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平成28年度 教育行政一般方針

公開日 2016年02月26日

 平成28年亀山市議会3月定例会の開会に当たり、教育行政の方針についてご説明申し上げ、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 まず、国の情勢でありますが、昨年12月21日、中央教育審議会は、「新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方と今後の推進方策について」などの答申を文部科学大臣に行いました。その中では、未来を創りだす子どもたちの成長のために、学校のみならず、地域住民や保護者等も含め、国民一人一人が教育の当事者となり、社会総掛かりでの教育の実現を図るという理念の下、地域の教育力向上と学校との協働体制の在り方やコミュニティ・スクールの拡大・充実などの提言がなされたところです。また、子どもを取り巻く環境が複雑化・多様化し、学校に求められる役割も拡大しており、校長のリーダーシップの下、教職員や様々な専門スタッフが連携・分担し、チームとして適切に職務を担う体制を整備する取組、いわゆる「チーム学校」の推進についても、提言がなされているところであります。
 一方、本年4月からは、全ての国民が障がいの有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向けて、「障害者差別解消法」が施行されます。文部科学省では、それに先立ち、学校現場での対応指針を策定し、市教育委員会や学校への周知が図られているところでございます。

 次に、県の動きでありますが、昨年12月25日の「アレルギー疾患対策基本法」の施行に伴い、県教育委員会でアレルギー疾患対応の基本方針が策定される予定となっております。今後は、県教育委員会や医療機関等との連携体制を強化しつつ、これまで以上に疾患への理解と適切な対応に備えた学校体制づくりや研修機会の充実が必要となってまいります。
 また、昨年4月に策定された「第三次三重県子ども読書活動推進計画」により、学校や地域における子どもの読書活動の推進がより求められているところであります。

 こうした国や県の動向・施策を見極めつつ、教育委員会といたしましては、新年度からの新教育委員会制度による体制の下、計画の最終年度を迎える「亀山市学校教育ビジョン」、「亀山市生涯学習計画」及び「亀山市子どもの読書活動推進計画」について、それぞれ次期計画の策定作業を進めるとともに、就学前から中学校までの各段階に応じた切れ目のない対策を更に強化・充実してまいります。

 それでは、教育行政の各部門にわたり、新年度の取組及び事業計画をご説明申し上げます。
 はじめに、学校教育について、ご説明申し上げます。
 まず、学校体制の充実につきましては、本市独自の「少人数教育推進教員」を効果的に配置してまいります。また、亀山市学力向上推進計画の取組を着実に推進していくため、各学校の中核リーダー層を含む管理職経営研修や、習熟の度合いに応じた児童生徒に対するきめ細かな指導の一層の充実に努めてまいります。更に、個の学びの保障や特別支援教育の充実に向けて、学習生活相談員の重点配置、介助員の適正配置について、引き続き努力してまいります。
 次に、児童生徒の安心・安全な環境整備につきましては、防災教育や防災訓練の充実に努めるとともに、児童生徒が自ら危険を予見したり回避したりする力を高める取組はもちろん、保護者や地域住民の皆様のお力添えをいただきながら、関係機関との連携を深め、適切な対応を図ってまいります。
 次いで、学校給食につきましては、「かめやまっ子給食」など地産地消の取組を継続・充実していきます。また、管理栄養士や給食調理員を有効活用し、食物アレルギーを有する児童生徒への対応を中心とする業務の改善・充実に努めてまいります。また、亀山市学校給食検討委員会からは、この2年間の検討内容を踏まえ報告書が提出されました。教育委員会といたしましては、内容を真摯に受け止め、関係部署との調整・協議を行ってまいります。
 次に、本年度から取組を始めました学習環境の厳しい生徒を対象とした学習支援事業につきましては、今後も継続して取り組み、活動内容の検討を行いつつ、更なる充実を図ってまいります。

 続きまして、教育研究について、ご説明申し上げます。
 まず、「学校教育ビジョン」の策定につきましては、「亀山のよさを活かす教育」、「知・徳・体のバランスのとれた子どもの育成」、「それらを支える教育環境整備」などの基本的な理念は継承しつつ、新たに求められる資質や能力の育成、学校の在り方などについての方策も示してまいります。
 次に、学力向上につきましては、児童生徒一人一人の「確かな学力」の向上を目指し、学習規律の徹底と学習スタイルの共通化を中心とした授業改善を進めてまいります。また、学校と家庭とが連携・協働して、生活習慣の改善と学習習慣の向上に引き続き取り組んでまいります。教職員研修につきましては、学級づくりや授業力向上に加えて、今後教科化が図られる英語教育や道徳教育などの研修に取り組んでまいります。
 次いで、情報教育につきましては、国が「第2期教育振興基本計画」に示すICT環境を整備するため、可動式の教育用パソコンとしてタブレットパソコンを導入するとともに、その効果的な活用について研修を進めてまいります。
 次に、学校図書館につきましては、これを活用した授業づくりを推進するため、学校司書の配置校を増やしてまいります。知識技能を身につけるだけではなく、それを活用する能力の育成が重要視されている今、授業とともに言語活動を実践する場として、学校図書館の環境整備に努めてまいります。
 次いで、コミュニティ・スクールにつきましては、地域の核となる学校づくりを推進するため、本年度までに指定いたしました3校に加えて、新年度から新たに2校を研究校とし、取組を進めてまいります。
 次に、幼児教育につきましては、本年度全ての小学校区で「保幼小接続カリキュラム」の実践に取り組んでまいりました。新年度は「保幼共通カリキュラム」を策定し、円滑な就学に向けた幼児教育の充実に取り組んでまいります。

 続きまして、学校施設等の整備関係について、ご説明申し上げます。
 川崎小学校改築事業につきましては、この程、校舎改築工事の設計業務を完了いたしましたので、新年度からその工事に着工する予定であります。平成30年度の事業完成に向け、3年間の継続事業として鋭意取り組んでまいりたいと考えておりますことから、早期着工のため発注準備を進めてまいります。
 その他にも、各学校施設の状況により計画的に工事・修繕を実施し、児童生徒の学習環境の整備を進めてまいります。

 続きまして、生涯学習関係について、ご説明申し上げます。
 まず、「亀山市生涯学習計画」の策定につきましては、現行の生涯学習計画の理念である、「生涯学習社会の実現」を引き継ぎつつ、「学び」による地域課題解決や学びの成果を地域へ還元する仕組みづくり、地域全体で取り組む家庭教育などを軸に、その具現化のための方策についてまとめてまいります。
 次に、青少年関係につきましては、『「亀山っ子」市民宣言』の具現化を軸に、教育委員会が進めるべき方策として子どもたちの安心で安全な環境づくりや自立支援に市民の皆様や関係団体との連携を密にし、青少年総合支援センターの在り方について、検討を行ってまいります。
 また、「放課後子ども教室」につきましては、引き続き地域の皆様のご協力を得て、活動内容の充実に努めてまいります。更に、放課後児童クラブとの連携を深めながら、「放課後子ども総合プラン」と併せて当市の実情に即した放課後の子どもの居場所の在り方について検討を行ってまいります。

 続きまして、図書館について、ご説明申し上げます。
 図書館につきましては、市の進める「亀山駅周辺整備事業」の方針を受けて、市長部局と連携しながら図書館の移転を含めた検討を始めてまいります。

 以上、平成28年度教育行政の方針についてご説明申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。