このページの本文へ移動

教育行政現況報告

公開日 2025年11月28日

 令和7年12月亀山市議会定例会の開会に当たり、教育行政の現況についてご報告し、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 まず、教育に関する国の情勢でありますが、文部科学省は来年度の教育関係予算の概算要求において、質の高い公教育の再生として、中学校35人学級の実現や小学校教科担任制の計画的推進、教師の処遇改善、教師人材の確保の強化、GIGAスクール構想の更なる推進と学校DXの加速等の実施に関する予算を盛り込みました。また、教育支援センターの支援員の配置拡充や保護者支援の機能強化など、誰一人取り残さない学びの保障に向けた不登校、いじめ対策等を推進する考えが示されています。

 次に、県の情勢でありますが、不登校児童生徒数が年々増加している中で、保護者相談会など保護者同士が不安や悩みを話し合い交流する場の提供を行うなど、対応が進められています。
 また、令和9年度以降の三重県立高等学校入学者選抜における調査書について、記載項目の変更点が示されました。具体的には、「欠席日数」、「欠席理由」、「健康の状況」といった出欠・健康の記録を記載する欄の削除や、総合的な学習の時間の記録をすべての生徒について記載するのではなく、特筆すべき成果がある生徒についてのみ「その他参考となる諸事項」の欄に記載するといった変更が行われることとなります。

 このような情勢を踏まえ、教育委員会におけるそれぞれの事業進捗について、ご説明申し上げます。
 まず、学校教育に関する取り組みにつきましては、先月、市内研修優先日を2日間設定し、関小学校や神辺小学校等において、人権教育の授業公開や講師を招いての若手育成のための研修会など、各校、各教科に応じた主体的な研修を実施いたしました。こうした授業公開では、子どもたちが真剣に課題に向き合う姿が見られ、その姿をもとに、教員が授業づくりや指導方法について学ぶ機会を持つことができました。

 次に、情報教育につきましては、現在、子どもたちの発達段階に応じてICT機器の日常的な活用を図っているところでございます。こうした中、来年度に予定している1人1台端末の更新に向け、三重県が示す来年1月の共同調達の公告に係るスケジュールに合わせて契約事務を進めるため、本議会に関係経費の債務負担行為の追加について予算補正を提案いたしております。

 次いで、生徒指導におけるいじめ事案につきましては、新たに認知されたいじめ事案や未解消事案の現状を一つひとつ確認しつつ、特に困難な事案については関係機関等と連携を図りながら、事案解消に向け慎重かつ丁寧に対応を進めているところです。
 また、今月は「いじめ防止強化月間」となっており、各学校において児童会や生徒会を中心として、ピンクシャツ運動やいじめについての生徒同士でのディスカッションなど、いじめ撲滅に向けた児童生徒の主体的な取り組みが進められています。さらには、いじめの防止等に関する理解を深め、保護者・家庭や地域においても、それぞれの立場、役割での子どもの安全安心な場づくりの協力をお願いしているところでございます。
 一方、不登校事案につきましては、本年度上半期の不登校児童生徒数は、昨年度の同時期と比べて中学校でやや増加していますが、校内教育支援センターに毎日登校できる児童生徒や、クラスへ戻ることができる児童生徒が増えてきています。今後も、引き続き校内において、学習のサポートや相談がしやすい環境づくりに努めてまいります。

 次に、部活動関係につきましては、令和9年度夏以降の休日の部活動の地域展開等を目指し、今月から、野球、剣道、ハンドボール及び陸上競技の4種目においてモデル事業を実施しているところでございます。本年度末までに数回の活動を予定しており、このモデル事業の実施について関係団体等とも情報を共有し、本市に合った地域展開等の取り組みを進めてまいります

 続きまして、給食関係について、ご説明申し上げます。
 まず、中学校全員喫食制給食実施事業のうち、亀山中学校及び中部中学校における配膳室等の整備工事につきましては、現在、計画どおり配膳室の内装工事を進めているところでございます。また、給食調理につきましては、本市の栄養教諭等が作成する来年4月からの献立に基づいた食材の分量等の調整や、学校給食衛生管理基準に基づく調理作業工程等について、給食調理等業務の受託業者と詳細な協議を重ねているところでございます。加えて、中学校教職員を対象とした給食指導や食物アレルギー対応につきまして、校内研修会の開催に向けた準備も進めているところでございます。こうした中、去る8月27日、株式会社エンジョイから企業版ふるさと納税制度を活用したご寄附をいただきましたので、寄附者のご意向を踏まえ、本事業に活用させていただくため、本議会に歳入の予算補正を提案いたしております。

 次に、学校給食費につきましては、昨年度から主食である米をはじめ食材の価格が高騰する中、献立を工夫して給食を提供してまいりましたが、先月、三重県学校給食会から令和7年度学校給食用米飯売渡価格が示され、1食あたりの米飯価格が約27円上昇したところです。この価格の上昇により、現在の学校給食費では、栄養バランスを考慮した給食の提供が困難な状況となっています。こうしたことから、来年1月以降の学校給食については、学校給食費の段階的な増額が必要となります。本議会では、まずは米飯価格の上昇分についてのみ増額とする学校給食費の改定に伴い、保護者負担が増加しないように、その増額分に対して、国の重点支援地方創生臨時交付金を活用し財源とすることと併せて、関係経費の予算補正を提案いたしております。
 また、今月の初旬に市内の一部地域で発生した水道水の濁りに伴う学校給食の対応といたしましては、亀山南小学校及び昼生小学校におきまして、給食備蓄食による対応を3日間行った後、関学校給食センターからの食缶の搬入により対応したところです。今般の対応を踏まえ、引き続き、安全で安心な学校給食の提供に努めてまいります。

 続きまして、生涯学習関係について、ご説明申し上げます。
 まず、社会教育関係につきましては、社会教育団体が主催するイベントが、各団体の創意工夫により実施されています。先月21日には、西野公園体育館において、婦人会連絡協議会主催の「なでしこ健康フェスティバル」が開催され、亀山、野登、関地区から65名が参加されました。「跳ばず、走らず、転ばず」の精神で、ユニークな競技を通じ、心身の健全と会員同士の交流、親睦が図られたところでございます。
 
 次に、青少年育成事業につきましては、今月16日に関文化交流センターにおいて、子ども会育成者連絡協議会主催の「親子フェスティバル」が青少年育成市民会議の協力により開催され、バウムクーヘンづくりやフラワーアレンジメント等の催しに、多くの親子が参加され楽しまれました。引き続き、各社会教育団体の活動に対する支援に努めてまいります。

 続きまして、図書館関係についてご説明申し上げます。
 まず、亀山市立図書館の更なる利用者数の拡大に向けた取り組みにつきましては、先月12日には本と子どもをつなぐ大人に向けた講演会を、今月24日には一箱本棚づくりワークショップを開催いたしました。また、今月30日にはキャンドルナイトコンサートを、来年1月には創作童話コンクールの表彰式や作家講演会等を開催するとともに、地域資料に関するイベントについても予定しているところでございます。

 最後に、本年度の教育功労者表彰につきましては、先月5日に中部中学校において表彰式を開催し、学校教育ボランティア関係分野をはじめ、日頃よりご尽力いただきました方々、個人12名を対象といたしまして、感謝状及び記念品の贈呈を行いました。受賞されました方々のこれまでの功績に対し敬意と感謝を表するとともに、本市の教育に対しまして、今後も引き続き、ご支援を賜りたいとお願い申し上げたところでございます。

 以上、教育行政の現況についてのご報告及びご説明を申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。