このページの本文へ移動

教育行政現況報告

公開日 2014年12月28日

 平成23年3月亀山市議会定例会の開会にあたり、教育行政の方針についてご説明申し上げ、議員各位をはじめ市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
まず、国の情勢でありますが、新年度から、小学校において新学習指導要領が全面実施されます。「確かな学力」を育むために、「ゆとり」か「詰め込み」かではなく、基礎的・基本的な知識・技能の確実な定着とこれらを活用する力の育成を、いわば車の両輪として伸ばしていくことが求められているところでございます。
とりわけ、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律」改正着手の動きのなかで、30年ぶりに現在の40人学級を見直し、少人数学級の検討が行われております。国においては、小学校の新入学児童が学校の集団生活に適応できないという「小1プロブレム」に対応するために、新年度から小学校1年生を対象に、35人学級の実施を見込んでいる状況でございます。
 また、学校評価の義務化やコミュニティ・スクールの指定促進の動きなど、教育の質の向上への対応が求められております。
このような教育改革の動きや教育基本法に沿った国の「教育振興計画」に基づき、県教育委員会においても、新年度から5年間の基本計画となる三重県教育振興ビジョンが策定されました。計画では、「自立」と「共生」をキーワードとしながら、学校と家庭・地域が一体となること等が強調されております。
こうした国や県の動向・施策を見極めながら、教育委員会といたしましては、学校教育ビジョンの見直し作業をはじめ、学校教育や社会教育等の充実に着実に取り組んでまいります。
 それでは、教育行政の各部門にわたり、新年度の取組及び事業計画をご説明申し上げます。
 はじめに、学校教育についてご説明申し上げます。
学校経営の充実を図るため、児童生徒や保護者等の満足度を高めることを第一とし、教職員個々のモチベーションや資質・能力を高めながら、各学校が組織として有機的に機能するよう、学校経営品質向上活動に邁進してまいります。また、保護者や地域住民の皆様方の声に真摯に耳を傾けながら学校評価を実施し、課題解決に向けた改善とその公表にも努めてまいります。
 ところで、本年1月から2月にかけまして、市内にて不審者による声かけ事案等が多発しました。教育委員会といたしましては、迅速かつ組織的に対応を図ったところでございます。今後とも、防犯、防災、交通安全、感染症等の対策に関しまして、関係機関と連携を深めながら、適切に対応を図ってまいります。
 次に、「ふるさと先生」の適正配置と効果的活用でございます。
国の教職員定数や「みえ少人数教育推進事業」等の補完、また、35人以上の過密学級を解消するため、きめ細かな少人数指導ができるよう努めてまいります。また、教員の資質向上を目指し、新年度も「ふるさと先生」養成塾を継続実施してまいります。
 次いで、食育の推進についてでございます。
学校給食につきましては、本年4月から亀山中学校におけるデリバリー給食をスタートさせます。これを機に、中部中学校と併せ、喫食率によって単価が変わる方式から、喫食率によって変化しない固定額制に変更することにより、経費削減に努めたいと考えております。また、三重県産の食材活用を増やし、地産地消の推進にも努めてまいります。
 なお、「かめやまっ子」給食の実施回数も増やし、さらなる地産地消率の向上に寄与するよう努めてまいります。
 続きまして、教育研究についてご説明申し上げます。
まず、学力・体力向上についてでございます。
子どもたちの学力向上につきましては、本市の教育における最重要課題であるととらえ、市内小中学校においては、「学習規律の確立」「授業改善」「学習習慣の定着」の三本柱を重点項目に据え、各学校で具体的な取り組みを進めているところでございます。
今後も、この三本柱の取組を継続するとともに、わかる楽しい授業の創造に努めてまいります。
 また、平成24年度からの中学校学習指導要領本格実施に向け、その準備も併せて進めてまいります。
 また、読書習慣の確立や読書環境の整備は、学力の基礎づくりに大切であることから、学校図書や幼稚園図書の蔵書数を増やし、子どもたちが読書に親しみやすいよう、環境整備に努めているところでございます。新年度においては、各小学校に学校図書館支援員を1名ずつ配置し、亀山市ファミリー読書リレー等の取組を一層充実させてまいります。また、学校図書館のシステム化についても研究を行ってまいります。
 さらに、本市では、子どもたちのテレビの視聴時間が長いことが、学力や体力の低下につながっているという実態がございます。規則正しい生活を送ることは、学習習慣や運動習慣を身につける上で大切であります。生活習慣の見直しと改善のため、家庭や地域の協力を得るとともに、関係室とも連携して、学力・体力向上に向けて取り組んでまいります。
 次に、情報教育の推進についてでございますが、各小中学校においります。
きましては、国の「学校ICT環境整備事業」により情報環境を整備し、大型テレビや書画カメラ等を活用した授業の構築を推進しているところでございます。新年度においては、市内小学校9校のパソコン教室の機器の更新を行い、整備されたパソコン教室で、さらなる情報通信技術を活用した調べ学習ができるよう、進めてまいります。
 次いで、特別支援教育の充実についてでございますが、現在、国立特別支援教育総合研究所の研究パートナー指定を受け、発達障がいのある子どもの小中学校の連携について研究に参加しているところでございます。新年度は、「発達障がいのある子どもの、中学校から高校までの支援の連続性とその連携」について、本格的に研究を進めてまいります。今後は、特別支援教育をさらに強化し、幼稚園から高等学校までの支援の連続性について研究するとともに、その効果についても検証してまいります。
 続きまして、学校施設等の整備関係についてご説明申し上げます。
まず、井田川小学校教室等増設事業でございますが、児童数の増加に対応し、不足が見込まれる教室を増設するため、新年度において設計等を行うものです。国による35人学級への取組状況も踏まえ、学習環境の整備に努めてまいります。
 次に、空調機整備事業でございますが、中部中学校の特別支援教室及びサマースクール等に対応した教室へ空調機を設置し、生徒が学習しやすい環境を整えてまいります。
 続きまして、生涯学習関係についてご説明申し上げます。
「亀山市生涯学習計画」に基づき、市民一人ひとりが、いつでも・どこでも・だれでも楽しく学び、生きがいの持てる人生が送れるよう事業を推進してまいります。
生涯学習の充実に向けては、その中心的役割を担う公民館事業において、中央公民館や各コミュニティセンター等を活用し、市民のニーズと今日的課題を踏まえながら魅力ある講座の開催に努めるとともに、休日や夜間における講座の拡大に向けて検討してまいります。
 また、来る2月26日と27日には、「学び それは生きがい」をテーマとして第6回亀山市生涯学習フェスティバルを開催いたしますが、このような取組を通して、市民の皆様の日頃の学習成果の発表の場や生涯学習に触れる機会を充実させるとともに、生涯学習情報の発信に努めてまいります。
 なお、亀山市生涯学習計画につきましては、平成18年に策定し5ヶ年が経過しましたので、新年度においては、社会経済情勢や市民の意識調査を参考にしながら、具体的方策の見直しを行ってまいります。
 次に、青少年健全育成関係についてでございますが、青少年総合支援センターに補導員及び支援員を配置し、関係機関・団体との連携を強化しながら、引き続き、子どもの安心・安全に向けて取り組んでまいります。なお、新年度においても緊急雇用対策事業を活用しながら、深夜0時までの街頭補導や巡回パトロールを実施することで、犯罪の抑止力にも繋げてまいります。
 また、「亀山っ子市民宣言」の取組については、青少年育成市民会議を中心とした関係団体との連携を強化しながら、その実践活動を行うとともに、家庭や各地域においても積極的に取り組んでいただくよう推進してまいります。
 なお、放課後や休日における子どもの居場所づくりにつきましては、現在、市内11小学校区中7小学校区で「放課後子ども教室」を開催しておりますが、新年度は新たに昼生小学校区においても開催できるよう準備を進めております。今後も、市内の全小学校区での「放課後子ども教室」開催に向けて働きかけてまいります。
 続きまして、図書館についてご説明申し上げます。
児童書など蔵書の充実を図り、図書館の利用者も年々増加しております。書籍を通して知識や趣味の場を広げるために図書館の有効活用が求められているなかで、健康都市連合への加盟により、健康に対する関心が高まりつつあります。市民の皆様の健康づくりを推し進めるため、健康・医療分野に関する書籍を特定の書架に集めるなど、図書館としての情報発信を行ってまいります。
 また、新年度も引き続き中学校へ司書を派遣し、生徒に読書の楽しさ・さまざまな知識を得るための方法などを伝えながら、豊かな心を育む読書活動を推進してまいります。
 以上、平成23年度教育行政の方針についてご説明申し上げました。よろしくご審議ご指導賜りますようお願い申し上げます。