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教育行政現況報告

公開日 2019年11月29日

 令和元年12月亀山市議会定例会の開会に当たり、教育行政の現況と今後の見通しについてご報告し、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 まず、教育に関する国の情勢でありますが、文部科学省は本年8月末に来年度予算の概算要求を発表いたしました。この概算要求には、新学習指導要領の円滑な実施と学校の働き方改革のための指導・運営体制を構築し、「チームとしての学校」を実現することをはじめとし、新時代の学びを支えるICT環境整備や先端技術の活用促進、虐待やいじめ・不登校対応における教育相談体制や外国人児童生徒等への教育の充実、地域ぐるみの学校安全体制の整備や強化等が盛り込まれています。
 さらに、先月、教職員給与特別措置法の一部を改正する法律案が閣議決定されました。これは、学校における働き方改革の総合的な取組の一環として、「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」を法的根拠のある指針へ格上げするとともに、休日のまとめ取り推進のため1年単位の変形労働時間制を自治体が条例に基づき導入できるようにすることを内容としており、今国会での成立を目指しています。

 次に、県の情勢でありますが、三重の教育のめざすべき姿とその実現に向けた施策の方向性を示す「三重県教育ビジョン」の計画期間が本年度で終了することから、これまでの三重の教育を継続して一層推進するとともに、新たな教育課題に対応するための指針として次期「三重県教育ビジョン(仮称)」の中間案が先月に示されました。
 また、三重県いじめ防止条例の基本理念を踏まえ、社会全体でいじめの問題を克服していくため、今月、「いじめ防止強化月間」と合わせてピンクシャツ運動を展開するとともに、県内の小学生から大人まで様々な世代が一堂に集まり、今日的ないじめの現状や課題について話し合う「三重県いじめ防止サミット」が開催されました。
 さらに明日から、「全国人権・同和教育研究大会三重大会」が津市で開催され、全国各地で取り組まれている人権教育の実践交流が行われます。

 それでは、最初に学校教育関係について、ご説明申し上げます。
 まず、教職員の働き方改革につきましては、国の「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」の策定を受け、本市におきましても、勤務時間の上限方針の策定作業に入っております。来年度からの運用に向け、今後も各校の時間外労働削減に向けた取組の進捗状況を把握するとともに、組織風土の改善と教職員の意識改革を促してまいります。
 また、来る1月には、「地域とともにある学校づくり」の充実に向け、第2回学校運営協議会委員等研修会を開催いたします。研修会では、実践発表や情報交換を行い、コミュニティ・スクールにおける取組のさらなる充実につなげてまいります。
 次に、学力向上につきましては、改訂から3年目を迎えた亀山市学力向上推進計画の改訂作業を行っております。校長会や教員代表とともにこれまでの学力向上の取組を検証し、児童生徒一人ひとりの確かな学力の向上をめざして、課題解決の方策や重点取組の設定に向けて議論しております。
 次いで、教員の研究活動につきましては、先月9日、関小学校と神辺小学校において亀山市教育委員会指定校研究発表会が開催され、他県・他市からの参加者を含め、約400名の教員が授業づくりや指導方法の工夫などについて学び合いました。参観した教員は自校での実践に生かすべく、更に研修を積み重ねているところであります。
 次に、子どもたちの読書に対する関心を高め、多くの本に親しめるよう、「かめやま読書チャレンジ」の取組を市内保育園・幼稚園・認定こども園・小学校にて今月からスタートしております。これは、子どもたちへの推薦本を年代別に各30冊選び、リーフレットとシールを用いて読書記録とするものです。なお、「かめやま読書チャレンジ」の実施にあたり、ライオンズクラブ様から図書の寄贈をしていただいております。
 次いで、土曜授業につきましては、本年9月、10月に、PTA連合会や校長会、教職員の代表を交え、土曜授業検討に係る関係者会議を開催しました。これまでの3年間の土曜授業の実施状況や教職員の働き方改革の視点を鑑み、来年度以降、土曜日等の休日に教育活動を行う場合は、振替休日を伴うものといたしました。
 次に、人権教育につきましては、小中学生が身の回りの人権課題や差別に気づき、仲間とともに解決しようとする実践力の育成を図るため、3中学校区ごとに「小中学校人権フォーラム」を開催し、活発な意見交流を行っております。
 次いで、生徒指導につきましては、去る9月にもいじめに関する調査を実施し、新たに認知された事案や未解消事案についての現状を確認したところです。これらについては、学校と教育委員会並びに関係機関が連携を図り、事案解決に向け継続的な取組を進めています。現在、見直しを行っている亀山市いじめ防止基本方針につきましては、今年度内の改訂を目指して作業を行っているところであります。今後も、いじめの実態を確実に把握するとともに、未然防止と早期発見に努め、各校でいじめを許さない仲間づくりを進めてまいります。
 また、不登校児童生徒の対応につきましては、9月末時点の不登校の児童生徒数が昨年度の同時期と比べて増加傾向にあることから、小中学校間での連携を一層緊密なものとし、国の事業を活用して不登校の未然防止に向けた取組を進めているところです。ここでは、学校が日々の授業や生活指導の在り方についてのPDCAシートを作成し、子どもたちが「学校へ来ることが楽しい」と感じられるような魅力ある学校づくりを行っています。その他、不登校児童生徒の対応については、各校が作成する児童生徒理解・教育支援シートの活用により、個々の状況に応じた適切な支援に努めています。さらに、教職員を対象とした事例検討会を実施するほか、鈴鹿大学・鈴鹿大学短期大学部との連携事業である「つなぐ育ち研修会」を開催し、教職員と保護者が不登校を含めた子育てについて考える機会を持っています。
 次に、児童生徒の体育文化活動につきまして、先月開催されました鈴亀地区新人体育大会におきまして、団体競技、個人競技ともに好成績を収める中学生の姿が見られました。部活動ガイドラインに沿った活動の中で、今後も多くの生徒が十分に力を発揮できるよう環境の整備等に努めてまいります。
 また、今月7日には、市内全ての小中学校が参加する亀山市小中音楽会を開催いたしました。合唱や楽器演奏で日頃の練習成果を互いに披露するとともに、プロの演奏家による美しい音色を楽しむ機会となりました。なお、9月の「NHK全国学校音楽コンクール東海北陸大会」に出場した川崎小学校においては、代表校8校の中で見事銅賞を獲得いたしました。
 さらに、本年度フラワー・ブラボー・コンクール花壇中央審査におきましては、亀山南小学校が文部科学大臣賞を受賞するなど、市内4校が入賞いたしました。
 また、学校給食においては、亀山西小学校が、食育を啓発しながら地産地消の奨励を目的とする全国学校給食甲子園において、三重県代表に選ばれ表彰を受けました。

 続きまして、学校施設の整備関係について、ご説明申し上げます。
 井田川小学校校舎増築・給食室改修事業につきましては、現在、設計業務を進めているところであります。このうち給食室につきましては、本年度と来年度の2回に分け工事を実施いたしますが、本年度実施いたします食器食缶洗浄機置場拡張工事の設計が完了いたしましたことから、工事契約締結に係る事務を進め、今月、工事契約を締結いたしました。
 この工事は、既設の給食室を使用しながら実施いたしますことから、給食調理はもとより、児童の安全に十分な配慮を行いつつ、来年3月の完成に向け取り組んでまいります。

 続きまして、生涯学習関係について、ご説明申し上げます。
 まず、地域人材キラリ育成事業につきましては、本年6月より開講いたしました、「かめやま人キャンパス」の4講座について本年度予定分が概ね終了いたしましたことから、有識者の意見や受講生などの意向も踏まえながら、次年度のカリキュラム編成の検討を進めているところでございます。
 次に、図書館整備事業につきましては、図書館建築の設計案や管理運営の基本的な方向性、蔵書計画案を図書館整備推進委員会など、市民の皆様のご意見を踏まえて最終的な調整を図っているところでございます。
 あわせて、これからの図書館の在り方を視野に入れて、図書館を核としたまちづくりや市民みんなで楽しむ読書活動などをテーマとした図書館市民ワークショップを開催してまいります。
 次いで、現在の図書館につきましては、先月26日に図書館ボランティア団体の方々のご協力をいただき、第2回図書館まつりを開催いたしました。当日は、「みつけて!あなたのすきな本」をテーマとして、読み聞かせや人形劇など多様な催しを行い、多くのご来館をいただいたところです。これからもボランティア団体と連携を重ね、市民の読書活動を支える環境づくりを行ってまいります。
 また、先月1日には、図書館の新情報システムが稼働いたしました。この新システムは、新図書館への移行に際しての機能付加を念頭に置くとともに、「MY本棚」や「読書マラソン」などの新しいサービス提供を開始したところでございます。これら新機能について利用者の方々へ周知を進め、これらの機能を生かして引き続き市民の読書活動推進に努めてまいります。

 最後に、教育功労者の表彰につきましては、先月6日、関小学校におきまして、学校運営協議会・教育協議会関係、社会教育団体関係分野等でご尽力をいただきました方々、個人51名と9団体を対象に表彰式を開催いたしました。受賞されました方々のこれまでの活動に対し感謝と敬意を表するとともに、本市の教育に対しまして、引き続き、ご支援を賜りたいとお願い申し上げたところであります。

 以上、教育行政の現況についてのご報告及びご説明を申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。