令和8年度教育行政一般方針
公開日 2026年02月20日
令和8年亀山市議会3月定例会の開会に当たり、教育行政の方針についてご説明申し上げ、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
まず、教育に関する国の情勢でありますが、文部科学省は、先月、新年度予算案を公表し、すべての子どもたちへのよりよい教育の実現に向け、学校の働き方改革の更なる加速化、教職の魅力向上、教師の育成支援を一体的に推進する考えが示されました。これにより、公立中学校の学級編制基準を約40年ぶりに引き下げ、中学校35人学級を実現するとともに、養護教諭の配置充実等に係る令和10年度までの新たな「定数改善計画」を策定することとしています。
次に、県の情勢につきましては、新年度予算案において、若手教員等の授業力向上のため、授業力向上アドバイザーをモデル校に派遣して指導助言を行うとともに、モデル校の若手教員等が、互いに提案授業を公開し協議する研修会を実施することとしています。
また、いじめの被害にあっている児童生徒や不登校児童生徒など、不安や悩みを抱える児童生徒からの相談や心のケアに対応するため、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの学校への配置時間を拡充する計画となっています。
こうした国や県の動向・施策を見極めつつ、教育委員会といたしましては、亀山市教育大綱の基本理念等を念頭に置き、「亀山市学校教育ビジョン」「亀山市生涯学習計画」「亀山市スポーツ推進計画」の計画期間の最終年度として、目標実現に向けた具体的な実践を着実に推進してまいります。
それでは、教育行政の各部門にわたり、新年度の取り組み及び事業計画についてご説明申し上げます。
まず、学校教育関係として、すべての子どもたちが持てる力を十分に発揮し、「できた」「分かった」という実感が得られるよう、授業改善や学習習慣の確立に向けた取り組みを進めます。また、基礎学力の定着を支える基盤の一つである家庭学習の習慣化や基本的な生活習慣の確立を通して、自己調整能力(自己マネジメント力)や課題解決能力、粘り強く取り組む力など、これからの社会で求められる能力の育成に努めてまいります。
また、本市の特色である「ふるさとキャリア教育」につきましては、学校での学びと自分の将来との関係に意義や価値を見出すことができるよう、市内での職場体験学習や地域で活躍する人や事業所、高等学校等からの外部人材の活用による出前授業、自然や実物に触れる体験活動等の推進を図り、これまで以上に地域の特徴を生かした学校の特色化・魅力化を支援し、生きる力を育んでまいります。
次いで、情報教育につきましては、学習における1人1台端末の効果的な利活用の取り組みとして、児童生徒一人ひとりの習熟度に合わせて最適な問題を出題できるAI型学習教材の導入を行ってまいります。また、昨今のネットトラブル、ネット犯罪やそれにつながりかねない事案から身を守る予見・予防のための力の育成に向け、情報セキュリティや情報モラル、ネットマナーやプライバシーの保護、情報発信の責任など、情報リテラシーに関する指導も併せて充実を図ってまいります。なお、新年度におきまして、児童生徒が使用する1人1台端末の更新を滞りなく実施し、引き続き、デジタル機器を活用した多様な学びの一層の推進に努めてまいります。
また、特別支援教育につきましては、引き続き、一人ひとりの状況に応じた支援やケアが実施できるよう、適切な人的配置に努めてまいります。指導におきましては、子ども未来部や地域の特別支援学校とも連携を図り、個別の障がいに応じたきめ細かな指導、支援を行ってまいります。
一方、人権教育につきましては、県の人権教育ガイドラインを基に、人権教育カリキュラムの改善を行い、教育活動全体を通じて自分の人権も周りの人の人権も尊重できる気持ちを育む人権教育の実践化を図ります。
次に、いじめ問題につきましては、「亀山市いじめ防止基本方針」のもと、未然防止や早期発見・早期解決につながるよう、各学校へ指導主事を派遣し、教職員の対応力の向上を図ります。また、命を大切にする心や、他者への思いやりの気持ちなど、子どもたちの豊かな心を育む授業に取り組み、「いじめを許さない・見逃さない・独りにさせない」学級づくり・学校づくりを支援してまいります。
一方、不登校児童生徒への対応につきましては、児童生徒理解・教育支援シートを基にした一人ひとりの状況に応じた対応を行うとともに保護者への相談体制の充実を図ります。また、不登校児童生徒の学びの場の確保に努め、学びたいと思った時に学べる環境を整え、誰一人取り残さない教育を推進してまいります。
次いで、子どもへの虐待や貧困など複雑化・多層化する課題への対応につきましては、特に義務教育終了後を見据え、これまで以上に健康福祉部など関係機関との連携を深めながら、児童生徒の将来の社会的自立に向け、切れ目のない支援に努めてまいります。
次に、教職員関係として、まず研修分野につきましては、「令和8年度亀山市教育関係職員の研修方針」を定め、管理職のマネジメント能力の向上、個々の教職員の指導力向上等を図るため、教育の今日的課題に対応した研修講座の開催や市全体の教職員研修体制のあり方の検討を進めてまいります。
また、学校部活動関係につきましては、休日における学校部活動の地域展開等に向け、国や県内外の自治体の動 向、県のガイドラインを踏まえ、関係団体や教職員の理解を得ながら、モデル事業の拡大等も通じて、令和9年度以降の地域展開等に必要な体制の整備につなげてまいります。
次いで、地域とともにある学校づくりにつきましては、昼生小学校において、同校の学校運営協議会及び学校長から、特色を生かした教育・学校経営の魅力化等のため、小規模特認校制度の導入に関する要望がありましたので、新年度から、市内3校目となる小規模特認校制度を導入し、学校の魅力化を進めます。少人数ならではのきめ細かい指導やこれによる自己肯定感の向上のほか、地域資源を活用した学校を核とした地域づくりの促進が期待されるところです。
続きまして、学校施設の整備関係について、ご説明申し上げます。
まず、小中学校の特別教室等への空調設備整備につきましては、リース方式を採用することとし、令和9年度夏季からの空調設備の使用開始に向け、新年度から調査設計・整備工事を進めてまいります。特に夏季における気温上昇に適切に対応するべく、引き続き、児童生徒の学習環境、生活環境の向上に取り組んでまいります。
また、老朽化する小学校のプール施設につきましては、維持管理費の増加が想定される中、教職員の負担軽減にもつながるよう、昨年度及び今年度に実施いたしました民間施設等のプール施設利用の実証を踏まえ、新年度から民間施設を活用したプール授業を拡充してまいります。
一方、学校施設の維持管理につきましては、各施設の実情や緊急性等を踏まえ、必要に応じた工事・修繕を実施し、引き続き、児童生徒の教育環境の維持・向上に努めてまいります。
次に、学校給食関係として、本年4月から亀山中学校及び中部中学校において、市内の全小中学校と共通の献立となる全員喫食制給食を実施いたします。事業実施に当たっては、生徒への給食指導を充実し、今後、新たに本市独自の小中学校9年間を見通した食育カリキュラムづくりを行ってまいります。引き続き、継続的に委託事業者と緊密に連携し、中学校給食の改善・充実を図ってまいります。あまた、学校給食費につきましては、新年度から、小学校を対象とする保護者の負担軽減を通じた子育て支援に取り組む自治体への国の支援として、いわゆる給食無償化が実施されます。このような中で、国の支援基準月額5,200円に対し、本市の新年度からの学校給食費が月額5,400円となることから、差額について、引き続き国の重点支援地方創生臨時交付金を活用することで、新年度においては保護者の皆さまにとって学校給食費の実質的な無償化が実現されるものでございます。
一方、中学校につきましては、令和6年度以降は同じく国の交付金を活用し、学校給食に係る保護者負担を4,800円に据え置いてまいりました。新年度からの学校給食費は、現在の保護者負担額より1,000円増額となる月額5,800円となりますが、新年度においてはこうした増額分に対しても国の交付金を活用し、令和6年度からの負担額に据え置くことで、引き続き、保護者負担を軽減してまいります。
続きまして、生涯学習関係について、ご説明申し上げます。
まず、地域の学び推進事業につきましては、第3期「かめやま人キャンパス」において、実践的な学びの機会の提供やフォローアップ講座の実施等を通じ、地域で活躍する場の創出を進めてまいります。
また、中央公民館講座では、地域まちづくり協議会や市内で活動している団体等と連携して、受講者の自発的な学びのきっかけとなるような地域のニーズに沿った多様な講座を実施してまいります。
一方、家庭教育の支援につきましては、就学前児童の保護者等に向けた親の学びの場として家庭教育出前講座を実施し、子どもの基本的生活習慣の確立や自己肯定感の向上につなげてまいります。
また、放課後子ども教室推進事業につきましては、地域と学校が相互に協働して、地域での子どもの体験学習や地域の大人との交流活動等を通じて、地域の中で子どもが楽しく豊かに活動することができる居場所づくりに努めてまいります。
次に、スポーツの推進につきましては、本年4月の組織・機構改革により、教育委員会にスポーツに関する事務の職務権限が移行しますので、引き続き、これまでのスポーツ推進に加え、休日における中学校部活動の地域展開等をはじめとした取り組み等を通じて、スポーツに親しむ機会の充実やスポーツを通じた地域力の活性化等につなげてまいります。
続きまして、図書館関係について、ご説明申し上げます。
市立図書館につきましては、令和10年に開館100周年の節目を迎えることから、「本が育む人間力あふれた100年後の子どもたちのために」というテーマを設定し、亀山市図書館100年プロジェクトに取り組んでまいります。また、「学びの場からつながる場へ」という理念のもと、図書館資料の収集・保存・提供という基本的な役割を踏まえつつ、引き続き市民の読書活動と交流を支える拠点として、誰もがより快適に利用しやすい環境づくりとサービスの向上に努め、図書館機能の充実を図ってまいります。
最後に、教育委員会が所管する分野別の行政計画である「亀山市学校教育ビジョン」「亀山市生涯学習計画」「亀山市スポーツ推進計画」につきまして、それぞれ令和8年度に計画最終年度を迎えることから、各分野における現状や課題、国・県の動向や社会情勢を踏まえ、次期計画の策定に向け取り組んでまいります。
以上、令和8年度教育行政の方針について、ご説明を申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。
