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教育行政一般方針

公開日 2022年02月25日

 令和4年亀山市議会3月定例会の開会に当たり、教育行政の方針についてご説明申し上げ、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 まず、教育に関する国の情勢でありますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大は未だに収束せず、新たな変異株の出現とともに感染者数が増加するなど、学校教育にも大きな影響を及ぼしています。そのような中、今後、義務教育の学級上限人数の引き下げや教職員の働き方改革、GIGAスクール構想の推進、デジタル教科書の普及促進等、教育を取り巻く環境が大きく変化することが想定され、国の動向を注視する必要があります。
 また、文部科学省は教職員の指導力向上に向けて、小学校高学年における教科担任制の導入を推奨し、算数や理科に加え、外国語、体育において、専門性の高い指導により、児童の学習内容の理解度・定着度の向上と学びの高度化を図るよう求めています。
 一方、国家公務員の定年引上げに伴い、地方公務員の定年も60歳から65歳まで2年に1歳ずつ段階的に引き上げられる見込みとなりました。近年、教職員の若年化が急速に進んでいるところですが、能力と意欲のある高齢期の職員を最大限活用しつつ、次の世代にその技術や経験等を継承していくことが必要となっています。

 次に、県の情勢でありますが、県の新年度予算案では、教育を取り巻く社会情勢の変化や課題に的確に対応するための事業等が盛り込まれており、学習端末を効果的に活用したモデル校実践や、国語、算数・数学のワークシートを学習端末に提供するなど、教育の情報化を進める事業を行うこととしています。
 また、不登校やいじめ等の対応におきまして、相談支援や心のケアを行うためにスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配当時間拡充、学校における感染防止対策や教員の支援を行うスクール・サポート・スタッフの公立学校全校配置を行うなど、学校の支援体制の充実も計画されているところです。
 加えて、教職員の働き方改革といたしましては、働き方の選択肢を増やす取り組みとして、「公立学校職員の勤務時間、休暇等に関する条例」の一部改正を行い、1年単位の変形労働時間導入を可能としているところであります。

 こうした国や県の動向・施策を見極めつつ、教育委員会といたしましては、亀山市教育大綱の基本理念等を念頭に置きつつ、「亀山市学校教育ビジョン」及び「亀山市生涯学習計画」の目標実現に向けた具体的な実践を着実に推進してまいります。

 それでは、教育行政の各部門にわたり、新年度の取り組み及び事業計画についてご説明申し上げます。
 まず、新型コロナウイルス感染症関係ですが、今後におきましても感染防止対策を適切に行いつつ、教育の継続に努めてまいります。コロナ禍における授業や行事の進め方としまして、1人1台端末を活用し、オンライン授業の配信やデジタル教材の利用、リモートによる交流活動等、今までに学校が培ってきた新たな学びの工夫を積極的に推進してまいります。

 続きまして、学校教育関係について、ご説明申し上げます。
 本市における学校教育の基本理念や施策の方向性を示す本年度中に策定予定の「亀山市学校教育ビジョン」については、社会の変化を前向きに受け止め、自らの可能性を広げることができるよう、目指す子ども像を『可能性に挑み人とつながり未来を創る「亀山っ子」』と設定しました。新年度以降、その進捗状況に留意し、目標達成に向けて地域・保護者・学校と連携し、子どもの成長支援を進めてまいります。
 次に、教職員の研修関係につきましては、教育現場の教育力の向上を目指して、「令和4年度亀山市教育関係職員の研修方針」を定め、ICTの活用、個々の専門性と指導力の向上、管理職のマネジメント能力の向上等を図るため、より効果的な研修ができるよう講座構築いたします。
 次いで、学校体制の充実につきましては、新年度から本市独自に「学校経営支援員」を新たに設け、複雑化、多様化する学校運営や個々の学校の課題、地域連携の在り方等について管理職をはじめとする教職員等にアドバイスを行うとともに、時間外労働時間縮減や学力向上の取り組み等に対する支援を行ってまいります。また、少人数教育推進事業では、35人を超える過密学級の解消や習熟度別指導等によるきめ細かな教育の推進に努めてまいります。
 次いで、教職員の働き方改革につきまして、「スクール・サポート・スタッフ」「部活動指導員」や学校ボランティア等、外部人材の積極的な活用や夏季や年末年始における学校閉校日の設定、ICT活用による校務の効率化等を進め、引き続き時間外労働時間削減に向けた取り組みを行ってまいります。
 次に、コミュニティ・スクールにつきましては、本年度から市内全ての小中学校に学校運営協議会が設置されましたが、「地域とともにある学校づくり」の実現を目指し、各校の交流や取り組みの情報交換等を行い、地域の特色を活かした魅力ある学校づくりを一層推進してまいります。

 続きまして、教育研究関係について、ご説明申し上げます。
 まず、学力の向上につきましては、児童生徒一人ひとりの「確かな学力」の向上を目指して、「亀山市学力向上推進計画( 第3版)」に沿った実践を推進してまいりましたが、新年度が計画期間の最終年度となることから、現状の分析と結果検証等を行い、それらをもとに次期計画の策定を進めてまいります。また、小学校国語の共通テストや中学校英語の外部試験を継続するとともに、中学校国語、英語についても共通テストを作成・実施し学力の向上を図ってまいります。
 次に、体力の向上につきまして、去る1月に本年度の「全国体力・運動能力・運動習慣調査」の結果がまとまり、本市の小学生、中学生の運動能力は男女ともに全国及び県の数値を上回る結果となりました。引き続き、体を動かすことが「楽しい」と感じられるような工夫や運動量の確保に留意した体育の授業改善等を進めるとともに、「1学校(園)1運動プロジェクト」等、日常における運動習慣作りに取り組んでまいります。
 次いで、特別支援教育の充実につきましては、個の学び支援事業において多様な特性をもつ子どもたちへの支援や、医療的ケアが必要な子どもに対する専門的なケアができるよう人的な配置を行うとともに、「学ぶ楽しさ」「わかる喜び」を実感できるよう、授業の工夫やICTの活用等を進めてまいります。
 次に、外国人児童生徒教育の推進につきましては、来日間もない子どもの初期適応教室「レインボー」を亀山西小学校に開設して日常会話等の支援を行うとともに、小学校入学前の「プレスクール」や高校進学に向けた進路ガイダンス「学校に行こう」を実施いたします。
 次いで、豊かな心を育む教育につきましては、学校運営協議会等と連携して地域の教育資源や特徴を活かした「地域学習」を実践するとともに、歴史博物館や文化会館等の協力により、これまでの体験活動の場を一層工夫した実践を進めてまいります。
 次に、学校図書館関係につきましては、市立図書館との連携を進め、学校図書館活用アドバイザーと学校司書が中心となって読書環境を整えるとともに、「かめやましファミリー読書リレー」や「かめやま読書チャレンジ」等の取り組みを通して、子どもたちの読書習慣の定着を図ります。
 次いで、自主教材の作成につきまして、市内に残る戦争遺跡の教材化が市民協働提案制度によって提案され、採択されました。新年度に市民と教育委員会、教職員が協力して地域に残る戦争遺跡や証言等の教材作成を行い、市内小中学校において総合的な学習の時間や社会科等で活用していくこととします。
 次に、情報教育につきましては、教育の情報化をさらに推進し、児童生徒の学習への意欲・関心を高め、分かりやすい授業を実現するとともに、情報セキュリティや情報モラル等、情報を活用する上で必要な知識技能についても学ぶ機会を充実します。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大時の学びの継続や、不登校児童生徒の支援、1人1台端末を活用した授業の同時配信等新しい学びの姿を積極的に推進してまいります。
 次いで、個別の学習支援につきましては、経済的理由等で家庭での学習環境が整いにくい中学生を対象に「学習教室」を開催しておりますが、教室へ早めに慣れ親しんでいただくよう小学校6年生を対象とした教室体験を実施する等、更なる充実に努めてまいります。
 次に、就学前教育の充実につきましては、小学校への接続を円滑に行い、学びと育ちの連続性・一貫性を図ることができるよう「亀山市保幼認共通カリキュラム」と「亀山市保幼認小接続カリキュラム」を本年度中に見直し、さらなる連携と実践を推進します。
 次に、生徒指導につきましては、新たな不登校児童生徒を生まない取り組みとして、児童生徒理解・教育支援シートを有効に活用し、学校内や小中学校間における、個々の不登校児童生徒に関する支援情報の共有を進めます。また、子どもの支援や保護者相談等の場として、各学校での対応に加え、ふれあい教室やNPO法人と連携した居場所の提供等、きめ細かな対応に努めてまいります。
 さらに、いじめ問題につきましては、「亀山市いじめ防止基本方針」のもと、今後もいじめの実態を確実に把握するとともに、「チーム学校」を機能させながら、未然防止や早期発見・早期対応に努め、各校でいじめを許さない仲間づくりを進めてまいります。また、「亀山市いじめ問題対策連絡協議会」や「亀山市いじめ問題調査委員会」等を設置し、市内小中学校で起こったいじめ事案の早期解決に向けた連携や、いじめ事案に関する調査及び検証等適切な対応に努めてまいります。
 最後に、他市との交流につきまして、新年度は、姉妹都市である岡山県高梁市との交流として、亀山中学校の生徒が高梁中学校を訪問し、両市の友好関係を深める予定でございます。

続きまして、学校施設の整備関係について、ご説明申し上げます。
 学校施設の計画的な環境整備について検討を行うとともに、亀山南小学校給食室トイレ改修工事や中部中学校非常階段修繕など、各学校施設の実情を見極め、必要に応じた工事・修繕を実施し児童生徒の学習環境の整備を進めてまいります。
 また、本市独自の取り組みである「通学路交通安全プログラム」につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染防止や感染状況等に配慮しつつ、PTAや地域住民の皆様のご協力を得ながら、通学路の安全確保に努めてまいります。

 続きまして、中学校給食関係について、ご説明申し上げます。
 中学校給食については、栄養管理された安心安全な献立を提供するデリバリー給食を継続しつつ、全員喫食制の給食実施に向け、着実に取り組みを進めてまいります。

 続きまして、生涯学習関係について、ご説明申し上げます。
 本市における生涯学習の基本的な方向性を示す本年度中に策定予定の「亀山市生涯学習計画」につきましては、「豊かな自然と歴史文化の中で深まる学びと交流」を基本理念に、「『学び』の成果が生かされ、一人ひとりが輝く亀山市」を基本目標といたしました。一人ひとりの学びの成果が地域社会に生かされ地域全体を高めていく「生涯学習社会の実現」に向け、開講から4年目を迎える「かめやま人キャンパス」と中央公民館講座を中心に様々な学びを提供してまいります。
 次に、家庭教育の支援については、子育て家庭に向けた応援メッセージである「かめやまお茶の間10選(実践)」の浸透・定着を図るとともに、これまでご家庭で取り組まれた実践事例をホームページなどで紹介してまいります。
 また、放課後子ども教室については、地域の方の参画を得て、子どもたちが様々な体験や地域交流ができる居場所づくりを進めてまいります。
 次いで、図書館整備事業につきましては、令和5年1月26日の開館に向け、亀山駅周辺整備事業との緊密な連携のもと、新図書館の建設工事及び家具工事を着実に進めてまいります。また、管理運営体制を整えるとともに、蔵書の整理や充実、図書館サービスの向上や業務の効率化を図るためのI C タグシステムの導入や図書館関連備品の購入など開館準備を計画的に進めてまいります。さらには、地域や学校との更なる連携づくりを進め、図書館フォーラムを開催するなど新図書館開館に向けての機運を高めるとともに、ニュースレターの発行など多様な形で情報発信に努めてまいります。なお、亀山市立図書館条例の改正議案を本議会に提案させていただいております。
 現市立図書館につきましては、本年度中に策定予定の「第4次亀山市子どもの読書活動推進計画」により、新図書館開館を見据えた子どもの読書活動の推進に取り組んでまいります。また、新型コロナウイルス感染症の感染対策を適切に行い、ボランティア団体と連携しながら市民の読書活動を支える取り組みを進めてまいります。
 なお、成人式につきましては、本年4月1日から改正民法が施行され、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられますが、これまでどおり20歳を対象とし、「亀山市二十歳の集い」に名称を変更して実施いたします。

 最後に、教育に関する情報発信といたしまして、市広報に「かめやま教育通信」を掲載するなど、市民の皆様が子どもたちの成長に関心を持っていただけるよう積極的に発信してまいります。

 以上、令和4年度教育行政の方針について、ご説明を申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。