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教育行政の一般方針・現況報告

公開日 2015年06月05日

 平成27年6月亀山市議会定例会の開会に当たり、教育行政の現況についてご報告し、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 まず、教育に関する国の情勢でありますが、政府の教育再生実行会議による第6次提言によりますと、地方創生、地域活性化が重要な課題となる中、教育を通してこれらの課題と向き合うことを提言しています。このことを受け、現在、中央教育審議会におきまして「新しい時代の教育や地方創生の実現に向けた学校と地域の連携・協働の在り方について」等の審議がなされており、今後のコミュニティ・スクールの在り方や職業教育に特化した新たな高等教育機関の創設などについて、検討されているところであります。

 次に、県の情勢でありますが、平成27年度から5年間の三重県の特別支援教育の方向性や在り方を示す「三重県特別支援教育推進基本計画」が本年3月に策定されました。障がいのある子どもと障がいのない子どもが、同じ場で共に学ぶことを基本とするインクルーシブ教育システム構築のため、早期からの一貫した支援の推進や通級指導教室などの多様な学びの場の整備と指導の充実、発達障がい等のある児童生徒への対応等を重要な視点として、特別支援教育の推進を図っていくとされております。

 また、全国的な体育大会の計画といたしまして、平成30年度には全国高等学校総合体育大会(インターハイ)が、更に平成32年度には全国中学校体育大会東海ブロックが三重県で開催される予定となっております。

 こうした、国や県の動向や施策を見極めつつ、教育委員会といたしましては、市長部局との連携を図りながら亀山市総合計画後期基本計画第2次実施計画の事業のほか、各種計画を着実に推進してまいりたいと考えております。

 また、教育委員会制度の改革に伴い設置されました総合教育会議が先月28日に開催され、市長と教育委員会により、教育に関する「大綱」などについて、協議を行ったところであります。今後におきましても会議が十分機能するよう協議・調整を図ってまいります。

 それでは、最初に学校教育関係について、ご説明申し上げます。

 まず、学校体制の充実につきましては、教員の授業力向上を図り、様々な教育施策を推進するため、本年度から市内小中学校に主幹教諭1名、指導教諭2名を配置し、組織運営体制及び指導体制の充実を図ったところであります。

 また、少人数教育の充実のための「少人数教育推進教員」、取り出し授業等の個別指導や学校生活への対応支援を行う「学習生活相談員」、特別な支援が必要な児童生徒への「介助員」の配置を行うことで、きめ細かな指導の充実を図ってまいります。

 次に、学習支援事業につきましては、現在、学習環境の厳しい児童生徒を対象とした学習支援教室の開設に向け、講師やスタッフを募集している段階であり、できるだけ早くサポートができる体制、学びの場を整えてまいりたいと考えております。

 次いで、学校給食につきましては、栄養教諭未配置校等への指導充実を図るために、本年度から教育委員会事務局にアレルギー対応を行う管理栄養士を配置しており、必要に応じて学校へ派遣しております。また、昨年度に引き続き学校給食検討委員会を開催し、中学校給食の在り方等について、本年度内に最終意見書をまとめていただく予定であります。

 続きまして、教育研究関係について、ご説明申し上げます。

 まず、児童生徒の学力向上につきましては、昨年11月に策定した「亀山市学力向上推進計画」に基づき、「亀山版『学習スタイル』」、「国語科指導の手引き」及び「算数科・数学科指導の手引き」を活用した授業改善の取組を推進するため、市の指導主事を始め外部講師等を各校の要請に応じて派遣してまいります。また、各校の研修主任を中心とした研修会を開催し、校内研修会の活性化と授業改善の取組を支援してまいります。更に、本年度から市内中学校3校及び小学校4校の学校図書館に4名の学校司書を配置いたしました。学校図書館を活用した授業づくりの実践と読書活動の推進に取り組んでまいります。

 次に、土曜日の教育活動の推進につきましては、本年度は市内全小中学校において年間7回の土曜授業の実施を予定しております。先月には第1回目の授業を実施しており、各学校における年間計画に位置付けて、計画的に取り組んでまいります。

 次いで、幼児教育につきましては、「保幼小接続カリキュラム」に基づき市内全保育所、幼稚園及び小学校で実践に取り組むとともに、「保幼共通カリキュラム」の更なる検討や実践研究を進めております。

 続きまして、学校施設の整備関係について、ご説明申し上げます。

 まず、川崎小学校改築事業につきましては、昨年度の基本設計に引き続き、本年10月の設計完成に向け、実施設計を進めているところであります。

 また、中部中学校クラブハウス建設事業につきましては、昨年度に設計業務が完了いたしましたので、現在、工事発注の事務を進めており、年度内の完成に向けて事業を進めてまいります。

その他、学校の夏季休業期間において実施予定の工事につきまして、その発注準備を進めております。

 続きまして、生涯学習関係について、ご説明申し上げます。

 本年度、学力向上推進計画の一環として、家庭における基本的生活習慣の確立のため、特に子どもたちのテレビ・ゲーム・スマートフォン等の使用時間の削減に向けて取り組んでまいります。このために、行政出前講座や市広報などによる周知と併せて、亀山市PTA連合会と意識を共有し、家庭への働きかけを推進してまいります。

 次に、公民館講座につきましては、学びの成果を地域の活動に生かしていただくために、薪能、「鈴鹿関」及び文化会館事業などとの連携講座を開催し、地域課題に密着した学びの展開を進めてまいります。現在、各講座に多くの皆様から応募をいただき開講したところであります。

 次いで、青少年健全育成関係でございます。

 青少年健全育成のために、すべての大人が何をするべきかを考え行動するという「『亀山っ子』市民宣言」の理念に立ち返り、その具現化に向けて亀山市青少年育成市民会議や関係機関と意識の共有を図ってまいります。

 青少年総合支援センターにつきましては、各地域の方々や関係機関と密接な情報共有を行うことで、安心で安全な環境づくりに努めてまいります。また、青少年の自立支援に向けては、関係機関などとの連携により、切れ目のない細やかな支援に努めてまいります。

 次に、放課後子ども教室につきましては、昨年度に引き続き地域の実情に即して市内の全小学校区において開催し、地域での子どもの居場所づくりを図ってまいります。

 続きまして、図書館でございますが、来館者に気持ちよく来ていただき、気持ちよくお帰りいただけるように、図書館職員のホスピタリティを高め、「求めていることのヒントが見つかる柔らかい場所」となるよう、図書館サービスの更なる充実を図ってまいります。

 以上、教育行政の現況についてのご報告及びご説明を申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。