このページの本文へ移動

教育行政現況報告

公開日 2018年11月29日

 平成30年12月亀山市議会定例会の開会に当たり、教育行政の現況と今後の見通しについてご報告し、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 まず、教育に関する国の情勢でありますが、文部科学省は本年8月末に来年度予算の概算要求を発表いたしました。この概算要求には、新学習指導要領の円滑な実施、学校における働き方改革の一環となる専門スタッフ及び外部人材の配置拡充が計上されています。教員の働き方改革に関しましては、教員の勤務実態調査の分析結果を基に中央教育審議会特別部会において議論が続けられており、年明けにも働き方の指針が示される見通しです。
 また、本年度第1次補正予算においては、大阪北部地震や平成 30年7月豪雨などの災害対応と、熱中症対策としての小中学校への空調機設置、倒壊の危険性があるブロック塀の対応が計上されています。

 次に、県の情勢でありますが、本年8月と先月に三重県教育改革推進会議が開催されました。今後予想される社会情勢の変化や教育を取り巻く状況の変化を見据えて、これからの時代を生きる三重の子どもたちに必要とされる力と、その力を育むための学校・家庭・地域での取組について、次期三重県教育ビジョンの内容につながる審議が続けられています。
 また、いじめの防止等に関する県民の理解を深め、社会総がかりでいじめの問題を克服していくため、三重県いじめ防止条例に規定するいじめ防止強化月間に合わせて、今月、いじめ防止フォーラム及びピンクシャツ運動が実施されました。

 それでは、最初に学校教育関係について、ご説明申し上げます。
 まず、教職員の働き方改革につきましては、総合教育会議の場で協議いたしました改善方策に沿って取組を進めております。去る9月から勤務時間外における緊急時以外の電話連絡や来校を控えていただく取組を試行し、保護者・地域の皆様のご理解・ご協力もあり、一定の成果を得ております。今後も改善方策に沿って総勤務時間縮減に向けた取組を更に推進してまいります。
 次に、学力向上につきましては、各校において作成した学力向上推進計画に基づき、授業改善や補充学習、更には地域や保護者の皆さまのご協力も得た家庭学習の充実に向けて、取組を継続的に進めています。教育委員会といたしましては、これまでの学校支援の在り方や取組の検証も行いつつ、学校現場のニーズに即し、指導資料や指導方法の情報提供、校内における組織的な授業改善に向けた助言等、県教育委員会との連携の下で学力向上への取組を進めているところであります。
 次いで、教員の研究活動につきましては、先月10日、昼生小学校と関中学校において教育研究発表会が開催され、他市からの参加者を含め、約400名の教員が授業作りや指導方法の工夫などについて学び合いました。参観した教員は自校での実践に生かすべく、更に研修を積み重ねているところであります。
 次に、英語教育につきましては、平成32年度から小学校新学習指導要領が全面実施となり、小中学校における英語教育が大きく変わろうとする中、英語における「聞く・話す・読む・書く」の4技能の育成が求められています。これを受け、従来からの「読む・書く」に加え、「聞く・話す」の力を測るパフォーマンス評価について、学校現場で確実に評価活動が行えるよう、その具体的な方法について検討を進めています。また、「三重の英語教育改革加速事業」モデル校においては、小学校における英語指導法の研究開発に係る授業公開が順次行われています。そして、来年2月1日には、亀山東小学校におきまして第15回全国小学校英語教育実践研究大会三重大会の授業公開を行い、日頃の取組の成果を県内外に公開いたします。
 次いで、生徒指導につきましては、去る9月にいじめに関する調査を実施し、新たに認知された事案や未解消事案についての現状を一つ一つ確認して県へ報告を行うとともに、対応が困難な事案については、学校及び教育委員会並びに関係機関が連携を図り、事案解決に向け取組を進めています。今後も、いじめの実態を確実に把握するとともに、「亀山市いじめ問題対応マニュアル」に基づき、引き続き、いじめの未然防止と早期発見に努めてまいります。具体的な取組といたしましては、各校において、「いのち」に関する講演会や人権フォーラムを開催したり、子どもたちの自己肯定感を高め、いじめを無くしていける仲間づくりを進めるために、道徳や人権学習を計画的に取り組んだりしているところであります。
 また、去る9月末時点の、不登校の児童生徒数は昨年度の同時期と比べて小学校が増加傾向にあることから、子ども未来課や青少年総合支援センターなどの関係機関と連携した迅速な相談体制の整備や、教職員研修の実施など未然防止に向けた組織的な取組を進めています。さらに、鈴鹿大学・鈴鹿大学短期大学部との連携事業である「つなぐ育ち研修会」の中で、不登校も含めた子育ての悩みに応える講演会を開催し、子育てについて教職員や保護者がともに考える機会といたしました。
 次に、児童生徒の体育文化活動につきましては、先月から今月初旬にかけて開催されました鈴亀地区新人体育大会におきまして、団体競技、個人競技ともに好成績を収める生徒の姿が見られました。選手の健闘を讃えるとともに、今後も生徒が活躍できるよう、部活動ガイドラインに沿って、部活動環境の整備等に努めてまいります。また、今月6日には、市内全ての小中学校が参加する亀山市小中音楽会を開催いたしました。合唱や楽器演奏で日頃の練習成果を各校が互いに披露するとともに、亀山市文化大使である作曲家、原正美氏を招き、亀山市に伝わる民話を取り上げた楽曲を楽しむ機会となりました。
 また、本年度フラワー・ブラボー・コンクール花壇中央審査におきましては、神辺小学校が大賞を、白川小学校が内閣総理大臣賞を受賞するなど、市内8校が入賞いたしました。
 次いで、児童生徒の通学路の安全点検につきましては、ブロック塀などの安全点検を終え、防犯上の観点からの登下校防犯プランによる点検を進めているところです。この点検につきましては、まず学校と教育委員会において連れ去り等が心配される危険箇所の抽出を行い、今月21日には警察や道路管理者など関係者間により対策について協議を行いました。今後は、関係者による合同現場確認を実施してまいります。

 続きまして、学校施設の整備関係について、ご説明申し上げます。
 まず、川崎小学校改築事業につきましては、去る9月に2期工事の新校舎が完成し、児童たちは先月から新校舎全体で学校生活を送っています。現在、旧校舎第3棟を解体しており、その後、外構工事及びグラウンド改修工事を進めてまいります。今後も工事の安全と学校運営に十分配慮を行いつつ、来年3月の事業完成に向け鋭意取り組んでまいります。
 次に、普通教室等空調機整備事業につきましては、現在、小学校の設計業務を進めているところでありますが、本年度におきまして、国の交付金の交付決定が見込まれますことから、事業を前倒しするため、本議会に工事請負費等、関係経費について予算補正を提案させていただいております。

 続きまして、生涯学習関係について、ご説明申し上げます。
 まず、図書館整備事業につきましては、図書館市民ワークショップを9月以降2回開催し、亀山駅周辺地区・2ブロック市街地再開発準備会で進めていただいております基本設計に市民の皆様のご意見を反映させるとともに、図書館整備基本計画との整合を図っているところであります。
 次に、地域人材キラリ育成事業につきましては、この事業を推進するため委員会を立ち上げ、来年度の本格実施に向けたカリキュラム編成の検討を進めています。
 次いで、図書館関係につきましては、来月9日開催予定の「カメジョブキッズ2018」において市立図書館も参画し、子どもたちが図書館司書実務の体験ができるように準備を進めているところでございます。なお、公立図書館が出展することは全国でも先駆けとなるものであり、職業体験を希望する子どもが大変多い状況となっております。

 最後に、教育功労者の表彰につきましては、先月7日、亀山西小学校体育館におきまして、学校教育ボランティアや登下校の見守り活動の分野におきましてご尽力をいただきました方々、個人48人と33団体を対象に初めて表彰式を実施いたしました。受賞されました方々のこれまでの活動に対し感謝と敬意を表するとともに、今後も本市の教育に対しまして、ご支援を賜りたいとお願い申し上げたところであります。

 以上、教育行政の現況についてのご報告及びご説明を申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。