亀山市ホーム

このページの本文へ移動

平成24年3月亀山市議会定例会施政方針

公開日 2015年01月07日

更新日 2018年12月12日

 平成24年亀山市議会3月定例会の開会に当たり、施政及び予算編成につきまして私の所信を申し述べ、議員各位をはじめ市民の皆様の更なるご理解とご協力をお願い申し上げます。

 さて、我が国は、欧州の政府債務危機など世界経済の先行きが不透明な中で、歴史的な円高水準や長引くデフレ、東日本大震災などにより、依然として厳しい経済情勢下にあり、緩やかに持ち直しの兆しもあるものの、低迷した経済状況からの早期脱却が求められております。また、未曾有の大災害となった東日本大震災からまもなく1年が経過する中で、1日も早い被災地の復旧・復興と東京電力福島第一原発事故の収束が切望されるところです。

 こうした中、政府は、国政が取り組むべき3つの優先課題を「大震災からの復旧・復興、原発事故との戦い、日本経済の再生」と掲げております。また、世界最速の超高齢化が進む中で、消費税率引き上げを含む社会保障と税の一体改革に本格的に取り組む姿勢を示しました。こうした国の動向は、本市の行財政運営に影響を及ぼすものと考えますので、引き続き迅速な情報収集と柔軟な対応を図ってまいりたいと考えております。

 一方、県においては、鈴木知事就任後の新しい県政ビジョンとして、概ね10年先を見据えた長期的な戦略計画「みえ県政力ビジョン(仮称)」の策定が進められております。このビジョンは、「県民力でめざす『幸福実感日本一』の三重」を基本理念として、「守る」「創る」「拓く」の3つの政策展開の基本方向と16の政策を掲げるとともに、市町との関係も連携を強化していくとしています。

 こうした中、先月28日には、関中学校において知事との1対1対談が開催され、地域材の木材流通の仕組みの構築など、本市特有の課題7項目について意見交換を行いました。今後もこのような機会の拡充に期待するとともに、地方分権時代にふさわしい県と市の連携・協働の関係を築いてまいりたいと考えております。

 さて、平成19年度から10年間を計画期間とする本市の最上位計画「第1次亀山市総合計画」につきましては、前期基本計画期間がまもなく終了し、中間地点に差しかかってまいりました。振り返りますと、さまざまな取組を通じて市町合併後の都市の一体感が醸成されるとともに、幅広い分野において市民力で地域力を高めるまちづくりに向けた基盤や風土が培われ、亀山らしさが形成されてきたものと考えております。

 今後は、前期基本計画における成果を活かし、つなげつつ、安心・安全に軸足を置き、更に地域ポテンシャルを発揮させながら、市民力で地域力を高めるまちづくりを一層推進し、基本構想に位置付ける将来都市像の実現を図ってまいりたいと考えております。そのため、新たに新年度から5年間の後期基本計画を策定し、重点的かつ政策横断的に取り組む4つの戦略プロジェクトをはじめ、さまざまな分野における施策を積極的に推進してまいりたいと考えておりますので、本議会に後期基本計画の策定について提案させていただいております。

 こうした中、新年度は、後期基本計画のスタートに当たり、「新生亀山・離陸の年」として力強く踏み切るべく、昨年10月に示した平成24年度行政経営の重点方針に基づき、オール市役所の英知を結集し、全力で取り組んでまいりたいと考えております。

 ところで、本市は液晶関連産業の集積等による税収の増加に支えられ、平成17年度から普通交付税不交付団体として、財政運営も堅調に推移してきましたが、固定資産税の落ち込みなどから、本年度において7年ぶりに普通交付税交付団体に転じるなど、行政経営の大きな転換点を迎えました。

 こうした中、新年度の予算編成につきましては、低迷する経済情勢や税収動向等を踏まえながらも、後期基本計画の初年度に当たり、第1次実施計画に基づくさまざまなハード・ソフト事業を展開していくため、積極的な予算編成といたしております。また、必要となる財源につきましては、財政調整基金など各種基金から繰入れを行うとともに、合併特例債などの特定財源の活用を図ったところであります。

 今後も、財政運営は更に厳しくなることが見込まれますが、第1次実施計画の事業推進を図りながら行財政改革を推進し、地方分権時代にふさわしい持続可能な自治体経営を目指してまいりたいと考えております。

 なお、各会計別の予算額でございますが、一般会計予算額は、対前年比6.5%増の211億7,880万円といたしております。また、国民健康保険事業特別会計は44億250万円、後期高齢者医療事業特別会計は7億8,090万円、農業集落排水事業特別会計は10億4,370万円、公共下水道事業特別会計は15億6,580万円、水道事業会計は17億7,080万円、工業用水道事業会計は1億4,191万3千円、病院事業会計は22億750万円、国民宿舎事業会計は1億8,780万円で、一般会計、特別会計、企業会計を合わせまして、対前年比5.1%増の332億7,971万3千円の当初予算額といたしております。

 それでは、市政の各部門にわたり市政方針をご説明申し上げます。なお、本議会におきまして、第1次総合計画基本構想の変更を提案させていただいておりますので、その基本施策の体系に沿って、新年度施策の取組及び事業計画をご説明申し上げます。

1.快適な都市空間の創造 

 はじめに、「快適な都市空間の創造」について、ご説明申し上げます。

 まず、企業活動の促進・雇用の創出でありますが、シャープ亀山工場におきましては、液晶パネルの世界的な需要動向に対応し、中小型液晶パネルの生産拠点化を図る設備整備が進められております。昨年の第2工場のライン改造に続き、第1工場においてもスマートフォン向けモバイル液晶生産ラインの導入が進められており、今春から本格的な生産が開始されると伺っております。当工場が成長力のあるモバイル液晶事業の拠点地域となることにより、地域経済の安定と持続的な発展につながるものと期待いたしております。

 一方、企業立地促進法に基づく本市の産業活性化の基本計画である亀山市産業活性化計画の策定が、本年夏までには完了する見込みであり、本計画の方針に沿い、本市の持つ地域特性を活かし、積極的に企業立地を促進してまいりたいと考えております。また、企業を取り巻く経営環境が厳しくなる中、既存企業の活性化に向け、亀山商工会議所との連携を強め、中小企業の経営力向上を目指す中小ものづくり経営革新塾を開催するほか、小規模事業者の経営改善のための資金繰り支援制度の拡充を図ってまいります。

 次に、にぎわいの場の創造・商店街の活性化につきましては、昨年10月に商業関係者等の参画の下、本市の商業活性化に向けた方策について取りまとめを行いました。新年度からは、これらの方策を基に、商業者が地域に根ざし活発な経営を展開していけるよう、商業者、商業団体、市民、行政などが連携し、その具現化を図ってまいります。

 次いで、農林業の振興うち、農業につきましては、農業所得の減少や担い手不足、農地の利用集積の伸び悩みなどから、農業経営力・農業生産力は低下し、耕作放棄地も増加している現状にあります。こうしたことから、地域の農業を支える認定農業者や営農組合が行う農業用機械、施設等の設備投資や農地集積に対し新たに補助制度を創設し、農業経営の安定化につなげてまいります。

 一方、林業につきましては、国において、10年後の木材自給率50%以上を目指す森林・林業再生プランが策定されたことを受け、本年度内に亀山市森林整備計画を変更すべく現在諸手続きを進めております。新年度は、変更後の計画に基づき、引き続き林業事業体等による施業の集約化や路網整備など安定した林業経営の基盤づくりを支援するとともに、公共建築物等における地域材の利用を促進し、林業経営の安定化につなげてまいります。

 次に、都市づくりの推進につきましては、亀山市都市マスタープランのまちづくり方針に基づき、都市計画の見直しを進めるとともに、新たに市内道路ネットワーク計画を策定いたします。また、JR亀山駅周辺の利便性・安全性の向上とにぎわいの再生を図るため、地域の方々と共に整備手法の検討を行いつつ、その実現に向けた整備計画の策定を進めてまいります。

 次に、住環境の向上につきましては、住宅困窮者に対する住宅セーフティネットの確保を図るため、民間活用市営住宅事業を通じて、既存の民間住宅を活用した市営住宅の確保を進めております。こうした中、JR井田川駅前において新たに単身者用の民間住宅10戸を借上げ、市営井田川駅前住宅として確保していくため、本議会に亀山市営住宅条例の一部改正を提案させていただいております。

 次に、上下水道の整備でありますが、流域関連公共下水道事業につきましては、引き続き能褒野町、羽若町、亀田町、栄町及び関町会下における管渠布設工事及び舗装復旧工事を進めてまいります。また、農業集落排水事業につきましては、昼生地区の平成26年度末の供用に向け、引き続き三寺町、中庄町及び下庄町における管渠布設工事、舗装復旧工事及び処理施設整備工事を進めてまいります。

 一方、下水道事業を安定した事業運営とするためには、経営の健全化や計画性・透明性の向上が必要であり、その取組に向けた企業会計化が必要不可欠なものとなっています。そのため、平成27年度からの地方公営企業法の適用を目指し、下水道事業の企業会計化を進めるべく、新年度においてその基本計画を策定いたします。

 次に、新たな国土軸の形成でありますが、新名神高速道路三重県区間(亀山・四日市間)の整備につきましては、広域高速道路網の構築と慢性化する東名阪自動車道の交通渋滞を緩和するため、県をはじめ関係市町やネクスコ中日本等と連携し、平成30年度とする供用開始時期の前倒しと、災害時等の代替機能の確保のための亀山西ジャンクションのフルジャンクション化について、引き続き関係機関に対し働きかけを行ってまいります。

 一方、リニア中央新幹線につきましては、建設主体であるJR東海に対し、昨年5月に国土交通大臣から建設指示が出される一方、当社は、東京・大阪間の中間駅の建設を全額自己負担で行うことを表明されました。また、東日本大震災の発生を機に、東海道新幹線が担ってきた高速で安定的な旅客輸送の二重系化による災害に強い国土の形成や東京一極集中の是正に対する期待も高まっております。こうした中、市といたしましても、リニア中央新幹線・JR複線電化推進亀山市民会議の取組を通じ、早期着工と全線同時開業を関係機関に強く働きかけてまいりたいと考えております。

 次に、道路網の整備でありますが、国・県の道路事業につきましては、建設事業費削減の流れの中にありますが、各事業が早期に実現するよう、事業の必要性や効果を整理した中で、さまざまな機会を捉え関係機関に対し働きかけを行うとともに、事業が円滑に進むよう事業主体と連携し地元調整に努めてまいります。

 また、市街地の回遊性を高め、産業振興と市民の利便性向上を図るため、引き続き都市計画道路2路線の整備を進めてまいります。まず、市道和賀白川線につきましては、本年度において国土交通省とJR東海に委託する部分を含め、本格的な工事に着手いたしましたので、新年度は鈴鹿川橋梁工事などの継続工事のほか、鈴鹿川両岸の構造物の築造及び盛土工事などを施工し、平成25年度の供用開始を目指します。また、市道野村布気線につきましても、残る用地買収を完了させ、道路工事に着手してまいります。

 次に、公共交通機関の整備でありますが、地域公共交通のうちバス運行につきましては、今後更に増加が見込まれる自立した移動手段を持たない高齢者などの交通手段を確保できるよう、より効率的で効果的な運行形態の実現を目指し、新年度において、新しい運行の仕組みも取り入れた亀山市地域公共交通総合連携計画を策定いたします。

 一方、鉄道につきましては、平成22年3月のダイヤ改正以来、JR亀山駅における昼間時間帯の乗り継ぎ時間が悪化しておりましたが、本年3月のダイヤ改正において大幅に改善される予定と伺っております。既に当駅では、エレベーターの設置などバリアフリー化工事も完了しましたので、より多くの方々の鉄道利用が期待されるところであります。また、地域と協働して進めてまいりましたJR井田川駅前の整備につきましては、駅前ロータリー、待合室、駐輪場等の整備工事が本年度末に完成いたしますので、駅利用者の利便性の向上と安全面・景観面の改善が図られるものと考えております。

2.市民参画・協働と地域づくりの推進

 続きまして、「市民参画・協働と地域づくりの推進」について、ご説明申し上げます。

 まず、地域コミュニティの活性化につきましては、自分たちの住む地域を自分たちで創り上げる、自立した地域コミュニティ活動を促進していくため、亀山市自治会連合会及び亀山市地区コミュニティ連絡協議会と全体的な議論を行うとともに、一部地域における地域住民との具体的な検討を通じて、多様な主体による地域の包括的な仕組みづくりを進めてまいります。併せて、これらの取組を支援するための市職員の支援体制や、地域づくりに対する新たな財政支援策などについて庁内での検討を行います。

 また、狭あいかつ老朽化した神辺地区コミュニティセンターの改築工事に向け実施設計を進める一方、関文化交流センターの利便性向上を図るため、バリアフリー化に向けてエレベーターの設置等の改修工事を実施し、コミュニティ活動の拠点となる施設の整備・充実を図ってまいります。

 次に、市民参画・協働と交流の場の創造につきましては、市民税1%市民活動応援事業の趣旨を活かしつつ、市民活動団体の自立や活性化を促進するため、地域通貨制度を用いて市民一人ひとりが市民活動を応援できる仕組みについて、市民との協働による検討委員会を通じ、その制度設計を進めてまいります。

 次いで、男女共同参画の推進につきましては、性別による固定的な役割分担意識の解消に向け、地域活動への女性の参画を促進する取組などを進めてまいります。

 また、ワーク・ライフ・バランスを考える機会の1つとして、ゴールデンウィーク期間を「家族の時間づくり週間」と位置づけ、本年5月2日を幼稚園、小・中学校を休業日として5連休を設け、市内事業所や経済団体、労働団体へ呼びかけも行いながら、家族が一緒に過ごし、絆を深めていただく機会を創出してまいります。

 次いで、多文化共生の推進につきましては、外国人住民に対する日本語教室を引き続き開催するとともに、ポケットメールの配信等による情報提供の充実により、外国人住民の生活利便性の向上や交流の場づくりを進めます。また、外国人とのコミュニケーションを図る共通言語として、やさしい日本語(伝わる日本語)の普及にも努めてまいります。

3.健康で自然の恵み豊かな環境の創造

 続きまして、「健康で自然の恵み豊かな環境の創造」について、ご説明申し上げます。

 まず、健康づくりの推進につきましては、健康都市連合加盟都市間の市民交流や健康教室の開催などを通じて、市民の健康づくりに対する意識高揚に努めるとともに、総合保健福祉センターを拠点とした各種検診・相談や、赤ちゃん・高齢者の訪問などライフステージに応じた保健サービスの実施により、市民の生涯を通した健康づくりを支援してまいります。また、がん検診受診率の向上に取り組むとともに、がん検診の結果異常等が発見された方が確実に精密検査を受けていただけるよう促すほか、最近猛威を振っておりますインフルエンザをはじめとした感染症の予防接種費用に対する助成を行うなど、昨年度策定しました亀山市食育推進・健康増進計画の積極的な推進を図り、健康都市連合加盟都市として、市民の健康を守り健康寿命を延ばす取組を進めてまいります。

 次に、地域医療の充実につきましては、亀山市地域医療再構築プランの3年目に当たり、これまでに実施してきた取り組みを充実、継続するとともに、医療センターを核に医師会・歯科医師会の協力を得ながら、地域医療機関との役割分担と連携の下、市民の安心・安全を守る地域医療の確保を図ってまいります。こうした中、病院群輪番制二次救急医療機関における脳卒中患者等への救急対応のための高度医療機器の導入について、支援を行ってまいります。

 一方、昨年6月に開設いたしました三重大学亀山地域医療学講座につきましては、引き続き専門的見地からの研究を進め、この地域の生活習慣や特性を明らかにし、地域性のある医学的研究成果としてその活用を図ってまいります。

 また、医療センターにつきましては、亀山市立医療センター改革プラン及び亀山市地域医療再構築プランの年次計画に基づく具体的な取組を進め、医師の確保や経営改善について徐々に成果を上げてまいりましたので、新年度も引き続き取組を継続してまいります。特に、本年度においては、三重大学亀山地域医療学講座の開設に伴い、総合医・整形外科医師が常勤し、診療体制が充実するとともに、協力型臨床研修病院の指定を受け、研修医の受入れ体制を整えました。更に新年度からは、三重大学が行う三重・地域家庭ネットワークの人材養成システムにおける拠点病院の1つとして、三重大学の医学生・看護学生及び県立看護大学の学生の実習並びに研修医を受け入れることとしております。一方、医療施設の改善につきましては、新年度から2箇年で空調機器、外壁タイルなど、緊急性・重要性を踏まえた計画的な施設改修を実施するとともに、新年度において、購入後10年近くが経過する全身用スライスコンピュータ断層撮影装置(CT)をより高性能な機種に更新するなど、病院機能の充実と経営改善に努めてまいります。

 次いで、循環型社会の形成・エコシティの実現でありますが、平成16年度に策定しました亀山市環境基本計画につきましては、環境分野の上位計画として、その推進を図ってまいりましたが、環境問題を取り巻く情勢の変化への更なる対応が求められております。また、平成20年度に策定しました亀山市地球温暖化防止対策地域推進計画につきましては、平成24年度で計画期間が終期を迎えることとなります。そのため、新年度から2箇年をかけて、これら2つの計画を見直し、更なる環境の保全・創造に取り組んでまいります。

 一方、ごみ溶融処理施設につきましては、稼働後まもなく12年が経過し、施設内の主要な設備・機器が今後耐用年数を迎えることから、老朽化に伴う機能の低下が懸念されます。そのため、新年度から3箇年の継続事業として基幹的設備の改良工事を実施し、施設の長寿命化を図るとともに、二酸化炭素排出量の削減に努めてまいります。

 次に、自然との共生につきましては、森林の持つ公益的機能を持続的に発揮させるため、引き続き森林環境創造事業を実施し、間伐等により環境林の針広混交林への誘導を図るなど、健全な森林整備を推進してまいります。

 次に、防災力の強化につきましては、東日本大震災以降、国・県においては、東海地震・東南海地震・南海地震の被害想定等の見直しが進められており、本市もこれらの動向を踏まえつつ、実情に即した地域防災計画等の見直しや防災訓練の実施、業務継続計画の策定作業を進め、危機管理体制の充実を図ってまいります。また、災害に強いまちづくりを推進するため、災害時に市民への迅速な情報伝達ができるよう、総合的な情報伝達システムの構築に向けた計画を策定するとともに、引き続き木造住宅の耐震化を促進いたします。更に、各地域における防災・減災に向けた自助・共助の活動を拡大していくため、自主防災組織の組織強化や人材育成等に努め、地域防災力の向上を図ってまいります。

 一方、人口が増加傾向にある市北東部地域における消防力の強化につきましては、消防分署の建設に関する議会からのご提言や北東部の地域住民の方々からのご要望をいただく中で、本年度実施してまいりました常備消防力の適正配置の調査結果に検証を加え、その在り方について検討を重ねてまいりました。その結果、消防防災拠点の強化を図るため、平成27年4月の開署を目指し新たに市北東部地域へ消防分署を建設することといたし、新年度から所要の事業を進めてまいります。

 また、消防力の充実・強化の一環として、部隊指揮を伴う各種現場での安全管理を徹底するとともに、消防職団員の安全で効率的かつ効果的な運用を図るため、指揮支援隊を設置してまいります。

 なお、市北東部地域における消防分署の開署及び指揮支援隊の設置に関し、本議会に亀山市職員定数条例の一部改正を提案させていただいております。

 ところで、来月1日から春季全国火災予防運動が実施されますが、本市における昨年中の火災件数は35件であり、前年に比べ11件増加する中で、高齢者が犠牲となられた住宅火災も発生したところであります。市民の火災予防思想の普及啓発に寄与する効果的な情報を発信するとともに、自治会連合会のご理解とご協力をいただきながら、全国平均を下回っている本市の住宅用火災警報器の設置率を向上させるため、訪問活動等の取組を推進してまいります。

 一方、救急体制につきましては、昨年の出動件数が過去最高の1,937件と上昇しておりますが、年初から救急車4台の効果的な運用を開始したところであり、また、今月から県が運用を始めたドクターヘリとの有機的な連携も図りながら、迅速・的確な救急搬送に努めてまいります。

 また、電波法の改正に伴う消防救急無線のデジタル化につきましては、平成25年度から整備工事が開始できるよう、関係機関と協議・調整を図りつつ、取組を進めてまいります。

 次に、地域安全の充実につきましては、近年、様々な街頭犯罪の発生が危惧されており、市民がこうした犯罪による被害に遭わないためにも防犯情報の発信や研修会などを実施し、防犯意識を高めていただくとともに、暴力団対策につきましても市民や事業者、警察署等と連携し、その排除に取り組んでまいります。

 また、自治会における防犯灯施設につきましては、老朽化等に伴い修理が必要となった防犯灯施設をLED電球に切り替える場合も市補助の対象に加え、環境に配慮した施設の設置を促進してまいります。

4.生きがいを持てる福祉の展開

 続きまして、「生きがいを持てる福祉の展開」について、ご説明申し上げます。

 まず、スポーツの推進につきましては、関地区を拠点に活動する「Let'sスポーツわくわくらぶ」や新たに設置された総合型地域スポーツクラブ設立準備委員会の活動を支援するとともに、地域、学校、各種スポーツ団体などと連携・協働し、スポーツに取り組みやすい環境づくりを進めてまいります。

 次に、地域福祉力の向上につきましては、昨年10月に策定しました亀山市地域福祉計画の具現化を図るため、亀山市社会福祉協議会と連携し、ふれあい・いきいきサロンや子育てサロン活動を通じた地域の見守り・交流の場を拡充するとともに、地域福祉活動の担い手の発掘・育成に努め、誰もが住み慣れた地域で安心していきいきと暮らせるよう、地域の絆を大切にした取組を進めてまいります。

 次に、高齢者の多様な生活スタイルの支援につきましては、地域包括支援センター「きずな」を中心に、地域包括ケアの推進や認知症高齢者対策を重点的に進めてまいります。そのため、要支援状態から要介護状態へ移行しないよう、介護予防を重視したケアマネジメントの実施に努めるとともに、認知症を理解し認知症の人やその家族を見守り支援する認知症サポーターの更なる人材確保に向け、認知症サポーター養成講座の充実を図ります。

 次いで、障がい者の社会参加の促進につきましては、障がいのある人が、地域で自立した生活を送ることができるよう、障害者総合相談支援センター「あい」など関係機関と連携し、相談や就労支援の充実を図ってまいります。また、国においては、障害者制度改革に関連し、障害者自立支援法に代わる(仮称)障害者総合福祉法について平成25年8月までの施行を目指すとしているため、今後もその動向に注視しつつ適切な対応に努めてまいります。

5.次世代を担う人づくりと歴史文化の振興

 続きまして、「次世代を担う人づくりと歴史文化の振興」について、ご説明申し上げます。

 まず、子育て支援につきましては、安心して子どもを産み育てられる環境づくりに向けたさまざまな取組を進めてまいります。このうち、子どもに関する相談につきましては、子ども総合センターを拠点として、関係機関との連携を強化し、子どもとその家庭が地域で健やかに成長していけるよう、子どもに対するとぎれのない支援体制の充実に努めてまいります。

 また、子どもの発達に不安を抱えている家庭等への支援につきましては、発達障がい児の早期発見と早期支援を図るため、専門職員の資質向上に努め、療育相談を充実してまいります。

 更に、保育環境の向上につきましては、就労形態の多様化が進む中、民間保育所の協力も得ながら、多様な保育需要に対応した保育サービスの提供を検討してまいります。また、今月3日には、亀山市立保育所在り方検討委員会から今後の保育所の方向性等に関する最終報告書が提出されました。新年度におきましては、この内容を尊重しつつ、短期的に取り組むべき事項への対応としまして、近年の急激な保育需要の増加に対応するため、待機児童館「ばんび」の活用を図るほか、新たな民間保育所の創設に対し施設整備費の一部を助成し、保育施設の確保に努めてまいります。なお、国において検討が進められております「子ども・子育て新システム」につきましては、今後もその動向に注視しつつ、適切な対応に努めてまいります。

 次に、文化芸術の振興につきましては、文化による創造と交流のまちの実現に向けて、これまで培われてきた文化を更に発展させ、魅力あるかめやま文化の創造を図るため、新たに3年に1度を目途として「かめやま文化年」を創設いたします。第1回かめやま文化年は、平成26年を計画しており、新年度は市民や関係団体の方々と共に、その具体案づくりに取り組んでまいります。

 次いで、歴史文化の継承につきましては、地域におけるさまざまな歴史文化を活用した取組を支援するなど、地域と連携した屋根のない博物館の創出を目指してまいります。特に、新年度からの3箇年は、学校教育における地域学習との連携強化を重点的に推進してまいります。

 次に、歴史的なまちなみの保存整備でありますが、亀山城多門櫓の復原整備につきましては、整備工事に伴う新たな発見を踏まえた中で、江戸時代における構造・意匠形態への忠実な復原に努め、完成後の姿を広く一般公開することにより、歴史的風致を活かしたまちづくりの推進につなげてまいります。また、関宿のまちなみにつきましては、平成26年度が国の重要伝統的建造物群保存地区の指定を受けてから30周年を迎える記念すべき年となりますので、これに向けて、保存地区内に存する旧田中家の保存修理工事に着手いたします。

 次に、まちづくり観光の推進につきましては、亀山市観光協会をはじめ地域や市民団体の方々と連携し、自然、歴史文化など市内のさまざまな地域資源を活かした交流を進めるとともに、本市の多彩な魅力を紹介するWEB動画の制作を通じて、シティプロモーションを推進してまいります。

行政経営

 続きまして、「行政経営」について、ご説明申し上げます。

 まず、自立した行政経営の推進のうち、地方分権の推進につきましては、国の地域主権戦略大綱を踏まえ、県から市への法定権限移譲が本年4月1日から実施されますことから、更に県と連携を図り、事務の移譲が円滑に進むよう取り組んでまいります。

 次に、行政情報システムのうち内部情報系システムにつきましては、新年度において人事給与システムを追加し、職員給与計算の電算化及び人事台帳の電子化を図り、事務の省力化に努めてまいります。

 次いで、コンプライアンスに関する取り組みの推進につきましては、開かれた市政をより一層進め、行政の透明性を確保することが求められます。そのため、情報公開制度の拡充を図るため、本議会に亀山市情報公開条例の一部改正を提案させていただいております。

 次に、行財政改革の推進につきましては、後期基本計画の策定に合わせ見直しを行いました中期財政見通しを踏まえつつ、亀山市行財政改革大綱の見直しを行うとともに、後期実施計画を策定してまいります。

 一方、本市の財政状況を取り巻く環境が厳しさを増す中、未収債権に対する取組について、より一層の強化が求められるところであります。そのため、市の私債権の整理に必要な手続きや基準を明確にすべく、本議会に亀山市の私債権の管理に関する条例の制定を提案させていただいております。

 ところで、国民宿舎関ロッジにつきましては、昭和42年の開設以来、宿泊や研修、観光・交流の場として、市民をはじめ多くの方々にご利用いただいてまいりました。しかしながら、施設の老朽化や民間宿泊施設等の充実、利用者ニーズの多様化等による利用者の減少などにより、国民宿舎事業を取り巻く環境は大きく変化し、厳しい経営状況の中にあります。こうした現状を踏まえ、議会からもご提言をいただく中で、今後の関ロッジの在り方について、これまで調査・検討を重ねてまいりました。その結果、関ロッジにつきましては、民間活力の導入による新たな経営形態として、指定管理者による管理運営を基本としつつ、新年度においては、施設の耐震化に向けた実施設計を行ってまいります。

 なお、学校教育、生涯学習等、教育分野の詳細につきましては、後ほど教育委員会当局からご説明申し上げます。

 最後に、昨年11月21日から本年2月20日までの一般会計及び各特別会計に係る3千万円以上1億5千万円未満の工事請負契約の状況は、別紙のとおりでございましたのでご高覧賜りたいと存じます。

 以上簡単ではございますが、施政及び予算編成方針について、ご報告申し上げました。私は、議員各位並びに市民の皆様のご鞭撻を得つつ、市政に全力を尽くす覚悟でございますので、皆様の深いご理解と一層のご支援を心よりお願い申し上げます。

お問い合わせ

政策部 政策推進課 政策調整グループ
住所:〒519-0195 三重県亀山市本丸町577番地
TEL:0595-84-5123
FAX:0595-82-9955