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平成21年3月亀山市議会定例会施政方針

公開日 2014年11月23日

更新日 2018年12月12日

 平成21年亀山市議会3月定例会の開会に当たり、施政及び予算編成方針の説明に先立ち、一言ごあいさつを申し上げます。

 私は、このたびの市長選挙により、市民の皆様の新たな負託を受け、今後4年間市政を担わせていただくことになりました。市政を取り巻く環境は、現下の経済・雇用情勢など大きな変化の中にあり、まさに地方自治の真価が問われています。このような重大な時期に、市政の舵取りを担わせていただくこととなり、その公の責務を痛感いたしますとともに、市政の進展と市民の暮らしの質の向上に向け、全力を傾注してまいる所存であります。議員並びに市民の皆様の深いご理解とご協力をお願い申し上げます。

 今日、私たちが愛する亀山市は、新市の誕生から4年、昨年には人口が5万人を超え、クリスタルバレー構想による産業の集積や新名神高速道路の開通など、躍進を続けてまいりました。その先頭に立たれた田中前市長におかれましては、液晶関連企業群の誘致、旧亀山市と旧関町との合併、総合環境センターや総合保健福祉センターを拠点とした環境や福祉施策の充実、強固な財政基盤の確立など、数多くのご功績を残されました。15年にわたる本市発展への多大なご尽力に対し、衷心より敬意を表するとともに感謝申し上げます。

 さて、中央集権から地方分権への流れが加速する中、自らの地域は自らの責任と創意工夫で創ることが一層求められています。昨年来のアメリカ発の世界的な経済不況が、市政運営や市民生活に影響を及ぼすことは避けられません。私は、既に亀山市は大きな転換期に差しかかっていると考えています。ゆえに、これらの環境変化に対応した、分権時代にふさわしい自治体経営や持続可能なまちづくりへと進化させなければなりません。そして、真の暮らしの豊かさを実現し、先人から受け継いだ素晴らしい地域の資源や絆に磨きをかけ、子や孫の世代へ継承したいと切に願っています。

 まずは、私が市政に臨む基本理念を申し上げます。

 1つには、「市民に開かれた市政」の実現です。そのために、市長はもちろん市役所の透明性を高めます。政策形成や意思形成の過程をオープンにします。また、情報の公開と共有により、信頼の上に成り立つ、成熟した自治を目指します。

 2つには、「政策の優先度」の転換です。全国一律や横並びの政策では、市民も地域も輝きません。同時に、命や健康、環境、文化の視点を重視した「暮らしの質」を高めるための政策を優先します。それには、亀山独自の政策を立案する力を持たなければなりません。

 3つには、「協働する力」です。人と人のつながりが薄れつつある昨今、世代や職業などが異なる市民、ボランティアや市民活動団体、企業や自治会、コミュニティなどの協働・参画により、地域を創り上げていくパートナーシップこそ新生亀山の原動力です。

 この3つの理念の具現化のため、私のマニフェスト『新生・亀山モデル〜7つのカタチ〜』において、この4年間で取り組む7つの分野・68の基本施策と、中長期的に取り組む3つの戦略プロジェクトを掲げています。この実現には、現在の総合計画との整合性を精査しつつ、長期的な視野に立った財政構造を見極めた上で、徹底した行財政改革と創意工夫の財源調達が必要であると考えます。また、あれもこれもからあれかこれかの「選択と集中」を基本姿勢として進めていきます。

 さて、市政における重点的に取り組む分野について申し述べます。

 まず、市庁舎建設計画です。現在まで、平成26年度目標の市庁舎の移転・建設計画が検討されてきました。私は、昨今の経済情勢を考慮することはもちろん、それ以上に優先するべき政策課題があると考えます。従いまして、中長期的な財政見通しや都市計画の視点も含め、移転・建設を一時凍結いたしたいと考えます。

 次に、安心のための政策です。まずは、地域医療全体の政策推進のため、市に地域医療の専門チームを新設します。また、医療センターについては、経営体質の改善と特色化などにより最優先で再生します。なお、本年3月末までに公立病院改革プランを取りまとめます。一方、子育て支援の観点から、現在就学前までの乳幼児医療費助成を拡充し、中学校卒業までの医療費無料化に取り組みます。

 次いで、持続可能なまちであり続けるために大切な環境と文化政策については、全国でも先駆的な取組みを進めたいと考えます。環境面では、カーボンオフセットによる森林・里山整備、全国最先端レベルの地下水源保全条例の制定などに取り組みます。文化面では、宿場・城下町計画プロジェクト、市内に残る歴史遺産の保存、国際交流にも具体策を持って臨みます。

 次に、生きる力や真の学力を育み、多様な子どもを地域で育てることができる教育・子育てのまちを目指します。現在の子ども総合支援室の相談支援機能の拡充のため、センター化を検討します。さらに、よりきめの細かい教育実践に向けて、教員・講師などの増員配置により、少人数学級を段階的に推進していくための市単独での予算化に努めます。また、市内11の小学校区に放課後子ども対策の拠点を整備します。

 次いで、経済・雇用情勢の減速に対しては、このような時こそ、何事にも挑戦する意欲を持った人材を育てることが必要であると考えます。このため、起業しようとする若者や女性などへの支援、団塊世代の皆さんの知識や経験を活かす専門員制度の創設などを通して、市内での雇用の場を広げていきます。

 次に、市民と地域、行政が協働するまちを目指します。市民と行政が協働する事業や、市民や地域の皆様が主体となる事業が相俟って、まちの輝きは増します。このため、市民の皆様が自ら行動を起こし、それぞれの地域の判断と責任で課題解決を図る制度を創設するとともに、市民活動やボランティア活動などを後押しするための新たな仕組みを構築していきます。

 以上、市政運営に当たりまして、私の所信を申し述べました。誰もが愛着と誇りを持って暮らし続けることができる「小さくともキラリと輝くまち・新生亀山」の実現に向け、最善の努力を重ねる決意であります。議員並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

 なお、市長選挙の執行により、新年度予算につきましては、義務的経費、経常的経費並びに政策的経費のうち継続性を確保しなければならない事業を中心とした骨格型予算として編成し、提案いたしております。

 また、国の第2次補正予算等により、総合的な経済対策が講じられているところであります。本市におきましても、新たな主要事業と経済対策を盛り込んだ補正予算案を6月議会にご提案申し上げる予定であります。

 続きまして、市政の各部門にわたり、第1次亀山市総合計画の基本施策の体系に沿って、骨格型予算の各施策と市政の現況をご報告申し上げます。

1.美しい都市環境の創造と産業の振興

 はじめに、「美しい都市環境の創造と産業の振興」のうち、産業の振興でございますが、本市では、液晶関連産業の集積や既存企業の活発な生産活動により、地域経済に大きな効果がもたらされていました。しかし、世界的な経済不況により、市内事業所にもその影響が出始め、雇用情勢は昨年秋より急速に悪化し、非正規労働者を中心に職と住居を失う労働者が増加し、更なる悪化が懸念されます。

 市といたしましては、今後も市内雇用情勢の把握に努めるとともに、増加する外国人からの相談に対応するため通訳を増員するなど「働くひとの相談窓口」を充実し相談に応じていきます。また、国の制度を活用した緊急雇用対策事業に取り組むなど、関係部署が緊密な連携を取りながら対処していきます。

 次に、観光の振興でございますが、市全体の総合的、計画的な観光振興を推進するための指針として、「まちづくり観光」の考え方を基本とした亀山市観光振興ビジョンの策定がまもなく完了するところです。

 また、関宿・周辺地域にぎわいづくり推進事業につきましては、本年1月に歴史まちづくり法に基づき初の認定を受け、採択されました歴史的環境形成総合支援事業を活用して足湯施設の整備を進め、本年、夏頃の完成、秋の供用開始を目指しています。

 次いで、都市づくりの推進でございますが、計画的な都市づくりを進めるための指針として平成20年度末を目指して都市マスタープランの策定を進めてきました。今後、市民の皆様のご意見を拝聴しながら、都市機能の集約化と多様なネットワークで形成する都市づくりを基本に、私の公約に掲げる「新生・亀山市の顔づくり」などの要素を盛り込んだ基本構想をまとめていきます。さらに、地域毎に、基本構想を説明するとともに、まちづくりに対する考え方をお聴きする場を設け、その内容を反映させ、地域のまちづくりの指針となる地域別構想をまとめていきます。

 また、JR亀山駅周辺のまちづくりにつきましては、亀山駅前周辺まちづくり研究会の皆様のご意見をお聴きしながら、「小さくとも個性ある新生・亀山市の玄関」の実現に向けて多様な事業手法の活用を検討していきます。

 次に、景観づくりの推進につきましては、引き続き景観計画の策定に取り組むとともに、建築・開発・土地利用等における「景観規制ガイドライン」の制度化を検討していきます。中でも、東海道沿線地域は、歴史まちづくり法に基づく歴史的風致維持向上計画の重点地区と位置付けており、景観計画においても、東海道沿線地域を積極的に景観を保全する地域とするための施策を検討していきます。

 次いで、転入者の長期的な定住や市街地のにぎわいづくり、住宅困窮者への住宅確保などの課題に対する住まいづくりの指針として、本年度末までに住生活基本計画を策定いたします。

 次に、公園緑地の整備でございますが、公園を市民に身近な憩いや交流の場として活用していくため、維持管理を担っていただける団体を環境美化ボランティア団体として支援するとともに、その仕組みを改めて見直し、条例制定に向けて検討していきます。

 次いで、水道事業でございますが、坂本加圧ポンプ場の完成に伴い、本年4月より坂本地区へ供用開始します。また、本年7月1日より北中勢水道用水供給事業からシャープ株式会社亀山工場に向けて供給を開始いたします。

 次に、第4次拡張事業では、認可されています第4水源取水井整備工事を行い、当地域への水需要の増加に対応していきます。さらに地震などの自然災害に対して基幹施設の耐震調査を行うとともに、これまで実施している漏水多発地域の配水管改良など水の安定供給に向けた基盤整備を進めていきます。

 次いで、農業集落排水事業では、南部地区においては、本年3月31日に供用開始を予定しています。また、昼生地区においては、昨年10月に補助事業として事業実施採択申請を行い、本年4月には事業実施地区として採択される見込みです。

 次に、庁舎建設計画につきましては、まず、計画策定などにかかる委託料が債務負担されているため、当初予算に計上していますが、一時凍結に向けて早急に事業の整理を行います。また、基金につきましては、将来の建設に向け、本市の中長期的な財政状況を見極めながら、積立額を再検討していきます。

 次いで、斎場建設事業につきましては、式場を備え、環境に配慮した斎場を整備してきましたが、本年3月10日に竣工し、25日には供用を開始する運びとなりました。

2.市民参画・協働と地域づくりの推進

 続きまして、「市民参画・協働と地域づくりの推進」のうち、(仮称)亀山市まちづくり基本条例の策定につきましては、亀山市まちづくりの基本を定める条例を考える会から提出された「基本的な考え方」に対して、法律の専門家により法的見地からの精査を行っています。

 次に、市民参画と協働によるまちづくりにつきましては、市民及び行政からの提案を事業化する「協働事業提案制度」により実施が望ましいとされた6事業を新年度に取り組んでいきます。

 次いで、市民協働センターの利用者につきましては、昨年12月末現在で、既に平成19年度の1年間の利用者数である約1万9千7百人とほぼ同数となるなど、多くの市民や団体の方々にご利用いただいています。

 次に、外国人住民の生活の利便性を高めるため、ポルトガル語と英語による暮らしのガイドブックを本年度内に作成します。また、外国人住民の生活に有益な情報を提供するため、昨年9月からポルトガル語の広報を発行しており、更に新年度は、英語版を発行します。

3.健康で自然の恵み豊かな環境の創造

 続きまして、「健康で自然の恵み豊かな環境の創造」のうち、レジ袋の削減・マイバッグの推進につきましては、昨年の9月に有料化が開始され、本年1月のレジ袋辞退率は、鈴鹿市と亀山市を合わせて88.5%となっており、身近にできる環境保全の取組みのひとつとして定着してきています。

 次に、総合環境センター内の旧焼却施設は、本年度中に解体工事が完了し、新年度は、関衛生センター内の旧焼却施設についても、国の循環型社会形成推進交付金事業を活用し、解体工事に着手する予定です。

 次いで、森林環境創造事業につきましては、本年度、認定地区を更に拡大したことから、新年度は、その拡大した区域を含めて、森林の公益的機能の向上に鋭意取り組んでいきます。

 次に、森林の保全、水辺環境の保全につきましては、本市の西部森林地域及び関宿周辺地域の約115km2を対象とする「鉱区禁止地域指定」請求手続きが、昨年、三重県知事から公害等調整委員会に指定請求書が提出された後、同委員会による審査が進められ、近く、公聴会及び審問が行われます。その後、鉱区禁止地域に関する方針決定が行われる予定であると三重県から伺っています。

 次いで、農業の振興につきましては、地域の皆様が力を合わせて農地を守る活動を支援するため、市単独土地改良事業について地元負担率を引き下げるなどの制度改正を行います。

 次に、安心・安全なまちづくりにつきましては、防災対策事業において、地震や風水害など災害時の食料品や日用品を取り扱う大手スーパーマーケットや、建設、ライフラインに関係する協会・団体との間に、救援物資の提供や応援協力体制などに関する各種災害応援協定の締結を進めています。

 また、新型インフルエンザに関する危機管理対策につきましては、「亀山市新型インフルエンザ対策行動計画」の策定を行い、全庁的に取り組むための体制づくりを進めるとともに、市民の混乱や不安を最小限にとどめるための予備知識や家庭でできる準備などの情報を積極的に発信していきます。

4.道路・交通ネットワークの形成

 続きまして、「道路・交通ネットワークの形成」のうち、リニア中央新幹線の建設につきましては、昨年12月24日に、国土交通省からJR東海に対し建設費などの4項目の調査指示があり、実現に向け大きな一歩を踏み出しました。今後、近畿圏までの全線開通と市内停車駅誘致に向けた本市の意欲を市内外に発信していきます。

 次に、道路網の整備につきましては、昨年2月に開通した新名神高速道路は、産業や観光振興等の面で関西圏との距離を短くしたものの、予想を上回る交通量により東名阪自動車道の混雑が慢性的になっています。このことから、菰野亀山間の早期着工に向け、地域の方々に事業協力が得られるよう、中日本高速道路株式会社や三重県と連携を図りながら取り組んでいきます。

 次いで、市道和賀白川線につきましては、鈴鹿川に架かる橋梁を新市のシンボル的な橋梁としていくためデザインの検討を進めてきましたが、河川計画の変更により橋の長さが短くなったため、見直しを行っています。なお、橋梁以外の区域では引き続き道路工事を進めていきます。

 次に、公共交通機関の整備でございますが、本年度策定中の亀山市交通バリアフリー構想に特定旅客施設として位置付けていますJR亀山駅のバリアフリー化実現に向け、JR東海によるエレベーター及び多機能トイレの設置に対し、補助金の交付を行っていきます。

5.生きがいを持てる福祉の展開

 続きまして、「生きがいを持てる福祉の展開」のうち高齢者・障がい者福祉関係につきましては、現在、本年度末の策定を目指し、平成21年度から23年度までの3か年における高齢者や障がい者の福祉施策の方向性を定める、高齢者保健福祉計画と障がい福祉計画の策定を進めています。

 次いで、国民健康保険事業の運営につきましては、年々増高する医療費による歳入不足を国民健康保険給付費等支払準備基金で対応してきましたが、本年度において、基金の残高もなくなり、歳入に不足が生じます。このため新年度において、国民健康保険財政の健全化に向けて、国民健康保険税を改定する条例改正の議案を提案していますので、ご審議賜りますようお願い申し上げます。

6.次世代を担う人づくりと歴史文化の振興

 続きまして、「次世代を担う人づくりと歴史文化の振興」のうち、子育て支援につきましては、近年、高齢出産で健康管理がより重要となる妊婦の増加や経済的な理由等で健康診査を受診しない妊婦が見られるなど、母体や胎児の健康確保を図る上で健康診査の重要性が高まっています。このため妊婦健康診査にかかる公費負担を現在の5回から14回に拡充します。

 また、児童虐待等へ対応するため、保健師等が乳児のいるすべての家庭を訪問して子育てに関する相談を受ける乳児家庭全戸訪問や、保護者等から相談を受ける養育支援訪問事業を実施します。

 さらに、本年4月から新たに亀山西小学校区において、関係者のご努力により、市内で7か所目となります学童保育所が開設されることから、その施設の整備事業費や運営費を助成します。

 次に、子ども総合支援室が行っています発達障がい児への支援が昨年秋には先進的な取組みとしてNHKの全国版で放映されました。また、厚生労働省においてもモデル事例として取り扱われるなど、子どもの支援体制としては全国モデルとして高い評価を受けています。今後、子ども総合支援室の機能拡充を図るため、センター化に向けた検討をはじめます。

7.行政経営

 続きまして、「行政経営」のうち、行政改革の推進につきましては、平成22年度から始まる第2次亀山市行政改革大綱の策定に向けた準備に取り組んでいきます。

 次に、戸籍電算化事業につきましては、平成19年度から21年度の3か年事業として電算化事業を進め、本年3月29日から現在戸籍と附票の電算事務が稼動します。さらに、新年度においては、引き続き除籍と改製原戸籍の11月末の電算稼動に向けた取組みを行います。

 なお、学校教育、生涯学習等、教育分野の詳細につきましては、後ほど教育委員会当局からご説明申し上げます。

 最後に、昨年11月21日から本年2月20日までに係る3千万円以上1億5千万円未満の工事請負契約の状況は、別紙のとおりでございましたのでご高覧賜りたいと存じます。

 以上簡単ではございますが、施政方針並びに市政の現況について、ご報告申し上げました。私は、議員各位並びに市民の皆様のご鞭撻を得つつ、市政に全力を尽くす覚悟でございます。どうか、皆様の深いご理解と一層のご支援を心よりお願い申し上げます。

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