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施政方針及び現況報告

公開日 2017年06月02日

 平成29 年6 月亀山市議会定例会の開会に当たり、市政の現況と今後の見通しについてご報告し、議員並びに市民の皆様の更なるご理解とご協力をお願い申し上げます。

 さて、我が国の経済につきましては、内閣府の月例経済報告において、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかに回復していくこととされるものの、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要があるとしています。
 また、国の経済財政諮問会議においては、「骨太方針2017」の策定に向けた議論が開始され、これまで一億総活躍や働き方改革を進めてきた中で、今後、成長戦略の中心として「人材への投資による生産性向上」を据える方向で議論を深めていくこととされております。
 こうした動向につきましては、市政運営にも影響がございますので、引き続き、情報収集と議論の動向を注視してまいりますとともに、地域経済・雇用等の変化に的確に対応してまいります。

 このような中、本市におきましては、本年度からの第2次総合計画前期基本計画を本格的にスタートするにあたり、その将来都市像「緑の健都 かめやま」の実現を目指して力強く踏み切ったところであります。これを受け、政策や施策の枠組みにとらわれない戦略的視点に基づき、重点的に取り組む5つの戦略プロジェクトにつきまして、その効果的な推進のためプロジェクトチームを設置するとともに、各分野における施策につきましても、推進体制を整えながら順次着手しているところであります。

 一方、先月11日には、本年度最初となる亀山市総合教育会議を開催し、教育委員会でまとめられた「亀山市立図書館整備基本構想」( 中間案)の報告を受け、協議を行ったところであります。この報告では、新たに定められた図書館の基本理念のもと、市全体の文化や教育力の向上を目指していくため、望ましい環境や規模等について整理されており、その位置についても様々な視点から検討されたものであります。
 
 また、認定こども園整備事業に伴い、第一愛護園や亀山幼稚園などの周辺施設の今後の方向性も含め、新たな認定こども園の整備に関する検討を行うことについて、相互に理解を深めたところであります。
 いずれの事業につきましても、引き続き、市と教育委員会が互いに執行機関としての責任を果たしながら、連携して進めてまいります。

 ところで、先月、茨城県桜川市において開催された、第39回全国伝統的建造物群保存地区協議会総会に出席をいたしました。桜川市は、東日本大震災により、多くの伝統的建造物に甚大な被害が生じたところであり、本市は専門職員の派遣による技術支援を行ってまいりました。
 地震発生から6年余りを経て、伝統的建造物の修復が進み、お住まいの方々にも明るい表情が見られましたことは、復興に微力ながらも貢献できたと感じるとともに、大変意義深い機会であったと考えております。
 今後につきましても、歴史文化を大切にする多くの市町村との連携を深め、全国でも早期に選定された関宿を有する市として、それにふさわしい役割を担っていかなければならないと強く感じたところであります。

 それでは、市政の各部門にわたり、第2 次亀山市総合計画の施策の体系に沿ってご説明申し上げます。

1.快適さを支える生活基盤の向上

 まず、「快適さを支える生活基盤の向上」についてでございますが、都市づくりの推進のうち、亀山駅周辺整備事業では、中心市街地における拠点性向上を目指し、2ブロックの市街地再開発事業において導入する公共的機能として、現在の図書館を移転する方向性を固めたところであります。
 この方向性は、先般の総合教育会議における協議と、亀山駅周辺の再生に資する賑わいづくり等の視点の双方から導いたものであり、引き続き、市街地再開発組合設立認可への支援を行っていくとともに、議会をはじめ市民の理解を得ながら、事業に必要な都市計画決定や詳細設計を進めてまいります。
 
 次に、住環境の向上につきましては、昨年度策定した亀山市空家等対策計画に基づき、先月24日に、亀山市空家等対策協議会を開催し、「特定空家等」及び「管理不全状態の空家等」の認定について、ご意見をいただき、それを踏まえ第一次の認定をいたしたところであります。今後は、計画で定めた方針・手順に沿って指導等の措置を行うとともに、残る「管理不全状態の空家等」の認定を行うなど、市内の空家等対策を進めてまいります。

 次いで、上下水道の充実のうち、上水道事業につきましては、亀山・関テクノヒルズ第5期造成工事に伴い、造成地の計画地盤の高低差による水圧不足に関して、加圧ポンプ施設の建設に係る協議を開発事業者と進めてまいりました。この度、開発事業者との協議が整いましたことから、亀山・関テクノヒルズ給水機能強化事業として、本議会に関係経費の予算補正を提案いたしております。
 また、公共下水道施設整備事業では、本年3月に住山町、上野町、和田町、川合町、みずほ台、能褒野町、布気町、関町新所、関町木崎の一部区域の供用を開始いたしました。これにより、公共下水道処理人口普及率は、昨年度より0.9ポイント増の50.3 %となり、農業集落排水や合併処理浄化槽と合わせた汚水処理人口普及率では87.3 % となっております。引き続き、前期基本計画の汚水処理人口普及率の目標値である平成33年度末での90 % 達成に向け、整備を進めてまいります。

 次に、道路の保全・整備のうち、野村布気線整備事業につきましては、残る用地取得交渉の対象事業者と昨年度末に用地買収契約を締結いたしましたことから、長田池周辺の工事に着手してまいります。

 次いで、安全・安心なまちづくりの推進につきましては、亀山東小学校を指定避難所とする3自治会からなる合同の自主防災組織が4月に結成されました。今後も、地域の防災力を高めるため、未結成地域への働きかけを行い、自主防災組織結成率100%を目指してまいります。
 また、ため池ハザードマップ作成事業につきましては、本年度、国の補助事業として採択されましたことから、その対象となる三寺町地内の京丸池、下庄町地内の北山池及び川合町地内の長妻池の3箇所を先行して進めてまいります。そのため、関係経費の予算補正について、本議会に提案いたしております。
 一方、消防施設・設備の整備では、多種多様化する災害に的確に対応するため、救助工作車を従来よりも高性能で安全・迅速に操作できる最新の資機材を装備した車両に更新するため、このほど購入に関する仮契約を締結いたしましたので、財産の取得について、本議会に提案いたしております。

 次に、自然との共生では、里山公園みちくさにおいて、自然が果たす役割を学ぶ「里山塾」の開講式及び第1回目の講座を去る4月23日に開催し、3歳から81歳までの幅広い世代の塾生35名に参加をいただいたところであります。今後も年間を通じ「里山塾」を開催することで、自然に触れ、理解を深め、その大切さを学ぶ機会を提供してまいります。

 次いで、歴史的風致を生かしたまちづくりの推進のうち、「関の山車」会館整備事業につきましては、本年中の工事着手に向けて、山車を収蔵するために新築する建物の実施設計と、展示等に使用するために敷地内に存する伝統的建造物の修理設計を行っており、事業計画に基づき着実に進めてまいります。

 次に、歴史文化の継承・活用につきましては、 歴史博物館において、企画展示として、第28回企画展「関萬古~ 近代産業をめぐる人々~」を今月11日まで開催しております。
 また、夏休みの自由研究ができる亀博自由研究のひろば「むか~しむかしの亀山市― 人々のくらし―」や、かめやま文化年関連事業として、9月から開催いたします第29回企画展「城主の交換転封―備中松山と伊勢亀山― 」についても、諸準備を進めているところであります。

2.健康で生きがいを持てる暮らしの充実

 続きまして、「健康で生きがいを持てる暮らしの充実」について、ご説明申し上げます。
 まず、地域福祉力の向上では、第2次亀山市地域福祉計画の策定に向け、先月17日に、亀山市地域福祉推進委員会を開催いたしました。引き続き、当委員会で議論をいただきながら、本年10月の策定を目指してまいります。
 また、来る8月1日に亀山保護司会が、亀山市社会福祉センター内に、更生保護サポートセンターを開設いたします。このセンターは、保護司や保護司会が更生保護活動を行う地域拠点となるものであり、市といたしましても、関係機関との連携による地域ネットワークの構築や更生保護活動に関する情報提供の場として期待しているところであります。
 一方、去る3 月1日から申請受付を開始しております国の経済対策臨時福祉給付金の支給につきましては、申請期間が来月1日までとなっておりますことから、未申請者に対する個別通知を4月から5月にかけて行うなど、対象者への円滑な支給事務に努めております。

 次に、健康づくり・地域医療の充実のうち、健康づくりの推進につきましては、市民一人ひとりが健康と向き合っていただけるよう、がん検診や特定健診、予防接種などの受付を順次開始しているほか、健康づくりに関する情報を盛り込んだ「健康づくりのてびき」を5月1日号の広報かめやまと合わせて全戸配布したところであります。とりわけ、近年、心筋梗塞や糖尿病などの病気との関係が注目されております歯周病に関しては、亀山歯科医師会の協力のもと、歯周病検診の対象者の年齢を昨年度までの10歳刻みから5歳刻みへと大幅に拡大して来月から実施いたします。
 また、三重大学亀山地域医療学講座支援事業では、平成26年5月に締結した三重大学との寄附講座設置協定が期間満了となりましたことから、改めて寄附講座設置協定を締結いたしました。引き続き、新しい研究テーマも加えながら、医療センターを主なフィールドに市民の健康や医療体制に関する研究・教育活動を進め、本市の地域医療の充実強化につなげてまいります。
 一方、医療センターにつきましては、本年4月から病棟に設置しております15床の地域包括ケア病床の稼働率が約90%を維持しており、在宅復帰に向けた支援を行っているところであります。
 また、在宅医療の推進を図るための24時間365日体制の調剤や医療材料の提供が可能な保険調剤薬局の誘致につきましては、医療センター敷地内に誘致する薬局の選定を完了し、10月の開設に向けた準備を進めているところでございます。これに合わせて、医療センターの外来等の調剤についても院外処方へと移行を進めてまいります。

 次いで、高齢者の地域生活支援の充実につきましては、本年4月から鈴鹿亀山地区広域連合において、新しい介護予防・日常生活支援総合事業(新しい総合事業)が開始されており、亀山地域包括支援センターにおいても相談を受付けるとともに、要支援等の方をはじめとする地域の高齢者に対する訪問、通所などのサービスや介護予防教室等の事業を進めております。

 次に、障がい者の自立と社会参加の促進につきましては、亀山市障がい者福祉計画及び亀山市障がい福祉計画が最終年度となりますことから、次期計画の策定に向け、先月26日に、亀山市地域自立支援協議会を開催いたしました。引き続き、当委員会で議論をいただきながら、本年度中の策定を目指してまいります。

 次いで、文化芸術の振興と文化交流の促進のうち、かめやま文化年事業につきましては、先月14日、そのオープニングとして、「かめやま文化年2017 キックオフパーティー」を開催し、事業に関わる関係者間の交流や相互理解を深めたところであります。今後は、「つながる」をキーワードに、文化に関する交流、継承、人材育成を目指して、1年を通じ「歴史・あかり・くらし・音楽・芸術」の5つのテーマで多彩な文化事業を展開してまいります。
 一方、去る4 月21日から5月14日までの間、三重県営サンアリーナを中心に全国菓子大博覧会・三重「お伊勢さん菓子博2017 」が開催されました。本市におきましても、5月5日の市町PRデーには、本市の魅力トークセッションや伝統芸能の披露などを行い、多数の来場者が本市の魅力に触れていただけたものと感じております。ご出演いただいた方々を始め、ご協力いただきました関係者各位に感謝を申し上げます。

 次に、スポーツの推進では、本市において、平成30年8月に開催されます全国高等学校総合体育大会(インターハイ) ウエイトリフティング競技大会に向け、今月1日に、全国高等学校総合体育大会亀山市実行委員会の設立総会を開催いたしました。今後は、総会において承認された基本方針や事業計画に基づき、諸準備を進めてまいります。
 また、平成33年度開催の第76回国民体育大会(三重とこわか国体)につきましても、本市において、ウエイトリフティング及び軟式野球の競技が予定されておりますことから、国民体育大会亀山市準備委員会の設立準備を進めているところであります。

3.交通拠点性を生かした都市活力の向上

 続きまして、「交通拠点性を生かした都市活力の向上」について、ご説明申し上げます。
 まず、企業活動の促進・働く場の充実につきましては、企業誘致に大きく影響のある交通アクセスに関して、新名神高速道路の県内区間の整備が、平成30 年度の完成に向けて着実に進められており、本市の有する立地特性が更に高まることが期待されるところであります。こうした中、現在、最終工区の造成工事が行われている亀山・関テクノヒルズを中心に、企業進出に関する問い合わせが増加しており、中には、本市への進出を具体的に検討していただいている企業もある状況であります。このような状況を好機と捉え、産業団地の開発事業者や県との連携を図り、企業誘致に取り組んでまいります。
 また、シャープ亀山工場では、来月より新たな事業が展開され、設備投資や雇用創出が図られると伺っており、亀山工場の拠点性や生産性が更に高まることを期待するところであります。

 次に、地域に根ざした商工業の活性化では、にぎわいのある商業地域の形成に向け、亀山商工会議所において、先月、空き店舗の有効活用を行うため、市内の空き店舗や事業に使える空き地などの情報を紹介するホームページが開設されました。市としましては、こうした空き店舗の有効活用を一層促進するため、商工会議所とも連携を図りながら、新たな支援制度などについても検討を進めてまいります。

 次いで、農林業の振興につきましては、農業経営の発展・改善を目的とした、「人・農地プラン」に位置づけられた認定農業者が、金融機関からの融資を活用して農業用機械を導入するにあたり、その融資額を除く経費について国の助成が受けられる見込みとなりましたことから、本議会に関係経費の予算補正を提案いたしております。

4.子育てと子どもの成長を支える環境の充実

 続きまして、「子育てと子どもの成長を支える環境の充実」について、ご説明申し上げます。
 まず、安心して産み育てられる環境づくりの推進では、産後ケアの充実のため、三重県助産師会への委託により、出産後、家族等から十分な支援が受けられない母子に対して、助産師による産後の母体管理の指導や授乳、沐浴などの育児指導の支援ができるよう体制を整えたところであります。
また、保育所等につきましては、低年齢児を中心に保育ニーズが増加傾向にある中、市内2箇所目となる小規模保育事業所「かめ愛こどもの家」が開設されました。今後も引き続き、待機児童の解消に向け、鋭意取り組んでまいります。
 更に、子育てが孤立しない環境づくりとして、支援が必要な子どもが保健・医療・福祉・教育などの関係機関から「切れ目のない支援」を受けられるよう、情報を共有するための個別カルテを全面改訂し、「にじいろのーと」の名称で配布を開始いたしました。入園、就学、医療機関の受診、福祉サービスの利用などのそれぞれの場面で役立つものとなっております。
 一方、放課後児童クラブにつきましては、本年4月から川崎小学校、井田川小学校、関小学校区において新たな放課後児童クラブが開設され、これを含めた市内17 箇所19の放課後児童クラブにおいて、入所を希望された児童566名全員に利用していただいているところあります。
 また、長期休暇子どもの居場所事業につきましては、夏休み期間などの子どもの居場所の充実を図るため、青少年研修センターでの事業の実施に向けた諸準備を進めているところであります。

5.市民力・地域力の活性化

 続きまして、「市民力・地域力の活性化」について、ご説明申し上げます。
 まず、自立した地域まちづくり活動の促進につきましては、城東地区コミュニティセンターが、耐震性の確保がなされていないことが判明したため、使用を停止している状況であります。そのため、新たに、一般社団法人三重県建設業協会から亀山支部事務所の土地及び建物を借り受け、城東地区まちづくり協議会の活動拠点とするべく、本議会に関係条例の一部改正を提案いたしております。

 次に、市民参画・協働の推進と多様な交流活動の促進のうち、協働事業提案制度では、今月10日に、昨年度実施した協働事業についての成果報告会を開催し、成果や課題の報告を受けるところであります。昨年度開催いたしました、協働事業提案制度あり方検討委員会での検討結果と合わせて、更に利用しやすいものとなるよう制度の充実を検討してまいります。
 また、市民活動応援事業に関しては、地域まちづくり協議会での市民活動応援券の使用率の上昇に伴い、登録団体数や提供メニューも充実してきており、引き続き、市民活動の活性化につなげてまいります。
 一方、若者交流推進事業につきましては、昨年度、若者が交流する機会を創出するため、「かめやま若者未来会議」を立ち上げ、市のイベントへの参画や他の団体との交流などの活動を行ってまいりました。取組2年目となる本年度におきましても、先月24日に新たなメンバーを加えて、キックオフミーティングを開催し、若い世代の積極的なまちづくりへの参画に向けスタートを切ったところであります。

 次に、共生社会の推進につきましては、今月23日から29日までの男女共同参画週間に合わせ、本年で11 年目となる三重県内男女共同参画連携映画祭が、市町等の連携により県内20会場で開催され、本市におきましても、今月18 日に市文化会館で映画上映を行います。こうした機会を捉え、男女共同参画への理解が深まるよう啓発に努めてまいります。
 また、ワーク・ライフ・バランスの推進として、来る11 月11日から26日までの16日間を「亀山市ワーク・ライフ・バランス推進週間」と定め、市民や市内の事業所等に対して意識啓発を図るとともに、具体的な行動を呼び掛けるなど、働き方改革に向けた取組を行ってまいります。

6. 行政経営

 続きまして、「行政経営」について、ご説明申し上げます。
 まず、組織マネジメントの強化として、先月、本年度の各部の使命・目標及び実施方針を定め、スプリング・レビューを経て公表したところであります。目的を明確化し、総合計画を意識した業務進捗を図ることにより、効果的・効率的な行政経営を進めてまいります。
 一方、旧国民宿舎関ロッジの既存施設につきましては、先月17日に定期建物賃貸借契約公正証書を契約予定事業者と締結いたしました。現在、事業者において、施設の名称を「ゲストホテル関ロッジ」とされ、開業準備を進めていただいております。

 なお、学校教育、生涯学習等、教育分野の詳細につきましては、後ほど教育委員会当局からご説明申し上げます。

 最後に、本年2月16日から5 月19日までの一般会計及び各特別会計に係る3千万円以上1億5千万円未満の工事請負契約並びに、同期間における負担附きでない100 万円以上の寄付受納の状況は、別紙のとおりでございましたのでご高覧賜りたいと存じます。

 以上簡単ではございますが、市政の現況についてのご報告及びご説明を申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。