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教育行政現況報告

公開日 2023年11月24日

 令和5年12月亀山市議会定例会の開会に当たり、教育行政の現況についてご報告し、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 まず、教育に関する国の情勢でありますが、文部科学省は来年度の教育関係予算の概算要求において、新しい時代の学びの環境整備として、「小学校高学年における教科担任制の強化と35人学級の計画的整備」の実施に関する予算を盛り込み、学校における働き方改革、複雑化・困難化する教育課題へ対応するための環境整備の加速化を目指しています。また、「不登校の児童生徒すべての学びの場を確保し、学びたいと思った時に学べる環境の整備」や「1人1台端末を活用した心や体調の変化の早期発見の推進」等に関する予算についても盛り込み、更なるいじめ・不登校対策等の推進を目指しています。

 次に、県の情勢でありますが、先月「令和4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」が公表され、その中で、不登校児童生徒数は令和3年度に比べ大幅に増加し過去最高となっています。県は年々増加する不登校児童生徒への対応として、保護者相談会など保護者同士が不安や悩みを話して交流する場の提供を行うこととしています。加えて、児童生徒が学校生活や友人関係において、思うようにいかない状況をしなやかに受け止め、適応し、立ち直り、回復する力を養う「レジリエンス教育」のプログラムの提供についても行うこととしています。

 このような情勢を踏まえ、教育委員会といたしましては、各種計画の進捗管理を行うとともに、学校及び家庭・地域との連携・協働を図りながら、重点的な取組を着実に進めてまいります。

 それでは、それぞれの事業進捗について、学校教育関係からご説明申し上げます。
 まず、学校における各種行事や体育文化活動につきましては、本年度は各校の工夫の下、それぞれの学校の実態に合わせて実施できています。先月から今月初旬にかけて中学校の「鈴亀地区新人体育大会」が開催され、団体競技・個人競技ともに、日頃の成果を発揮する生徒の姿が見られました。今月7日には、市内全ての小中学校が参加する「亀山市小中音楽会」が開催され、各学校の児童生徒が力を合わせて美しいハーモニーを披露しました。

 次に、学校教育に関する取組といたしまして、先月、亀山東小学校、井田川小学校及び加太小学校において教育研究発表会が開催されました。子どもたちが協働的に学ぶ授業、理由や根拠をもって意見を伝え合う授業、複式学級でのわたりの授業等、子どもたちが主体的に学ぶ姿を通して、教員が授業づくりや指導方法の工夫などについて学び合うことができました。
 次いで、読書活動といたしましては、今月から各校の蔵書に加え、学校図書館において、市立図書館の本を借りることができる「ほんくる。」の取組を開始し、更なる図書活用の推進を図ってまいります。
 外国人児童生徒に対する取組といたしましては、誰一人取り残さない学びの保障の場として、先月30日に「外国につながりのある児童生徒のための進路相談会『学校へ行こう』」を開催しました。当日は、外国人児童生徒やその保護者、卒業生等を含め66名の参加があり、高等学校からの学校紹介や進路相談等を行ったところです。なお、小学校に就学する外国人児童と保護者を対象としたプレスクール(るんるんスクール)につきましては、3学期に実施いたします。
 次いで、人権教育の取組といたしましては、亀山市人権教育推進協議会の主催で、去る9月27日に川崎小学校を会場として、「人権のまちづくりフォーラム2023」が開催され、多くの地域の方を含め75名の参加がありました。「人権問題に関する県民意識調査の結果から~差別が現存する社会~すべての県民が当事者」というテーマで、客観的なデータと具体的な事実から見る部落差別の現状とその解決を阻む課題等の講演内容を基に、グループごとに意見交流を行いつつ、一人ひとりが差別のない社会についてできることを考え合うことができました。
 また、先月14日及び15日に四日市市を中心に第57回三重県人権・同和教育研究大会が開催され、亀山南小学校が「すべての教育活動の基盤としての仲間づくり」の分科会において、一人の児童を中心として学級全体の人間関係をつないでいく1年間の取組を発表いたしました。
 今後につきましては、来月4日から10日までの「人権週間」を中心に、一人ひとりが人権について考え、主体的に行動することができるよう、各学校や中学校区ごとに人権集会等の取組が行われる予定となっています。

 次に、生徒指導におけるいじめ事案につきましては、新たに認知されたいじめ事案や未解消事案の現状を一つ一つ確認しつつ、特に対応が困難な事案については関係機関等と連携を図り、事案解決に向け対応を進めているところです。また、今月はいじめ防止強化月間となっており、各学校において児童会や生徒会を中心として、児童生徒の主体的な取組が進められているところです。加えて、広報かめやま11月1日号において、いじめの防止等に関する理解を深めるとともに、社会総がかりでいじめの問題を考え、克服していくための情報を掲載し啓発を図ったところでございます。
 不登校事案につきましては、本年度上半期の不登校児童生徒数は、昨年度の同時期と比べて小学校で増加しています。不登校児童生徒の居場所や相談の拠点として、教育委員会といたしましては、現在「適応指導教室(ふれあい教室)」、「フリースペースかめっこ」及び「サークルルーム」を開設しているところでございます。今後は、これらの居場所に加え、市内の小中学校に「校内ふれあい教室」の設置を推進するとともに、学校風土を見える化するためのツールの導入を検討してまいります。また、不登校児童生徒やその保護者の思いをより把握するために、個別の相談やアンケート等を実施し更なる支援につなげてまいります。
 なお、本年度上半期のいじめ・不登校に関しましては、具体的な事案報告資料として、本議会に提出させていただいております。

 次に、部活動の段階的な地域移行につきましては、来年1月に「部活動の在り方検討委員会」を開催し、県や他市町の進捗状況も踏まえ、各団体や市の他部署等と連携して今後の方向性等について検討を進めてまいります。

 続きまして、中学校給食関係について、ご説明申し上げます。
 中学校全員喫食制給食実施事業につきましては、去る9月定例会等で市議会からいただきましたご意見を踏まえた上で今月22日の教育委員会定例会において、中学校全員喫食制給食実施に係る基本的な計画の策定を行ったところでございます。
 今後につきましては、この計画に基づき、外部調理委託による食缶搬入方式での全員喫食制給食の早期実現を図ってまいります。

 続きまして、生涯学習関係について、ご説明申し上げます。
 まず、社会教育関係につきましては、コロナ禍で中止となっていました社会教育団体が主催するイベントが、各団体の創意工夫により再開されています。先月13日には、西野公園体育館において4年ぶりに亀山市婦人会連絡協議会主催の「なでしこ健康フェスティバル」が開催され、61名の方が参加されました。
 青少年育成事業につきましては、先月29日に関文化交流センターにおいて、亀山市子ども会育成者連絡協議会主催の「親子フェスティバル」が開催され、バウムクーヘンづくりやフラワーアレンジメントなどの催しに、47組111名の親子が参加され楽しまれました。引き続き各社会教育団体の活動に対する支援に努めてまいります。
 また、本年4月の道路交通法の改正により、自転車乗車時のヘルメット着用が努力義務となったため、上半期から、重点的に青パト(青色回転灯車)によるパトロール時において、着用指導を一層強化しているところです。今後も引き続き、児童生徒の安全安心の確保に努めてまいります。

 続きまして、図書館関係についてご説明申し上げます。
 市立図書館では、先月横浜市において開催されました全国的な図書館関係のコンベンション「図書館総合展2023」に出席し、変革する図書館事例について当館の取組を発表いたしました。当館が目指す公共図書館における賑わいの創出を進める中で、先月8日には入館者数も20万人を超え、市民をはじめとした多くの方々にご利用をいただいているところです。
 また、来年1月には、鉄道をキーワードに開館1周年記念イベントを開催する予定で準備を進めているところです。絵本作家コマヤスカンさんをお招きし、鉄道をテーマに募集をしました創作童話の表彰式やトークイベントのほか、講演会や図書館ボランティア団体等のご協力による催しを行う運びとなっています。
 今後も読書活動の推進とともに、図書館を核とした賑わいの創出につながる取組を進めてまいります。

 最後に、本年度の教育功労者表彰につきましては、先月1日に井田川小学校において表彰式を開催し、学校教育ボランティア関係分野をはじめ、日頃よりご尽力いただきました方々、個人13名、9団体を対象といたしまして感謝状及び記念品の贈呈を行いました。受賞されました方々のこれまでの活動に対し感謝と敬意を表するとともに、本市の教育に対しまして、今後も引き続き、ご支援を賜りたいとお願い申し上げたところでございます。
 また、野登小学校PTAが、地域でのミツマタに関する諸活動を含めまして、令和5年度優良PTA文部科学大臣表彰団体として選出されました。本日、東京の公益社団法人日本PTA全国協議会表彰式において表彰されるところでございます。

 以上、教育行政の現況についてのご報告及びご説明を申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。