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教育行政現況報告

公開日 2022年08月26日

 

 令和4年9月亀山市議会定例会の開会に当たり、教育行政の現況と今後の見通しについてご報告し、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 まず、新型コロナウイルス感染症関係ですが、1学期末の時期から感染拡大の第7波の影響を受け、市内幼稚園・小中学校の幼児・児童・生徒及び教職員におきましても連日陽性者が発生いたしました。その際、ガイドライン等に基づき感染防止対策を確実に行い、園や学校内での感染の広がりを最小限に止めているところでございます。そのような中、1学期から夏季休業中にかけての各種学校行事等は、一部内容の変更等が生じたものの、概ね予定通り終えることができました。 
 2学期からの学校教育活動につきましては、感染拡大の状況を注視しつつ、通常の教育活動の継続に加え、コロナ禍によって今まで十分にできなかった体験的活動や、互いに協力しながら目標を達成するような活動についても、感染防止対策を図りつつ適切に実施してまいります。

 続きまして、教育に関する国の情勢でありますが、文部科学省は生徒指導に関する学校・教職員向けの基本書である「生徒指導提要」の年度内の改訂に向けた作業に着手しています。平成22年に作成されてから10年以上が経過し、その間「いじめ防止対策推進法」や「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」等が施行されたこと、増加する不登校への対応や、多様な背景のある児童生徒に対応した支援・指導体制の確立等が改訂の背景となっています。
 また、運動部活動に続き、文化部活動の地域等への移行に関する「検討会議」が行われ、運動部活動と同様に来年度から3年間を「集中期間」と位置付けて段階的に地域等への移行を進める方向性がまとめられました。これら部活動の段階的な地域等への移行については必要な予算や受け皿等、重要な部分が明らかではないことから、今後におきましても国や県の動向を注視しつつ対応してまいります。

 次に、県の情勢でありますが、本年度からおおむね10年先の三重の姿を展望し、県政運営の基本姿勢を示す長期ビジョン「強じんな美し国ビジョンみえ」が来る10月を目途に策定される見込みです。そこには、持続可能な社会の担い手の育成や多様な子どもたちが安心して学べる教育などの取り組みが示されています。
 次いで、県は年々増加する不登校の対応において、今夏、期間限定の中学生と高校生を対象とした「オンラインを活用した居場所づくり事業」に取り組んでいます。また、さまざまな事情により、中学校に十分に通うことができなかった方を対象に、みえ夜間学級体験教室「まなみえ」も継続的に開催されています。

 このような国や県の動向を受けまして、市教育委員会におけるそれぞれの事業進捗について、ご説明申し上げます。
 まず、学校関係における各種行事の状況でございますが、先月27日川崎小学校において、市内小学生28名が参加して「英語デイキャンプin Kameyama2022」を開催いたしました。多くのALT(外国語指導助手)や教員等が参画して運営を行い、会話やゲームによるコミュニケーションを通して、活きた英語を楽しく学ぶ1日となりました。
 次に、部活動関係でございますが、中学校総合体育大会等の大会におきまして、市内各中学校が地区大会及び県大会において好成績を収め、団体種目としましては亀山中学校の剣道部男子、中部中学校の剣道部男女が東海大会出場を果たしております。また、個人種目では、亀山中学校及び中部中学校の剣道部男子、亀山中学校の陸上競技男子1500m、中部中学校の柔道男子60kg級でそれぞれ1名が東海大会に出場を果たしております。
 また、今月3日及び4日には、市文化会館で「NHK全国学校音楽コンクール三重県コンクール」が開催され、本市からは小学校の部に亀山西小学校と川崎小学校、中学校の部に中部中学校が出場しました。審査の結果、小学校の部において川崎小学校が金賞を受賞し、来月の東海・北陸ブロックコンクールの三重県代表に決定しております。亀山西小学校については、11月13日に大阪府堺市で開催される第75回全日本合唱コンクール全国大会小学校部門の三重県代表となっています。
 また、11月8日には市文化会館におきまして「亀山市小中学校音楽会」の3年ぶりの開催を予定しているところです。
なお、市内小学校の修学旅行につきましては、来る10月から11月にかけて本年度も昨年度と同様に三重県内を目的地として予定をしています。

 続きまして、学校教育に関する取り組みといたしまして、先月末に「令和4年度全国学力学習状況調査」の結果が公表され、本市の状況としましては、小学校で概ね国や県と同水準、中学校では国や県を下回る結果となりました。今後、教科ごとの詳細を分析するとともに、本年度中に策定する「学力向上推進計画(第4版)」に反映してまいります。   
 次に、家庭の環境によって学習に差が生じないよう中学校区ごとに支援を行っている「学習教室」につきましては、昨年度から行っている夏季休業期間中の体験入室を引き続き行うとともに、体験入室の対象者を小学校4年生まで広げ、9名の小学生が参加いたしました。
 また、外国人児童生徒の支援でございますが、本年度から新たに来日した児童生徒を対象とした初期適応指導教室「レインボー」において日常会話等の習得を進めておりますが、その中で小学生2名、中学生2名が1学期中に初期の課程を修了して、次のステップに進みました。今後におきましても2学期には進路ガイダンス「学校へ行こう」、3学期は「プレスクール」を実施する等、きめ細かな支援を行ってまいります。
 次に、市協働事業により市民団体と協力して進めている「亀山の平和教材づくり」の取り組みでございますが、本日、教材化を行うためのワークショップが開催されています。
 公益財団法人ブルーシー・アンド・グリーンランド財団(B&G財団)の助成事業として、古事記、日本書紀等に記された地域ゆかりの人物である「ヤマトタケルとオトタチバナヒメ」に関するマンガ製作活用事業につきましては、マンガ制作活用検討委員会を組織し、シナリオの作成や作画等に取り組んでいます。

 続きまして、教職員に関する取り組みといたしまして、研修関係として、市教育委員会が主催する「教職員研修講座」を夏季休業中に4講座開講するとともに、伊賀市、甲賀市の研修に相互参加できるような協力体制を築き、教員の専門性と指導力の向上を図っています。また、来る10月には川崎小学校、亀山南小学校、関小学校の3校が研究指定校として研究の成果を発表することとなっています。
 教職員の働き方改革については、統合型校務支援システムの導入に向けて、学校で使用する帳票の電子化・共通化等を行うためのワーキングチームを立ち上げ、準備を進めているところです。なお、統合型校務支援システムの今後5年間のランニングコストにつきまして、本議会に予算補正を提案させていただいております。
 次に、JETプログラム(外国青年招致事業)のALTでございますが、この2年間コロナ禍によって新規入国者が途絶えておりましたが本年度は3名が交代となり、新たに任用されたALTは2学期から各学校の外国語の授業を中心に、国際理解教育等も含め指導を行う予定となっています。

 続きまして、学校施設の整備関係について、ご説明申し上げます。
 まず、亀山東小学校体育館の雨漏りにつきましては、今月中に応急的な補修工事を終える予定でございます。また、亀山南小学校給食室トイレ改修工事及び中部中学校非常階段修繕につきましても、2学期から使用できるよう工事をほぼ完了しているところです。
 次に、通学路における安全確保につきましては、学校、PTA及び地域等から新規38件の要望を受け、通学路の合同現場確認を亀山警察署、三重県鈴鹿建設事務所、本市関係部局等と今月上旬に実施したところです。その結果を受け、関係機関と連携して改善の方向性等を検討しつつ、必要箇所における速やかな改善を目指し、引き続き児童生徒の安全確保に向けた取り組みを進めてまいります。
 また、三重県建設労働組合亀山支部による奉仕作業につきましては、先月31日に亀山東小学校ほか4校において、木製棚や木製すのこの作製など、児童の学びの環境の充実に貢献していただきました。

 続きまして、生涯学習関係について、ご説明申し上げます。
 まず、地域の学び推進事業につきましては、「亀山市生涯学習計画」の基本理念「豊かな自然と歴史文化の中で深まる学びと交流」のもと、かめやま人キャンパスと公民館事業を基軸に様々な学びの講座を企画・実施しているところでございます。
 学びの成果を生かして地域で活躍する場を創出していく「かめやま人キャンパス」のうち「森と水の守り人養成講座」では、豊かな自然の守り手の育成につながるよう、市内外で活動している自然活動団体との連携した講座を開催しています。また、「まちのくらし人養成講座」と「まちの歴史人養成講座」では、地域の人材をつなげるコーディネーターと歴史を生かしたまちづくりのプロデユーサーの育成のため実践的な講座を企画し、来月から順次講座を開講する予定でございます。
 公民館講座では、すでに開講している教養講座や文化講座に加え、来月からは、地域まちづくり協議会と連携しながら、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策を講じた上で、地域のニーズに沿った学びを提供する出前教室を順次開講してまいります。
 次に、青少年健全育成関係につきましては、全国各地で発生している誘拐予告メールの対応として、先月5日には、青パト(青色回転灯車)による強化パトロールを実施するとともに、警察や学校などとの連携のもと、児童・生徒の登下校時における見守り活動の強化を図ったところです。引き続き、関係機関との連携を密にし、児童・生徒の安心・安全の確保に努めてまいります。

 続きまして、図書館関係についてご説明申し上げます。
 まず、図書館整備事業につきましては、施設建設工事及び家具工事は計画どおり順調に進捗しており、10月21日の引渡しに向け、亀山駅周辺整備事業との緊密な連携のもと、工事検査を実施しているところでございます。
 新図書館の運営業務につきましては、公募型プロポーザル方式により契約候補者の選定を行い、今月1日に委託契約を締結いたしました。引き続き、令和5年1月26日の開館に向けて、新たに導入を予定しております電子書籍を含む図書資料の選書やICタグの貼付、図書資料の移転・配架作業など開館準備を進めてまいります。
 また、開館を見据えて引き続き各種団体と連携し、図書館をもっと身近に感じ、本と人とをつなげる取り組みを進めてまいります。
 次に、現図書館につきましては、42年間親しまれた図書館への思い出を市民の皆様と振り返り共有するため、図書館ボランティア団体に協力いただき、「ありがとう図書館!新図書館に夢をのせて」をテーマに、読み語りや絵本づくり教室のほか、館内見学会など様々なイベントを開催しております。イベント期間中は、たくさんの方が来館され、イベントを楽しまれました。
 また、来月17日に亀山商工会議所青年部主催で開催される「カメジョブキッズ2022」では、関図書室にて子どもたちが「図書館の仕事」を体験できる職業体験イベントを実施いたします。

 以上、教育行政の現況についてのご報告及びご説明を申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。