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平成30年3月亀山市議会定例会 施政方針

公開日 2018年02月27日

更新日 2018年02月27日

 平成30年亀山市議会3月定例会の開会に当たり、市政運営に対する所信の一端を申し上げます。

 現在、我が国は、少子高齢社会の進展による本格的な人口減少社会の到来や長年の円高・デフレ経済からの脱却等大きな課題への対応が求められております。
 こうした中、昨年末に閣議決定された「新しい経済政策パッケージ」において、最大の課題である少子高齢化の克服に向けて、「人づくり革命」として、3歳から5歳までの子どもたちの幼稚園・保育所・認定こども園の費用の無償化や待機児童の解消に向けた32万人分の受け皿整備、高等教育の無償化のための給付型奨学金の拡充等が、「生産性革命」としては、中小企業・小規模事業者の投資促進と賃上げのための環境整備等が盛込まれております。
 政府は、これらを実現していくため、平成30年度予算編成の基本方針においても、財政健全化への着実な取り組みを進める一方、重点的に予算措置を講じることとしております。
 こうした動きは、市民生活及び本市の行財政運営にも影響を及ぼすことから、引き続き迅速な情報収集と的確な対応を図ってまいります。

 さて、本市は、本年1月、新市合併から早や14年目を迎えました。また、あのリーマンショックからも10年が経とうとしております。この間、地域経済の低迷や少子高齢社会の進展等激動の社会経済情勢の中を持続可能なまちづくりに努めてまいりました。一方、本年は明治元年から150年の節目であるとともに、来年には改元が行われるなど新しい時代を迎えることとなりますことから、本市を持続可能な成長への新しい段階へと進めたいと決意するところであります。

 また、現在進められております民間産業団地の造成の完成が本年度末に見込まれるとともに、新年度には新名神高速道路の県内区間の整備完了が予定されております。こうした環境が整うことにより、本市の地域ポテンシャルはさらに高まるとともに、景気の緩やかな回復に合わせて、企業活動の活性化もみられますことから、新年度は、より一層の産業集積やそれに伴う雇用の創出等、本市の将来を見据える上で重要な年となってまいります。

 このような状況を踏まえ、昨年4月に始動した第2次総合計画の取り組み2年目となります新年度につきましては、行政経営の重点方針において、「展開の年」と位置付け、総合計画を次の段階へと進めてまいります。
 そのため、組織機構におきましては、前期基本計画に掲げた施策を着実に推進する体制とするとともに、職員のマネジメント能力を育成、強化する仕組みを構築することを目的として、これまでの部・室の2層体制から部・課・グループの3層体制に再編してまいります。
 また、第2次行財政改革大綱20の取り組みを着実に実践することで、施策推進と行財政運営との両立を図り、「緑の健都 かめやま」の実現を目指してまいります。

 また、来る8月2日から6日にかけて、西野公園体育館を競技会場として、高校生の若さあふれる競技が繰り広げられる平成30年度全国高等学校総合体育大会(インターハイ)ウエイトリフティング競技大会が開催されます。市民がスポーツを観戦することで、スポーツへの関心を持つきっかけとなり、さらには、各地からの大会参加者を温かく迎え入れることで、本市の魅力溢れる地域文化を全国へ情報発信できるものと考えております。

 一方、今回新たに策定した「長期財政見通し」では、市税において、今後も緩やかな減少傾向が続くとともに、普通交付税では、平成31年度に合併算定替による増額措置が終了することなどから、歳入全体として長期的な減少が見込まれています。歳出につきましては、障がい者サービスの充実等による扶助費の増加や、既に着手いたしております亀山駅周辺整備事業や野村布気線整備事業のほか、今後予定されております認定子ども園整備事業等の大規模事業費の増加を見込んでおります。このことから、平成37年度末の財政調整基金残高は、約30億円減少した約10億円となると見込んだところでありますが、一方で、リニア中央新幹線亀山駅の整備や新庁舎の建設を見据えた各基金の積み立てを継続することとしていることから、平成37年度末で、リニア中央新幹線亀山駅整備基金、庁舎建設基金それぞれ約20億円の基金残高となると見込んでおります。
 このような状況の中、第2次総合計画を着実に推進するため、徹底した行財政改革の実践に取り組むこととし、事業の優先順位を踏まえた中で予算計上を行うとともに、財源確保の観点から基金や合併特例債等の特定財源の活用を行い持続可能な行財政運営の確立を目指し新年度の予算編成を行ったところであります。

 なお、新年度の各会計別の予算額は、一般会計予算が前年度比1.1%増となる213億100万円といたしました。また、国民健康保険事業特別会計は45億330万円、後期高齢者医療事業特別会計は10億900万円、農業集落排水事業特別会計は4億8,550万円、水道事業会計は17億9,950万円、工業用水道事業会計は8,580万円、公共下水道事業会計は22億4,850万円、病院事業会計は20億2,550万円で、一般会計、特別会計、企業会計を合わせまして、前年度比2.1%減の334億5,810万円の当初予算額といたしております。

 それでは、市政の各部門にわたり、第2次亀山市総合計画の基本施策の体系に沿ってご説明申し上げます。

快適さを支える生活基盤の向上

 まず、「快適さを支える生活基盤の向上」についてでございますが、都市づくりの推進のうち、基本構想における都市空間形成方針の具現化に向けた亀山市都市マスタープランの見直しにつきましては、本年度の庁内検討や市民協議会での議論を踏まえ、新年度において素案を作成し、都市計画審議会へ諮ってまいります。新たに策定する計画につきましては、本市の特徴ある地形や現状の都市空間の利用状況から、住みやすさの向上に重点をおいた土地利用の促進等、都市づくりの指針となるよう策定を進めてまいります。
 また、地籍調査事業につきましては、新たに中町3及び本町1地区において現地確認調査を実施し、計画的に市内の地籍の明確化を図ってまいります。
 一方、亀山駅周辺整備事業につきましては、中心市街地における拠点性向上と亀山駅周辺の再生に資する賑わいづくりを目指し、引き続き、市街地再開発組合設立認可への支援を行ってまいります。また、来月には、都市計画決定を行う見込みであることから、駅前広場や街路等の詳細設計を進めるとともに、学びと交流の場となる新しい図書館を含めた基本設計や事業計画等の作成を進めてまいります。

 次に、住環境の向上につきましては、これまで、県外からの移住者を対象として、空家リフォームに対する助成を行ってまいりましたが、さらなる空家の活用による移住促進を図るため、県内からの移住者へも対象範囲を拡大するとともに、住宅金融支援機構による借入金の金利優遇制度についても支援機構との連携を図ることで、空家活用事業の制度拡充に努めてまいります。

 次いで、上下水道の充実のうち、上水道事業につきましては、より充実した水道サービスを提供するため、亀山市新水道ビジョンに基づき、老朽管路や施設の更新・耐震化に取り組んでまいります。新年度におきましては、川崎北部地域の水量・水圧低下の解消を図るため、川崎加圧ポンプ施設の整備工事に着手いたします。さらに、改定した水道料金により持続可能な事業運営に努めてまいります。
 一方、公共下水道事業につきましては、公共下水道事業整備計画に基づき能褒野町、川崎町、川合町、住山町、阿野田町、天神2丁目、天神4丁目等で管渠布設工事及び舗装復旧工事を行ってまいります。
 また、新年度から、平成28年度末に認可された区域の第7負担区の整備工事に着手し、平成31年3月末に一部供用開始する予定であることから、同負担区における受益者負担金を決定するため、本議会に関係条例の一部改正を提案いたしております。
 更に、農業集落排水事業では、施設の長寿命化対策や適切な維持管理のため、最適整備構想策定事業として市内13施設の機能診断調査に着手してまいります。
 また、水道料金と下水道料金につきましては、利用者の利便性向上を図るため、クレジットカードによる納付サービスの導入について、本議会に関係条例の一部改正を提案いたしております。

 次に、道路の保全・整備のうち、和賀白川線整備事業につきましては、用地測量を再開するとともに、国道1号亀山バイパスから北側200m間の用地買収と関連する市道亀山市斎場線の整備工事に着手し、亀山環状線の早期完成を目指してまいります。
 また、野村布気線整備事業では、引き続き、長田池の池部工事等を進め、新年度においての供用開始を目指してまいります。
 一方、道路施設の適切な管理を行うため、社会資本整備総合交付金を活用しながら、老朽化の進む路線の舗装改修工事を進めるとともに、橋梁耐震化補強事業計画及び長寿命化修繕計画に基づき、橋梁の耐震化、長寿命化に取り組んでまいります。

 次いで、公共交通網の充実につきましては、亀山市地域公共交通計画に基づき、本市に係る全ての地域公共交通が一体となって機能する、持続可能な公共交通ネットワークの形成を図ってまいります。新年度におきましては、人口減少や超高齢社会の進展を見据え、コミュニティ系バス路線の再編に留まらず、新たな交通手段として、乗合タクシーの導入により、公共交通の効率化と充実を図り、地域の交通手段の確保に努めてまいります。

 次に、安心・安全なまちづくりの推進のうち、地震対策・木造住宅補強事業につきましては、発生が危惧される南海トラフ地震等の被害を最小限に食い止めるため、引き続き、木造住宅の耐震化や啓発等を行い、災害に強いまちづくりを推進してまいります。
 また、流下能力が低く、冠水等により営農に支障をきたしております出屋排水路につきましては、本年度中に用地買収が完了する見込みでありますことから、新年度から整備工事に着手し、周辺農地と下庄駅構内の冠水解消に努めてまいります。
 更に、防災重点ため池が破堤した場合の影響範囲を地図化する、ため池ハザードマップ作成事業では、本年度、先行して3箇所の作成を進めてまいりました。新年度におきましても、引き続き、残る10箇所の防災重点ため池について作成を行い、情報提供に努めてまいります。
 一方、消防力の充実強化につきましては、災害等の緊急時に的確に対応できるよう、救助に関する知識・技術を修得した職員が連携して活動を行える救助体制を構築し、災害対応力の向上を図ってまいります。
 また、救命率の向上を図るため、誰もが適切な応急手当が行えるよう、小学生を対象とした救急講習を行う「亀山市ジュニア救命士育成事業」を展開してまいります。
 更に、消防団の充実強化では、車両の更新をはじめ、装備資機材の充実強化を図るとともに、組織の再編や施設の見直しについて、具体的な検討を進めてまいります。

 次いで、低炭素・循環型社会の構築につきましては、環境負荷の少ない社会づくりに向けて、市民の省エネ行動・省資源活動の推進を図るため、新たな「環境活動ポイント制度」を実施してまいります。この制度を展開することにより、市域全体の省エネ行動率を向上させ、二酸化炭素排出量の削減に取り組んでまいります。
 また、廃棄物処理施設の適正管理を図るため、引き続き、ごみ溶融処理施設大規模整備事業として、耐用年数を迎える老朽化した設備機器の更新を計画的に行うとともに、ごみ溶融処理施設及び衛生公苑の管理委託につきましては、複数年契約を締結し、経費節減と安定的な維持管理に努めてまいります。 
 なお、刈り草コンポスト化センターの運営につきましては、関衛生センターし尿処理施設の解体跡地を一体的に利用することとしておりますが、同センターの民間事業者への運営移譲の諸手続きに時間を要することから、移譲時期を1年延期させ、平成31年4月の運営開始に向け準備を進めてまいります。

 次に、自然との共生につきましては、本市の有する豊かな自然資源を保全し、次世代へ引き継いでいくため、鈴鹿川等の源流域である誇りと責任を明らかにする条例の制定に取り組むとともに、源流域の保全・活用を図るため、産学民官による組織づくりに取り組んでまいります。
 また、森林の持つ水源かん養や土砂災害防止等の公益的機能を持続的に維持・発揮するため、森林環境創造事業やみえ森と緑の県民税市町交付金事業を活用し、荒廃した環境林を間伐により整備してまいります。
 一方、農地の保全につきましては、農業・農村が有する多面的機能の維持・発揮と耕作放棄地の発生防止に資するため、農地や農道、水路等の地域資源を保全する農家や地域の活動への支援を行ってまいります。
 また、持続的な農村景観と田園環境の保全を図るため、田園環境保全事業として、一団の農地に景観作物を作付けする農家や営農組織等の取り組みを支援してまいります。
 更に、里山公園みちくさにつきましては、引き続き、身近な自然にふれあい、自然が果たす役割を学ぶ「里山塾」を管理運営協議会との協働により実施し、市民の自然とのふれあいの機会を提供するとともに、民間活力の推進にもつなげてまいります。

 次いで、歴史的風致を生かしたまちづくりの推進では、「関の山車」の保存・展示と祭囃子等の伝承活動の拠点となる「関の山車」会館の平成31年度の開館を目指し、施設の整備工事及び展示製作等を着実に進めてまいります。

 次に、歴史文化の継承・活用のうち、国史跡指定を目指す鈴鹿関跡につきましては、本年度設置いたしました亀山市鈴鹿関跡学術調査専門委員会から指導・助言をいただきながら、学術的な調査研究を進めてまいります。
 また、歴史博物館におきましては、春の企画展において、「亀山高校郷土クラブ」に関する展示、秋には、明治150年を記念して、ペリーが来航した幕末から明治の廃藩置県の時期に関わる亀山の歴史を取り上げてまいります。さらに、学校での学習の展開といたしましては、新しく追加した学習テーマごとに資料をパッケージ化した貸出ユニットの活用促進と市内小中学校での移動展示を行い、子どもたちが地元の歴史や文化を学ぶ機会づくりを進めてまいります。

健康で生きがいを持てる暮らしの充実

 続きまして、「健康で生きがいを持てる暮らしの充実」について、ご説明申し上げます。
 まず、地域福祉力の向上につきましては、きめ細やかな地域福祉活動の展開を図るため、亀山市社会福祉協議会にコミュニティソーシャルワーカー(CSW)を配置し、地域の福祉課題を地域住民の助け合い、支え合いによって解決できる仕組みづくりの促進に努めてまいります。
 また、貧困が社会問題となっている中、貧困の連鎖の防止に向け、本市の子育て世代の現状を把握し、取り組むべき課題や施策の方向性等を分析するため、子どもの貧困に関する実態調査を実施してまいります。

 次に、健康づくり・地域医療の充実のうち、がん検診の推進につきましては、胃がん・肺がん等6種のがん検診の受診率向上に努めるとともに、新年度におきましては、新たに、市内中学校の生徒を対象に、亀山医師会、鈴鹿亀山薬剤師会と連携しながら、学校検診での尿検査の機会に併せて、ピロリ菌の検査を行ってまいります。
 また、国民健康保険の特定健診の受診者のうち、生活習慣病の発症リスクがある方には特定保健指導を行い、生活習慣病の予防につながる生活習慣の改善を促してまいります。一方で、特定保健指導に参加されない方については、電話勧奨を行うなどの工夫をしながら、特定保健指導への参加促進に努めてまいります。
 一方、医療センターにつきましては、訪問看護ステーションを開設するとともに、地域包括ケア病床を増床させるなど、地域包括ケアシステムの充実に努めてまいります。なお、地域包括ケア病床の個室につきましては、入院期間が長期間になることが予想されることから、患者等の負担軽減を図るため、病室使用料の改定を行うべく、本議会に関係条例の一部改正を提案いたしております。
 また、本市ならではの在宅医療連携システムである「かめやまホームケアネット」につきましては、新年度から利用者の病歴や家族等の情報を医師や看護師、ケアマネージャー等が共有し活用するため、地域医療連携システムを稼動させることで、在宅医療の充実を図ってまいります。
 更に、医療センターの健全経営を図るため「亀山市病院事業基金」について、本議会に関係条例の制定と関係経費の予算補正を提案いたしております。
 一方、国民健康保険事業につきましては、新年度から県がその財政運営の責任主体となります。これにより、県に一元化されることとなりますが、県との連携を十分に図ってまいりますとともに、これまでと変わらない被保険者へのきめ細やかな対応に努めてまいります。また、国民健康保険税率の改正に向けた検討を進めるなど、新制度のもと国民健康保険事業の運営を適切に実施してまいります。

 次に、高齢者の地域生活支援の充実につきましては、本年度策定いたします亀山市高齢者福祉計画に基づき、高齢者の多様な生活スタイルを適切に支える仕組みを強化することにより、地域包括ケアシステムを深化させ、「地域共生社会」の実現を目指してまいります。
 このような中、市と亀山市社会福祉協議会の共通の方向性として、多様で複合的な悩みや困りごとに「丸ごと」対応できる相談体制の確立を目指すこととし、地域の中核的な機関である社会福祉協議会において、一貫した相談体制を構築していくこととしております。
 このことから、高齢者の相談窓口を、社会福祉協議会に一元化するため、鈴鹿亀山地区広域連合から受託している地域包括支援センターの運営については、新年度から社会福祉協議会において実施することとしております。今後につきましても、社会福祉協議会との連携を強化するとともに、必要な支援を行ってまいります。
 また、高齢者タクシー料金助成事業では、平成30年10月から開始する新たな地域公共交通サービス「乗合タクシー制度」の運用状況を検証しながら、当該制度への移行の周知に努めてまいります。
 更に、徘徊高齢者の見守り支援につきましては、認知症等で行方不明となった高齢者の早期発見・保護のために、QRコードを活用した見守りシールを交付するなど、対策の強化に努めてまいります。

 次いで、障がい者の自立と社会参加の促進につきましては、障がいのある人の自立と社会参加への支援を総合的かつ計画的に推進していくため、本年度策定いたします第2次亀山市障がい者福祉計画に基づき、障がい者が生涯にわたり自分らしく活動ができ、共感と共生ができるまちづくりを進めてまいります。
 このような中、障がい者の自立支援につきましては、障がい者の状況や相談内容に応じた情報提供や助言、福祉サービスを利用するための支援など障害者総合相談支援センター事業の実施により、障がいのある人が自立して生活できるよう相談支援体制の充実を図ってまいります。
 更に、自立支援のための環境整備につきましては、地域の社会資源を生かし、相談、緊急時の受入と対応、体験機会や場所、専門的人材の確保や養成、地域の体制づくりの5つの機能を備えた「面的整備型」の地域生活支援拠点の整備について、鈴鹿市と協議を進めてまいります。

 次に、文化芸術の振興と文化交流の促進のうち、文化芸術の振興につきましては、本年度開催いたしました「かめやま文化年2017」の検証を行うとともに、本年度策定いたします文化振興ビジョンに掲げる亀山市文化振興条例(仮称)の制定に向けた検討に取り組んでまいります。
 また、今月、中央コミュニティセンターにおいて開催いたしました名誉市民の中村晋也氏、文化大使の上田秀洋氏の特別展は、郷土が生んだ芸術家の質の高い作品に触れていただける貴重な機会となったものと考えております。今後もこうした事業を含め、長期的な芸術・文化の振興を図れるよう財源の一部とするべく、「文化振興基金」新設のため関係条例の一部改正について、本議会に提案いたしております。
 一方、文化の拠点施設である文化会館の利用環境の向上を図るため、老朽化した大ホールの空調設備の大規模改修を行うことで、市民の施設利用を促進してまいります。

 次いで、スポーツの推進につきましては、平成33年度の第76回国民体育大会(三重とこわか国体)の開催に向け、実行委員会の設立等の準備に着手してまいります。こうした大規模大会の開催を契機として、スポーツ文化の浸透を図ってまいります。
 また、西野公園体育館の空調設備工事が完了いたしましたことから、新たに空調設備の利用料金を定めるため、関係条例の一部改正について、本議会に提案いたしております。

交通拠点性を生かした都市活力の向上

 続きまして、「交通拠点性を生かした都市活力の向上」について、ご説明申し上げます。
 まず、企業活動の促進・働く場の充実につきましては、安定した雇用や地域経済を活性化するため、本年度、制度拡充を図りました産業振興奨励制度を活用することにより、企業立地に向けた積極的な誘致活動を展開してまいります。
 また、新たな産業団地への企業立地を促進するため、開発事業者と連携を図りながら、全国的な企業立地フェアや産業展等に出展し、亀山・関テクノヒルズ並びに本市のPRを幅広く行ってまいります。
 一方、企業活動の促進に伴う雇用の創出につきましては、雇用対策協議会、ハローワーク、亀山商工会議所等の関係機関と連携した雇用の促進、就労者の働きやすい環境づくりに向けた取り組みや、市内企業を対象とした合同就職面接会の開催等の支援を行ってまいります。

 次に、地域に根ざした商工業の活性化につきましては、市内商業団体や亀山商工会議所と連携し、市内事業者が地域に根ざした活動が行えるよう、引き続き、「まちゼミ」、「大市」、「100円商店街」等の取り組みへの支援を行ってまいります。
 また、多様な主体による取り組みとして、市内の小学生を対象とした職業体験イベント「カメジョブキッズ」開催への支援を行い、地元の仕事に関心を持つ機会とすることで、長期的視野を持った商工業の活性化につなげてまいります。
 更に、空き店舗活用促進のための新制度導入や、創業支援制度の充実に向けた検討を行い、賑わいのある商業地域の形成を進めてまいります。
 一方、市内特産品の周知を図るため、本年度、大阪府泉佐野市と青森県五所川原市において開催されました特産品フェアに参加し、市内特産品や市のPRを行ってまいりました。新年度におきましては、来る4月30日に亀山サンシャインパークにおいて、本市と交流のある7自治体を招き「亀山市交流自治体特産品フェア」を開催し、交流自治体と本市の特産品や観光資源等の情報発信を行ってまいります。

 次いで、農林業の振興のうち、農業経営につきましては、農業生産力・経営力の向上を図るため、三重県、JA等の関係機関と連携し、継続して認定農業者等への農地の利用集積を推進するとともに、担い手農家や営農組織、新規就農者等の取り組みを支援してまいります。
 また、主食用米の生産調整につきましては、国が、平成30年産米から生産数量目標の配分を行わないとしていることから、地域農業の振興を目的とした亀山市農業再生協議会から生産量の目安を情報提供することで、需要に応じた生産に取り組めるよう進めてまいります。
 更に、農作業の効率化と農業用施設の維持保全を図るため、地域の実情にあった農業基盤の整備を進めてまいります。
 また、農家にとって深刻な問題となっております獣害対策につきましては、引き続き、関係機関と連携し、有害鳥獣捕獲活動等の支援に努めてまいります。さらに、有害獣被害防止対策事業補助金につきましては、一定規模以上の防護柵設置に対する奨励加算金制度を新設し、支援を行ってまいります。
 一方、林業の振興につきましては、市町村が主体となって実施する森林整備等に必要な財源に充てるための森林環境税及び森林環境譲与税(仮称)の創設が、去る12月に閣議決定されましたことから、今後の国の動向を注視するとともに、引き続き、林業事業体による施業の集約化や利用間伐、路網整備など林業生産活動を支援してまいります。

 次に、まちづくり観光の推進につきましては、一般社団法人亀山市観光協会の運営支援を行うとともに、組織力の強化に向けて、事務所移転や組織体制について、亀山市観光協会と協議を行ってまいります。
 また、新たな観光資源の創出につきましては、鈴鹿山系の素晴らしさを広く理解していただき、貴重な観光資源として次世代へ継承するため、鈴鹿山系の代表的な山々を結ぶトレイルルートの開発や利用者への情報発信、啓発・育成等を、鈴鹿高校山岳スキー部をはじめとする市民団体と協働して取り組んでまいります。

 次いで、広域的な交通拠点性の強化のうち、高速交通促進事業につきましては、引き続き、リニア中央新幹線の整備促進に向け、リニア中央新幹線・JR複線電化推進亀山市民会議を通じた取り組みや、三重県や沿線自治体等の関係機関との連携を図りながら、市内停車駅誘致に向けて取り組んでまいります。
 また、リニア品川・大阪間の全線開業を最大8年間前倒しする方針が示され、リニア実現に向けた動きが新たなステージへと進んでおりますことから、来るべき時期に備え、リニア中央新幹線亀山駅整備基金を着実に積み立ててまいります。

子育てと子どもの成長を支える環境の充実

 続きまして、「子育てと子どもの成長を支える環境の充実」について、ご説明申し上げます。
 まず、子どもたちの豊かな学びと成長につきましては、新年度からの組織機構再編に伴い、幼稚園に関する事務の一部を市長部局において補助執行することとしており、施設の利用等に関する事務や幼稚園の管理運営などを行ってまいります。これにより、就学前の教育・保育に関する窓口等を一元化することで、市民の利便性が高まるものと考えており、引き続き、教育委員会と連携しながら、就学前の子どもの教育・保育施策の充実を図ってまいります。
 また、学習生活環境の整備を図るため、全ての幼稚園における保育室等への空調機設置に向け、設計業務に着手してまいります。

 次に、安心して妊娠・出産・子育てができる環境を充実させるため、母子の相談支援を担う母子保健コーディネーターを配置した子育て世代包括支援センターを新設いたします。さらに、産婦健康診査や新生児聴覚スクリーニング検査費用の助成等を始めるなど、新たに子育て世代包括支援事業として拡充し、妊娠期から子育て期まで切れ目のない支援を行ってまいります。
 また、子ども医療費助成につきましては、さらなる子育て支援の充実を図るため、平成30年9月からの市内医療機関における未就学児を対象とした医療費の窓口無料化の実施に向け、本議会に関係条例の一部改正を提案いたしております。
 更に、子育てが孤立しない環境づくりにつきましては、本年度、小規模児童養護施設及び児童短期入所の運営事業者の決定をしたところであり、新年度におきましては、早期の開設に向け、運営事業者とともに準備を進めてまいります。子どもに関する相談につきましては、三重県立こども心身発達医療センターの市町療育支援事業を活用した専門スタッフの派遣等により、療育に対する質の向上や内容の充実に努め、子育てに関する不安解消に努めてまいります。
 一方、待機児童対策につきましては、本年度開設されました小規模保育事業所「かめ愛こどもの家」が定員を増員いたしますことから、待機児童の解消につながるものと期待するところであります。
 また、放課後児童クラブにつきましては、昼生小学校区における施設が老朽化していることから、新たな施設整備を行うとともに、引き続き、市内の放課後児童クラブを運営する地域組織等に支援を行い、子どもたちの居場所の充実に取り組んでまいります。
 更に、長期休暇子どもの居場所事業につきましては、引き続き、長期休暇中における子どもの居場所を確保し、保護者が安心して就労等ができる環境を整備してまいります。

市民力・地域力の活性化

 続きまして、「市民力・地域力の活性化」について、ご説明申し上げます。
 まず、自立した地域まちづくり活動の促進につきましては、新年度において、市内全ての地域まちづくり協議会の地域まちづくり計画の策定が予定されておりますことから、引き続き、地域担当職員及び地域まちづくり推進アドバイザーを派遣し、計画に基づく活動を支援するとともに、地域予算制度による財政的な支援を行い、地域が主体となったまちづくり活動を促進してまいります。
 また、地域活動の担い手の発掘・育成を目的とするまちづくり研修や、新たに、地域まちづくり協議会の取り組みの発表等を行う交流会を開催することで、組織強化や活性化を図ってまいります。

 次に、市民参画・協働の推進と多様な交流活動の促進のうち、市民活動応援制度の内容や応援券の使い方等について、市民へ周知を行い、活用を促進することによって市民活動団体の活性化を図ってまいります。また、協働事業提案制度では、市民への制度に対する周知を行うとともに、職員への協働に関する研修等を行い、多様な主体との協働によるまちづくりを進めてまいります。
 また、若者交流の推進につきましては、若者世代の積極的なまちづくりへの参画を促進するとともに、地域の活性化を図るため、かめやま若者未来会議を交流基盤として活動を行ってまいります。新年度におきましては、まちづくり先進地への視察交流等を通じて学びを深めるとともに、メンバー主催によるイベント等の開催や政策アイデアの発表に向けた検討を進めてまいります。
 一方、移住交流の促進につきましては、本市での暮らしの魅力を発信し、本市への移住・定住を促進するため、都市部での移住フェアや県と連携した移住相談会等の活動を行ってまいります。また、より本市での暮らしを実感していただくため、移住体験ツアーを開催するなど、交流人口の増加を図ることにより、本市が移住定住先として選ばれるまちとなるよう取り組んでまいります。

 次いで、共生社会の推進のうち、人権の尊重につきましては、市民一人ひとりの人権に関する認識を高め、人権の視点を広げられるよう、人権週間に開催されます「ヒューマンフェスタin亀山」等を通じて、啓発活動を行ってまいります。
 また、新年度におきましても「亀山市ワーク・ライフ・バランス推進週間」を設け、講演会等を開催し、個人や市内事業所等に対して啓発活動を行うとともに、働き方改革に向けた取り組みを行ってまいります。
 一方、多文化共生の推進につきましては、「かめやまニュース」や「ぽけっとメール」による情報提供や日本語教室を充実させることにより、外国人住民の生活利便性の向上に努めてまいります。

行政経営

 続きまして、「行政経営」について、ご説明申し上げます。
 まず、財産・情報の適正な管理・活用のうち、現在、庁内事務等に使用しております職員用パソコンにつきましては、導入から8年が経過し機器が老朽化していることから、亀山市ICT利活用計画に基づき更新を行い、事務の効率化・迅速化を図ってまいります。
 また、公の施設の適切な管理・運営のため導入しております指定管理者制度につきましては、新年度において多くの施設が指定管理期間の終了を迎えますことから、これまでの実績等を検証のうえ、次期指定管理者の選定に向けた準備を進めてまいります。
 一方、新庁舎の整備につきましては、機能や規模等に関する基本的な考え方を明らかにする基本構想を策定してまいります。

 次に、持続性を保つ健全な財政運営うち、公平・公正な賦課につきましては、新年度が固定資産税の評価替えの基準年度であることから、都市計画区域内のその他宅地評価適用区域におきまして、準路線価評価を導入し、課税標準の評価の見直しを実施してまいります。
 また、滞納市税の徴収体制の強化といたしましては、引き続き、三重地方税管理回収機構に職員を派遣し、市税の徴収強化に努めてまいります。
 更に、ふるさと納税につきましては、本年度、制度本来の趣旨に沿いつつ、寄附者のご厚意に対してより一層感謝の意を伝えるための制度へと見直しを行ったところであります。新年度におきましては、多様な主体と連携しながら、寄附者の想いに応えることができるよう、本市らしい取り組みを進めてまいります。

 一方、第1次総合計画策定時から実施しております行政評価につきましては、第2次総合計画の策定に伴い、評価システムの検証と見直しを行ったところであります。新年度からは、新たな評価システムの運用を通じ、行政の透明性の確保と市民への説明責任を果たすとともに、前期基本計画に掲げる施策の効率的・効果的な推進を図ってまいります。

 なお、学校教育、生涯学習等、教育分野の詳細につきましては、後ほど教育委員会当局からご説明申し上げます。

 最後に、昨年11月16日から2月10日までの一般会計及び各特別会計に係る3千万円以上1億5千万円未満の工事請負契約並びに、同期間における負担付きでない100万円以上の寄附受納の状況は、別紙のとおりでございましたのでご高覧賜りたいと存じます。

 以上簡単ではございますが、施政及び予算編成方針について、ご報告申し上げました。私は、議員各位並びに市民の皆様のご鞭撻を得つつ、市政に全力を尽くす覚悟でございますので、皆様の深いご理解と一層のご支援を心よりお願い申し上げます。

 

 

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