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令和7年度教育行政一般方針

公開日 2025年02月25日

 令和7年亀山市議会3月定例会の開会に当たり、教育行政の方針についてご説明申し上げ、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 まず、教育に関する国の情勢でありますが、文部科学省は、先月、新年度予算案を公表しました。その中で、小学校において、35人学級の推進のための法改正が行われ、全学年での35人学級のための予算が示されております。また、昨年12月には、中央教育審議会に学習指導要領の改訂と教員養成の改革についての検討を諮問いたしました。学習指導要領の改訂では、目標や内容をより分かりやすい構造にすること、多様な背景の子どもに対応した柔軟な教育課程を編成できるよう検討が始まることとなります。
 次に、県の情勢につきましては、三重県教育ビジョンに基づいた取組の2年目として、子どもたちに育みたい力の育成に向けて、それぞれの基本施策が推進されます。新年度予算案においては、若手教員等の授業力向上のため、モデル校に授業力向上アドバイザーを派遣する事業が始まる予定となっております。また、不登校児童生徒数やいじめの認知件数の増加を踏まえ、相談支援や心のケアを行うためのスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーにかかる配当時間の拡充、校内教育支援センターに対しての指導員の配置等の支援が行われることとなります。さらには、新年度4月には、県で唯一の夜間中学校であり学びの多様化学校となる県立「みえ四葉ヶ咲中学校」が開校し、入学する生徒の個の状況に応じて学習できる環境が整うこととなります。

 こうした国や県の動向・施策を見極めつつ、教育委員会といたしましては、亀山市教育大綱の基本理念等を念頭に置き、「亀山市学校教育ビジョン」及び「亀山市生涯学習計画」の目標実現に向けた具体的な実践を着実に推進してまいります。

 それでは、教育行政の各部門にわたり、新年度の取組及び事業計画についてご説明申し上げます。
 まず、学校教育関係として、子どもたちが達成感を味わい「できた」、「分かった」という実感が得られる授業改善や学習習慣の確立に向けた取組を進めます。さらに、児童生徒の特性や学習進度、学習の到達度等に応じて、指導方法や教材、学習時間等を柔軟に設定するなど、個別最適な学びにも対応してまいります。また、児童生徒一人ひとりが、自分の可能性を伸ばすことができるよう、自己肯定感を高める取組を推進してまいります。 
 加えて、学校での学習と自分の将来との関係に意義を見出すことができるように、職場体験学習や地域で活躍する人との出会い学習、体験活動など、生きる力を育む「ふるさとキャリア教育」の推進に尽力してまいります。
 情報教育につきましては、1人1台端末の効果的な利活用を進めるとともに、情報セキュリティや情報モラル、ネットマナーやプライバシー保護、情報発信の責任など、情報を活用する上で気を付けなければいけない知識技能・情報リテラシーについても指導の充実を図ってまいります。また、市内の小規模校同士の合同授業、市内外の学校とのオンラインによる交流学習や、複式学級における指導方法の実践研究等の取組を更に進めてまいります。
 次いで、特別支援教育の充実につきましては、個の学び支援事業において一人ひとりの状況に応じた支援やケアが実施できるように人的な配置を行うとともに、「個別の教育支援計画」と「個別の指導計画」に基づき、子ども未来部と連携しつつ、障がいに応じたきめ細かな指導、支援を進めてまいります。また、地域の特別支援学校と連携した教職員研修や、児童生徒の相談等についても推進してまいります。
 人権教育につきましては、教育活動全体を通じて総合的・系統的に進めるため、人権教育カリキュラムの活用や改善を進め、取組の充実を図ってまいります。加えて、子どもたちが自分らしく生きる、自分の人権を大切にし、同時に周りの人の人権も尊重できる気持ちを育む学習を引き続き進めてまいります。

 次に、いじめ問題につきましては、「亀山市いじめ防止基本方針」の下、未然防止や早期発見・早期解決につながるよう、指導主事の派遣や教職員の対応力の向上を図ってまいります。さらには、いじめの迅速な認知や対応のため、県の「いじめ対応情報管理システム」を運用し、それぞれのいじめの態様に応じて子どもに寄り添った適切な対応につなげてまいります。
 不登校児童生徒への支援につきましては、児童生徒理解・教育支援シートを基にした一人ひとりの状況に応じた支援を進め、不登校児童生徒の学びの場を確保し、学びたいと思った時に学べる環境を整え、誰一人取り残さない教育を進めてまいります。また、校内教育支援センターの、より効果的な運営方法を研究し、学校内や小中学校間における支援情報の共有を進めます。さらには、県立「みえ四葉ヶ咲中学校」との連携や支援、引き続きのNPO団体と連携した居場所の提供、不登校研修会や進路相談会等の開催を行い、不登校に関する対応の充実に努めてまいります。
 一方、「児童・思春期におけるオンラインメンタルヘルスケアシステム(KOKOROBO-Junior)」の三重モデル版を活用し、中学生のメンタル不調の予防や、メンタル不調になったとしても早期に安心して回復できるような環境づくりにも取り組んでまいります。
 
 次に、虐待や貧困等複雑化する課題に対しましては、児童生徒の健全育成や将来の社会的自立に向けた支援に関して、切れ目のない支援がより必要になってきています。その中で、教育だけでなく、健康福祉部との連携をこれまで以上に深めてまいります。

 次に教職員関係として、まず研修関係につきましては、「令和7年度亀山市教育関係職員の研修方針」を定め、管理職のマネジメント能力の向上、個々の教職員の指導力向上等を図るため、教育の今日的課題や教職員のニーズに合った研修講座の開催を進めてまいります。
 また、部活動関係につきましては、国や県内外の自治体の動向、県のガイドラインを踏まえ、健康福祉部やスポーツ関係団体等と連携し、休日における学校部活動の地域連携や地域クラブ活動への具体的な移行に向けた取組を引き続き行ってまいります。

 続きまして、学校施設の整備関係について、ご説明申し上げます。
 学校施設の長寿命化改修につきましては、その具現化に向け、学校施設等長寿命化計画を基に、それぞれの施設における具体的な整備内容等について整理を行ってまいります。また、特別教室等への空調設備設置をはじめとした学習環境や生活環境の向上についても、長寿命化改修と合わせた整備を含め整理してまいります。
 一方、学校施設の維持管理といたしましては、各施設の実情や緊急性等を踏まえて、必要に応じた工事・修繕を実施し、児童生徒の教育環境の維持向上に努めてまいります。

 次に、学校給食関係として、中学校全員喫食制給食実施事業につきましては、亀山中学校及び中部中学校の配膳室等整備工事を実施するなど、民間調理委託による中学校2校の給食受け入れ環境の整備等を行い、令和8年度早期からの実施を目指し、諸準備を進めてまいります。
 また、学校給食費につきまして、物価高騰が長期化する中、国の交付金を活用し、保護者の負担軽減を図っているところですが、新年度におきましても、引き続き、国の重点支援地方創生臨時交付金を活用し保護者の負担軽減を図ってまいります。

 続きまして、生涯学習関係について、ご説明申し上げます。
 まず、第2期「かめやま人キャンパス」の最終年を迎える、地域の学び推進事業につきましては、地域課題解決と活性化のための、地域人材の育成に向けた実践的な学びの機会を提供するとともに、学びの成果を地域で生かせる機会を設けてまいります。
 家庭教育の支援につきましては、就学前児童の保護者を対象とした家庭教育出前講座を開催し、子どもの基本的生活習慣の確立や自己肯定感の向上に努めてまいります。併せて、子育て家庭に向けた応援メッセージである「かめやまお茶の間10選(実践)」の取組を継続して進め、家庭・地域の教育力向上を図るための具体的な方向性を整理してまいります。
 次いで、放課後子ども教室推進事業につきましては、地域と学校が相互に協働して学校を核とした地域づくりを目指す「地域学校協働活動」の視点に基づき、子どもたちに様々な体験を通じて地域交流ができる居場所づくりに努めてまいります。

 最後に、市立図書館につきましては、亀山市子どもの読書活動推進計画に基づき、学校図書館との連携により、子どもの感性と生きる力を育む取組を進めてまいります。加えて、読書活動の推進による利用者数の更なる増加を図るとともに、図書館の魅力発信についても拡充してまいります。
 また、地域に根差した図書館資料の充実を図るため、各地域まちづくり協議会等から提供いただいた地域情報を整理・配架し、その活用を図ってまいります。
 一方、令和10年度には亀山の図書館100周年を迎えることから、図書館の理念や社会情勢、地域・利用者のニーズを踏まえ、これからの図書館像を見据えた市民に親しまれる図書館を目指して、「亀山市図書館サービス実施計画」の改定を予定しているところでございます。
 以上、令和7年度教育行政の方針について、ご説明を申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。