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教育行政一般方針

公開日 2019年02月25日

 平成31年亀山市議会3月定例会の開会に当たり、教育行政の方針についてご説明申し上げ、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。
 まず、国の情勢でありますが、先月、中央教育審議会は、「新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について」を文部科学大臣に答申しました。また、文部科学省は、公立学校の教員の時間外労働時間の上限を原則月45時間、年間360時間とする「公立学校の教師の勤務時間の上限に関するガイドライン」を公表しました。中央教育審議会答申は、このガイドラインの遵守を柱とし、教員の勤務時間に含まれる業務の見直しや変形労働時間制の導入等について提言しています。この答申を受け、文部科学省は「学校における働き方改革推進本部」を設置し、都道府県教育委員会等で 2020年度をめどに教員の時間外労働時間の上限を定めるよう求めるとともに、自治体が条例に基づき公立学校教員の「変形労働時間制」を導入できるよう、新年度内に教職員給与特別措置法の改正を目指すとしています。
 また、2020年度からの新学習指導要領本格実施や学校における働き方改革に向けて、小学校英語専科教員の配置等、教職員定数の改善や外部人材の拡充など、学校の指導・運営体制の強化・充実が図られようとしています。

 次に、県の情勢でありますが、昨年4月に三重県いじめ防止条例が施行されましたが、この条例の基本理念にのっとり、三重県いじめ防止基本方針が改定される予定です。
 また、「三重県教育ビジョン」は新年度において4年間の計画期間の最終年度を迎え、県教育委員会はその進捗状況を把握しながら、各施策を推進しているところであります。
 こうした国や県の動向・施策を見極めつつ、教育委員会といたしましては、引き続き、亀山市教育大綱の基本理念「学びあふれる教育のまち かめやま」を念頭に置き、「亀山市学校教育ビジョン」、「亀山市生涯学習計画」及び「亀山市子どもの読書活動推進計画」の具体的な実践を着実に推進してまいります。

 それでは、教育行政の各部門にわたり、新年度の取組及び事業計画をご説明申し上げます。
 はじめに、学校教育関係について、ご説明申し上げます。
 まず、学校体制の充実につきましては、新年度も引き続き、本市独自の「少人数教育推進教員」の効果的な配置によるきめ細かな教育の推進に努めてまいります。また、個の学び支援事業におきましては、学習生活相談員の効果的な配置や介助員、看護師等の適正配置に引き続き努力してまいります。
 次に、コミュニティ・スクールにつきましては、これまでの6校に加え、新年度から新たに亀山南小学校、関小学校及び関中学校の3校で学校運営協議会の設置が予定されております。これに伴い、学校の事務補助員を増員するとともに、未設置の学校におきましても、設置に向けた研究と準備を進めてまいります。
 次いで、学校給食につきましては「かめやまっ子給食」など地産地消の取組を継続するとともに、より一層メニューの充実を図るため、生産者の方々との連携に努めてまいります。また、給食の公会計化につきましても、準備を進めてまいります。
 次に、学校保健関係につきましては、各学校では感染症予防対策としてワクチン接種を呼び掛けておりますが、今後も児童生徒の健康管理指導を徹底してまいりたいと考えております。
 最後に、教職員の働き方改革の取組といたしまして、中学校における部活動の指導充実と教員の長時間労働改善に向け、部活動ガイドラインの見直しや部活動指導員の増員を行うとともに、小学校におきましては、教員の事務作業や授業準備等の補助をする「スクール・サポート・スタッフ」を新たに配置いたします。さらに、学校ボランティア等、外部人材の積極的な活用や学校閉校日の拡大を進めるとともに、現在年3回実施している土曜授業につきましても、新年度に検討会議を開催し、見直しを行ってまいります。併せて、時間外労働時間削減に向けた教職員の意識改革を促すとともに、学校における業務改善等の進捗状況を把握しながら、総勤務時間縮減を推し進めてまいります。

 続きまして、教育研究関係について、ご説明申し上げます。
 まず、「亀山市学校教育ビジョン」に掲げる「希望に輝く心ゆたかな亀山の子どもたち」を育成するため、学校・家庭・地域・行政が相互に連携し、一体となってその進捗管理を行い、目標達成に向け取組を進めてまいります。
 次に、教職員の研修関係につきましては、教育現場の教育力の向上を目指して、新年度の「亀山市教育関係職員の研修方針」を定めました。「情熱と誇りをもち、学び続ける教職員」を目指す姿とし、「一人ひとりの児童・生徒が個性を生かしながら仲間とともに主体的に学ぶ」ことを目指して、教職員の資質や指導力、今日的教育課題に対応した実践力、管理職のマネジメント能力の向上を図ってまいります。併せて、亀山市教育研究体制を大幅に見直し、研修担当者会の開催や小中連携強化のための授業研究を進めてまいります。
 次いで、学力向上につきましては、引き続き、「書く力」の育成を軸とする学力向上の取組を着実に実践するとともに「全国学力・学習状況調査」、「みえスタディ・チェック」及び「ワークシート」の3点セットを活用し、学力定着状況の把握・分析に基づいた効果的な取組を推進してまいります。また、「亀山市学力向上推進計画」が計画期間最終年度を迎えますことから、これまでの取組の成果・課題を検証の上、次期「亀山市学力向上推進計画」の策定に向けた作業を進めてまいります。
 新学習指導要領につきましては、各教科の移行期間における指導と「主体的・対話的で深い学び」の充実に向けた取組を進めるとともに、中学校における「特別の教科道徳」の本格実施や小学校英語科・英語活動の先行実施を行ってまいります。特に、小中学校の英語指導におきましては、「読む・書く・聞く・話す」の4技能の育成を進めるとともに、各技能の定着度を測るテストを各校に提供し、指導改善に生かしてまいります。さらに、2020年度から使用する小学校の教科書の採択や、それに伴う小学校社会科副読本改訂作業に取り組んでまいります。
 また、体力向上につきましては、運動量の確保に努めた体育の授業改善や「1学校(園)・1運動プロジェクト」を進め、運動の日常化に取り組んでまいります。
 次いで、豊かな心を育む教育につきましては、これまでの体験活動の場を一層工夫し、命の大切さや仲間を思いやる心の醸成を図ってまいります。また、市立図書館や歴史博物館、文化会館等との連携を深めながら、読書や文化芸術等に係る体験を通して、豊かな感性や人間性を育んでまいります。さらに、未就学児から小学校6年生までのそれぞれの年代に応じた推薦図書を選定し、学年別のリーフレットを配布・活用することで、子どもたちに読書を奨励する「読書チャレンジ」に新たに取り組みます。
 次に、人権教育につきましては、市長部局との連携を強化しつつ、人権が尊重される学校づくり、家庭づくりの取組に努めてまいります。
 生徒指導につきましては、子どもたちが確かな規範意識を持って様々な生活の場面で主体的に判断・行動ができるよう小中連携を図りながら指導方法の工夫改善に取り組んでまいります。また、国立教育政策研究所の「魅力ある学校づくり調査研究事業」の委託を受け、亀山中学校区の小中学校を中心に、義務教育9年間を見通した適時性・連続性のある教育を推進し、新規不登校児童生徒を生まないよう「確かな学力の育成」と「子どもたちの居場所づくり・絆づくり」に取り組んでまいります。いじめ問題への取組では、ささいなことも見逃さず、いじめの積極的な認知と早期対応に努めるとともに、各学校においてはいじめアンケートや教育相談などを活用し、関係機関等とも連携しながらいじめへの適切な対応を図ってまいります。
 次に、情報教育につきましては、2020年度から小学校で必修化されますプログラミング教育の円滑な実施に向けて、教職員に対しての研修や必要な教材の整備を進めてまいります。
 次いで、経済的理由等で家庭での学習環境が整いにくい生徒を対象に個別の学習支援を行う「学習教室」の開催につきましては、4年目を迎えることとなりますが、これまでの取組の成果と課題を明らかにし、今後も受講生徒数の拡大と更なる充実に努めてまいります。
 最後に、鈴鹿大学との連携協定の下、キャリア教育や外国人児童生徒教育を始め、食育や特別支援教育の充実に向けた取組を推進してまいります。

 続きまして、学校施設の整備関係について、ご説明申し上げます。
 まず、川崎小学校改築事業につきましては、平成28年度から3年間の継続事業として校舎改築工事を進めてまいりましたが、その完成を迎えることとなり、来月10日に竣工式を開催する予定です。
 次に、小学校普通教室等空調機整備事業につきましては、来月、設置工事に着手する予定であり、今夏に空調機が使用できるように取り組んでまいります。
 次いで、井田川小学校校舎増築・給食室改修事業につきましては、近年の井田川地区における宅地開発による児童数の増加に対応するため、新年度において校舎増築の設計業務等を実施いたします。また、本事業におきましては、老朽化している給食調理施設の改修工事も併せて行います。

 続きまして、生涯学習関係について、ご説明申し上げます。
 まず、「亀山市生涯学習計画」の推進につきましては、地域人材キラリ育成事業において地域で活躍できる人材育成に取り組んでまいります。中央公民館講座では地域に根差した学びを取り入れるとともに、新年度から市民大学(仮称)を立ち上げて、歴史文化・自然環境・健康都市の分野において「気づき」のコースを、地域経済の分野において「実践」のコースを開講いたします。なお、来月 10日には「あなたの学びが亀山市を創る」をテーマとしてプレ講座を開催し、市民大学(仮称)の取組について、市民の皆様への周知を図ってまいります。
 次に、青少年の健全育成につきましては、学校、PTA、警察署などの関係機関と連携し、防犯の観点から通学路の合同点検を実施いたしました。その結果を踏まえて、補導員によるパトロールコースや巡回時間の改正を行い、青少年の安心安全な環境づくりを図ってまいります。
 次いで、家庭教育の支援につきましては、社会教育委員会において子育て家庭に向けた応援メッセージとして「かめやまお茶の間 10選」を策定いただいており、その周知と実践に向けた取組を進めてまいります。
 次に、新図書館の整備につきましては、「亀山市立図書館整備基本計画」の実現に向けて、亀山駅周辺整備事業との緊密な連携を図りながら、実施設計の調整や新図書館における管理運営方針の策定、蔵書の充実、地域における読書活動拠点の確立などを進めてまいります。また、新図書館の実現に向けて市民の皆様からいただきましたご意見を少しでも多く反映できるよう、引き続き、多様な形での情報発信や図書館市民ワークショップの開催に努めてまいります。
 次いで、現市立図書館につきましては、先般開催いたしました図書館まつりなどのイベントを通じて、図書館ボランティア団体の皆様との連携を深め、市民の皆様が本を身近に感じられる環境づくりに努めてまいります。

 また、昨年初めて実施いたしました教育功労者の表彰につきましては、新年度は学校運営協議会や社会教育ボランティアの分野でご尽力されました方々を中心に表彰候補者の選定を進め、表彰式を開催してまいりたいと考えております。

 最後に、教育に関する情報発信といたしまして、継続して市広報に「かめやま教育通信」を掲載するなど、子育て、家庭学習、英語教育、通学路の安全確保など役立つ内容を広く市民の皆様に発信してまいります。

 以上、平成31年度教育行政の方針について、ご説明を申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。