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教育行政一般方針

公開日 2021年02月24日

 令和3年亀山市議会3月定例会の開会に当たり、教育行政の方針についてご説明申し上げ、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
 まず、国の情勢でありますが、政府は、今月2日、公立小学校の1学級当たりの上限人数を35人とする義務教育標準法改正案を閣議決定しました。現在小学校2年生以上の上限人数は40人となっておりますが、新年度以降2年生より1学年ずつ上限の引き下げを行い、令和7年度には小学校全ての学年が上限35人となる見込みです。
 また、新しい時代に必要となる資質・能力の育成や主体的・対話的で深い学びの実現を目指して、新年度より中学校においても新学習指導要領に沿った教育活動が本格実施されます。教科書も刷新され、全国でデジタル教科書に関する実証実験も始まる中、文部科学省は、少人数学級と情報通信技術(ICT)の活用により、一人ひとりのニーズに応じたきめ細かな指導や学びが可能になるとしています。
 
 次に、県の情勢でありますが、文部科学省が進める教職員定数の改善を受けて、今まで行ってきた「みえ少人数学級」の在り方を見直すとともに、コロナ禍における教育活動の継続を支援するため、多様な人材が学校の教育活動に参画する取組を進めているところです。
 また、本年度県内を目的地とする修学旅行等に対して体験活動や宿泊費用に対する補助が行われましたが、新年度も引き続き実施する予定としております。
 一方、知事との1対1対談で本市が県に提案した、「オンライン学習で活用できる学習コンテンツの強化」に対して、県教育委員会が作成した「三重の学-Viva!!セット」を児童生徒がタブレット端末で直接回答し、すぐに結果を確認できるようにするなど、オンラインで活用できる教育コンテンツの整備が期待されます。
 こうした国や県の動向・施策を見極めつつ、教育委員会といたしましては、引き続き、「亀山市教育大綱」の基本理念「学びあふれる教育のまち かめやま」を念頭に置き、着実なる教育実践を推進してまいります。
 なお、新年度は「亀山市教育大綱」及び「亀山市学校教育ビジョン」、「亀山市生涯学習計画」につきまして、その計画期間が残すところ1年となります。今後それらの改定に向けて本市における現状と課題の整理を行った上で、施策の方向性を検討してまいります。
 
 それでは、教育行政の各部門にわたり、新年度の取組及び事業計画をご説明申し上げます。
 はじめに、学校教育関係について、ご説明申し上げます。
 まず、新型コロナウイルスの感染を防止する取組としましては、引き続き日常に使用する手指消毒用アルコールや学校健康診断時に必要な衛生資材等を整え、学校医や学校薬剤師の指導のもと感染症対策に努めるとともに、子どもたちの学びの保障に注力して学校教育活動の工夫充実に努めてまいります。また、各学校で行われる行事等につきましては、その重要度を勘案し、精査のうえ内容等についての検討を行うとともに、ICTを積極的に活用する取組を進めてまいります。
 次に、学校体制の充実につきましては、本年度より「スクール・サポート・スタッフ」「学習指導員」の全校配置を行いましたが、今後も「部活動指導員」や学校ボランティア等、学校の教育活動を支援する外部人材の積極的な活用を進めてまいります。
 次いで、少人数教育推進につきましては、国が進める小学校の35人学級編制に先行して本市は取組を進めてまいりました。これにより、概ね過密学級の解消ができている状況ですが、引き続き、県の「みえの少人数教育推進事業」等を補完し、1学級35人以下の少人数指導や過密学級解消を推進するため、市単独の「少人数教育推進教員」を配置し、小中学校におけるきめ細かな指導に取り組んでまいります。また、個の学び支援事業におきましては、学習生活相談員の効果的な配置や介助員、看護師等の適正配置に引き続き努めてまいります。
 次に、コミュニティ・スクールにつきましては、新年度から新たに亀山東小学校、亀山中学校の2校で学校運営協議会の設置が予定されております。これにより、市内全小中学校がコミュニティ・スクールとなり、各学校におきましては、学校・家庭・地域が一体となって子どもたちを育む「地域とともにある学校づくり」を強化・充実できるよう支援してまいります。
 次いで、教職員の働き方改革の取組といたしましては、各学校が教育職員の在校等時間の上限等に関する方針に基づく様々な取組を進めた結果、時間外労働時間は小中学校ともに確実に減少しております。今後も引き続き、教職員個々の意識改革や組織的取組により適正な働き方に努めてまいります。
 
 続きまして、教育研究関係について、ご説明申し上げます。
 まず、教職員の研修関係につきましては、教育現場の教育力の向上を目指し、「令和3年度亀山市教育関係職員の研修方針」を定め、引き続き「情熱と誇りをもち、学び続ける教職員」を目指す姿とし、中学校区の連携や保幼小中の連携を大切にしつつ、時代の変化に対応して求められる資質・能力を身につけるために、効果的な研修を組み立ててまいります。
 次に、学力向上につきましては、児童生徒一人ひとりの「確かな学力」の向上を目指して、「亀山市学力向上推進計画(第3版)」に沿って「書く力」・「読む力・読み取る力」の育成を柱とする取組を充実させるほか、教科横断的・小中系統的な視点に留意した教育課程を編成し、学習の基盤となる資質・能力「言語能力、情報活用能力、問題発見・活用能力」の育成にも取り組んでまいります。
 次いで、新しい教科書に関しましては「学びの保障・充実のための学習者用デジタル教科書実証事業」により、学習者用デジタル教科書を活用した取組を進めるとともに、課題等についての検証も行ってまいります。
 次に、体力向上につきましては、子どもたちが体育・保健体育の授業を通して運動の楽しさや喜びを味わうことができる授業づくりを進めるとともに、各学校における体力向上の目標設定や「1学校1運動」を推進し、運動の日常化に取り組みます。
 次いで、豊かな心を育む教育につきましては、新型コロナウイルスの感染対策を十分に行いつつ、コミュニティ・スクールとしての強みを活かした地域学習及びゲストティーチャーの活用、様々な体験活動の充実を図ることにより、子どもたちの地域への愛着感を醸成していくとともに自己肯定感・自己有用感の育成を図ってまいります。また、市立図書館や歴史博物館、文化会館等と連携・協力を図りつつ、文化芸術や地域の伝統文化にふれる機会を可能な限り確保してまいります。加えて「かめやましファミリー読書リレー」や「かめやま読書チャレンジ」の継続的な取組により、読書活動を推進してまいります。
 次に、生徒指導につきましては、いじめや暴力行為等を許さず、児童生徒が安心して学校生活を送ることができるよう、魅力ある学校づくりを進めてまいります。不登校児童生徒への対応としましては、適応指導教室の機能を強化するとともに、NPO法人等と連携し、訪問型支援の実施を含む子どもの居場所の開設を目指すなど、学校内外における支援策を講じてまいります。いじめ問題につきましては、「亀山市いじめ防止基本方針」の下、引き続き、いじめの実態を確実に把握するとともに、未然防止や早期発見・早期対応に努め、各校でいじめを許さない仲間づくりを進めてまいります。
 次いで、人権教育につきましては「亀山市人権教育基本方針」に沿って、全ての教育活動の中で行われるという基本認識のもと、自他の人権を守るために積極的に行動する力を育むとともに、新型コロナウイルスの感染に関する差別や偏見、いじめ等の防止に向けた取組についても引き続き行ってまいります。
 次に、情報教育につきましては、これからの学校教育を支える基盤的なツールとして1人1台端末を日常的に活用し、個別最適な学びと協働的な学びを実現してまいります。
 次いで、経済的理由等で家庭での学習環境が整いにくい中学生を対象に個別の学習支援を行う「学習教室」の開催につきましては、6年目を迎えることとなりますが、今後もコーディネーターや各中学校と連携・協力し、学びの定着と主体的な進路選択が実現できるよう、受講生徒数の拡大と、きめ細かな支援に努めてまいります。
 次に、特別支援教育の推進につきまして、障がいのある子どもの自立や社会参加に向け、子ども一人ひとりの教育的ニーズを把握し、保健・医療・福祉・教育と家庭との一層の連携を進め、切れ目のない支援を充実させてまいります。
 次いで、学校給食関係につきましては、公金化による学校給食費の適切な管理、教職員の業務負担軽減及び給食の安定的な実施を図るため、新年度から、県内の自校方式を導入している給食提供自治体に先駆けて、給食会計の公会計化を実施いたします。
 また、中学校給食については、栄養管理された安心安全な献立を提供するデリバリー給食を継続しつつ、全員喫食制の給食実施に向け、本年度末を目途に取りまとめる新たな方針に基づき取組を進めます。
 
 続きまして、学校施設の整備関係について、ご説明申し上げます。
 関学校給食センターにつきまして、既存の空調機が老朽化により修理部品等の調達が困難な状況であるため、本年度の業務委託による詳細設計に基づき、新年度、空調機の更新工事を実施いたします。
 その他、各学校施設の実情を見極め、必要に応じて工事・修繕を実施し児童生徒の学習環境の整備を進めてまいります。
 また、本市独自の取組である「通学路交通安全プログラム」につきましては、新型コロナウイルスの感染防止や感染状況等に配慮しつつ、PTAや地域住民の皆様のご協力を得ながら、通学路の安全確保に努めてまいります。
 
 続きまして、生涯学習関係について、ご説明申し上げます。
 まず、開講から3年目を迎える「かめやま人キャンパス」は、新年度におきまして第1期カリキュラムが修了する予定でございます。第1期修了生が「かめやま人」として地域で活躍する場の創出を検討するとともに、第2期カリキュラムの編成を進めてまいります。
 また、公民館講座につきましては、引き続き新型コロナウイルス感染対策を万全にして地域に密着した学びの場を提供してまいります。
 次に、家庭の教育力向上につきましては、新型コロナウイルス感染の影響下、家庭での過ごし方がますます重要となっておりますことから、家庭の時間をより大切にしていただくため、「かめやまお茶の間10選(実践)」のさらなる浸透・定着に向けた取組を継続して進めてまいります。
 次いで、図書館整備事業につきましては、昨年12月定例会におきまして公益保留床に関する財産取得の議案が議決されましたことから、本年1月12日に亀山駅周辺2ブロック地区市街地再開発組合と参加組合員契約を締結いたしました。亀山駅周辺整備事業との緊密な連携のもと、計画的に事業の進捗を図ってまいります。
 さらに、「亀山市立図書館整備基本計画」に掲げる取組を具現化するため、新図書館におけるサービス内容や管理運営体制の協議を進めるとともに、図書館フォーラムや市民ワークショップを開催し、令和5年新図書館開館に向けての機運を高めてまいります。また、ニュースレターの発行など多様な形で情報発信に努めてまいります。
 次に、現市立図書館につきましては、「亀山市子どもの読書活動推進計画」が最終年度となりますことから、現計画に基づき子ども読書活動の推進を進めるとともに、新図書館における運営を見据えた計画策定に取り組んでまいります。また、新型コロナウイルス感染対策を万全にし、ボランティア団体と連携しながら市民の読書活動を支える取組を進めてまいります。
 
 最後に、教育に関する情報発信といたしまして、教育を取り巻く環境及び市としての取組などの情報を市広報に「かめやま教育通信」として掲載するなど、市民の皆様が教育に関心を持っていただけるよう積極的に発信してまいります。
 
 以上、令和3年度教育行政の方針について、ご説明を申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。