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教育行政現況報告

公開日 2019年05月31日

 令和元年6月亀山市議会定例会の開会に当たり、教育行政の現況と今後の見通しについてご報告し、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 まず、教育に関する国の情勢でありますが、本年3月には、保護者による体罰の禁止や児童相談所の機能強化を盛り込んだ児童虐待防止法と児童福祉法の改正案が閣議決定されており、今国会での成立を目指しています。
 また、文部科学省は、先月「学校における働き方改革」の答申において検討事項として挙げられていた小学校高学年教科担任制の導入推進について中央教育審議会に諮問しています。
 なお、今年度の全国学力・学習状況調査が先月、実施され、国語と算数・数学は、基礎知識と活用力を一体的に問う新形式で、中学3年生については、初めて英語が加わりました。調査結果の公表は、本年7月とされております。

 次に、県の情勢でありますが、本年3月、三重県いじめ防止基本方針が改訂されました。また「いじめ防止強化月間」である先月には、ピンクシャツ運動が推進されるとともに「事例別ワークシート」を活用した、いじめ防止の授業プランが各校に配布されております。
 さらに、本年3月、三重県部活動ガイドラインを一部改訂し、休日の部活動の時間を国のガイドラインに合わせて4時間以内から3時間以内としています。
 なお、学力の向上につきましては、組織的・計画的で持続性のある学力向上の取組の推進を掲げ、新学習指導要領に対応できる教員の授業力向上や全教科における「文章を読み解く力・伝える力」の育成を念頭に、県指導主事の学校訪問による支援を継続していくとしています。

 こうした、国や県の動向や施策を見極めつつ、教育委員会といたしましては、引き続き「亀山市教育大綱」の基本理念「学びあふれる教育のまち かめやま」の具現化に向け「亀山市学校教育ビジョン」「亀山市生涯学習計画」及び「亀山市子どもの読書活動推進計画」の具体的な実践を着実に推進してまいります。

 それでは、最初に学校教育関係について、ご説明申し上げます。
 まず、学校における働き方改革の取組といたしましては、本年度新たに「スクール・サポート・スタッフ」を4名配置し、教員の事務負担軽減を図っております。外部人材の活用や学校閉校日の拡大につきましても継続して取り組むとともに、各学校の時間外労働削減に向けた取組や業務改善等の進捗状況を把握しながら、総勤務時間縮減を推進してまいります。また、中学校における部活動につきまして、県の改訂に合わせて「亀山市部活動ガイドライン」の一部を改訂いたしました。各校の部活動の時間管理状況を把握するとともに、適切かつ効果的な部活動運営を促すために、部活動の運営や指導方針など、その在り方について市内全ての中学校教員を対象とした研修を開催したところであります。
 次に、学習環境の厳しい生徒を対象とした学習支援事業につきましては、新たに10名の新1年生の参加者を迎えて始まっております。引き続き、該当家庭への周知を進め、受講生徒数の拡大に努めてまいります。
 次いで、特別支援教育の推進につきまして、これまで亀山市就学指導委員会を設置し、障がいのある児童生徒等について、早期からの一貫した支援体制の構築を図ってきたところですが、その仕組みや実態に合わせ、また他市町の状況も鑑み、名称を亀山市教育支援委員会と変更しました。今後も引き続き、障がいのある児童生徒等への切れ目のない支援に努めてまいります。
 次に、新学習指導要領につきましては、来年度からの全面実施に向け、小学校全教科の教科書採択業務を進めているところです。また、昨年度の小学校に引き続き、中学校での「特別の教科道徳」が本格実施となっています。昨年度から先行実施しております小学校の外国語活動・外国語科につきましては、英語専科教員2名や小学校英語非常勤講師7名の配置により、指導の充実と小中学校の連携を図っております。さらに、英語で「話す」「聞く」「読む」「書く」の4技能の定着度を客観的に測るパフォーマンス評価「英語チャレンジ」を作成し、今月下旬から、市内中学校全学年で実施しております。また、小学生を対象とした「英語デイキャンプ」については、8月実施に向けて来月半ばに募集を開始いたします。
 次いで、学力向上につきましては 「書く力」の育成を軸とする学力向上の取組を進め、言語活動の充実による思考・判断・活用力の育成や、学び直しを通しての基礎、基本の定着に取り組んでいるところであります。また、本年度から、市内各校の研修担当者による研修担当者会を開催し、学力向上に向けた取組等を情報交換するほか、各中学校区で小中学校教員が互いに授業参観、意見交換ができる機会を整え、教員の授業力向上を図ってまいります。
 次に、豊かな心を育む教育につきましては、本年度から生活文化部と兼務の人権教育担当指導主事を1名配置いたしました。本市における人権教育の更なる推進を目指し、市の人権施策の取組と学校現場における人権教育との連携を強化してまいります。また、「亀山市人権教育基本方針」にのっとり、人権を守るために積極的に行動できる主体者づくりに取り組んでまいります。さらに、子どもたちの健やかな成長を願って、保護者の方々にご協力いただく子育てのポイントを健康福祉部と協働しながらリーフレットとしてまとめる作業を進めております。
 次いで、生徒指導につきましては、いじめや不登校の未然防止やその解消に向けて、道徳教育、人権教育の充実をはじめ、全ての教育活動を通して、共に認め合い、支え合う学級集団づくりを進めてまいります。また、本年度、北勢児童相談所から独立して新たに開設された鈴鹿児童相談所や子ども支援グループ等の諸機関との連携をさらに強化し、「いじめ」「不登校」及び「虐待」等の防止及び事案解消に向けた取組を進めてまいります。

 続きまして、学校施設の整備関係について、ご説明申し上げます。
 小学校普通教室等空調機整備事業につきましては、来月中に機器設置の完了を目指して工事を進めております。7月からは、試運転期間として空調機の使用が可能となり、児童が学校生活を快適に送れる環境が向上いたします。
 次に、井田川小学校校舎増築・給食室改修事業につきましては、工事設計業務委託の契約締結に向けた事務を進めており、本年度、給食室の一部増築工事が実施できるよう取り組んでまいります。
 このほか、亀山西小学校のプール使用開始に向けプールサイドのシート張替工事を実施するとともに、学校の夏季休業期間に実施予定の工事につきましても、その発注の事務を進めているところであります。

 続きまして、生涯学習関係についてご説明申し上げます。
 図書館整備事業につきましては、「亀山市立図書館整備基本計画」に基づき市全体のまちづくりを支える公共図書館を目指して、開館後の活動にもつながる市民ワークショップを継続して実施してまいります。
 また、図書館建築の実施設計と合わせて関係機関や部署と十分な連携調整を図りながら、図書館管理運営の基本的な方針の策定を着実に進めてまいります。
 一方、現市立図書館につきましては、ボランティアの方々のご協力をいただきながら、図書館まつりなど読書に親しむ環境づくりを推進してまいります。また、現在、「亀山市立図書館整備基本計画」に基づき、将来を見据えた図書館情報システムの更新や蔵書計画の策定に着手したところであります。
 次に、地域人材キラリ育成事業につきましては、公民館講座と一体的になった生涯学習の新たな仕組みとして、学びの成果により地域で活躍する人材育成を進める「かめやま人キャンパス」を来月から開講いたします。コースといたしましては、まちの歴史人養成講座、まちのくらし人養成講座、森と水の守り人養成講座、まちの起業人養成講座の4つの講座であります。
 次いで、家庭教育支援事業につきましては、昨年度から社会教育委員会において子育て家庭の在り方について多くの議論・検討を重ねていただきました。子育て中のご家庭で大切にしていただきたいことがらを10点に絞り「かめやまお茶の間10選(実践)」と名付けた応援メッセージを作成しております。来月開催されます市PTA連合会を核とした教育関係団体主催の「教育を語り合う会」で披露させていただく予定です。
 次に、青少年総合支援センターのパトロール活動につきましては、登下校防犯プランに基づき、市内の不審者情報が多く発生する時間帯や発生箇所を中心に巡回パトロールを実施するべく、本年4月からパトロールの時間帯とコースの見直しを行いました。引き続き、青少年にとって安全・安心な環境づくりと、地域全体での見守り活動への支援を進めてまいります。

 最後に、昨年度から実施いたしました教育功労者の表彰につきまして、本年度は学校運営協議会関係や社会教育団体関係などの分野で貢献していただきました方々を中心に現在、表彰候補者の選定を進めており、表彰式は昨年度と同様、10月に開催される教育懇談会に合わせて実施する予定であります。

 以上、教育行政の現況についてのご報告及びご説明を申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。