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教育行政一般方針

公開日 2023年02月24日

 令和5年亀山市議会3月定例会の開会に当たり、教育行政の方針についてご説明申し上げ、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 まず、新型コロナウイルス感染症につきましては、本年5月に「5類感染症」への引き下げが決定されました。マスクの着用等、学校教育活動に関する制約が少なくなり、対応方針が大きく変更されることが想定されるため、今後の国や県の動向を注視しつつ適切に対応できるよう努めてまいります。

 次に、教育に関する国の情勢でありますが、文部科学省は先月に新年度予算案を公表しました。小学校における学級定数の引き下げの拡大や、高学年における教科担任制の推進、学校における働き方改革を支援するスタッフの充実、教員免許状更新制度に代わる「新たな教師の学びを支える研修体制」の構築を行う見込みとなっています。
 県の情勢につきましては、新年度予算案では、不登校やいじめ等の対応といたしまして、相談支援や心のケアを行うためにスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配当時間を拡充するとともに、いじめの内容や対応状況等について学校、市町及び県が情報を共有し、確実な対応ができるようICTを活用した新たな取り組みが進められることとなりました。

 こうした国や県の動向・施策を見極めつつ、教育委員会といたしましては、亀山市教育大綱の基本理念等を念頭に置きつつ、「亀山市学校教育ビジョン」及び「亀山市生涯学習計画」の目標実現に向けた具体的な実践を着実に推進してまいります。

 それでは、教育行政の各部門にわたり、新年度の取り組み及び事業計画についてご説明申し上げます。
 まず、はじめに学校教育関係について、ご説明申し上げます。
 学力の向上につきましては、児童生徒一人ひとりの「確かな学力」の向上を目指して、「学びを高める授業改善」「個を支える育ちの支援」「絆をつなぐ連携と協働」を取り組みの重点とした「亀山市学力向上推進計画【第4版】」に沿った実践を推進してまいります。
 また、本市で作成する教材等につきましては、新年度は小学校の教科書の改訂作業が行われる年度にあたることから、小学校社会科の副読本「わたしたちの亀山市」につきましても改訂作業を行います。
 情報教育につきましては、教育の情報化をさらに推進し、デジタル教科書や家庭でのタブレット端末の活用をさらに進めるとともに、情報セキュリティや情報モラル等、情報を活用する上で必要な知識技能についても学ぶ機会を充実します。
 個別の学習支援につきましては、経済的理由等で家庭での学習環境が整いにくい中学生を対象に「学習教室」を開催しておりますが、対象を4年生以上の小学生に拡大するとともに、中学校の定期試験前の講座を開催する等、更なる充実に努めてまいります。
 体力の向上につきましては、先月に本年度の「全国体力・運動能力・運動習慣等調査」の結果がまとまり、本市は全国と比較して、「体育の授業が楽しい」「体を動かすことが好き」と答えた児童生徒が多い結果となりました。引き続き、体を動かすことが「楽しい」と感じられるよう体育の授業改善等を進めるとともに、「1学校(園)1運動プロジェクト」等、日常における運動習慣作りに取り組んでまいります。
 次いで、新たに開館した市図書館との連携につきましては、図書ユニットや団体貸し出しの利用を進めるとともに、校外学習や発表の場として、市図書館を積極的に活用してまいります。また、学校図書館活用アドバイザーや学校司書が中心となって学校での読書環境を整えるとともに、「かめやましファミリー読書リレー」や「かめやま読書チャレンジ」等の取り組みを通して、子どもたちの読書習慣の定着を図ります。
 次いで、特別支援教育の充実につきましては、個の学び支援事業において一人ひとりの状況に応じた支援や、医療的ケアが必要な子どもに対する専門的なケアができるよう人的な配置を行うとともに、「学ぶ楽しさ」「わかる喜び」を実感できるよう、授業の工夫やICTの活用等を進めてまいります。また、地域の特別支援教育の中心的機能を持つ県立杉の子特別支援学校において、対応する障がいの種別が拡大されることから、市内小中学校との交流や連携をさらに進めてまいります。
 就学前教育の充実につきましては、小学校への接続を円滑に行い、学びと育ちの連続性・一貫性を図ることができるよう「亀山市保幼認共通カリキュラム」と「亀山市保幼認小接続カリキュラム」の実践を推進します。
 また、人権教育につきましては、子どもの権利の主体者としての意識を高める学習の充実と、差別解消に向けた意欲と実践行動ができる力を育む協働的な学習活動の創出に取り組むことで、「三重県子ども条例」や「人権教育啓発推進法」等の趣旨の具現化を目指してまいります。
 部活動につきましては、スポーツ庁と文化庁から「学校部活動及び新たな地域クラブ活動の在り方等に関する総合的なガイドライン」が示され、令和5年度から令和7年度までの3年間を改革推進期間と位置付けております。本市においても、休日における学校部活動の地域連携や地域クラブ活動への移行について、生徒、保護者、教員等の要望や意見を把握するとともに、市スポーツ推進部局やスポーツ関係団体等と連携し、部活動の地域移行について検討を進めてまいります。

 次に、不登校児童生徒の支援につきましては、児童生徒理解・教育支援シートを有効に活用し、学校内や小中学校間における支援情報の共有を進めます。また、児童生徒の支援や保護者相談等の場として、各学校やふれあい教室でのきめ細かな対応に加え、退職した教職員が中心となって設立したNPO団体と連携した居場所の提供、不登校研修会や進路相談会等の開催、福祉部局との連携等、不登校に関する対応の充実に努めてまいります。
 また、いじめ問題につきましては、「亀山市いじめ防止基本方針」のもと、今後もいじめの実態を確実に把握するとともに、「チーム学校」を機能させながら、未然防止や早期発見・早期対応に努め、各校でいじめを許さない仲間づくりを進めてまいります。また、「亀山市いじめ問題対策連絡協議会」や「亀山市いじめ問題調査委員会」等により、関係機関や専門家等との連携を積極的に行い、市内小中学校で起こったいじめ事案の早期解決、いじめ事案に関する調査及び検証等迅速かつ適切な対応に努めてまいります。

 次に教職員関係につきまして、まず研修関係につきましては、「令和5年度亀山市教育関係職員の研修方針」を定め、管理職のマネジメント能力の向上、個々の教職員の指導力向上等を図るため、教職員のニーズに合った研修ができるように研修講座の開催を進めてまいります。
 また、小規模校における指導の充実につきましては、市独自の加配教員の配置を行うとともに、複式学級における授業方法の工夫や指導力向上のための研修等の充実を図ってまいります。
 一方、35人を超える過密学級の解消や習熟度別指導等につきましては、少人数教育推進事業や教員加配等により、きめ細かな教育を推進してまいります。
 次いで、教職員の働き方改革につきましては、「スクール・サポート・スタッフ」「部活動指導員」や学校ボランティア等、外部人材の積極的な活用に加え、新年度から本格的に導入する「統合型校務支援システム」により校務の効率化を進め、子どもに向き合う時間の確保にも努めてまいります。

 続きまして、学校施設の整備関係について、ご説明申し上げます。
 学校施設の計画的な環境整備を行うため、本年度から着手した学校施設等長寿命化計画を新年度中に策定するとともに、亀山東小学校屋内運動場屋根の全面改修を行うほか、各学校施設の実情を見極め、必要に応じた工事・修繕を実施し児童生徒の学習環境の整備を進めてまいります。
 また、「通学路交通安全プログラム」につきましては、本市独自の取り組みとして、市・県の道路関係部署や警察等による要望箇所の合同現地調査を行いつつ、PTAや地域住民の皆様のご協力を得ながら、通学路の安全確保に努めてまいります。

 次に、中学校給食関係として、中学校全員喫食制給食実施事業につきましては、まずは亀山中学校及び中部中学校において栄養管理された安心安全な献立を提供するデリバリー給食を継続しつつ、全員喫食制給食実施に向け、引き続き必要な検討・協議を行い、早期の基本計画の策定に向け進めてまいります。

 続きまして、生涯学習関係について、ご説明申し上げます。
 まず、地域の学び推進事業につきましては、第2期となる「かめやま人キャンパス」において、地域の課題解決と活性化のために、グループ学習やフィールドワークを中心とした実践的な学びの機会を提供いたします。また、第1期において認定された「かめやま人」の活動を支援するため、フォローアップ講座を実施するとともに、関係部署や地域団体と連携することで、地域で活躍する場の創出を進めてまいります。
 中央公民館講座では、地域まちづくり協議会や市内で活動している団体と連携して、受講者の自発的な学びのきっかけとなるような、地域のニーズに沿った多様な講座を実施してまいります。
 次いで、家庭教育の支援につきましては、子どもの基本的な生活習慣の確立や自己肯定感向上を図るため、保育所・幼稚園・認定こども園の保護者を対象とした家庭教育出前講座を開催し、支援に努めてまいります。また、子育て家庭に向けた応援メッセージである「かめやまお茶の間10選(実践)」のさらなる浸透・定着に向けた取り組みを継続して進めてまいります。
 次に、放課後子ども教室推進事業につきましては、各小学校区に配置されたコーディネーターと連携して事業を進め、子どもたちが様々な体験や地域交流ができる居場所づくりに努めてまいります。

 最後に、平成29年度から市民参画・協働により進めてまいりました新図書館の整備でございますが、先月26日に無事に開館の運びとなりました。開館当日は天候にも恵まれ、午前中はご来賓並びに関係者の皆様のご臨席を賜り、開館記念式典を開催いたしました。式典におきましては、開館を記念して貴重な絵画、図書館家具、図書資料をご寄贈いただきました皆様等に対して感謝状の贈呈をいたしたところでございます。午後からは約1,000名の来館があり、幅広い年代の来館者が新図書館を楽しまれました。また、4日間に亘るオープニングイベントでは、園児や小学生による合唱のほか、中学生による吹奏楽演奏会などを開催し、来館者からは、新鮮な工夫が詰まった図書館、居心地のよい図書館などのお声をいただいたところです。「学びの場からつながる場へ」を基本理念に、世代を超えて多くの市民の皆様が集い、学び、楽しむことができる、市民に愛される図書館を目指してまいります。
 その中で、新図書館を核とした読書活動の推進につきましては、「亀山市子どもの読書活動推進計画」や「亀山市図書館サービス実施計画」に基づき、小中学校への貸し出しの実施拡充や図書館職員による保育所等への読み聞かせ会の開催のほか、地域との連携による読書イベントの開催や図書ユニットの作成による訪問など、身近な読書環境づくりを創出してまいります。また、あらゆる利用者層に向けたきめ細かな図書館サービスの提供に取り組むなかで、来館に限定しない読書活動の展開として電子図書館の利用促進にも努めてまいります。

 以上、令和5年度教育行政の方針について、ご説明を申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。