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教育行政現況報告

公開日 2014年12月28日

 平成23年6月亀山市議会定例会の開会にあたり、教育行政の現況についてご報告申し上げ、議員各位をはじめ市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
 まず、本年3月の東日本大震災では、宮城、福島、岩手の3県だけで1700校近く、約7割の校舎が壊れるなど学校も多くの被害を受けました。また、教室が避難所として使われている所もあり、まだまだ教育環境は、大変な状況であります。改めまして被災された皆様にお見舞いを申し上げますとともに一刻も早い復興をお祈りいたします。なお、本市へは、福島原発事故の影響から、小学生2名が親戚の家に避難されております。市といたしましても、学校やPTA・地域の皆様方と連携しながら必要な支援を行っているところであり今後の受け入れにつきましても、弾力的に対応してまいりたいと考えております。
 さて、教育に関する国の情勢でありますが、「公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の一部を改正する法律」が去る4月22日に公布されました。主な改正点は、学級編制基準を小学校1年生について現行の40人から35人に引き下げたことや市町村が柔軟に学級を編制できるような仕組みが構築されたことであります。本市におきましては、3つの小学校が該当しているところであります。
 また、去る4月から、小学校において新学習指導要領が本格実施されたところであります。来年度からの中学校完全実施と併せまして、改訂趣旨を踏まえ各学校での取組を着実に進めてまいります。
 次に、本年度も観光庁実証事業として、先月2日を学校の休業日とした「家族の時間づくり」について取組を進めました。本市としての目的は、休暇取得の分散化やブロックによる地域割ではなく、親と子どもが一緒に過ごす家族の時間を創出することで、お互いの絆や家族の絆、さらには地域の絆を深めるきっかけとしていただくことであります。今後、アンケート調査をもとに検証を進めていきたいと考えております。
 それでは、最初に学校教育について、ご説明いたします。
まず、去る4月8日に発生しました亀山井田川郵便局での強盗事件についてでございますが、児童生徒の下校の時間帯に、犯人はナイフを所持したまま逃走するという状況でありました。そこで、新学期が始まったばかりの事件発生でありましたが、各学校では、下校指導や学校配信メールによる情報発信など、児童生徒の安全確保を念頭に置いた適切な対応がとれたものと認識しております。今後とも、天災、人災に関わらず、高い危機管理意識を持ち、未然防止や事案発生後の適正な対応に努めてまいります。
 次に、「ふるさと先生」についてでございます。
本年度は、昨年度に引き続き、亀山中学校及び中部中学校にそれぞれ2名を配置することに加えて、亀山西小学校、亀山東小学校、川崎小学校及び関小学校にそれぞれ1名、また井田川小学校に2名を配置しました。
昨年度の実績から、授業の少人数化に対応したきめ細やかな指導に対し、保護者や子どもたちからは、肯定的な感想が届いております。今後とも、基礎学力の定着だけでなく生活面での課題解決にも成果が出るよう努めてまいります。
また、優秀な教員の養成・確保や指導力向上を図るため、本年度も「ふるさと先生」養成塾を計画しているところでございます。
 次いで、食育の推進についてでございます。
学校給食につきましては、去る4月から亀山中学校におけるデリバリー給食をスタートさせました。地元の食材を活かした郷土色豊かな学校給食「かめやまっ子給食」につきましては、昨年度実施回数10回を、本年度は倍増できるよう計画を立てております。「亀山コロッケ」の実施と併せまして、地産地消の推進に向けた取組を一層進めてまいりたいと考えております。
学校における食育の推進につきましては、文部科学省の「栄養教諭を中核とした食育推進事業」を受け、実践的な研究を進めていきたいと考えています。当事業に関しましては、本議会で予算補正を提案させていただいております。
本年度も、市内幼稚園・学校において、園長・校長のリーダーシップのもと、特色ある園・学校づくりを意識した教育目標を掲げ、学校自己評価に加え、保護者や地域住民の方々による関係者評価も取り入れながら、経営の改善に努めているところでございます。
 続きまして、教育研究についてご説明申し上げます。
まず、基礎学力向上についてでございます。
子どもたちの学力向上は、本市の教育における重要課題であるととらえ、市内小中学校において、昨年度より「学習規律の徹底」「授業改善」「学習習慣の確立」の三本柱を重点項目に据え、各学校で具体的な取組を進めているところでございます。本年度より小学校において新学習指導要領の本格実施となり、週授業時数が増加となりました。来年度実施の中学校と併せて、今後も学習指導が適切に進められるよう支援してまいります。
 また、本年度も、子どもたち一人ひとりの基礎・基本の定着度を把握するために、小学校4年生以上全児童と中学校全生徒に対し、去る4月にレディネステストを実施いたしました。テスト結果の分析を行うとともに、子どもたちが興味を持てる授業や、わかる楽しい授業の創造に努めるとともに、基礎学力の向上に取り組んでまいります。次に、読書推進についてでございます。
これまで学校図書や幼稚園図書の環境整備に努めてまいったところですが、その成果の一つといたしまして、亀山西小学校が「平成23年度子どもの読書活動優秀実践校 文部科学大臣賞」に選ばれました。この成果を活かし、本年度から、全小学校11校に学校図書館支援員を1名ずつ配置し、読み聞かせやかめやましファミリー読書リレー等の取組をさらに充実させ、読書推進に努めているところでございます。
 次いで、特別支援教育の充実についてでございます。
本市は、現在国立特別支援教育総合研究所の研究パートナーとして研究に参加しているところでございます。本年度は「発達障がいのある子どもの、中学校から高校への支援の連続性とその連携」について、新設された亀山中学校の通級指導教室を含め、県立亀山高等学校の協力を得て、本市の特別支援体制の充実に向け、幼稚園から高等学校への支援の連続性について担当者会を開催し、研究を進めているところでございます。
 次いで、学校と家庭・地域との連携についてでございます。
加太小学校においては、昨年度から国の「コミュニティスクール(学校運営協議会制度)委託事業」を受けており、本年度は地域と一体となった学校運営方法と地域住民への情報発信について さらに具体的に研究を進め、来年度には「コミュニティスクールの加太小学校」としてスタートができるよう準備を進めてまいります。
また、去る4月のFBC春花壇審査において、川崎小学校が三重テレビ賞を、地域と一体になって花壇経営を行った亀山東小学校が東海ラジオ賞を、白川小学校が中部善意銀行賞を受賞いたしました。今後も引き続き各校の特色を活かせるよう、学校と家庭・地域との連携を推進してまいります。
 続きまして、学校施設等の整備関係についてご説明申し上げます。
 まず、少人数教育に対応するため井田川小学校の理科室を普通教室への転換を行う設計監理業務委託契約を締結いたしましたところであります。設計業務完了後改修工事に向けて契約等の事務に着手してまいります。
また、来年度普通教室等の増設について、設計業務委託の事務にも併せて着手してまいります。
 次に、児童・生徒の健康管理を含め、学習しやすい環境整備を行います空調機整備事業についてでございます。
中部中学校の普通教室等への空調機の設置のため、設計監理業務委託契約を締結したところでありまして、設計委託業務完了後空調機設置工事に着手してまいります。
続きまして、生涯学習関係についてご説明申し上げます。
まず、本年度の公民館講座の受講者を募集しましたところ、多くの方々に応募いただきました。青少年研修センターや各地区コミュニティセンターにおいて、今月からそれぞれの講座がスタートしております。
 なお、来年2月には生涯学習フェスティバルの開催を予定しており、公民館講座の受講者や各サークルの方々の日頃の学習成果の発表の場の創出や生涯学習に触れる機会を充実させるとともに、今後も生涯学習情報の発信に努めてまいります。
 次に、青少年健全育成関係についてでございます。
「亀山っ子市民宣言」の取組については、これまでから青少年育成市民会議が中心となって様々な活動を行っていただいており、その一環として、本年8月17日から鈴鹿峠自然の家におきまして、本年で3年目を迎えます青少年体験活動サマーキャンプが3泊4日で開催される予定です。教育委員会といたしましても、宣言文に掲げた実践について、家庭・学校・地域においても取り組んでいただくよう引続き啓発してまいります。
 また、放課後や休日における子どもの居場所づくりにつきましては、本年4月から「放課後子ども教室」を昼生小学校区でも実施する運びとなりました。現在8小学校区において実施されておりますが、市内の全小学校区での「放課後子ども教室」開催に向けて、今後も働きかけてまいります。
 続いて図書館でございますが、昨年度の臨時交付金「住民生活に光をそそぐ交付金」約300万円を活用し、本年3月に可動式収納棚や大型絵本、紙芝居など6,344冊を購入し児童書の充実を図りました。特に、今回の絵本や大型絵本の購入は、幼児や小学生の親子に大変好評を得ており、図書館利用数の増加につながって来ています。また、図書館と学校の連携に力を入れており、司書の派遣、市内小学3年生の施設見学の受け入れや学校への一括図書貸出しなどを行っています。施設見学では、子どもたちがその場で読みたい本を選ぶなど、読書に親しむための良いきっかけになればと考えております。今後も学校と一層の連携を深めながら読書活動を推進してまいります。
 以上、教育行政の現況について、ご報告申し上げました。よろしくご審議、ご指導賜りますようお願い申し上げます。