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教育行政現況報告

公開日 2022年11月25日

 令和4年12月亀山市議会定例会の開会に当たり、教育行政の現況についてご報告し、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 まず、教育に関する国の情勢でありますが、文部科学省は来年度の教育関係予算の概算要求において、教員の指導体制の充実と働き方改革を推進するため、「小学校における35人学級」や「教科担任制」の実施に関する予算を盛り込んでいます。一方、新規事業といたしましては、学校教育のデジタル化をさらに推進するため、デジタル教科書やデジタル教材等の活用といった通信環境調査研究に関する予算を盛り込んでいます。
 また、少子化が進む中でも、子どもたちが将来にわたりスポーツや文化芸術に継続的に親しむことができるよう、休日の部活動の段階的な地域移行を進めるために、「部活動の在り方に関する総合的なガイドライン」の改訂作業が行われており、来月中に公表される予定です。

 次に、県の情勢でありますが、先月「令和3年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」が公表され、その中で、不登校児童生徒数は令和2年度に比べ大幅に増加し過去最高となっています。県は年々増加する不登校児童生徒の受け皿として、仮想空間やオンラインシステムを活用して大学生等との交流や、博物館のバーチャル体験等を充実するとともに、義務教育の期間後であっても学び直しができるよう、夜間中学校開設等に関する取り組みを進めています。

 このような情勢を踏まえ、教育委員会といたしましては、各種計画の進捗管理を行うとともに、学校及び家庭・地域との連携・協働を図りながら、重点的な取り組みを着実に進めてまいります。
 それでは、それぞれの事業進捗について、まず学校教育関係からご説明申し上げます。
 学校における各種行事や体育文化活動につきましては、本年度は本来の姿に近い形で実施できるようになりました。先月には市内小学校の修学旅行が、県内を目的地として実施されました。また、先月から今月初旬にかけて中学校の「鈴亀地区新人体育大会」が開催され、団体競技・個人競技ともに、日頃の成果を発揮して好成績を収める生徒の姿が見られました。
 次いで、今月8日には、市内全ての小中学校が参加する「亀山市小中音楽会」が3年ぶりに開催され、各学校の児童生徒が力を合わせて美しいハーモニーを披露しました。同じく13日には「全日本合唱コンクール全国大会」が大阪府堺市で開催され、亀山西小学校が三重県代表として出場し、銅賞を受賞いたしました。
 学校花壇に関するフラワー・ブラボー・コンクールにつきましても、本年度から復活し、県の花壇中央審査におきまして亀山南小学校が「内閣総理大臣賞」を受賞いたしました。

 次に、学校教育に関する取り組みといたしまして、まず学力向上につきましては、各校において作成した学力向上推進計画に基づき、授業改善、補充学習の充実、家庭学習の充実等の取り組みを進めているところです。教育委員会といたしましては、教員の授業力向上のための助言を行うとともに、現行の「学力向上推進計画【第3版】」を年度内に改定し、組織的に授業改善がさらに進むよう継続的な取り組みを進めてまいります。
 また、先月には、順に関小学校、川崎小学校、亀山南小学校において教育研究発表会が開催されました。ここ数年授業公開を十分に行うことができませんでしたが、各学校において授業公開が行われ、教員が授業づくりや指導方法の工夫などについて学び合うことができました。
 次いで、外国人児童生徒に対する取り組みとしましては、高等学校等への進路保障として、今月1日に「外国につながりのある児童生徒のための進路相談会『学校へ行こう』」を開催し、児童生徒や保護者、卒業生、教職員等を含め93名の参加がありました。また、小学校に就学する外国人児童と保護者を対象としたプレスクールにつきましては、本年度はより多くの方が参加しやすいよう回数や日程を工夫して3学期に実施いたします。
 人権教育の取り組みといたしましては、先月開催された第56回三重県人権・同和教育研究大会において、亀山東小学校が「共に生き、共に学ぶ教育・保育」の分科会において実践を発表しました。また、来月4日から10日までの「人権週間」を中心に、一人ひとりが人権について考え、気づき、主体的に行動することができるよう、各学校や中学校区ごとの取り組みが行われます。また、亀山市人権教育推進協議会の主催で、「人権のまちづくりフォーラム2022」が、来年1月31日に「みんなで、地域の『希望』と『未来』を育もう」というテーマのもと行われることとなっています。

 次に、生徒指導におけるいじめ事案につきましては、新たに認知されたいじめ事案や未解消事案の現状を一つ一つ確認しつつ、特に対応が困難な事案については関係機関等と連携を図り、事案解決に向け対応を進めているところです。今月はいじめ防止強化月間となっており、ピンクシャツ運動等の啓発活動に加え、いじめの防止等に関する理解を深め、社会総がかりでいじめの問題を考え・克服していくため、各学校で児童生徒も主体的に取り組みを進めています。
 また、不登校事案につきましては、本年度上半期の不登校の児童生徒数は小学校で13名、中学校で55名となっており、昨年度の同時期と比べて、中学校で増加しています。不登校児童生徒の居場所や相談の拠点として、昨年度2学期よりNPOに委託を行い「フリースペースかめっこ」を開設していますが、本年度はNPOや学校、ふれあい教室等が連携・協力して「きめ細やかな支援のための進路(進学)相談会」を明日26日に開催いたします。
 なお、本年度上半期のいじめ・不登校に関しましては、具体的な事案報告資料として、本議会に提出させていただいております。

 次に教員の働き方改革につきましては、校務のICT活用による効率化や、保護者・地域の皆様のご理解・ご協力のもと、定時退校日の実施、部活動ガイドラインの順守、会議の精選等により一定の成果を上げてまいりました。加えて、「統合型校務支援システム」の導入に向けて帳票のデジタル化や教職員に対する活用研修を実施し、来年度当初から本格的な運用ができるよう準備を進めているところです。
 また、部活動の段階的な地域移行につきましては、県や他市町の進捗状況も踏まえ、本年度中に教職員アンケートを実施するとともに、各団体や市の他部署等と連携して今後の方向性等について検討を進めてまいります。

 続きまして、学校施設の整備関係について、ご説明申し上げます。
 学校施設長寿命化計画策定事業につきましては、先月21日に業務委託契約を締結し、施設調査に向け準備を進めているところでございます。なお、これに先立ち亀山東小学校体育館屋根の対応につきましては、屋根全体を改修するための工事設計業務委託料を本議会の予算補正に提案させていただいております。また、中学校全員喫食制給食実施事業につきましては、現在、候補地や規模・運営方法・建設手法など基本的な項目について、教育委員会において慎重に検討を重ねながら、整理を行っているところでございます。

 続きまして、生涯学習関係について、ご説明申し上げます。
 まず、令和5年「亀山市二十歳の集い」でございますが、本年4月の成人年齢引き下げに伴い、成人式から名称を変更した最初の式典として、来年1月8日に亀山市文化会館大ホールにおきまして、感染症対策に留意して実施いたします。
 次に「かめやま人キャンパス」につきましては、第1期最終年度として「まちのくらし人」・「森と水の守り人」・「まちの歴史人」の3つの養成講座を実践的な内容で実施するとともに、かめやま人が地域活動を継続し、連携できる場として「フォローアップ講座」の開催に取り組んでいます。また、有識者の意見や受講生などの意見も踏まえながら、第2期のカリキュラム編成の検討を進めているところでございます。
 青少年育成事業につきましては、コロナ禍の中で中止となっていました社会教育団体が主催するイベントが団体の創意工夫により再開されてまいりました。先月30日には、関文化交流センターにおいて3年振りに亀山市子ども会育成者連絡協議会主催の「親子フェスティバル」が開催され、多くの親子が参加され楽しまれました。引き続き各社会教育団体の活動に対する支援に努めてまいります。
 続いて、新図書館整備事業につきましては、来年1月26日の新図書館の開館に向けて、順調に進捗しているところでございます。先月21日の引き渡し以降、現図書館からの図書資料等の搬入や図書館サービスにかかる情報機器類等の設置を進めているところです。
 また、来月18日には、図書館フォーラム「学びの場からつながる場へ」を亀山市文化会館大ホールにて開催いたします。第1部の基調講演では、元鳥取県知事、元総務大臣の経歴を持つ片山善博さんを講師に迎え、「知の地域づくりと図書館」をテーマにお話しいただき、第2部は市民参加型イベントの内容となっており、市民の皆様に本との関わりを深めていただくとともに、開館に向けて機運を高めてまいります。

 最後に、本年度の教育功労者表彰につきましては、先月2日に表彰式を開催いたしました。中学校職場体験学習関係分野を中心に、日頃よりご尽力をいただきました方々、個人18名と70団体を対象としまして感謝状及び記念品の贈呈を行いました。受賞されました方々のこれまでの活動に対し感謝と敬意を表するとともに、本市の教育に対しまして、今後も引き続き、ご支援を賜りたいとお願い申し上げたところでございます。
 以上、教育行政の現況についてのご報告及びご説明を申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。