このページの本文へ移動

教育行政の一般方針・現況報告

公開日 2015年11月27日

 平成27年12月亀山市議会定例会の開会に当たり、教育行政の現況についてご報告し、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 まず、教育に関する国の情勢でありますが、中央教育審議会では本年4月における「新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方について」の諮問を受け、今後のコミュニティ・スクールの在り方の協議がなされています。先月、その作業部会において報告書案がまとめられ、各教育委員会においてコミュニティ・スクールを積極的に設置するよう努めるという考えが示されました。国としては、コミュニティ・スクールの設置により開かれた学校づくりはもとより、学校を核とした地域づくりに向けて、学力向上を含む、多面的な機能が発揮されることを期待しており、年内に答申が予定されているところであります。

 一方、県では、三重県教育改革推進会議において議論されている次期「三重県教育ビジョン」の中間案がまとめられました。子どもたちの可能性を引き出すために優先度の高い課題や、10年先を見据え、今、取り組むべき課題を「重点取組」として位置づけています。具体的には、「学力や体力の向上」、「心の教育」、「地域に開かれ輝く学校づくり」のほか、地球的な視野で考えながら、自分の地域で活動できる「グローカル人材の育成」などを掲げ、計画期間中に特に注力して取り組んでいくとしています。

 このような情勢を踏まえ、教育委員会といたしましては、「亀山市学校教育ビジョン」など、各種計画の次期策定準備を進めるとともに、特に、市内の子どもたちの学力向上に向けた取組をより確かなものとするため、昨年度策定した「亀山市学力向上推進計画」の進捗状況について点検・評価を行い、「学校力・教師力の向上」、「学習環境が厳しい児童生徒への学習支援」、「家庭への働きかけ」の重点的な取組を着実に進め、学校及び家庭と連携・協働を図りながら一丸となって取り組んでまいります。

 それでは、最初に学校教育関係について、ご説明申し上げます。
 まず、学校体制の充実につきましては、市独自の学校経営研修会を開催し、管理職や中核リーダーの能力向上を図り、学校経営のマネジメントや危機管理に対する体制づくり、地域人材の活用など、学校力・組織力を高める取組を進めております。また、防災・防犯等の危機管理力を高めるため、市内校長会におきまして、各学校での訓練や教育実践の交流を図るとともに、本年度も保存食や飲料水などの備蓄品を各学校へ配備したところであります。
 次に、学習環境の厳しい生徒を支援するための「学習教室」につきましては、退職教職員等の協力を得て、今月から全ての中学校区で開設することができました。今後は、更に事業の趣旨の周知を図りつつ、各家庭の状況や生徒の実態に寄り添い、関係機関との連携を密にしながら、取組を充実させてまいります。

 続きまして、教育研究関係について、ご説明申し上げます。
 まず、教職員の研究活動につきましては、先月14日、亀山東小学校においては「スモールステップで見通しを持たせ、子どもの言葉が生きる授業づくり」を、白川小学校においては「ワンダー学習を通して、追求していく子を育てる」を具体的な研究テーマとして、教育研究発表会を開催いたしました。他市からの参加者を含め、 250名を超える教職員が2校に分かれて授業づくりなどについて、研究を深めたところであります。
 発表会では、両校ともに本市の学力向上推進計画の取組の柱の1つである授業改善について、「めあて」の提示や「振り返り」活動の充実を重視した「亀山版学習スタイル」を基に、子どもたちの実態に応じて学校全体で授業の進め方を統一する研究が発表されました。今後も引き続き、各学校における授業改善研究への支援を進め、成果を共有して市全体の授業力向上に努めてまいります。
 次に、生徒指導につきましては、去る9月に全国で一斉に実施されましたいじめ調査により、新たに認知された事案や未解消事案についての現状を一つ一つ確認して県へ報告を行いました。対応が困難な事案については、学校と教育委員会が連携を図り、取り組んでいるところであります。今後も、いじめの未然防止と発生事案についての確実な把握、早期解消に向けて、組織的に取り組むとともに、いじめを生まない学校づくりのために、心の教育の充実や規範意識の向上に関する指導支援を進めてまいります。

 続きまして、学校施設の整備関係について、ご説明申し上げます。
 まず、川崎小学校改築事業につきましては、昨年度から設計業務を進めてまいりましたが、本年度業務の実施設計について、最終の確認作業を行っているところであります。更に、新規取得用地の造成工事につきましても先月から着工し、来年度から予定しております新校舎の建設工事に向けて事業を進めております。
 また、中部中学校クラブハウス建設事業につきましては、工事は順調に進捗しており、現在、躯体部分を施工しているところであります。今後も、安全に十分配慮しながら、来年3月の完成に向け、工事の進捗管理を行ってまいります。

 続きまして、生涯学習関係について、ご説明申し上げます。
 まず、家庭教育の支援につきましては、就学前の子どもの基本的な生活習慣などの発達段階に合わせた習得を目指して、市内の保育所・幼稚園の保護者等を対象とした家庭教育出前講座を実施しております。また、この講座開催時などの機会を通じて、テレビ・ゲーム・スマートフォンなどの使用にかかるルールづくりについて、それぞれのご家庭で取り組んでいただくように働きかけてきたところであります。
 次に、青少年健全育成につきましては、事務事業点検制度「ザ・点検~亀山モデル~」の結果を受けて、将来的な青少年総合支援センターの在り方を見出すために、どのような形で子どもの安心安全の見守り体制の強化を図るのか、地域や関係機関の方々との意思疎通を強めるよう進めているところであります。

 続きまして、図書館について、ご説明申し上げます。
本年度の上半期の利用実績でありますが、入館者数は約5万5千人、図書の貸出人数は約2万9千人、図書の貸出冊数は約12万 1千冊となり、昨年度と比較いたしますと、入館者数、貸出人数とともに貸出冊数も増加しているところであります。
 引き続き、図書館が利用者にとって「求めていることのヒントが見つかる、柔らかい場所」となるよう更なるサービスの充実を図ってまいります。

 以上、教育行政の現況についてのご報告及びご説明を申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。