このページの本文へ移動

教育行政一般方針

公開日 2017年02月24日

 平成29年亀山市議会3月定例会の開会に当たり、教育行政の方針についてご説明申し上げ 、 議員並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 まず、国の情勢でありますが、昨年12月、中央教育審議会は、文部科学大臣に対して、幼稚園、小中学校等の次期学習指導要領の改訂に向けての答申を行いました。答申では、変化が激しく、複雑で予測困難な社会を生き抜く資質・能力が重視され、主体的・対話的で 、深い学びが求められております。また、道徳の教科化や小学校高学年における外国語科等の新しい教科等が設定されております。新年度は、次期学習指導要領に示された趣旨や内容等を周知・徹底する年となります。
 また、先月、文部科学大臣から教員の業務改善に関するメッセージが発信され、 学校現場の働き方を見直す取組が始まろうとしているところです。

 次に、県の動きでありますが、平成28年3月に策定されました「三重県教育ビジョン」に基づいて、8つの重点取組に注力し、各施策を推進しているところで ありま す。中でも、昨年から第2ステージがスタートしました「みえの学力向上県民運動」につきましては、家庭・地域とともに取組を進めることに一層力点が置かれ、三重県総合教育会議においても 、「三重県家庭教育の充実に向けた応援戦略(仮称)最終案」の協議がなされているところです 。
 一方、 学習指導要領の改訂に向けての準備として、説明会等が開催される予定です。また、本年4月に県立かがやき特別支援学校が設置され、6月には県立子ども心身発達医療センターが併設される予定です。このことにより、特別支援教育のセンター的機能の充実が期待できるものであります。

 こうした国や県の動向・施策を見極めつつ、教育委員会といたしましては、本年度中に、策定が予定される亀山市教育大綱の基本理念 、「学びあふれる教育のまちかめやま 」を念頭に置き 、豊かな自然と歴史文化の中で 、「 ふるさと亀山 」を受け継ぎ未来を拓く学びの展開を図ってまいります。また、学校教育・生涯学習全般にわたる新たな計画に基づ き、施策を着実に推進してまいります。さらに、学習指導要領の先行実施についての検討を進めるとともに、市民の皆様に対しまして、市広報等を利用しながら 教育に関する情報を積極的に発信してまいります。

 それでは、教育行政の各部門にわたり、新年度の取組及び事業計画をご説明申し上げます。
 はじめに、学校教育関係について、ご説明申し上げます。
 まず、学校体制の充実につきましては、新年度も引き続き、学校経営研修を充実させるとともに 、本市独自 の「少人数教育推進教員」の効果的配置による 、きめ細やかな教育の推進に努めて まいります。また、個の学びの保障や特別支援教育の充実に向けては、学習生活相談員の効果的な配置や介助員等の適正配置に引き続き努力してまいります。
 次に、児童生徒の防災教育につきましては、引き続き、児童生徒が自ら危険を予見したり回避したりする力を高める取組はもちろん、保護者や地域住民の皆様のお力添えをいただきながら防災訓練等に努めてまいります。
 次いで、学校給食につきましては、地産地消の取組、食物アレルギーを有する児童生徒への対応を継続・充実してまいります 。また、中学校給食については 、 完全実施を視野に入れた情報収集に努めてまいります。
 次に、昨年度から取組を始めました学習環境の厳しい生徒を対象とした学習支援事業につきましては 、継続して取り組み、更なる充実を図ってまいります。 また 、就学援助費に関わりまして、新入学学用品費の4月支給に向けての準備を進めてまいります 。
 なお、本市における優れた授業実践及び通級指導の継続的な成果が認められ、2名の教諭が、平成28年度文部科学大臣優秀教職員表彰をいただくことになりましたことを、この場をお借りしましてご報告申し上げます。

 続きまして、教育研究関係について、ご説明申し上げます。
 まず、 新年度から 平成33年度までを計画期間とする「亀山市学校教育ビジョン」を本年度中に策定いたします。この新しいビジョンにおきましては、現行ビジョンの目指す子ども像を踏襲し「希望に輝く心ゆたかな亀山の子どもたち」の育成を 目指します。また、新たな基本理念として「『ふるさと亀山 』を受け継ぎ未来を拓く教育の創造」を掲げ、5つの基本目標と19の基本方針を設定いたします 。今後は、この「学校教育ビジョン」においてお示しする本市における学校教育の基本理念や施策の方向性の下 、学校・家庭・地域 ・行政が連携し 、一体となって亀山市の学校教育を進めてまいります。
 次に、学力向上につきましては、平成26年度策定の「亀山市学力向上推進計画」を見直し、本年度中に改訂をいたします。特に指導面においては 、「『書く力』の育成を軸とする学力向上の取組」として「授業での『ふり返り』活動の充実 」、「国語科スキル学習の実施 」、「家庭学習の充実」を3つの 重点的な取組実践事項とし、市内小中学校の全教職員が共通理解を し 、徹底した取組を進めてまいります 。また教育委員会といたしましても 、「かめやまっ子チャレンジ」として、各小中学校の短時間学習や補充学習、家庭学習等で活用できる教材を作成・提供したり 、家庭での自主学習の在り方等について示した「家庭学習リーフレット」 を作成・配付したりする等の取組を進めてまいります。
 次いで、 生徒指導につきましては、県内でもいじめを背景とした児童及び生徒の生命や心身に重大な危険が生じる事案が発生している状況から、いじめ防止等に係る関係機関等の連携のために協議及び連絡調整を行う「亀山市いじめ問題対策連絡協議会」と、いじめの防止、早期発見等の対応の他に、重大事態が発生した場合の調査を行う「亀山市いじめ問題調査委員会」を設置するための条例案を 本議会に提出しております。ご審議をよろしくお願いいたします。
 次に 、情報教育につきましては 、国が「第2期教育振興基本計画」に示すICT環境を整備するため 、 児童生徒用にタブレット端末を導入し、子どもたちが様々な情報を主体的に捉え、選択し活用する情報活用能力の育成を 目指してまいります。
 次いで 、学校図書館につきましては、学校司書を1名増やすとともに、 新たに学校図書館活用アドバイザーを各小中学校へ派遣し、学校教育における学校司書の役割や教員との連携の在り方について指導・助言を行い、学校図書館を活用した授業づくりを充実させてまいります。
 次に 、コミュニティ・スクールにつきましては 、「地域とともにある学校づくり」を推進するため、これまでの指定校3校、研究校2校に加え、新年度から新たに神辺小学校を研究校として、取組を進めてまいります。
 次いで 、幼児教育につきましては、市内全ての園・ 小 学校において「保幼小接続カリキュラム」及び「保幼共通カリキュラム」 に則った実践を進め 、円滑な就学に向けた幼児教育の充実に取り組んでまいります。

 続きまして、学校施設等の整備関係について、ご説明申し上げます。
 川崎小学校改築事業につきましては、昨年6月から平成30年度までの継続事業として校舎改築工事を進めているところであります。校舎南棟、北棟及びプール棟建設の1期工事につきましては、来る4月に完成の予定で、その後、中棟建設などの2期工事を進めてまいります。今後も安全管理に十分注意するとともに、学校運営に支障がないよう配慮しつつ、 工事を進めてまいります。
 一方 、新年度は、各学校の普通教室空調機整備事業に着手いたします。 中学校は平成29年度に設計、平成30年度に設置工事を、また、小学校及び幼稚園は平成30年度に設計、平成31年度に設置工事を予定いたしており、順次計画的に進めたいと考えております。
 その他 、各学校施設の状況により計画的に工事・修繕を実施し、児童生徒の学習環境の整備を進めてまいります。

 続きまして、生涯学習関係についてご説明申し上げます。
 今回策定 の「亀山市生涯学習計画 」につきましては 、「豊かな自然と歴史文化の中で深まる学びと交流」を基本理念に 、「『学び』の成果が生かされ、一人ひとりが輝く亀山市」を基本目標として、一人ひとりの学びの成果が地域へ還元され、その結果が地域課題解決や地域創生に結びついていく方策となるものでございます。また、この計画の具現化に当たっては 、新年度におきまして中央公民館講座と市民大学による一体的な学びの体系を基軸とする「地域人材キラリ育成事業」として 、地域人材の育成を進めてまいります。 新年度は、平成30年度からの開講に向けて市民大学の方向性を明らかにするとともにカリキュラムの策定に取り掛かります。
 さらに、引き続き家庭教育の充実を図るとともに 、『「亀山っ子」市民宣言』の具現化を軸として、長期的な展望の下で地域が一体となって子どもや青少年が安心で安全に過ごせる環境づくりを図ってまいります。
 同時に「放課後子ども教室」につきましても、地域の皆様のご協力を得て、それぞれの学校区における持続的な運営方法の確立と活動内容の充実に努めてまいります。

 続きまして、図書館について、ご説明申し上げます。
本年度中に策定いたします 「 第3次亀山市子どもの読書活動推進計画 」 により 、読書活動を通じて、豊かな感性を持つ子どもたちを育んでまいります。 新年度におきましては、この計画に基づき、市立図書館と学校図書館の連携などの充実に努めてまいります。
 また、 昨年10月に策定いたしました「亀山市立図書館の今後の方向性 」の具現化に向けて 、 新たな時代にふさわしい機能や位置など、多面的な検討を行ってまいります。

以上、平成29 年度教育行政の方針についてご説明申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。