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教育行政現況報告

公開日 2021年08月27日

 令和3年9月亀山市議会定例会の開会に当たり、教育行政の現況と今後の見通しについてご報告し、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 

 まず、新型コロナウイルス感染症関係ですが、感染力が強いと言われるデルタ株への置き換わりが非常に進んでいる中で、子どもの感染が8月に入って急増するなど、今までの状況とは大きく異なる局面を迎えています。本日から三重県にも緊急事態宣言が発令されることとなり、2学期からの学校教育活動については、感染防止対策を徹底しながらも、学校行事の中止や延期、部活動の中止等など、諸活動1つ1つにつきまして、慎重な判断をしているところです。

 その中で、2学期からの授業対応につきましては、感染拡大防止の観点から、来月1日から5日までを臨時休業、6日から10日までは給食を実施せずに、一部分散を含む半日授業を取り入れつつ学校を開くこととし、オンラインによる同時授業配信や郵送、ポスティングによる学習教材を提供する家庭学習等、個々の実状に応じた多様な学習を可能とする準備を進めているところでございます。

 また、教職員の新型コロナワクチンの接種状況につきましては、6月12日より始まった三重大学会場の集団接種に市内小中学校教職員の約8割が参加し、各自が申し込んでいる市等のワクチン接種も加えますと、すでに約9割の教職員が2回目のワクチン接種を完了しているところであります。

 

 次に、教育に関する国の情勢でありますが、「教職員等における児童生徒性暴力等の防止に関する法律」が6月に公布され、1年以内に施行されることとなりました。また、「デジタル社会形成基本法」が来月1日より施行されます。「デジタル社会の形成に関する重点計画」では「教育及び学習の振興」に関する計画を政府が作成することが明記されており、教育活動におけるICTのさらなる活用や、学校業務のデジタル化等が一層進められる見込みであります。

 

 次に、中央教育審議会の審議に関する状況でございますが、10年ごとに講習を義務付けている現行の「教員免許更新制」については、令和5年度にも新たな教員研修制度に置き換わる見込みとなりました。また、小学校5・6年生における専科教員の指導について、以前より検討をしている「外国語」「理科」「算数」の3教科に加え、「体育」も含めた4教科を「優先的に専科教員が指導する教科」とする案が取りまとめられています。

 次いで、県の情勢でありますが、前述のとおり性暴力等の防止に関する法律の制定を受け、教職員のコンプライアンス向上に関する資料として「管理職向けコンプライアンス・マニュアル」及び「教職員向けコンプライアンス・ハンドブック」を年内に作成し、市町及び各学校における研修等で活用していくこととしています。

 次に、ICTを活用した学びの推進について、県が独自に行っている学力調査を来年1月よりタブレット端末で行うことを可能とし、自動集計によって採点業務の効率化と結果の早期判明が期待されるところであります。

 次いで、複雑化・多様化する不登校児童生徒の対応事例について、教職経験が少ない教員であっても適切に対応できるよう、各学校における支援事例をデータベース化し、クラウド上で共有できるシステムの構築を進めており、来る10月を目途に運用を開始する見込みとなっています。

 

 このような国や県の動向を受けまして、市教育委員会におけるそれぞれの事業進捗について、ご説明申し上げます。

 市教育委員会の総合的な施策としまして、去る7月21日に開催された第2回総合教育会議におきまして、「教育等の振興を図るため重点的に講ずべき施策」として、第2次総合計画後期基本計画への明記を希望するものを精査し、市長と協議を行ったところです。

 

 次に、学校教育関係につきまして、「亀山市学校教育ビジョン」の改定については、「亀山市学校教育ビジョン改定委員会」において6回の協議をいただき、現在、骨子案をまとめているところであります。

 次に、各種行事につきまして、本年度は、感染防止対策を徹底しながら可能な範囲で実施を進めています。去る6月下旬から7月上旬には市内3中学校の修学旅行が三重県内を目的地として実施されました。市内小学校の修学旅行につきましては、来る10月から11月にかけて三重県内を目的地として予定をしておりましたが、今後の感染状況によっては延期を含め慎重に検討してまいります。

 次いで、部活動関係でございますが、まず中学校総合体育大会等の大会におきまして、2年ぶりに開催された地区大会及び県大会において好成績を収め、団体種目としましては亀山中学校のバレーボール部女子が、個人種目としましては中部中学校より柔道男子66kg級で全国大会に出場いたしました。また、東海大会には団体種目として亀山中学校の剣道部男子、陸上部女子4×100mリレー低学年の部が、同じく個人種目としましては、柔道において亀山中学校より男子60kg級、中部中学校より男子55kg級、男子66kg級で、他競技としまして亀山中学校からは剣道部女子、陸上部男女1500mでもそれぞれ出場を果たしております。

 次いで、文化部の活動では中部中学校吹奏楽部が県大会において好成績を収め、B編制の部で東海吹奏楽コンクールに出場予定です。

 また、今月3日及び4日には、市文化会館で「NHK全国学校音楽コンクール三重県コンクール」が開催され、本市からは小学校の部に2校、中学校の部に1校が出場しました。審査の結果、小学校の部において亀山西小学校が金賞を受賞し、10月の東海・北陸ブロックコンクールの三重県代表に決定しております。また、川崎小学校については、11月6日に埼玉県で開催される第74回全日本合唱コンクール全国大会小学校部門の三重県代表となっております。

 次に、県及び市文化会館との連携事業としまして、新日本フィルハーモニー交響楽団によるアウトリーチ事業が行われ、市内5校の小学生が生演奏に耳を傾けたり、一緒に合唱したりすることができました。

 次いで、来る10月に本市及び鈴鹿市において行われる「第55回三重県人権・同和教育研究大会」では、市の人権・同和教育の取り組みを地元報告で紹介するとともに、学校教育分野の報告として亀山西小学校が実践報告を行う予定です。

 次いで、児童生徒の不登校支援の取り組みといたしまして、教職員OB等が設立したNPO法人「亀っ子サポート」が、子どもの居場所、保護者支援等の活動拠点として市内川合町に「フリースペースかめっこ」を開設することになりましたことから、先月1日付で委託契約を締結しました。2学期からの受け入れができるよう計画を進めているところであります。

 次に、先月28日に「英語デイキャンプin Kameyama2021」を開催いたしました。市内の小学生から30名の参加があり、ALTや英語専科教員、指導主事等も参加して生きた英語に親しみ、楽しく学ぶ1日となりました。

 次いで、外国人児童生徒の支援でございますが、先月30日に亀山ライオンズクラブより、AI通訳機15台を生徒用マスクとともに寄贈いただきました。日本語指導の必要な児童生徒が在籍する小中学校12校に配当しまして、学習支援や保護者とのコミュニケーションに役立ててまいります。

 

 次に、教職員の働き方改革については、夏季休業中の学校閉校日を今年度、さらに拡大し、教職員の休暇取得を促進しております。今後も各学校の時間外労働時間削減に向けた取り組みの進捗状況を把握するとともに、総勤務時間縮減に向け、健康管理及び適切な労働について、組織風土の改善と教職員の意識改革を促してまいります。

 次いで、教職員の研修につきましては、市教育委員会が主催する「教職員研修講座」を夏季休業中に4講座開講し、教員の専門性と指導力の向上を図りました。また、昨年度は十分にできなかった教職員の自主的な研修も再開しています。今後の予定としましては、感染状況を見極めつつ、10月には市内3中学校が研究の成果を発表することとなっております。

 次に、教科書採択に関しまして、今月10日に開催された教育委員会第5回臨時会におきまして、令和4年度から使用する中学校「歴史的分野」の教科用図書の採択を行いました。

 

 続きまして、学校施設の整備関係について、ご説明申し上げます。

 関学校給食センター空調機更新工事、及び井田川小学校多目的室屋根改修工事につきましては、2学期より使用できるよう工事をほぼ完了しております。

 次に、「生理の貧困問題」に関しまして、現在、各学校において「生理の貧困」に関する相談は受けていないものの、児童生徒が生理用品を必要な時に気兼ねなく利用できる環境を整えるために、原則として小学4年から中学3年までの女子を対象としまして、トイレや保健室等への配備用としての生理用品等の購入費用に係る予算補正を本議会に提案させていただいております。

 次に、通学路における安全確保につきましては、学校、PTA及び地域等からの要望箇所や、先の千葉県八街市で発生した5名が死傷する痛ましい事故を踏まえた国からの通知を受け、ヒヤリハット事例があった箇所等あわせて95箇所について、通学路の合同現場確認を警察、三重県鈴鹿建設事務所、市関係部局等と今月上旬に実施したところです。結果を受け、関係機関と連携して改善の方向性等を検討しつつ、必要箇所における速やかな改善を目指し、引き続き児童生徒の安全確保に向けた取り組みを進めてまいります。

 次に、三重県建設労働組合亀山支部による奉仕作業につきましては、先月25日に亀山西小学校他5校において、書棚や木製ベンチの作製など、児童の学びの環境の充実に貢献していただきました。

 

 続きまして、生涯学習関係について、ご説明申し上げます。

 まず、「亀山市生涯学習計画」の改定につきましては、「亀山市生涯学習推進会議」において、現計画の成果と課題の整理及び「生涯学習計画」の方向性について協議いただき、骨子案をまとめているところであります。

 次に、「かめやま人キャンパス」につきましては、オンラインでの受講と会場での受講のハイブリッド型で講座を開講している「まちの起業人養成講座」は、オンラインでの講座を基本に継続して開催してまいります。また、「くらし」・「歴史」・「環境」をテーマとした他の講座につきましては、緊急事態宣言の発令に伴い、感染状況を見極めつつ、11月の開講を目途に準備を進めてまいります。

 中央公民館講座につきましては、感染防止対策を徹底しながら、地域に関する話題などを学ぶ「教養講座」や音楽、語学、健康など様々なジャンルの学びを提供する「文化講座」を実施してまいりましたが、緊急事態宣言の発令に伴い、10月までの開催を見送ることといたしました。また、来月から開講を予定しておりました地域住民を対象とした身近な学びの場である出前教室は、感染状況を見極めつつ、地域まちづくり協議会と協議しながら、同じく11月の開講を目途に準備を進めてまいります。

 

 次いで、図書館整備事業につきましては、亀山駅周辺整備事業との緊密な連携の下、施設整備の進捗を着実に図るとともに、新図書館における管理運営や組織体制の具体的な協議を進めているところです。また、令和5年開館に向けた新図書館の整備に伴い、関係部局と例規整備の協議を行ったところであります。なお、本年3月に、展示設計を終えました亀山文化情報プラザにつきまして、展示製作に係る予算補正を本議会に提案させていただいております。

 現市立図書館につきましては、本年3月に策定いたしました「亀山市図書館サービス実施計画」に基づき、新図書館開館を見据えた運営に取り組んでおります。その取り組みとしまして、亀山高校との連携企画や学校図書館との連携の下、学年や成長段階に応じた図書資料群を貸出する特別団体貸出(図書ユニット)の試行などを進めているところでございます。なお、緊急事態宣言の発令に伴い、宣言期間中の館内におけるイベントは、ボランティア団体と協議のうえ、中止することといたしました。さらに、長時間滞在につながる一部サービスについても中止し、感染拡大防止に努めてまいります。

 

 以上、教育行政の現況についてのご報告及びご説明を申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。