このページの本文へ移動

教育行政現況報告

公開日 2014年12月28日

 平成25年3月亀山市議会定例会の開会にあたり、教育行政の方針についてご説明申し上げ、議員各位をはじめ市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
 まず、国の情勢でありますが、新政権の教育再生実行会議を中心に、「いじめ防止対策基本法」の制定や道徳教育の強化など、教育諸制度の改革に関する審議が進められているところです。 また、新年度予算につきましても、教職員定数の35人学級拡大は見送られたものの、いじめ・体罰問題への対応や特別支援教育充実などのための増員や、道徳の補助教材「心のノート」の小中学生への全員配付等が予定されているところでございます。 一方、県の動きでありますが、重要課題に対する具体的方策を審議するための教育改革推進会議が、継続的に開催されています。中でも、「教員の資質向上部会」においては、就学前の教育力支援や教職員育成支援システム、授業力向上方策など多岐にわたった意見交換がなされ、子どもたちの「自立する力」や「共に生きる力」を育むための審議が行われているところであります。
 また、いじめや体罰問題への対応としましては、全ての小中学校を対象とした実態調査がなされるとともに、予防と対応に関する研修会も開催されたところであります。 こうした国や県の動向・施策を見極めながら、教育委員会といたしましては、学校教育ビジョンや生涯学習計画等の各種計画を着実に進めるとともに、学校防災の対策をはじめとする危機管理の取組も促進させてまいります。 それでは、教育行政の各部門にわたり、新年度の取組及び事業計画をご説明申し上げます。 はじめに、学校教育についてご説明申し上げます。
 まず、国や県の少人数教育推進のための教職員の増員が進まない状況下で、「ふるさと先生」の適正配置と効果的活用を図り、過密学級を解消し、きめ細かな少人数指導ができるよう努めてまいります。 また、団塊世代の教職員が退職し、近年、若年教諭や講師が増加している状況から、経験豊富な退職教員を、「若年講師指導員」として任用し、市内小中学校の教育水準の維持向上に努めます。併せて、管理職研修及び若年教職員の研修を充実させ、より良い学校づくりに向け、一層の組織的経営の充実にまい進してまいります。 加えて、いじめや体罰の予防、特別支援教育の充実に対応していくため、スクールカウンセラーや相談員の重点配置に努めます。そして、市内で4校目となる通級指導教室開設に向けた準備も進めてまいります。
 次に、児童生徒の安心・安全な環境整備につきましては、大規模災害や事故発生を想定した教育や訓練の充実に努めるとともに、保存食や水などの備蓄品を各学校に計画的に配備してまいります。そして、今後とも、防犯、防災、交通安全、感染症等の対策につきましては、保護者や地域住民の皆様方のお力添えをいただきながら、関係機関と連携を深め適切に対応を図ってまいります。 ところで、先月から今月にかけまして、県内においてインフルエンザが大流行しております。教育委員会といたしましては、迅速な注意喚起や情報提供に努めるとともに、消毒用アルコールの配付や、農政室と連携し、うがい用粉茶の配付とうがいの奨励などの感染予防対策を講じております。現在のところ、学級閉鎖等の措置も比較的少ない状況でありますが、今後とも高い危機管理意識で予防に努めてまいります。
 次に、食育の推進についてでございますが、新年度は、全国学校給食研究協議大会が三重県で開催されることになっており、本市は、「学校給食における地場産物の活用」についての発表を予定しているところです。そのような中で、新年度も、食育を教育課程に明確に位置付けながら、計画的かつ組織的に推進してまいります。また、「かめやまっ子」給食の充実を図り、地産地消の向上にもつなげてまいります。
 続きまして、教育研究についてご説明申し上げます。 まず、学力・体力の向上についてでございますが、新年度は、本年度に引き続き、市内全園・全校に外部講師を派遣し、模擬授業を実施したり指導助言を行ったりするなど、小中学校教職員の授業力や指導技術の向上、幼児期の運動習慣づくり等の取組を進めてまいります。さらに、新年度は、全国中学校体育大会が三重県で開催され、ソフトボール大会男子が本市で行われる予定となっているところであります。これを機に、子どもたちが全国大会で健闘する選手の姿を見て学んだり、進んで運動に親しんだりするなど、運動に対する機運の醸成に努めてまいります。 次に、いじめ・体罰のない学校・学級づくりについてでございます。いじめ・体罰のない学校・学級づくりのためには、道徳教育や人権教育を基盤とした授業づくりが欠かせないところであります。そのため、学校生活満足度を調査するためのQ−Uアンケートやいじめ等のアンケートを定期的に実施して実態把握を行うとともに、教育相談やスクールカウンセラーの効果的な活用や、生徒指導と特別支援教育の連動した校内体制づくりに取り組むなど、学校が一丸となった体制の確立に向け、新年度も引き続き努力してまいります。また、より一層専門機関等との連携を密にし、教職員の研修や事例検討等の充実に努めてまいります。
 次に、幼児教育についてでございますが、幼児期の教育が子どもたちの心身の健やかな成長を促すうえで重要な役割を担っていることから、保育園、幼稚園の職員研修を充実させてまいります。また、保幼小中等連携協議会では、幼児教育カリキュラムの詳細なところの検討を行い、本市独自の幼児教育共通カリキュラムの完成を目指して議論を重ねてまいります。また、新年度は「幼児教育指導員」1名を配置し、市内各保育所・幼稚園のカリキュラムの実施検証と幼児教育の質の向上に努めてまいります。
 次に、コミュニティスクールについてでございますが、新年度には昼生小学校が新たに国の研究指定を受け、コミュニティスクールの研究を推進してまいります。保護者や地域住民の皆様が学校運営に参画していただきながら、学校・家庭・地域が一体となって取り組む学校づくりの推進に努めてまいります。 続きまして、学校施設等の整備関係についてご説明申し上げます。 まず、亀山東小学校整備事業についてでございますが、少人数学級の推進と教室不足解消のため、亀山東小学校教室等増築工事に着手してまいります。 次に、川崎小学校改築事業についてでございますが、本年度より取り組んでおります川崎小学校校舎改築基本計画の策定を地域の皆様と一緒になって引き続き行ってまいります。また、新年度では川崎小学校の隣接地の用地買収を行い、設計業者の選定に取り組んでまいります。
 次に、安心・安全な学校づくりの取組についてでございますが、国の登録有形文化財であります白川小学校の耐震改修事業につきましては、本年度実施しております耐震工事設計に基づき、新年度は耐震改修工事に着手してまいります。 また、新年度は新たに学校の非構造部材等の点検業務や小中学校の特別支援教室等に、飛散防止フィルムを設置してまいります。
 続きまして、生涯学習関係についてご説明申し上げます。 まず、公民館講座についてでございますが、新年度におきましては、今まで公民館講座に参加したことのない新しい年齢層の開拓を図るため、夜の講座や短期講座を新たに開設してまいります。 また、家庭教育支援事業と連携させながら「子育ての宝箱」の講座内容を一新するとともに、地域に向けては、出前講座の中で「地域での子育て」、「孫育て」などをテーマにした講座を組み入れてまいります。 次に、家庭教育についてでございますが、本年度、幼稚園、保育園の保護者の方を対象に子育てに係る意識調査を行ったところです。その結果を基に新年度は、幼児家庭向けパンフレットの作成や幼稚園・保育園での保護者向け講演会を開催し、家庭教育力の向上を図ってまいります。
 次いで、青少年対策についてでございますが、青少年総合支援センターのパトロール業務につきましては、引き続き学校や警察等との連携を密にしながら、子どもの下校時間帯を重点的にパトロールしてまいります。また、就業・就学・職業訓練をいずれもしていない人、いわゆるニートや、引きこもり等自立支援に向けた相談業務につきましては、個々のケースに応じた細かな対応を継続するとともに、本人や保護者が気軽に利用できるよう、青少年総合支援センターの周知に努めてまいります。 次に、放課後や休日における子どもの居場所づくりについてでございますが、「放課後子ども教室」を市内全ての小学校区において開催できますよう働きかけるとともに、「放課後子ども教室」間の情報交換を行いながら活動内容の充実に努めてまいります。また、子どもの放課後対策について健康福祉部と連携してニーズ調査を行ってまいります。ところで、新年度は、第61回日本PTA全国研究大会が三重県で開催され、本市におきましては、「健康安全」の分科会が開催される予定となっておりますので、これを機に研究討議や情報交換を通してPTA活動の活性化に努めてまいります。 また、第55回全国社会教育研究大会も新年度に三重県で開催されますので、大会参加に向けて、社会教育委員を中心に準備を進めてまいります。
 続きまして、図書館についてご説明申し上げます。 まず、本年度見直しを進めてまいりました「亀山市子どもの読書活動推進計画」についてでございますが、計画期間を本年度から 28年度までの5年間とし、3つの基本方針「子どもの成長に合わせた読書活動の推進」、「子どもの読書環境づくり」及び「情報の発信と啓発活動の推進」から構成され、今月1日から来月4日まで、市民の皆様のご意見をお聞きするパブリックコメントを行っているところです。本年度中に、計画の策定を終え、新年度はこの計画に基づき、子どもの読書活動をより一層推進してまいります。
 次に、図書館改修事業についてでございますが、幼児の読み聞かせコーナーの新たな設置や企画展示室を学習室に改修するなど、利用者がゆったりと活用できる読書環境を整えるため施設の改修を行ってまいります。 以上、平成25年度教育行政の方針についてご説明申し上げました。よろしくご審議ご指導賜りますようお願い申し上げます。