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教育行政現況報告

公開日 2021年11月26日

 令和3年12月亀山市議会定例会の開会に当たり、教育行政の現況と今後の見通しについてご報告し、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 

 まず、教育に関する国の情勢でありますが、文部科学省は来年度予算の概算要求に小学校3年生の学級定数引き下げ、小学校高学年における教科担任制の推進等、複雑化・困難化する教育課題への対応として、教職員の増員要求を行っています。

 また、国が進める教育の情報化につきましては、「端末利活用状況等の実態調査」結果が先月公表され、公立小中学校における1人1台端末の持ち帰り学習は約4分の1に留まっていることが分かりました。このような状況の中で、現在、全国の多くの自治体が諸課題の解決に努めているところであります。

 次いで、先月、令和2年度の全国の小中学校におけるいじめ及び不登校の件数が公表され、いじめの認知件数としては昨年度比で約9千件の減少となる一方で、不登校児童生徒数につきましては昨年度と比べ約1万5千名の大幅な増加となりました。

 

 次に、県の情勢でありますが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響により受験生に不利益が生じないよう、令和4年度の県立高等学校前期選抜の数学科の出題範囲を一部除外する対応を行うこととなりました。

 次いで、教育の情報化推進策として、オンライン教材の充実や共有化を進めるとともに、県独自の学力テストや学習プリントを端末回答できる準備を進めているとのことであります。

次に、令和2年度における県内小中学校のいじめや不登校の件数結果公表によりますと、いじめの認知件数も不登校児童生徒数も増加傾向にあるとのことであります。

 このような国や県の動向を受けまして、市教育委員会におけるそれぞれの事業進捗について、ご説明申し上げます。

 

 まず、今月19日に開催された第3回総合教育会議におきまして、令和3年度中に改定される予定の「亀山市教育大綱」につきまして、市長と協議を行ったところでございます。

 続きまして、学校教育関係について、ご説明申し上げます。

 本年度に予定している「亀山市学校教育ビジョン」の改定でございますが、改定委員会において内容を検討し、先月骨子案をまとめたところでございます。今後は、年度中の改定に向けて、計画案の策定を進めてまいります。

 

 次に、本市の学校における新型コロナウイルス感染症の影響でございますが、2学期の学校再開後は、分散登校やオンライン授業同時配信の実施等により教育活動を継続し、9月下旬より給食の実施等通常の教育活動を行っております。学習の進捗状況により、各学校単位で、補習等を行いながら授業時数の確保や学習内容の習得に努めてまいります。

 次いで、各学校行事関係につきましては、9月から10月にかけて予定されていた行事のほとんどが延期となりましたが、今月から新型コロナウイルス感染症の感染防止対策を徹底しつつ、運動会や文化祭、社会見学や校外学習の取り組みを進めているところであります。小学校の修学旅行につきましても、今学期中にはすべて実施される見込みであります。

 一方、昨年度は開催できなかった行事が本年度は開催される等、ウィズコロナとしての行事運営の模索も始まっています。今月6日には、「全日本合唱コンクール全国大会」が埼玉県で開催され、川崎小学校が三重県代表として出場し、銅賞を受賞いたしました。また、先月本市及び鈴鹿市において行われた第55回三重県人権・同和教育研究大会におきましては、全体会において、本市は鈴鹿市とともに『人権ベースの「ひと」「まち」を創る』と題して地元報告を行ったところであります。

 

 次に、小中学校におけるいじめ及び不登校の状況でありますが、上半期のいじめの認知件数は10件で、昨年度と比べて2件の増加となっています。いじめの態様としては国の調査結果と同様に「パソコンや携帯電話等を使ったいじめ」が増加しており、学校だけでなく家庭と連携した重点的な取り組みが必要となっています。

 また、今月の「いじめ防止強化月間」の取り組みとしましては、市広報に特集記事を掲載するとともに、教育委員会事務局職員は「S T O P いじめ」のバッジを身に付けて業務を行っています。各学校におきましても、いじめの未然防止に重点を置き、いじめ防止標語やポスターの作成、児童会や生徒会が主体となって行う集会の実施、ピンクシャツやピンクアイテム運動等、いじめの根絶に向けて工夫した取り組みを進めているところでございます。

 一方、上半期における不登校に関する状況につきましては、小中学校の合計で64名となり、中学校で増加傾向にあります。コロナ禍の中で人と接する機会の減少が長期化しており、無気力や不安、生活リズムの乱れから新たに不登校となるケースが見られます。スマートフォンやゲームの使用ルールの作成等を含めまして望ましい基本的な生活習慣の定着について、家庭と連携した取り組みを進めるとともに、スクール・カウンセラーやスクール・ソーシャルワーカー等とチーム体制を取りながら、新たな不登校を生まない取り組みを進めてまいります。

 また、不登校児童生徒の支援拠点としまして、2学期から「フリースペース・かめっこ」の運営を開始していますが、2か月で8名の通級の申し込みがございました。市の適応指導教室と連携して、不登校児童・生徒の居場所や保護者の相談の場として、一人ひとりに寄り添った支援に努めてまいります。

 

 次に、学力向上の取り組みとしまして、市では「全国学力学習状況調査」等の結果をもとに市内児童生徒の状況分析を進めるとともに、本年度から3学期の定期試験において、市内中学校の英語科と国語科の共通テストを実施する準備を進めており、各学校におきましても、成果と課題を明らかにして学力向上の実践を行っているところでございます。

 また、英語教育につきましては、小学校5、6年生を対象として、外国語4技能を測定する目的で市が作成した「英語チャレンジ」と、中学校2、3年生を対象とした民間の英語検定「GTEC」を、来る1月末までに実施いたします。

 次いで、ICTの活用と教育の情報化の推進につきましては、学校内の活用に加え、新型コロナウイルス感染症の第6波を見据えてオンライン学習や家庭への持ち帰りを安全に実施できるよう、フィルタリングソフトの導入を進めているところであります。一方、市内中学校の入学者が見込みよりも多く、年度途中の転入児童生徒も多かったことから、端末の追加購入費に係る予算補正を本議会に提案させていただいております。

 次いで、教職員の働き方改革につきまして、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対応として、校内の衛生管理やオンライン授業同時配信の実施等により、学校現場は大変厳しい環境にありましたが、様々な取り組みを進め、上半期の時間外労働時間は確実に減少している状況であります。今後におきましても、部活動ガイドラインの遵守等、教職員個々の意識改革や組織的取組により適正な働き方に努めてまいります。

 

 続きまして、学校施設の整備関係について、ご説明申し上げます。

 亀山南小学校ほか3校の消火ポンプユニット取替工事につきましては、契約を終え、機器設備の老朽化対策として消火ポンプや操作盤等の改修を進めています。また、新型コロナウイルス感染症にかかる換気対策としまして、各学校の教室等への網戸設置を進めているところでございます。

 

 続きまして、生涯学習関係について、ご説明申し上げます。

 本年度に予定している「亀山市生涯学習計画」の改定につきましては、亀山市生涯学習推進会議等での協議を経て、先月骨子案をまとめたところであります。今後は、骨子案に基づき年度中の改定に向けて、計画案の策定を進めてまいります。

 

 次に、令和4年成人式でございますが、来年1月9日に亀山市文化会館大ホールにおきまして、十分な新型コロナウイルス感染症感染防止対策を講じ実施いたします。

 

 次いで、「かめやま人キャンパス」及び「中央公民館講座」につきましては、緊急事態宣言の発令に伴い、開催を見送っておりました各種講座につきまして、今月から順次講座を開催しているところでございます。講座の実施にあたりましては、引き続き感染防止対策を講じてまいります。

 

 次に、家庭・地域の教育力向上につきましては、子育て家庭を中心に幅広く「かめやまお茶の間1 0 選( 実践)」の啓発を図ってきたところであります。コロナ禍の中、家庭で過ごす時間が長くなり、スマートフォン等の使用頻度が増加し、生活の不規則化といった課題が見られるなど、家庭での過ごし方がますます重要となっておりますことから、先月16日から22 日までを「かめやまお茶の間10選( 実践)」の取り組み強化週間と位置づけ、各家庭におきまして「あいさつ」・「食事」・「読書」・「家庭内の対話」等について実践していただきました。今後、さらなる浸透・定着に向け、啓発活動を推進してまいります。

 

 次いで、図書館整備事業につきましては、亀山市立図書館条例の改正議案の再提出に向けて、条例案の精査、教育委員会規則の整備の検討を進めております。また、新図書館を核とした地域読書活動拠点の整備に向けて、地域まちづくり協議会や福祉施設等へ出向き、意見調整を進めているところでございます。なお、亀山駅周辺2ブロック地区市街地再開発組合にて実施しております図書館家具工事につきましては、年度内の完成が見込めないことから、繰越明許費の予算補正を本議会に提案させていただいております。

 現市立図書館につきましては、緊急事態宣言が解除されたことに伴い、先月1日から開館し、今月からはボランティア団体の協力を得てイベントも再開いたしました。館内の取り組みにつきましても、「図書館サービス実施計画」に基づき、行政連携のテーマ展示など新図書館を見据えた運営に取り組んでいるところでございます。

 

 最後に、本年度の教育功労者表彰につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から表彰式を中止いたしましたが、学術振興・文化財保護関係分野を中心に、日頃よりご尽力をいただきました方々、個人18名と36団体を対象としまして感謝状及び記念品の贈呈を行いました。受賞されました方々のこれまでの活動に対し感謝と敬意を表するとともに、本市の教育に対しまして、今後も引き続き、ご支援を賜りたいとお願い申し上げたところでございます。

 

 以上、教育行政の現況についてのご報告及びご説明を申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。