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教育行政現況報告

公開日 2020年08月27日

 令和2年9月亀山市議会定例会の開会に当たり、教育行政の現況と今後の見通しについてご報告し、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
 
 まず、教育に関する国の情勢でありますが、先月下旬からの新型コロナウイルス感染拡大の第二波と思われる状況において、10代、20代の若年者の感染が相次ぎ、児童生徒及び教職員の感染も各地で確認されております。そのような中、政府は教育再生実行会議を先月20日に開催し、「ポストコロナ」の学びをテーマに検討を行いました。学校における3密解消の対策としては、上限が40人となっている小中学校の学級定数を、より小規模とすることをテーマの一つとして取り上げ、今後検討していくこととなっています。
 また、文部科学省は持続的に児童生徒等の教育を受ける権利を保障し、リスクを可能な限り低減した上で学校運営を継続するために、学校運営に関する各種指針及び学習指導に関する資料等を発出するとともに、「学びの保障」総合対策パッケージにおいて、必要な人的体制、物的体制の強化対策を講ずることとしております。
 「学びの保障」総合対策パッケージにおける人的体制の強化につきましては、地域の感染状況に応じて、学習指導員及びスクール・サポート・スタッフの追加配置を行い、子どもたち一人ひとりの学習定着度に応じたきめ細かな指導や健康管理、校内の清掃・消毒作業等、増加する学級担任等教職員の業務をサポートするものです。  
 一方、物的体制の強化に関しましては、消毒液や非接触型体温計等の保健衛生用品の追加的な購入経費等、学校運営上必要な物資の購入について予算上の支援を行うものとしております。
 
 次に、県の情勢でありますが、令和3年度三重県立高等学校入学者選抜における対応において、県教育委員会は県内各中学校3年生における学習内容に関する調査を行い、その結果をもとに前期選抜の出題範囲を定め、公表されております。また、例年夏季休業中を中心に行われている「高校生活入門講座」については、本年度は実施時期を2学期以降の週末に複数回実施したり、ホームページを充実したりするなど、各高等学校が工夫をしつつ進路の選択に関する情報提供を行っております。
 続いて、学校行事の支援として、県は新型コロナウイルス感染拡大により、県外への教育旅行が難しくなっていることから、来月から令和3年2月までの間に県内の各学校が実施する修学旅行や社会見学等において、目的地を三重県内にした場合は、自然や歴史文化を体験する活動に必要な経費及び宿泊料に対して、県が一部補助を行うこととしています。
 
 それでは、本市における新型コロナウイルス感染症に係る現況と今後の見通しについて、ご説明申し上げます。
 まず、学校教育関係についてでございますが、市内小中学校及び幼稚園、認定こども園では、1学期に続き、夏季休業中及び2学期の行事にも影響が出ております。
 例年7月下旬に開催されている鈴亀地区中学校総合体育大会は中止となりましたが、3年生を中心とした独自大会として、交歓記念大会が先月25日から今月5日まで開催され、11種目で熱戦が繰り広げられました。
 また、本市の姉妹都市である岡山県高梁市との交流事業は、三重県及び岡山県双方の感染状況が悪化している影響から、中止となったところでございます。
 次に、各小中学校の修学旅行の影響でございますが、市内の中学校は時期を1学期から2学期に、行先を沖縄から広島方面に変更しておりましたが、9月に修学旅行が行われる亀山中学校及び関中学校につきましては、県内を中心とした目的地に再度変更いたしました。また、小学校においては実施時期の変更はございませんが、関西方面から県内に行先を変更し、来る10月に実施する予定であります。今後、本市及び目的地の感染状況によっては修学旅行の実施について慎重な判断が求められ、延期等の対応によりキャンセル料が発生した場合、それが保護者の負担とならないよう、予算補正を今議会で計上させていただきました。
 次いで、運動会や文化祭等の行事でございますが、学校規模やそれぞれの地域の実情により、日程や実施方法の変更が生じております。しかし、これら学校行事は学校生活に変化や潤いを与え、子どもたちのより良い人間関係を構築することにおいても大変重要な位置づけとの認識から、新しい生活様式に則り、各園や学校、保護者、学校運営協議会、地域関係者の創意工夫により、実り多きものとして各行事が実施できるよう調整を行っているところでございます。
 次に、学校における新型コロナウイルス感染症対策でございますが、継続して手洗いや咳エチケットなどの基本的対策はもとより、3密を避けることを徹底するとともに、飛沫防止用卓上シールドを継続して活用してまいります。また、衛生資材の確保に努めており、各学校に消毒に必要なアルコールや非接触型体温計を配布し、感染予防に努めているところでございます。
 そのような中、地域の方々による学校や子どもに対するサポートも行われております。例えば関小学校におきましては、地域のボランティアの方々が学校内各所の消毒作業を行ったり、手作りマスクを製作して全児童に無償で配布したりするなど、心温まる交流が生まれております。また、老人クラブ連合会からの雑巾寄贈、亀山ポイントカード会からのマスク寄贈を受けております。
 なお、健康診断につきましては、例年6月末までに実施いたしておりますが、新型コロナウイルス感染症対策から、医師会、歯科医師会、薬剤師会と調整のうえ、必要な衛生資材を整え日程を変更し実施いたしているところでございます。
 また、コロナ禍における教育活動において、子どもたちが安心して学校で過ごすことができているか、鈴鹿大学より児童生徒及び教職員にアンケートを行いたいという依頼があり、6月上旬に調査が行われました。調査の一次集計結果において、「自分の健康状態についての心配」及び「感染の心配」の項目において、本市の児童生徒は心配の度合いが他市と比較して統計的に有意に低いことがわかりました。その要因としては、日常の取組やその情報発信、また卓上シールド等の対策が、児童生徒の心理に一定の影響を与えていると分析されているところでございます。
 そのような状況下ではありますが、本市といたしましては、先月27日、「亀山市における学校の臨時休業の判断について」を、また今月5日には、「学校等における新型コロナウイルス感染症発生時等の対応について」を発信させていただきました。幼稚園児・児童生徒または教職員の感染が判明した場合の対応等についてのガイドラインになり得るものでございます。
 
 学校以外における新型コロナウイルス感染症に係る対応でございますが、図書館につきましては、来館者が安心して図書館を利用していただくため、先月下旬に図書除菌機を設置いたしました。また、学習室の換気扇修繕工事を実施し、今月1日からは学習室の利用を再開したところであります。今後も、感染対策を実施しながら、市民の読書活動の推進につながる取組を進めてまいります。
 また、新型コロナウイルス感染症の影響から中止・延期いたしておりました「中央公民館講座」につきましては、講師のフェイスシールドの着用、受講者の検温、ソーシャルディスタンスの確保等の感染対策を実施したうえで、来月から講座を開催する予定でございます。新型コロナウイルスの感染が拡大する中、会場を提供していただいております各地区の地域まちづくり協議会等との連携の下、感染状況を勘案し、学びの場の提供に努めてまいります。
 
 続きまして、新型コロナウイルス感染症対応以外の取組について、ご説明申し上げます。
 教科用図書の採択におきましては、本市は鈴鹿市とともに三重県北勢第3地区の区割りにおいて採択に係る作業を行ってまいりましたが、今月11日開催の教育委員会第6回臨時会にて、令和3年度より使用する中学校の教科用図書を決定したところでございます。
 次に、学力向上の取組として英語の外部試験「GTEC CORE(ジーテック コア)」を、中学校3年生は来る10月、中学校2年生は来年2月に実施いたします。これは、英語における「読む」「聞く」「書く」「話す」の4技能の力を客観的に把握して今後の学習に活かすこと、生徒の英語力や課題について調査研究し、各校の指導内容や指導方法の改善を図ることを目的として実施するものでございます。
 次いで、教職員の働き方改革につきましては、本年度に入り、学校の臨時休業の影響もありますが、1学期の時間外勤務の実績については昨年度と比較して減少しております。また、夏季休業中の学校閉校日を本年度は更に拡大し、夏季休業が縮小された中でも教職員が休暇を取得しやすいよう取組を進めております。
 次に、人権教育の推進でございますが、従来の亀山市人権教育推進協議会は学校の教職員が中心となって運営を行ってまいりました。
 しかし、「一人ひとりの人権が尊重される亀山市をつくる条例」に沿って、人権教育が全市的な取組となるよう、関係部署及び市民団体の連携をさらに進めていくこととしました。来年10月には本市及び鈴鹿市を会場として、第55回三重県人権・同和教育研究大会が行われる予定ですが、同研究大会に向けた取組についても具体的な検討に入っていく予定であります。
 次いで、GIGAスクール構想に係る事業の進捗状況でございますが、校内の通信ネットワークを整備するため、配線及び無線アクセスポイント、充電保管庫等を設置する工事につきましては、授業等教育活動への影響を抑えるため、週末を中心に設置作業を行う予定としております。また、1人1台の端末の整備につきましては、端末機種を「iPad」として仮契約を締結いたしましたので、今議会に財産の取得を提案いたしております。
 
 続きまして、学校施設の整備関係について、ご説明申し上げます。
 井田川小学校校舎増築・給食室改修事業でございますが、6月の市議会定例会におきまして建築工事について契約締結の議決をいただき、工事に着手いたしております。校舎増築につきましては、先月中に既設建物の解体工事が完了し、今月には地盤改良に着手し、現在、基礎工事を行っている状況でございます。また、給食室改修につきましても、現在、基礎工事を行っております。
 なお、今月24日から2学期が始まっておりますので、引き続き児童の安全確保及び給食室改修に係る衛生管理を徹底しつつ、工事を進めてまいります。
 一方、各学校施設についてでございますが、今年度は新型コロナウイルス感染症対策により臨時休業を実施したことから夏季休業期間が短くなりましたが、この期間に放送設備機器の更新工事や給湯器修繕などを行ったところでございます。
 
 続きまして、生涯学習関係について、ご説明申し上げます。
 今月8日及び12日の2日にわたって、鈴鹿峠自然の家におきまして、天文台「童夢」10周年記念事業として「夏の天体観察会」を坂下星見の会と協働して実施いたしました。両日とも坂下星見の会会員の方から星のお話を聞いた後、1日目はプロジェクションマッピングを投影、2日目はペルセウス座流星群の流星を観察し、多くの親子の方が参加され、鈴鹿山系の雄大な自然の中で天体観察を楽しまれました。
 次に、「かめやま人キャンパス」につきましては、2年目となる今年度は、「くらし」・「歴史」・「環境」・「起業」をテーマとした4つの講座や合同での講座を開催するとともに、現在市内で活躍されている人の元に赴くフィールドワークを中心に、各テーマをより実践的に掘り下げる講座を実施することとしており、来月からの講座開講を予定しています。
 次いで、新図書館の整備につきましては、先月から亀山駅周辺整備事業において解体工事が着手されました。同事業との緊密な連携の下、郷土資料コーナーの展示設計、保留床購入に向けた取組などを着実に進めてまいります。
 
 以上、教育行政の現況についてのご報告及びご説明を申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。