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教育行政一般方針

公開日 2024年02月22日

 令和6年亀山市議会3月定例会の開会に当たり、教育行政の方針についてご説明申し上げ、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 まず、教育に関する国の情勢でありますが、文部科学省は、先月、新年度予算案を公表しました。その中で、小学校における35人学級の推進のため、第5学年の学級編制の基準の引き下げや、小学校高学年の外国語、理科、算数及び体育における教科担任制の強化が行われることとなります。また、すべての小中学校に英語のデジタル教科書の提供が始まる予定となっております。

 次に、県の情勢につきましては、新年度より新たな三重県教育ビジョンが運用され、子どもたちに育みたい力の育成に向けて、それぞれの基本施策が推進されることとなります。一方、新年度予算案におきましては、県内公立小中学校における不登校児童生徒数やいじめの認知件数の増加を踏まえ、相談支援や心のケアを行うためのスクールカウンセラー及びスクールソーシャルワーカーにかかる配当時間の拡充、不登校支援アドバイザーによる教育支援センターに対しての支援が行われることとなります。加えて、いじめの内容や対応状況等の情報をデジタル化し、関係者がリアルタイムに共有できる「いじめ対応情報管理システム」の運用が開始される予定となっております。

 また、部活動につきましては、昨年12月に「三重県部活動ガイドラインおよび新たな地域クラブ活動方針」が三重県及び三重県教育委員会から示されたところであり、今後は学校部活動の地域連携・地域移行に向けた環境整備を進めていくことが求められることとなります。

 こうした国や県の動向・施策を見極めつつ、教育委員会といたしましては、亀山市教育大綱の基本理念等を念頭に置き、「亀山市学校教育ビジョン」及び「亀山市生涯学習計画」の目標実現に向けた具体的な実践を着実に推進してまいります。

 それでは、教育行政の各部門にわたり、新年度の取組及び事業計画についてご説明申し上げます。

 まず、学校教育関係として、児童生徒一人ひとりの「確かな学力」と「自己肯定感や自己有用感」を高めるために、「学びを高める授業改善」、「個を支える育ちの支援」、「絆をつなぐ連携と協働」を取組の重点とした実践を推進してまいります。また、本年度の「起業家教育」の取組といたしまして、亀山東小学校が実践的研究を行ったところです。文部科学省での発表や亀山大市における子どもたちの取組は、学校教育活動全体を通したキャリア教育の推進として非常に貴重なものであり、今後も引き続き、その充実に向け取り組んでまいります。

 教材関係といたしましては、小学校においては教科書が改訂されたため、新年度から新たな教科書を使用した学習が始まることとなります。一方、中学校においては、新年度、教科書の改訂作業を予定しているところでございます。

 情報教育につきましては、全ての学校で導入される英語のデジタル教科書の活用や1人1台のタブレット端末の毎日の持ち帰りの習慣化を図ってまいります。また、情報セキュリティや情報モラル等、情報を活用する上で要となる知識技能についても発達段階に応じた指導を充実させてまいります。

 次いで、特別支援教育の充実につきましては、個の学び支援事業において一人ひとりの状況に応じた支援や、医療的ケアが必要な子どもに対する専門的なケアができるよう人的な配置を行うとともに、「個別の教育支援計画」と「個別の指導計画」に基づき、障がいの状態に応じたきめ細かな指導、支援を進めてまいります。

 次に、人権教育につきましては、教育活動全体を通じて総合的・系統的に進めるため、人権教育カリキュラムの活用や改善を進め、それぞれの取組の充実を図ってまいります。加えて、子どもたちが自らを権利の主体であると実感できる学習や自他の人権を守るための行動力を身に付けるための学習を進めます。

 また、いじめ問題につきましては、「亀山市いじめ防止基本方針」の下、未然防止や早期発見・早期対応ができるよう、指導主事の派遣や教職員の資質能力の向上を図ってまいります。加えて、いじめの迅速な認知や対応のため、県の「いじめ対応情報管理システム」を運用し、それぞれのいじめの態様に応じた適切な対応につなげてまいります。

 次いで、不登校児童生徒への支援につきましては、児童生徒理解・教育支援シートを有効に活用し、学校内や小中学校間における支援情報の共有を進めます。また、引き続き、NPO団体と連携した居場所の提供、不登校研修会や進路相談会等の開催、新設される子ども未来部との連携等、不登校に関する対応の充実に努めてまいります。

 次に教職員関係として、まず研修関係につきましては、「令和6年度亀山市教育関係職員の研修方針」を定め、管理職のマネジメント能力の向上、個々の教職員の指導力向上等を図るため、教育の今日的課題や教職員のニーズに合った研修ができるように研修講座の開催を進めてまいります。

 また、小規模校における指導の充実につきましては、市独自の加配教員の配置を行うとともに、複式学級における指導方法の研究や市内の小規模校同士の合同授業、市内外の学校とのオンラインによる交流学習等の取組を進めてまいります。

 次いで、教職員の働き方改革につきましては、「スクール・サポート・スタッフ」、「部活動指導員」や学校ボランティア等、外部人材の活用に加え、導入2年目となる「統合型校務支援システム」により校務の効率化を進め、子どもに向き合う時間の確保にも努めてまいります。

 次に部活動関係につきましては、県のガイドラインを踏まえて、引き続き市スポーツ推進部局やスポーツ関係団体等と連携した「部活動の在り方検討会」の開催を通して、休日における学校部活動の地域連携や地域クラブ活動への移行に向けた環境整備を行ってまいります。新年度におきましては、生徒、保護者、教員等の要望や意見を把握するとともに、指導者や活動場所の確保、教員と地域指導者等との連携、費用負担等について検討をしてまいります。

 続きまして、学校施設の整備関係について、ご説明申し上げます。

 学校施設の計画的な環境整備を行うため、本年度に策定いたします学校施設等長寿命化計画を基に、それぞれの施設における、より具体的な維持管理方法や整備内容等について整理してまいります。

 また、各学校施設の実情や緊急性等を見極め、必要に応じた工事・修繕を実施し、児童生徒の学習環境・生活環境の更なる向上に努めてまいります。

 次に、学校給食関係として、中学校全員喫食制給食実施事業につきましては、外部調理委託による食缶搬入方式での令和8年度2学期からの給食実施に向け、委託業者の選定を行うとともに、亀山中学校及び中部中学校の配膳室等の整備工事に向けた設計業務を実施いたします。

 また、学校給食費につきまして、物価高騰が長期化する中、現在の給食の水準を維持するため、小中学校における給食費を改定いたしますが、新年度は、その増額分につきまして、国の地方創生臨時交付金を活用し財源とすることにより、保護者の負担軽減を図ってまいります。

 続きまして、生涯学習関係について、ご説明申し上げます。

 まず、地域の学び推進事業につきましては、第2期の2年目となる「かめやま人キャンパス」において、引き続いて地域の課題解決と活性化のための地域人材の育成に向けた実践的な学びの機会を提供いたします。

 家庭教育の支援につきましては、保育所・幼稚園・認定こども園の保護者を対象とした家庭教育出前講座を開催し、子どもの基本的な生活習慣の確立や自己肯定感の向上に努めてまいります。また、子育て家庭に向けた応援メッセージである「かめやまお茶の間10選(実践)」の更なる浸透・定着に向けた取組を継続して進めてまいります。

 次いで、放課後子ども教室推進事業につきましては、各小学校区のコーディネーターと連携して、学校を核とした地域づくりを目指し、地域と学校が相互に協働して子どもたちに様々な体験をさせていく「地域学校協働活動」の観点に基づき、地域交流ができる居場所づくりに努めてまいります。

 また、青少年健全育成につきましては、地域における安全・安心な児童生徒、青少年の居場所づくりの視点から、青少年総合支援センターの活動の在り方について検討を行ってまいります。

 最後に、市立図書館につきましては、先月1周年を迎え、開館以降、1年間で約27万9千人もの方々にご利用をいただいたところでございます。新年度につきましては、電子図書に児童書の同時アクセス無制限パッケージの導入を行い、1人1台端末などを活用して、授業などで学級全員が同時に同じ本を見ることができるような読<書環境の整備を図り、学校連携を更に進めてまいります。

 また、これまでの実績を踏まえて公共図書館としての地域資料の充実を図るため、「図書館蔵書計画」の改定を予定しているところでございます。加えて、本年度作成予定の図書館評価基準に基づく評価を実施し、引き続き市民に親しまれる図書館を目指してまいります。

 以上、令和6年度教育行政の方針について、ご説明を申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。