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教育行政現況報告

公開日 2020年11月24日

 令和2年12月亀山市議会定例会の開会に当たり、教育行政の現況と今後の見通しについてご報告し、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
 
 まず、教育に関する国の情勢でありますが、文部科学省は本年9月末に来年度予算の概算要求を発表いたしました。今回の要求では、少人数指導体制の整備やGIGAスクール構想におけるデジタル教科書の部分的導入の検討等が注目されます。
 また、文部科学省は前年度における全国の小中学校及び高等学校、特別支援学校におけるいじめ件数を発表しました。いじめを1件でも確認した学校は全体の82.6%、いじめ件数は61万件にのぼり、ともに過去最高の数字となっています。
 
 次に、県の情勢でありますが、各学校における前年度のいじめの認知件数は3,447件、11%の増加となりました。県は本年度のいじめ防止の重点として、新型コロナウイルス感染症に係る差別や誹謗中傷等、子どもたちを差別や偏見から守る取組を進めるとともに、人権学習指導教材を作成し、全ての学校に配布しています。
 また、令和3年度三重県立高等学校入学者選抜の実施要項が先月発表されましたが、新型コロナウイルス感染症に係る配慮がなされ、受験生が不安を抱かないよう対策を講じています。
 次に、ICTを活用した教育の推進について、「小中学校におけるICT教育推進連絡会議」を新たに設置し、環境整備や機器の利活用、教材や指導資料の共有化等を推進することとしています。
 なお、本年度は県が主催する対面研修や人数の多い会議は、新型コロナウイルス対応でほとんどがオンラインとなり、今までにない多様な方法で開催されるようになっています。
 
 それでは、最初に学校教育関係について、ご説明申し上げます。
 まず、2学期の主な学校行事のうち、運動会や文化祭、修学旅行
につきましては、規模の縮小や内容の変更等が生じましたが、明日出発する予定の中部中学校の修学旅行で、全て完了する見込みでございます。
 また、中学校の部活動につきましても、鈴亀地区新人体育大会において開催方法の見直しが行われたものの、団体競技、個人競技ともに例年並みの種目数で熱戦が繰り広げられました。
 次に、本市における上半期のいじめ及び不登校の状況でありますが、いじめの認知件数は、前年度と比べ中学校において大きく減少しております。その要因としてはいじめ防止の取組に加え、新型コロナウイルスに係る臨時休業があったこと、部活動や放課後を含め対人接触が減少したことなどが考えられます。
 なお、今月の「いじめ防止強化月間」の取組としまして、いじめ防止標語やポスターの作成、児童会や生徒会が主体となって行う集会の実施、ピンクシャツやピンクアイテム運動等、学校毎に工夫した取組を進めているところでございます。
 また、不登校につきましては、今年度上半期、小学校で増加傾向にあります。今後とも、更なる新たな不登校を生まないよう留意するとともに、ICT機器及び通信教育についても学習支援等に活用し、学習計画に沿って課題を行った場合には出席として認めるなど、個に応じた柔軟な対応を行ってまいります。
 次いで、学力向上の取組でございますが、本年度の「みえスタディチェック」の結果が通知され、本市の小学校につきましては対象となった4年生及び5年生の国語、算数、理科全ての教科で県平均を上回り、昨年度比においても両学年とも全教科で向上しております。
 一方、中学校の結果につきましては、対象となった1年生及び2年生の国語、数学、理科において、全教科で県平均に及ばなかったものの、1年生の国語、数学が昨年度比において向上しております。今後におきましても「亀山市学力向上推進計画(第3版)」による取組を、確実に推進してまいります。
 次に、英語教育につきましては、小学校5年生及び6年生、中学校1年生を対象として、外国語4技能を測定する目的で市が作成した「英語チャレンジ」を、また、中学校2年生及び3年生を対象とした民間の英語検定「GTEC」を、来る1月末までに実施いたします。そして、それらの結果をもとに授業の改善及び指導力の向上を図っていきたいと存じます。
 次いで、GIGAスクール構想に係るICT機器の整備状況でございますが、通信ネットワーク及び充電保管庫の設置工事、タブレット端末の調達等、事業は予定通りに進捗しており、来る3月には1人1台端末が稼働できる環境が整う予定となっております。
 次に、「亀山市学校教育ビジョン」の計画期間が来年度で終了することから、先月5日に第1回の「亀山市学校教育ビジョン改定委員会」を開催するとともに、今後の教育的ニーズを把握するため関係者調査を実施したところでございます。
 次いで、教職員の働き方改革につきまして、新型コロナウイルス感染症対応や夏季休業期間の短縮等、学校現場は大変厳しい環境にありますが、各学校において勤務時間縮減に向けた様々な取組を進め、時間外労働時間は小中学校ともに確実に減少しております。今後におきましても、教職員個々の意識改革や組織的取組により、適正な働き方に努めてまいります。
 次に、教員の研究活動につきましては、本年度から「亀山市教育委員会指定校研究発表会」が各中学校区単位で開催されることとなり、亀山西小学校、野登小学校、加太小学校を会場として授業づくりや指導方法の工夫などについて学び合いました。また、本市主催の研修や会議におきましても、ICTの活用を進めてまいります。
 次いで、学校給食につきましては、中学校における昼食の在り方について多面的な検討を行うため、先月、市内小学校6年生及び中学校2年生の児童生徒及び保護者並びに中学校の教員に対して「学校の昼食に関するアンケート」調査を実施し、現在、集計結果とその分析をまとめたところであります。
 また、来年度からの学校給食費公会計化に向け、給食費の口座振替に必要なシステムの導入や口座の登録など、準備作業を行っているところでございます。
 
 続きまして、学校施設の整備関係について、ご説明申し上げます。井田川小学校校舎増築・給食室改修事業でございますが、校舎増築につきましては、先月中に基礎工事を終え、現在は躯体工事を行っているところであります。また、給食室棟ワゴンプール及び調理員用トイレ改修につきましては、今月中に外装工事を終える予定で、その後は内装工事に着手します。
 また、その他の工事としましては、井田川小学校放送設備機器更新工事や、国の補助を受けた市有建築物アスベスト含有調査の一環として学校施設の調査業務委託を実施しています。
 
 続きまして、生涯学習関係について、ご説明申し上げます。
 まず、令和3年成人式でございますが、来年1月10日に亀山市文化会館大ホールにおきまして、十分な新型コロナウイルス感染症防止対策を講じ実施いたします。
 次に、新しい学びの場である「かめやま人キャンパス」につきましては、4つの講座受講者を対象に先月3日「オンライン体験合同講座」を開催し、新しい学びの方法としてZoomを使った講座の体験会を実施いたしました。その後、順次各講座を開講し、今年度予定していましたカリキュラムは年度内に修了できる見込みでございます。
 次いで、家庭・地域の教育力向上につきましては、子育て家庭を中心に幅広く「かめやまお茶の間10選(実践)」の啓発を図ってきたところであります。新型コロナウイルス感染症の影響下、家庭での過ごし方がますます重要となっておりますことから、家庭の時間をより大切にしていただくため、先月24日から30日までを強化週間と位置づけ、「かめやまお茶の間10選(実践)」の取組を働き
かけ、各家庭におきまして「あいさつ」・「食事」・「読書」・「家庭内の対話」等について実践していただきました。今後、さらなる浸透・定着に向け、啓発活動を推進してまいります。
 図書館整備事業につきましては、本年度は、ハード面では、亀山駅周辺整備事業との緊密な連携のもと、郷土資料コーナーの展示設計、保留床購入などを進めております。来年1月に亀山駅周辺2ブロック地区市街地再開発組合と参加組合員契約の締結を予定していますことから、本定例会におきまして、財産取得について関連議案を提案させていただいております。
 ソフト面では、「亀山市立図書館整備基本計画」に掲げる取組を具現化し、新図書館におけるサービスや管理運営を具体的に展開するため、「亀山市市民読書推進サービス計画(仮称)」の策定を進めており、年内に計画骨子案をまとめる予定であります。
 さらに、今月22日には亀山市文化会館中央コミュニティセンターにおきまして、図書館フォーラムとして有識者を招いての基調講演とパネルディスカッションを開催するともに、今月7日と21日に、新図書館での運営につなげる取組として、参加者の方がイラストを交えて本の楽しさを紹介するPOPづくりと本の修理方法を学ぶ市民ワークショップを開催いたしました。引き続き、令和4年度の新図書館開館に向け、市民の意識醸成を図る取組を進めてまいります。
 また、現在の市立図書館では、例年ボランティア団体のご協力をいただきながら、図書館まつりを開催しておりましたが、本年は図書館まつり月間として先月イベントを分散させた取組を行いました。これからもボランティア団体と連携し、市民の読書活動を支える取組を進めてまいります。
 
 最後に、教育功労者の表彰につきましては、新型コロナウイルス感染症防止対策から規模を縮小し先月4日、亀山市文化会館中央コミュニティセンターにおきまして、学校保健衛生関係、社会教育団
体関係分野等でご尽力をいただきました方々、個人40名と4団体を対象に表彰式を開催いたしました。受賞されました方々のこれまでの活動に対し感謝と敬意を表するとともに、本市の教育に対しまして、今後も引き続き、ご支援を賜りたいとお願い申し上げたところであります。
 また、同日、亀山市PTA連合会主催による亀山市教育懇談会が開催され、PTA役員の方々をはじめとする各幼稚園、小・中学校及び教育関係者が一堂に会し、「コロナ禍で新しい生活様式が進む中、子どもたちの健やかな成長と教育環境の向上のために私たちにできることは」をテーマに、意見交換が行われたところであります。
 
 以上、教育行政の現況についてのご報告及びご説明を申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。