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意見書・決議(令和7年9月)

公開日 2025年09月30日

意見書
件名  義務教育費国庫負担制度の充実を求める意見書
本文

 義務教育費国庫負担制度は、憲法の要請に基づく義務教育の根幹である「無償制」「教育の機会均等」を保障し、「教育水準の維持向上」を図るため、国が責任を持って必要な財源を措置するとの趣旨で確立された制度です。教育の全国水準と機会均等を確保する義務教育の基盤をつくるためには、教職員の確保、適正配置、資質向上及び教育環境整備等諸条件の水準を保障すべきであり、そのために必要な財源を安定的に確保することが不可欠です。
 学校において教員と連携協働しながら役割を果たすスタッフ職としての情報通信技術支援員、特別支援教育支援員、教員業務支援員、あるいは読書活動や図書管理を担う学校司書については、地方財政措置はあるものの各自治体の一般財源となる措置であることから、結果として自治体間格差が生じ、教育水準の維持向上と教育の機会均等が図られているとは言えない状況となっています。
 未来を担う子どもたちの「豊かな学び」を保障することは、社会の基盤づくりのために極めて重要です。義務教育については、国が責任を果たすとの理念に立ち、教育に地域間格差が生じないよう、必要な財源を確保する義務教育費国庫負担制度の存続はもとより、措置の対象の拡充を含めた制度の更なる充実が求められます。
 よって、政府におかれては、下記の事項を実現されますよう強く要望いたします。


1.義務教育の根幹である「無償制」、「教育の機会均等」を保障し、「教育水準の維持向上」を図るため、国の責務として必要な財源が確保されるよう、義務教育費国庫負担制度の更なる充実を図ること。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

提出先 内閣総理大臣 財務大臣 総務大臣 文部科学大臣 衆議院議長 参議院議長
可決日 令和7年9月30日

 

意見書
件名  教職員の欠員を速やかに解消する施策の実行及び教職員定数改善計画の策定・実施と教育予算拡充を求める意見書
本文

 2025年度に小学校の全学年で35人学級が実現されました。2025年6月には、「公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法等の一部を改正する法律」が成立しました。その附則において、「教職員定数の標準の改定」「支援人材の増員」等が示されました。教職員定数に関しては、政府は公立中学校1学級の生徒数の標準について、2026年度から35人に引き下げるよう必要な措置を講ずるものとするとしています。これまで示されていなかった中学校の学級編制の標準に言及されたことは一歩前進と言えますが、今後、速やかな法改正を求めていく必要があります。
 少しずつ前進しているものの、現場の人的配置は私たちの求めるものとは程遠い不十分な状態です。また、在籍する児童生徒が増加傾向にある特別支援学級、特別支援学校の学級編制基準、高等学校の教職員定数改善については、道筋が示されていないことも大きな課題です。
 子どもたちが安全・安心に学べる学校にしていくためにも、教職員の欠員を速やかに解消する施策の実行及び全ての校種における新たな教職員定数改善計画の策定と実施が強く望まれます。
 教育予算を拡充し、教育条件整備を進めていくことが、山積する教育課題の解決へとつながり、そして、子どもたち一人一人の「豊かな学び」を保障することになると考えます。
 よって、政府におかれては、下記の事項を実現されますよう強く要望いたします。

 

 

1.子どもたちの「豊かな学び」の保障に向け、教職員の欠員を速やかに解消する施策の実行及び教職員定数改善計画の策定・実施と教育予算の拡充を行うこと。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

提出先 内閣総理大臣 財務大臣 総務大臣 文部科学大臣 衆議院議長 参議院議長
可決日 令和7年9月30日

 

意見書
件名  防災対策の充実を求める意見書
本文

 2025年3月31日、南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループの報告書が防災担当大臣に手渡されました。想定される死者数は最悪の場合29万8000人、津波によるものが最も多くなると予想されています。防潮堤の建設や津波避難タワーの整備など、迅速な避難に向けた取組が進んだにも関わらず、死者数が前回の予想32万人から8%ほどの減少にとどまっています。
 その報告では、対策が更に進めば犠牲者は大幅に減るとの指摘もあり、早急な対応が必要です。しかし、国による津波対策のための不適格改築事業については、補助要件である「津波防災地域づくりに関する法律」に基づく「津波防災推進計画」の策定が全国的にも進んでおらず、支援制度の活用が難しい状況です。補助要件の緩和、補助対象の拡大等支援制度の更なる拡充を求めます。
 災害は、いつどこで発生するか分かりません。避難所の運営に関しては、それぞれの自治体が施設やスペース、資材、人材を十分に確保するためにも、国からの財政的支援の充実が不可欠です。避難生活などで体調を崩して亡くなる「災害関連死」の防止をはじめ、性やプライバシーに関する課題への対応、また、外国人、介助・介護が必要な高齢者、障がい者、女性、乳幼児への配慮など、まだまだ改善すべき課題は山積しています。国の責任において、安心して被災者が避難できるように備えるべきです。過去の災害に学ぶとともに、「三重県災害時学校支援チーム」の支援活動を通じて得られた経験や知見を生かし、最善の備えを整えていくという考えのもと、防災に関わる施策が更に充実されることを強く望むところです。
 よって、政府におかれては、下記の事項を実現されますよう強く要望いたします。

 

 

1.子どもたちの安全・安心を確保するため、巨大地震等の災害を想定した防災対策の充実を図ること。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

提出先 内閣総理大臣 財務大臣 総務大臣 文部科学大臣 衆議院議長 参議院議長
可決日 令和7年9月30日

 

意見書
件名  子どもの貧困対策の推進と就学・修学支援に関わる制度の拡充を求める意見書
本文

 厚生労働省の「令和4年国民生活基礎調査」によると、「子どもの貧困率」は11.5%、おおよそ子ども9人に1人の割合で貧困状態にあるとされています。そのような中、物価高が収まらず、実質賃金の低下の影響を受けて、ひとり親家庭に育つ子どもたちを取り巻く環境は厳しい状況が続いています。
 このような中、「三重県子どもの貧困対策計画」と「三重県ひとり親家庭等自立促進計画」を一本化し、「三重県子どもの貧困の解消に向けた対策及びひとり親家庭等支援計画」が策定されました。この計画では、子どもの貧困を「子どもが、経済的困難やそれに起因して発生するさまざまな課題を抱えている状況」と捉えています。貧困の連鎖を断ち切るための教育に関わる公的な支援は極めて重要であり、支援を必要とする子どもたちや家庭に対して、相談体制を今以上に充実させる取組を含め、就学・修学保障制度の更なる拡充が必要と考えます。
 高等学校等就学支援金制度においては、標準的な修業年限を超過した場合、就学支援金の対象外となることや、履修単位数によって授業料を定めている場合に支給上限が設定されていることなど改善すべき課題があります。また、専攻科生徒への修学支援制度における国庫負担の割合の引上げについて、国の責任において更に進めていくことが求められます。
 よって、政府におかれては、下記の事項を実現されますよう強く要望いたします。

 

 

1.全ての子どもたちの学ぶ機会を保障するため、子どもの貧困対策の推進と就学・修学支援に関わる制度を拡充すること。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

提出先 内閣総理大臣 財務大臣 総務大臣 文部科学大臣 衆議院議長 参議院議長
可決日 令和7年9月30日

 

意見書
件名  自動車関係諸税などの見直しに関する意見書
本文

 自動車関係諸税を取り巻く環境は、依然として取得・保有・走行の各段階において、引き続き9種類に及ぶ複雑かつ過重な税負担が課せられていることや一般財源化により課税根拠が喪失した税の存続や二重課税など様々な課題が残されています。
 自動車関係諸税の簡素化、負担軽減は、地方経済の活性化に貢献が期待されるとともに、CASEやカーボンニュートラルの促進を後押しするために現在の税制を見直すことは、「誰もが自由で安全な移動を享受できる社会」の実現につながるものと考えます。
 以上のような理由から、下記の事項を実現されますよう強く要望いたします。

 

 

1.自動車税・軽自動車税(環境性能割)の廃止
2.自動車重量税における「当分の間税率」の廃止
3.自動車重量税および自動車税・軽自動車税(種別割/四輪車・二輪車等)の 保有時の税額引き下げによる負担軽減措置の実施
4.複雑な車体課税の簡素化に向けた「自動車の重量及び環境性能に応じた保有時の税の公平・中立・簡素な税負担」の早期実現
5.燃料課税における「当分の間税率」の廃止
6.複雑な燃料課税の簡素化
7.タックス・オン・タックスの解消(消費税の二重課税の是正)
8.車体課税および燃料課税のいずれにおいても、過重かつ不条理な課税は廃止し、税の付け替え等によって負担を転嫁しないこと
9.自動車関係諸税の国税部分について、地方財政に配慮した負担軽減策を講じ、地方税収に影響を与えないようにすること
 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

提出先 内閣総理大臣 財務大臣 国土交通大臣 衆議院議長 参議院議長
可決日 令和7年9月30日