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市政方針及び現況報告

公開日 2014年12月28日

 平成26年9月亀山市議会定例会の開会に当たり、市政の現況と今後の見通しについてご報告し、議員並びに市民の皆様の更なるご理解とご協力をお願い申し上げます。

 まず、今月9日、10日の台風11号の影響により、本市においても加太地区内では550mmを超える雨量を記録し、市内で床下浸水が2件、市道の法面崩落や農林業施設等において被害が発生いたしました。改めまして、被災されました方々にお見舞い申し上げますとともに、一日も早く復旧できますよう鋭意努めてまいります。
 また、今回の台風の接近に伴い、昨年気象庁において創設された大雨特別警報が三重県全域に初めて発表されました。本市におきましては、災害対策本部を中心に全職員参集による非常体制を整え、あらゆる広報媒体を用いて情報の周知徹底を図るとともに、すべての避難所を開設し、市民はもとより帰宅困難者の受け入れを行ったところであります。今後も台風や集中豪雨に備えるとともに、特別警報発表時における対応の検証を進めるなど、一層の防災体制の強化につなげてまいります。

 さて、本年度アクションイヤーとして展開する『かめやま文化年2014』につきましては、5月のキックオフ宣言以来、多彩な事業を開催しており、今月16日にはメイン事業である「NHK夏期巡回ラジオ体操」を開催し、1,500名を超える多くの市民の方々にご参加いただいたところであります。これをスポーツ・健康に関する文化の気づきの契機として、ラジオ体操の普及と定着を図り、本市の健康文化の向上につなげたいと考えております。
 また、今後の3つのリーディング事業につきましては、「関宿重伝建選定30周年記念事業」として、来月13日からの歴史博物館での企画展を皮切りに、12月13日の記念シンポジウムを開催するほか、11月2日からの「亀山トリエンナーレ ART KAMEYAMA 2014」、同月30日の亀山市文化大使の小嶋希恵氏書下ろしによる「古代浪漫ミュージカルTAKERU」の初公演に向けて、それぞれ準備が進められております。
 更に、11月22日にはメイン事業の一つとして、あかり文化に焦点を当てた「KAMEYAMA Pure Illusion?粉ちょう城のあかり化粧?」など、重層的な文化年関連事業が開催されるところであります。
 これらが、本市の培ってきた歴史と暮らしの中の文化を見つめる機会となり、市民の愛着と誇りが高まり幸福実感の向上につなげられるよう取り組んでまいります。

 さて、平成25年度一般会計の決算につきましては、後期基本計画の着実な推進を図りつつ、限られた財源を有効に活用し適切に執行してきたところであります。
 その結果として、歳入総額が211億5,791万円、歳出総額が200億1,516万円となり、実質単年度収支は、前年度の17億9,269万円の赤字から1,179万円の黒字に転じ、基礎的財政収支(プライマリーバランス)につきましても、前年度の約9億9,385万円の赤字から9億7,670万円の黒字に転じたところであります。
 また、歳入においては、法人市民税の回復と企業の大型設備投資による固定資産税の増などから市税が前年度比約9億8,000万円の増収となったことや、国から約2億3,000万円の地域の元気交付金が交付されたことなどから、財政調整基金を取崩すことなく財源確保を図れたところであります。更に、市債残高は5年連続で減少するとともに、実質公債費比率などの健全化判断比率も国の基準を大幅に下回っており、一定程度の財政の健全化は確保できたものと考えております。
 しかしながら、これら財政指標の好転は、国の臨時的措置や市税の増収など平成25年度限りの要因によるところが大きく、経常収支比率においても前年度から5ポイント回復し88.5%となったものの、目標とする85%を超えているなど依然として財政運営の緊張感は高いものと考えております。
 このことからも、今後見込まれる市税の減収傾向や普通交付税の合併算定替分の段階的な減額などに対応した、持続可能な行財政運営を確立するため、一層の行財政改革を推し進めてまいります。

 それでは、市政の各部門にわたり、第1次亀山市総合計画の基本施策の体系に沿ってご説明申し上げます。

1.?快適な都市空間の創造

 まず、「快適な都市空間の創造」についてでございますが、企業誘致につきましては、この程、亀山・関テクノヒルズへ市外の自動車部品メーカーの進出が決定いたしました。引き続き、県等と連携し、更なる企業立地につながる情報収集等に努めてまいります。

 次に、農業の振興につきましては、先月23日に、茶業の発展に寄与し、組合員に貢献する茶農協を実現することを目的に、亀山茶農業協同組合と水沢茶農業協同組合による三重北勢地区茶農協合併予備契約調印式が行われました。これにより、平成27年2月に両組合が合併し「三重茶農業協同組合」として新しく生まれ変わり、茶農家の営農基盤の維持発展につながるものと期待するところであります。

 次いで、都市づくりの推進のうち、JR亀山駅周辺の再生につきましては、駅周辺地域との検討を重ね策定いたしました亀山駅周辺市街地再生基本計画を基に、その具現化を目指し、市街地再開発基本計画の策定を進めているところであります。今後も地域と連携しながら駅周辺のにぎわいと再生に向けた取組を進めてまいります。

 次に、道路網の整備につきましては、先月1日に施行されました道路法施行規則の一部改正により、橋梁及びトンネルについて、5年毎の近接目視による定期点検と健全性の診断が義務付けられたところであります。本市におきましては、これまでから橋梁長寿命化修繕計画に基づき同様の対応を進めてきたところであり、引き続き適切な道路施設の維持管理に努めてまいります。

 次いで、新たな国土軸の形成のうち、リニア中央新幹線の実現に向けた取組につきましては、先月16日に、リニア中央新幹線・JR複線電化推進亀山市民会議総会が開催され、総会終了後には既に岐阜県駅として決定した中津川市の取組について講演が行われたところであります。
 一方、リニア中央新幹線の整備は、東京・名古屋間では、環境影響評価の手続きも順調に進み、今秋にも着工される見込みでありますが、名古屋・大阪間については、詳細ルートや駅位置が明らかにされていないことからも、引き続き、早期着工と駅誘致に向けた取組を、関係機関と連携を図りながら進めてまいります。

2.市民参画・協働と地域づくりの推進

 続きまして、「市民参画・協働と地域づくりの推進」について、ご説明申し上げます。
 まず、地域コミュニティの活性化のうち、地区コミュニティセンター充実事業につきましては、12月からの供用開始に向け進めております神辺地区コミュニティセンターの改築工事に伴い、施設の位置が変更となりますことから、本議会に地区コミュニティセンター条例の一部改正を提案させていただいております。
 また、関南部地区コミュニティセンターの建設につきましては、去る6月に用地を取得し、現在、実施設計業務に着手しており、今後、関南部地区まちづくり協議会との協議を重ねながら着実に進めてまいります。

 次に、市民参画・協働と交流の場の創造のうち、市民活動応援事業につきましては、先月末までの応援券の交付状況は20地区において32%となっております。これから秋にかけては地域での催しの多くなる時期であり、更に活用が進むものと見込まれることから、引き続き、制度の周知に努めてまいります。
 また、日本武尊・白鳥伝説3市交流事業につきましては、来る11月30日に第13回目となる大阪府羽曳野市及び奈良県御所市との3市による交流事業を本市において開催いたします。市民活動団体との連携や「かめやま文化年2014」のキーワードである「みつめる」をテーマとし、共通する歴史文化遺産をきっかけに、3市のまちの活性化につなげられる交流事業となるよう準備を進めているところであります。
 更に、11月7日から開催されます、第32回地域づくり団体全国研修交流会三重大会では、8日、9日の両日で県内21市町での分科会が予定され、本市におきましても、東海道三宿の歴史文化を活かした地域づくりをテーマとする分科会が実行委員会により開催されます。現在、全国から参加者の募集が行われているところであり、実行委員会を中心に具体的なスケジュールやおもてなしの内容について検討が行われており、市といたしましても参加者同士の交流が深まり有意義な研修の機会となるよう支援してまいります。

3.健康で自然の恵み豊かな環境の創造

 続きまして、「健康で自然の恵み豊かな環境の創造」について、ご説明申し上げます。
 まず、健康づくりの推進につきましては、先月29日から2日間にわたり千葉県において開催されました第10回健康都市連合日本支部総会及び大会へ、地域での健康づくり活動に取り組む方々とともに参加いたしました。大会では、他都市の取組に触れるとともに、その健康づくり活動について情報交換を行ったところであり、今後もこうした先進事例を参考に、市民団体や地域の方々と協働して人に優しい健康都市の実現に向けた取組を進めてまいります。
 また、予防接種事業につきましては、これまで市単独事業として、水痘など6種の任意接種に要する費用の助成を行い、接種率を高め疾病の発症及び重症化の予防を図ってきたところであります。この程、国の制度改正により、水痘及び成人用肺炎球菌の2つのワクチンが予防接種法に基づく定期予防接種として位置付けられたことから、10月1日より市民が円滑に接種できるよう諸準備を進めるとともに、本議会に関係経費の予算補正を提案させていただいております。

 次に、地域医療の充実につきましては、亀山市地域医療再構築プラン第2次計画を着実に実施するため、亀山市地域医療推進会議の指示の下、その補助機関として新たに設置した亀山市地域医療連携会議においてプランの推進を図ってまいります。
 また、市の在宅医療の更なる充実を図るため、在宅医療の先進地である千葉県柏市を訪問し、国が進める地域包括ケアシステムの先駆けとなった「柏モデル」について視察を行い、現在、これら先進事例を参考にしながら、亀山版地域包括ケアのシステム化を進めているところであります。

 次いで、循環型社会の形成・エコシティの実現につきましては、小型電子機器に含まれる希少金属の有効活用を図るため、環境省の進める小型電子機器等リサイクルシステム構築実証事業の事業採択を受けたところであり、公共施設での拠点回収に向け、諸準備を進めてまいります。

 次に、自然との共生のうち、みえ森と緑の県民税市町交付金事業につきましては、交付金事業の早期実施に向け、みえ森と緑の県民税市町交付金活用計画を策定いたしました。これに基づき、10月から地域などを対象とした里山・竹林生活環境保全事業や緑あふれるまちづくり支援事業を進めるため、本議会に予算補正を提案させていただいております。
 また、本年度から新たな制度としてスタートした農地維持・資源向上支払事業につきましては、農業の多面的機能の維持・発揮のために行われる地域の共同活動に対して支援するものであります。これまで制度の周知や説明会を行ったところ、当初の見込みを上回る多くの団体に取り組んでいただけることとなりましたことから、本議会に関係経費の予算補正を提案させていただいております。

 次いで、防災力の強化につきましては、来る10月12日に関B&G海洋センターにおいて、本年度の総合防災訓練を実施いたします。市民と関係機関が一体となった実践的な訓練とし、地域の参加者が徒歩による集団避難訓練を行うことで地域の特性を再認識し、改めて減災について考えていただく機会になるものと考えております。

 次に、消防力の充実・強化のうち、北東分署建設事業につきましては、先月2日に工事安全祈願祭が行われ、現在、建物の基礎部分について工事を進めているところであり、本年度での完成に向け、鋭意取り組んでまいります。
 また、先月27日には、関宿重要伝統的建造物群保存地区の新所地区において、自治会をはじめとする関係団体の参加協力のもと、実践的な消防訓練を実施したところであり、今後とも地域との更なる連携強化に努めてまいります。
 さて、先月13日には、三重県消防学校で開催されました「平成26年度三重県消防操法大会の小型ポンプの部」において、亀山市消防団第9分団が本市としては初となる優勝をいたしたところであります。この快挙を期に、市民の安心安全のため、より一層消防団活動に精励されますよう期待をするところであります。
 一方、地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律に基づき、これまで政令で定められていた消防長及び消防署長の資格に関する基準について、条例において定めることとされたため、本議会に関係条例の制定を提案させていただいております。

4.生きがいを持てる福祉の展開

 続きまして、「生きがいを持てる福祉の展開」について、ご説明申し上げます。
 まず、障がい者の社会参加の促進につきましては、平成25年度に続き、知的障がい者等職場実習事前モデル事業に取り組んでおり、本年度は、一般就労を目指す男性を約1ヶ月間の職場実習として、市に受け入れたところであります。これら2ヵ年の取組を検証し、平成27年度からの本格実施に向け、諸準備を進めてまいります。

 次に、社会保障の充実のうち、臨時福祉給付金及び子育て世帯臨時特例給付金の給付につきましては、それぞれ対象となることが想定される方へ関係書類を送付いたし、先月14日から受付を開始するとともに、今月8日からは給付を開始しており、今後も円滑な給付に向け、更なる周知を図るとともに、適切な給付事務に努めてまいります。

5.次世代を担う人づくりと歴史文化の振興

 続きまして、「次世代を担う人づくりと歴史文化の振興」について、ご説明申し上げます。
 まず、子育て支援につきましては、子ども・子育て関連3法に基づき、平成27年度からの新たな子ども・子育て支援新制度の実施に向け、保育所や幼稚園等の特定教育・保育施設、特定地域型保育事業及び放課後児童健全育成事業に関する確認・認可の手続き等に必要となる施設・設備及び運営に関する基準について、条例に定めることとなります。このことから、これらの基準を定める3条例の制定について本議会に提案させていただいております。

 次に、まちづくり観光の推進につきましては、東京都日本橋にある三重県の首都圏営業拠点「三重テラス」を活用したシティプロモーション事業の第2弾として、9月15日、16日の両日、本市の鉄道文化をテーマに、市内に数多く残る鉄道遺産を紹介する公開講座やパネル展示などを行い、鉄道のまちとしての魅力を発信してまいります。
 一方、国民宿舎関ロッジ付属施設であった野外休憩施設一休庵につきましては、相手方賃借人との間で明け渡しに関する調停が成立いたしましたので、これに基づく本件の解決金及び建物撤去に要する費用等につきまして、本議会に予算補正を提案させていただいております。

行政経営

 続きまして、「行政経営」について、ご説明申し上げます。
 まず、自立した行政経営の推進のうち、行財政改革の推進につきましては、平成19年度から4度にわたり実施してきた事業仕分けの手法を見直し、「ザ・点検?亀山モデル?」を実施いたします。本年度は、第1段階となる職員による内部点検として、来る10月5日亀山市総合保健福祉センターにおいて公開実施するもので、今後の持続可能な行財政運営の基盤の確立につなげてまいります。
 また、亀山温泉「白鳥の湯」の入浴料につきましては、10月1日の新料金への改正に向け、諸準備を進めているところでありますが、新たに発行する市民限定のパスポート券を来月1日から先行して発行できるよう進めております。更に、この程、三重県内温泉公共施設の14施設が来月から平成27年2月までの半年間の温泉スタンプラリーなどに取り組む「三重の公共温泉ゆら?り」に参加いたしますことから、この機会に多数の方々のご利用をお待ちしております。

 さて、入札・契約の制度改革につきましては、この程「亀山市入札・契約制度改革プロジェクト・チーム」より工事における予定価格と最低制限価格について提言書が提出されましたので、今後は、提言内容に沿って、入札・契約制度をより適正に運用してまいります。

 次に、新市まちづくり計画につきましては、合併特例債の活用期限を延長し、その有効活用を図るため、計画の一部変更を予定しております。既に県との事前協議を終え、来月、パブリックコメントを予定しております。今後は、いただいた意見等を踏まえ、年内の計画変更に向けた諸準備を進めてまいります。

 ところで、本年2月17日に被災した林業総合センターの復旧につきましては、現在、同センターの復旧工事及び監理業務の発注手続きを進めており、近く契約を行い、年内の工事完了・全面開館に向けて努めてまいります。

 なお、学校教育、生涯学習等、教育分野の詳細につきましては、後ほど教育委員会当局からご説明申し上げます。

 最後に、本年5月16日から8月15日までの一般会計及び各特別会計に係る3千万円以上1億5千万円未満の工事請負契約の状況は、別紙のとおりでございましたのでご高覧賜りたいと存じます。

 以上簡単ではございますが、市政の現況についてのご報告及びご説明を申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。