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教育行政現況報告

公開日 2022年06月02日

 令和4年6月亀山市議会定例会の開会に当たり、教育行政の現況と今後の見通しについてご報告し、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 

 まず、教育における新型コロナウイルス感染症に係る動向といたしましては、文部科学省は去る4月にオミクロン株の特徴を踏まえた対応として、新たな衛生管理マニュアルや持続的な学校運営のためのガイドラインの改訂を行っており、コロナ禍においても学びを止めないという方針を示しています。

 県におきましては、幼稚園や小学校の教職員等を対象とした社会的検査の実施延長を決定し、感染拡大の防止を図っているところであります。

 このような状況の中、本市におきましては、4月1か月の間に児童生徒の陽性者数が100名を超えましたが、各園・学校における感染防止対策や関係機関との連携協力によりまして、教育活動を継続しているところでございます。

 また、学校行事としましては、先月には中学校の修学旅行や一部の学校では運動会も実施されたところであり、今後とも、今まで十分に行うことができなかった他者と協力する学習や、1人ひとりが主体的に参加できる体験・交流学習等を重視し、感染防止対策を図りつつ、適切に実施してまいります。

 

 一方、新型コロナウイルス感染症関連以外の国の動向といたしましては、令和5年度から令和9年度までを実施期間とする次期「教育振興基本計画」の策定準備が進められており、今後の教育のあるべき方向性として注目されています。

 また、来月施行予定の教育職員免許法の一部改正案及び来年4月施行予定の教育公務員特例法の一部改正案が先月11日に成立し、これまでの教員免許更新制度が廃止され、任命権者による研修記録簿の作成に変更されることとなりました。加えて、公立中学校の運動部活動の在り方を検討しているスポーツ庁の有識者会議は、休日の部活動を地域や民間の団体に委ねる「地域移行」を向こう3年間で達成するとの目標を盛り込んだ提言が行われております。

 次に、県の情勢でありますが、各市町の課題に応じてそれぞれの地域で「学力向上推進会議」を市町教育委員会と連携しながら開催し、学力向上の取り組みを強化するとしております。

 次いで、不登校やいじめに関する取り組み強化として、スクール・カウンセラーやスクール・ソーシャル・ワーカーの配置時間を拡充するとともに、子どもの相談窓口として多言語にも対応する「子どもSNS相談みえ」を実施するなど、子どもが学校でも家庭からでも相談しやすい体制を整備するとしています。また、「SNS・ネットの上手な使い方講座」や「いじめ防止応援サポーター」等の外部人材による出前講座等を実施し、ネットリテラシーの向上に取り組むこととなりました。

 

 こうした国や県の動向や施策を見極めつつ、市教育委員会といたしましては、「亀山市教育大綱」の基本理念「学びあふれる教育のまち かめやま」の具現化に向け、本年3月に策定いたしました「亀山市学校教育ビジョン」及び「亀山市生涯学習計画」に基づき、それぞれの取り組みに着手したところでございます。

 

 それでは、それぞれの事業進捗につきまして、最初に学校教育関係についてご説明申し上げます。

 まず、子どもたちの教育に関する取り組みといたしまして、学力の向上について、「亀山市学力向上推進計画(第3版)」が、本年度に実施期間の最終年度を迎えることから、調査等を通じて明らかとなった本市の現状をふまえ、今後児童生徒に必要な力について検討を行いつつ、次期「学力向上推進計画」の策定に向けて作業を進めてまいります。

 また、市教育委員会が独自に作成している小学校国語科「確認テスト」のさらなる充実を図るとともに、本年度からは市内中学校の国語科・英語科の共通テストも作成・実施してまいります。

 体力向上に関しましては、一人ひとりの運動量確保が子どもの体力向上に有効であることから、本年度も健康運動実践指導士等の外部講師を市内の各小学校、幼稚園等に派遣し、体育の授業改善や遊びの工夫等について研修及び実践を行ってまいります。 

 次に、情報教育につきましては、ICT活用の重要インフラの整備として校務用サーバーの入れ替えを各学校の夏季休業中に行い、本年9月から新たなサーバーによる運用を開始いたします。

 人権教育につきましては、「亀山市人権教育推進協議会」に「市民部会」「行政部会」「学校教育部会」の3部会を設け、今まで学校教育が中心であった人権教育の在り方を見直し、市民や行政も含めた幅広い取り組みが進むよう、組織の見直しを行ったところであります。

 文化芸術活動に関しましては、市文化会館と連携したアウトリーチ事業として、訪問型コンサート等を本年度も継続して行ってまいります。また、「NHK全国学校音楽コンクール三重県コンクール」や「全日本合唱コンクール」等に関する取り組みにつきましても、練習方法等を工夫しつつ参加に向けて準備を進めているところでございます。

 次に、支援が必要な児童生徒に対する取り組みとしましては、来日間もない外国人児童生徒が日常会話等学校生活で必要な力を習得するための初期適応指導教室「レインボー」を、本年4月、亀山西小学校内に開設いたしました。現在は、小学生6名、中学生3名に対して専属の教職員が初期適応の指導を行っています。

 次いで、いじめ問題の対応としましては、各学校の「いじめ基本方針」における取り組みを着実に実践するとともに、学期1回以上のアンケートの実施や、全ての児童生徒に対する個別面談の実施、部活動でのいじめ防止に対する取り組み等、きめ細かな対応を行ってまいります。なお、いじめの新聞報道に係る案件につきましては、関係者への聞き取り等を進めながら検証作業を進めております。

 不登校への対応としましては、市で独自に配置している適応指導教室の指導員や福祉連携における「つながるシート」の活用等により、学校にも適応指導教室にも繋がらないなど、支援が届きにくかった児童生徒に対する訪問型の支援を拡充してまいります。また、NPO法人との連携やICTを活用した学びを進めてまいります。

 

 次に教職員に関する取り組みといたしましては、本年度より配置した「学校経営支援員」を活用して、子どもが主体的に活躍できる学校づくり、教職員の研修や資質向上、学校の危機管理等、学校の教育力充実に努めてまいります。また、体罰やハラスメントに係る研修や調査を計画的に進めてまいります。

 また、学校における働き方改革としまして、本年度から学校における日常の業務を電子化・効率化し、連携や引継ぎ等も行うことができる「統合型校務支援システム」を導入して、子どもに向き合う時間を確保できるよう、本事業実施に関する予算補正を本議会に提案させていただいております。

 

 次に、学校全般に関する取り組みといたしましては、コミュニティ・スクールの充実について、各学校において、地域住民や保護者等が学校運営に参画しつつ、児童生徒一人ひとりが主体的に関わり、他者と協力する場面を取り入れた体験活動を実施する等、地域に開かれた特色ある教育実践を展開していくとともに、各学校における取組事例の交流や学校運営協議会の運営充実に向けた研修を進めてまいります。

 

 続きまして、学校施設の整備関係について、ご説明申し上げます。

 学校施設について、計画的な予防保全型管理を行うことにより耐用年数の延伸を図るため、2か年事業として学校施設長寿命化計画の策定に取り組みます。なお、本事業につきましても、予算補正を本議会に提案させていただいております。

 次に、工事関係といたしましては、亀山南小学校において調理員用トイレの洋式化や手洗い消毒装置の取替え工事を行い、調理業務の環境改善に努めます。また、中部中学校において、老朽化対策として非常階段の手摺や床の補修・塗装を行い、非常時の避難経路を確保できるよう整備いたします。

 次に、学校給食関係につきましては、中学校における全員喫食制の早期実現に向け、後期基本計画実施計画に基づき、基本的な計画づくりを進めます。

 

 続きまして、生涯学習関係について、ご説明申し上げます。

 まず、地域の学び推進事業につきましては、かめやま人キャンパスと公民館事業を基軸に様々な学びを提供し、地域の課題解決に取り組む人材育成を行うとともに、「亀山学びのガイドブック」を発行し、市内の学びに関する情報の一元的な発信を進めています。

 学びの成果を生かして地域で活躍する場を創出していく「かめやま人キャンパス」では、本年3月にまちの起業人養成講座を修了された10名の方に「かめやま人」の称号を授与いたしました。「かめやま人」が地域で活躍できる場の創出を進めるとともに、他の3つの講座と合わせて、さらなる人材育成に取り組みます。

 公民館講座につきましては、地域まちづくり協議会や市内で活動している団体、市内高等学校とも連携しながら、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策を講じた上で、今月から順次講座を開講してまいります。

 次に、子育て学習展開事業につきましては、子育て家庭に向けた応援メッセージとなる「かめやまお茶の間10選(実践)」のさらなる浸透・定着に向けた取り組みを進めるとともに、家庭教育出前講座などを実施し、家庭教育の向上に取り組んでいるところであります。

 放課後子ども教室推進事業につきましては、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策を講じた上で、放課後や週末に地域の方々の参画を得ながら、地域の中で子どもが安心して学習活動や体験・交流活動が行える環境づくりに努めてまいります。

 

 続きまして、図書館関係についてご説明申し上げます。

 まず、図書館整備事業につきましては、計画期間の最終年度として、令和5年1月26日開館に向けて、関係部局との連携のもと、建設工事は外装工事がほぼ完了し、内装工事の仕上げにかかっており順調に進んでいます。また、ICタグシステムの導入や図書館関連備品の購入などの開館準備を計画的に進めているところでございます。なお、図書館関連備品の購入につきまして、先月13日に仮契約を締結いたしましたことから、財産取得についての議案を本議会に提案させていただいております。

 また、新図書館の運営業務につきましては、公募型プロポーザル方式による契約候補者の選定を進めており、来月上旬に契約候補者を決定する予定でございます。

 現図書館につきましては、新図書館の開館準備のため、9月1日から令和5年1月25日まで休館いたします。また、休館前には、ボランティア団体の協力をいただきながら、これまでのご利用に感謝の気持ちを込めた図書館イベントを開催いたしたいと考えております。なお、休館期間中についても、関図書室は利用できることとしています。

 最後に、本年3月に策定いたしました「亀山市子どもの読書活動推進計画」につきまして、今後はこの計画に基づき、関係機関と連携して本市における子どもの読書活動をさらに推進してまいります。

 

 以上、教育行政の現況についてのご報告及びご説明を申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。