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教育行政一般方針

公開日 2024年05月31日

 令和6年6月亀山市議会定例会の開会に当たり、教育行政の現況と今後の見通しについてご報告し、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 

 まず、国の動向といたしましては、昨年6月に閣議決定された「第4期教育振興基本計画」において、今後の教育の方向性として2040年以降の社会を見据えた「持続可能な社会の創り手の育成」、「日本社会に根ざしたウェルビーイングの向上」の2つを教育政策の柱として掲げています。具体的には、誰一人取り残されず、全ての人の可能性を引き出す共生社会の実現に向けた教育の推進、地域や家庭で共に学び支え合う社会の実現に向けた教育の推進、教育デジタルトランスフォーメーション(教育DX)の推進等を図っていくことを基本方針としています。

 

 次に、県の情勢でありますが、本年3月に県の教育振興基本計画である「三重県教育ビジョン」が策定されました。コロナ禍で再認識された学校の役割を踏まえ、単にコロナ禍前に戻るのではなく、これまで制限されてきた学校教育の活動のうち、真に必要なものの回復やICTの活用などにより、新しい時代の学びを実現していくことが重要としています。この中で「子どもたちに育みたい力」として、「自立する力」、「共生する力」、「創造する力」の3つの力が示され、その力を育成するための6つの基本施策が掲げられています。また、いじめ防止対策を積極的に進めるため、いじめの防止に関する基本施策を掲げるとともに、子どもたちが、自他のかけがえのない価値を認識しながら、様々な分野に積極的に挑戦し、自身の可能性を伸ばすことができるよう「一人ひとりの自己肯定感を涵養する教育の推進」等の施策を新たに設けています。

 

 このような情勢を踏まえ、教育委員会といたしましては、各種計画の進捗管理を行うとともに、学校及び家庭・地域との連携・協働を図りながら、重点的な取組を着実に進めてまいります。

 

 それでは、それぞれの事業進捗について、学校教育関係からご説明申し上げます。

 まず、子どもたちの学力・学習状況につきましては、計画期間の2年目となる「亀山市学力向上推進計画(第4版)」に沿った取組を進めてまいります。また、先月実施した「全国学力・学習状況調査」、「みえスタディ・チェック」等の活用を通じて、一人ひとりの学習状況を把握し、指導の改善や個に応じた指導を引き続き進めてまいります。

体力の向上に関しましては、一人ひとりの運動量確保に努めるため、本年度も健康運動実践指導士等の外部講師を市内の各小学校、幼稚園等に派遣し、体育の授業改善や遊びの工夫等について研修及び実践を行ってまいります。

 さらに、学力及び体力の向上に関する取組として、すべての小中学校で年3回「Kameyama Study Week」を、年2回「Kameyama Sports Week」を設定し、基礎的、基本的な学習内容の確実な定着や、体を動かす習慣づくりを各校の実情に応じて進めてまいります。

 次いで、情報教育につきましては、引き続き「亀山市版ICT運用ガイドブック」の周知を図るとともに、「個別最適な学び」と「協働的な学び」を推進するため、これまでの実践とICTを最適に組み合わせ、学びの質を向上させてまいります。また、1人1台端末の家庭へ持ち帰っての学習を、小学4年生以上の学年において実態に応じて毎日実施いたします。一方、学校における端末の活用や家庭におけるインターネットに触れる機会の増大に伴い、子どもの発達段階に応じた情報モラル教育につきましても一層推進してまいります。

 

 次に、いじめ防止対策につきましては、昨年度改定した「亀山市いじめ防止基本方針」及び各学校の「いじめ防止基本方針」に沿った取組を着実に実践してまいります。また、いじめの予防、いじめ発生への迅速な対応、いじめの丁寧な事後対応、関係機関との早期の連携など、再度教職員に周知徹底を行い、いじめの正確かつ積極的な認知を進めます。さらに、「いじめを生まない環境づくり」や「子どもたちがいじめを訴えやすい環境づくり」を進めるとともに、児童生徒一人ひとりがいじめの重大性を理解し、いじめ問題に正しく向き合うことができるよう、保護者、PTAとも連携し、きめ細かな対応を行っているところでございます。

 不登校への対応といたしましては、市内全ての小中学校に、教室へ入りづらさを感じる児童生徒の居場所として「校内ふれあい教室」を設置することにより、子どものペースに合わせた学習のサポートや、相談等を実施できる体制を整えました。また、亀山市適応指導教室「ふれあい教室」を亀山市教育支援センター「ふれあい教室」に名称を変更し、NPO法人「フリースペースかめっこ」との連携により、誰一人取り残すことのない学びの保障の取組を充実させてまいります。加えて、教職員の研修や県内高等学校等と連携した児童生徒への進路相談等の取組も適宜行ってまいります。さらには、市立図書館の一部を活用し、学校に行きづらい児童生徒の居場所である「サークルルーム」の取組も引き続き行ってまいります。

 

 次に、今後の中学校部活動のあり方につきましては、国や県の動向を注視するとともに、他市町との情報交換、健康福祉部等とも連携を図りながら「亀山市部活動の在り方検討会」を開催し、令和8年度中の地域移行の一部実施に向けて、方向性の整理を行ってまいります。また、児童生徒や保護者へのアンケートを実施しつつ、休日における今後の部活動の地域移行に向けての情報発信等も行ってまいります。

 

 続きまして、中学校給食関係について、ご説明申し上げます。

 中学校全員喫食制給食実施事業につきましては、外部調理委託による食缶搬入方式での令和8年度2学期からの給食実施に向け、公募型プロポーザル方式による亀山市中学校給食調理等業務委託業者の選定を来月から行う予定です。また、亀山中学校及び中部中学校における配膳室等の整備にかかる設計業務の発注に向け準備を進めているところでございます。

 

 続きまして、生涯学習関係について、ご説明申し上げます。

 まず、地域の学び推進事業につきましては、かめやま人キャンパスと公民館事業を基軸に様々な学びを提供し、地域の課題解決に取り組む人材育成を行うことを目的に、地域まちづくり協議会や市内で活動している団体、市内高等学校とも連携しながら、今月から中央公民館講座を順次開講しています。

 次いで、子育て学習展開事業につきましては、家庭教育出前講座等を実施することにより、就学前児童保護者等に向けた親の学びの場を提供し、家庭や関係団体等の課題意識の醸成を進め、家庭の教育力向上に取り組んでまいります。

 また、放課後子ども教室推進事業につきましては、放課後や週末に地域の方々の参画を得ながら、地域の中で子どもが安心して学習活動や体験・交流活動が行える環境づくりに努めるとともに、地域全体で子どもたちの育みを支える地域学校協働活動の仕組みづくりに取り組んでまいります。

 

 続きまして、図書館関係についてご説明申し上げます。

 市立図書館では、昨年度に構築した亀山市立図書館運営評価手順に基づき館の運営評価を実施し、見出された課題の改善を図ってまいります。

 また、学校との連携につきましては、引き続き小中学校との相互貸借「ほんくる。」の利用促進を行うとともに、電子図書館に児童書の同時アクセス無制限パッケージの導入を行い、授業等で学級全員が1人1台端末等を活用して同時に同じ本を見ることができるよう新たな読書環境の整備を進めているところでございます。

 

 以上、教育行政の現況についてのご報告及びご説明を申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。