配慮を必要とする子どもへの支援につきましては、本年度研修派遣しているみえ発達障がい支援システムアドバイザーなどの専門スタッフによる体制の下で、集団療育や保育所等への指導・助言などを行うとともに、医療法人社団主体会小山田記念温泉病院との協定に基づく、子育て支援に関する連携・協力体制(略称KUKS)などの関係機関との連携を図りながら、切れ目のない適切な支援に取り組んでまいります。

 また、放課後児童クラブ事業につきましては、新年度から民間事業者により整備される2支援単位を加えた25施設の放課後児童クラブを運営する指定管理者や地域組織等への運営支援を行うとともに、新型コロナウイルス感染症対策等で負担の増加している放課後児童クラブ職員の処遇改善に取り組み、子どもの居場所づくりを推進してまいります。

 

市民力・地域力の活性化

 

 続きまして、「市民力・地域力の活性化」について、ご説明申し上げます。

 コロナ禍で人とのつながりや交流の大切さが再認識される中、まず、自立した地域まちづくり活動の促進につきましては、地域まちづくり計画に基づく地域が主体となった活動を促進するため、引き続き地域まちづくり協議会へ地域予算制度による財政的支援及び人的支援を行うとともに、地域活動の担い手の発掘・育成を目指した研修等も開催してまいります。また、地域まちづくり協議会の運営を円滑に行うことが出来るよう、事務局研修会の充実を図るなど、地域まちづくり協議会の組織強化の支援及び地域と行政の協働によるまちづくりを推進してまいります。

 

 次に、市民参画・交流活動の促進と協働の推進につきましては、協働事業提案制度に基づく市民提案3件の協働事業を進めるとともに、市民への周知や協働に関する職員研修等を行い、多様な主体との協働によるまちづくりを進めてまいります。また、市民活動応援制度の周知等により市民活動応援券の活用促進を図るとともに、当制度の検証を行い、市民活動の活性化につなげてまいります。

 

 次いで、移住・定住の促進につきましては、コロナ禍により都市圏から地方への人の流れが生まれつつある中、インターネット等を活用し首都圏等において本市への移住のPRに努めるとともに、移住フェアや県と連携した移住相談会、本市での生活体験などを通じて、本市での暮らしの魅力を発信してまいりますほか、子育て環境など本市の良質な都市イメージをシティプロモーションすることにより、関係人口へのきっかけづくりや本市が移住先として選ばれるよう取り組んでまいります。

 

 次に、人権の尊重とダイバーシティ社会の推進につきましては、人権尊重のまちづくりに向け、市民の人権意識の高揚を図るとともに、法務局等の関係機関と連携した相談支援体制の充実に取り組んでまいります。また、男女共同参画の推進を図るため、本年度策定を予定しております「第4次亀山市男女共同参画基本計画」に基づき、講演会の開催等を通じて、男女共同参画意識の高揚に努めてまいります。

 

行政経営

 

 続きまして、「行政経営」について、ご説明申し上げます。

 まず、組織力の強化と働き方改革の推進につきましては、本年4月に組織・機構改革を実施し、現組織の部・課・グループの3層体制を維持しつつ、迅速かつ効果的な施策の推進と更なる市民サービスの向上を図る組織体制を構築してまいります。これに伴う人事異動等により、市民サービスに支障を来すことが無いよう、市広報や市ホームページによる市民への事前周知や庁舎内表示の変更など、諸準備に万全を期してまいります。

 一方、コロナ禍において行政サービスを維持していくためには、市職員の感染防止対策の徹底が不可欠となります。そこで、これまでも取り組んでまいりました勤務時間の弾力化制度やテレワーク等の活用により、職場における接触機会の低減を図りながら業務の継続に努めるとともに、それらも契機とした職員の働き方改革を進めてまいります。

 

 次に、財産・情報の適正な管理・活用につきましては、公有財産の適切な管理を図るため、現図書館施設や市営住宅の用途廃止後の有効活用等について検討を行ってまいります。

 また、新庁舎の整備につきましては、ポストコロナ時代における行政サービスの在り方も見据えながら、現在、「亀山市新庁舎整備基本計画」の中間案の見直しを行っているところでございます。今後、次代にふさわしい庁舎の規模や機能の検討等を行い、令和4年度末の策定に向け進めてまいります。

 

 次いで、行政DXの推進につきましては、コロナ禍を契機にデジタル変革 (DX/デジタル・トランスフォーメーション)の重要性が社会全体で高まる中、現在の「亀山市ICT利活用計画」を発展させ、新たに「亀山市行政DX推進計画」を策定し、AI・RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)等のデジタル技術を積極的に活用した業務改革(BPR/ビジネスプロセス・リエンジニアリング)を進め、効率的・効果的な行政サービスを提供するスマート自治体への転換を目指してまいります。

 一方、国は、本年6月頃からマイナンバーカードの保険証利用申込みや公金受取口座の登録を行った方を対象に、マイナポイントの付与を予定いたしております。こうした中、本市といたしましては、引き続き新型コロナウイルス感染症の予防対策を十分に講じた上で出張申請活動を積極的に実施し、マイナンバーカードの取得促進に努めるとともに、マイナンバーカードを用いたオンライン申請の拡充を進めてまいります。

 

 次に、持続性を保つ健全な財政運営につきましては、新年度は、「第3次亀山市行財政改革大綱」の前期実施計画の最終年度となりますことから、当該計画に掲げた15の重点方針の必達に向け、鋭意取り組んでまいります。

 また、市税の適正な評価と公平・公正な課税に努めるとともに、デジタル社会に対応した預金照会の電子化等により、収納率の向上に努めてまいります。このほか、企業立地の促進や亀山ブランドと連動したふるさと納税の取組を推進するなど、多様な手法による安定した財源の確保に努めてまいります。

 

 ところで、後期基本計画の策定につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から、これまでの対面での会議方式を変更した上で、先般、亀山市総合計画審議会に計画案の諮問を行い、現在審議が進められているところでございます。今後は、当該審議会からの答申も踏まえ、本年度中には最終案を取りまとめ、議会へご説明申し上げたいと存じております。その後、パブリックコメントの実施等を経まして、令和4年6月定例会において関係議案を提出できるよう、庁内連携の下、鋭意取組を進めてまいります。

 一方、「亀山市まち・ひと・しごと創生総合戦略」の改定につきましては、人口減少対策の観点から後期基本計画と整合を図る必要がございますので、当該計画の策定と合わせて進めてまいります。

 

 また、学校教育、生涯学習等、教育分野の詳細につきましては、後ほど教育委員会当局からご説明申し上げます。

 なお、昨年11月11日から本年2月10日までの一般会計及び各特別会計に係る3千万円以上1億5千万円未満の工事請負契約は、別紙のとおりでございましたのでご高覧賜りたいと存じます。

 

 結びに、私たちは今、大きな変化の時代に生きています。未曽有の感染症や自然災害のショックなど社会の環境変化や予期せぬストレスに直面しても、素早く適応し乗り越えられるような、強靭さが不可欠だと痛感しております。

 令和4年度、コロナ禍を克服し誰もがより健やかで心豊かに生活できる、活力ある持続可能な「緑の健都 かめやま」の実現へ、しなやかな挑戦を進めてまいります。

 市議会の皆様、市民の皆様の深いご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

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