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教育行政一般方針

公開日 2018年02月23日

 平成30年亀山市議会3月定例会の開会に当たり、教育行政の方針についてご説明申し上げ 、 議員並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
 まず、国の情勢でありますが、 教育基本法に示された理念の実現と我が国の教育振興に関する施策の総合的・計画的な推進を図るため 、 計画期間を平成30年度から平成34年度とする第3期教育振興基本計画の策定が進められています。2030 年以降の社会の変化を見据えた教育政策の在り方について 、 今後5年間の目指すべき方向性及び主な施策の内容が近く公表される予定です。
 また、昨年12月、中央教育審議会が教員の働き方改革に係る提言の中間まとめを公表し 、それを受けて文部科学省は 、「学校における働き方改革に関する緊急対策」を取りまとめました。教員の勤務時間の上限や 学校・教員が担う業務の明確化、適正化等をガイドラインで示す方針が掲げられております。
 さらに、平成30年度からの新学習指導要領先行実施や学校における働き方改革に向けて 、外部人材の積極的導入など 、学校の指導・運営体制の強化・充実が図られようとしています。

 次に県の情勢でありますが、 教育公務員特例法の一部改正を踏まえ 、 公立学校教員の資質向上を期するために、「校長及び教員としての資質の向上に関する指標」 が策定されました。
 また、三重県におけるいじめの防止、早期発見・早期対応のための対策を総合的に推進す る「三重県いじめ防止条 例(仮称 )」の制定に向けた検討も進められております。
 さらに、 県教育委員会は、本年度中に部活動ガイドラインを取りまとめることとしており、 新年度からの運用を目指しております。
 なお、 「三重県教育ビジョン」は、新年度において4年間の計画 期間の折り返し地点を迎えることとなりま すが、 県教育委員会は、引き続き8つの重点取組に注力し、各施策を推進しているところであります。
 
 こうした国や県の動向・施策を見極めつつ、教育委員会といたしましては、引き続き、亀山市教育大綱の基本理念、「 学びあふれる教育のまち かめやま」を念頭に置き 、「亀山市学校教育ビジョン」、「亀山市生涯学習計画」及び「亀山市子どもの読書活動推進計画」 の具体的実践を着実に推進してまいります。 また、これら計画の施策を確実に推進していくため、 教育委員会事務局組織の改編をいたします。 新年度は、 新たな組織体制の下、 学校や関係諸機関との連携を一層密にしながら 、教育行政の更なる充実に努めてまいります。
 一方、本市の教育行政は、 これまで多くの市民の皆様のご尽力に支えていただきながら推進してまいりました。その功績に対しまして、感謝の意を表するため、教育功労者として表彰を行う制度を導入してまいります。

 それでは、教育行政の各部門にわたり、 新年度の取組及び事業計画をご説明申し上げます。
 はじめに、学校教育関係について、ご説明申し上げます。
 まず、学校体制の充実につきましては、 新年度も引き続き、学校経営研修を充実させるとともに 、本市独自の「少人数教育推進教員」の効果的配置による 、きめ細やかな教育の推進に努めてまいります。また、個の学びの保障や特別支援教育の充実に向けては、学習生活相談員の効果的な配置や 介助員等の適正配置に引き続き努力してまいります。加えて、新たに加太小学校における1・2年複式学級解消教員や部活動指導充実に向けた部活動指導員の配置、コミュニティ・スクール対象校の拡大に伴う事務補助員の増員を行ってまいります。
 次に、児童生徒の安心・安全な環境整備につきましては、引き続き、児童生徒が自ら危険を予見したり回避したりする力を高める取組はもちろん、保護 者や地域住民の皆様のお力添えをいただきながら、防災・防犯等の教育 の充実に努めてまいります。
 次いで 、学校給食につきましては 、「かめやまっ子給食」など地産地消の取組を継続するとともに、 中学校の完全給食 や給食費の公会計化 に向けた研究に努めてまいります。
 次に、一昨年度から取組を始めました学習支援事業につきましては、受講生徒数の拡大等を図りながら更なる充実に努めてまいります。
 最後に、教職員の働き方改革の取組といたしまして、外部人材の活用や学校閉校日の拡大を進めるとともに、時間外労働削減に向けた教職員の意識改革を促し、業務改善等の進捗状況を把握しながら総勤務時間縮減を推し進めてまいります。

 続きまして、教育研究関係について、ご説明申し上げます。
 まず 、「亀山市学校教育ビ ジ ョ ン 」につきましては 、学校・ 家庭 ・地域・行政が相互に連携し、一体となって 「希望に輝く心ゆたかな亀山の子どもたち」を育成するため、その進捗管理を進めてまいります。
 次に、新学習指導要領につきましては、その改訂スケジュールに基づ き 、「 主体的・対話的で深い学び 」の 実 現と充実に向けた取組を 、計画的に実行してまいります。 新年度は、 全ての小学校におきまして 、「 特別の教科道徳 」に加え 、英語科の学習を先行的に実施してまいります。また、 カリキュラム ・ マネジメントに関する 調査研究の2年目として、短時間学習の年間指導計画の作成や検討、教材の開発や指導の充実に努めてまいります。そして、中学校道徳の教科書採択にも取り組んでまいります。
 次いで、学力向上につきましては 、「『書く力』の育成を軸とす る学力向上の取組」を、市内小中学校の全教職員が共通理解をし 、今後も一層徹底した取組を進めてまいります。一方、亀山市における外国語教育充実の一環としまして、 小中学生が楽しく英語に慣れ親しむ機会を創出するため、夏季休業期間を利用して 「 英語キャンプ ( 仮称 )」を実施し 、グローバル社会に適応できる人材の育成を図ってまいります。
 また、体力向上につきましては、 引き続き 、体育・保健体育の授業改善や運動の日常化 に取り組んでまいります。
 次に、豊かな心を育む教育につきましては、これまでの 体験活動の場を一層工夫し 、命の大切さや仲間を思いやる心の醸成を図ってまいります。さらに、 市立図書館や博物館、文化会館等との 連携を深めながら、読書や文化芸術等に係る体験を通して、豊かな感性や人間性を育んでまいります。
 また、 人権教育につきましては、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(障害者差別解消法) など、差別解消を目指す3つの法律の施行を受け、今般 、「亀山市人権教育基本方針 」を改訂いたしました。 児 童生徒一人一人が人権問題を正しく理解し、不当な差別を無くし 、人権尊重に 真摯に向き合うことができるよう、一層の取組を推進してまいります。
 次いで、生徒指導につきましては、子どもたちが確かな 規範意識を 持って 様々な生活の場面で主体的に判断・行動ができるよう、指導方法の工夫改善に取り組んでまいります。また、 いじめ問題への取組では、ささいなことも見逃さず、いじめの積極的な認知と早期対応に努めるとともに、各学校においては、いじめアンケートや教育相談などを活用し、関係機関 等とも連携しながら、いじめへの適切な対応を図ってまいります。
 次に、情報教育につきましては、教育の質の向上を目指し、新学習指導要領に示された、小学校におけるプログラ ミング教育の必修化も視野に入れ、指導者用タブレット端末の更なる導入を進めてまいります。
 次いで、コミュニティ・スクールにつきましては、 新年 度から、これまでの3校に、神辺小学校、白川小学校、野登小学校を加えた計6校に 学校運営協議会 の設置が予定されております。 さらに、その他の学校におきましても、設置に向けた研究と準備を進めてまいります。
 次に、就学前教育につきましては、新たに 健康福祉部との兼務指導主事を配置し、保幼小の密なる連携とスムーズな接続を促進し 、途切れのない教育支援に取り組んでまいります。
 最後に、学校及び 地域における教育の 充実・発展を図るため、 来月 、鈴鹿大学と 連携協定を締結 する予定をして おります 。 キャリア教育や外国人児童生徒教育を始め 、子どもたちの学びの充実に向けた取組を推進してまいります。

 続きまして、学校施設の整備関係について 、ご説明申し上げます。
 まず、川崎小学校改築事業につきましては、 新年度は継続事業の最終年度に当たり、 新校舎の完成は9月を予定しており ます。 その後、外構工事や既存校舎の解体を行い、事業の完成は来年2月を予 定しております。今後も安全管理に十分注意するとともに、学校運営に支障がないよう配慮しつつ、事業の完成に向け、鋭意取り組んでまいります。
 次に、 普通教室等空調機整備事業につきましては、中学校の設置工事を来月に着手する予定であり、本年、夏季には空調機が使用できるように取り組んでいるところです。
 また、小学校につきましては、新年度に設計を、平成31年度に設置工事を予定しており、中学校に続いて 計画的に整備を進めてまいります。
 その他、各学校施設の実状を見極め、 計画的に工事・修繕を実施し、児童生徒の学習環境の整備を進めてまいります。

 続きまして、生涯学習関係についてご説明申し上げます。
 「亀山市生涯学習計画」の推進につきましては、基本目標でありま す「『 学 び 』の成果が生かされ 、一人ひとりが輝く亀山市」の具現化に向けて、公民館や家庭教育、読書活動など、様々な地域の学びの仕組み作りについて、再編を進めてまいります。
 この方策の一つとして、 市民大学(仮称)の平成31年度からの本格開講に向け、 中央公民 館講座等と一元化 した カリキュラムの策定、プレ講座の開講に取り組んでまいります。
 
 次に、 図書館の整備につきましては、現在 、 策定作業を進めております「亀山市立図書館整備基本計画」に基づき、亀山駅周辺整備事業と 緊密な連携を図りつつ慎重に進めてまいります。 また、引き続き図書館市民ワークショップを継続し、新図書館における管理運営や 、学校・地域との連携の在り方等について検討を重ねてまいります。
 一方、市立図書館では、 先般 、 乳幼児 を連れた親子が気兼ねなく来館できる 「あかちゃんタイム」を設け るとともに 、館内に昼食休憩や水分補給をするための 飲食可能なスペースを 設置いたしました。
 今後も、市民の皆様に少しでも本を身近に感じていただける 環境の創出を進めて まいります。

 以上、平成30年度教育行政の方針について 、 ご説明申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。