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教育行政現況報告

公開日 2018年08月24日

 平成30年9月亀山市議会定例会の開会に当たり、教育行政の現況と今後の見通しについてご報告し、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 報告の前に、先の「平成30年7月豪雨」により亡くなられた方々に対しまして深く哀悼の意を表すとともに、被災された皆様方に心からお見舞い申し上げます。
 まず、教育に関する国の情勢でありますが、痛ましい児童の事件・事故が相次ぐ中、文部科学省は、学校・通学路におけるブロック塀等の安全点検や熱中症事故防止に向けた万全の対策を講ずるよう全国の市町教育委員会に発信しています。さらに、本年5月の新潟県における児童殺害事件を受け、登下校時の子供の安全確保に関する関係閣僚会議において、通学路の登下校時における総合的な防犯対策の強化が盛り込まれた「登下校防犯プラン」が取りまとめられました。
 また、本年6月には第3期教育振興基本計画が閣議決定され、 2030年以降の社会の変化を見据えた教育政策の在り方が示されました。人生100年時代や超スマート社会の到来が見込まれる中、教育を通じて生涯にわたる一人一人の「可能性」と「チャンス」を最大化することを今後の教育施策の中心に据えるとし、2018年度から2022年度の5年間における教育政策の目標や進捗状況を把握するための指標、施策群が示されております。

 次に、県の情勢でありますが、三重県いじめ防止条例を踏まえ、県内の事業所や団体に呼び掛け、「三重県いじめ防止応援サポーター」として社会全体でいじめ防止の促進と機運を高めるとともに、11月のいじめ防止強化月間における「いじめ防止フォーラム」の開催や、来年1月末を目途に三重県いじめ防止基本方針の改訂が予定されているところでございます。

 それでは、最初に学校教育関係について、ご説明申し上げます。
 まず、この夏は過去に例を見ないほどの猛暑に見舞われ、児童生徒の安全確保や健康保持につきましては、気象庁の高温注意情報や環境省の熱中症予防情報における暑さ指数を参考に、熱中症予防等について十分注意を払ってまいりました。幸い、命に関わるような大きな事故はなく、有意義な夏休み生活を送れています。
 次に、児童生徒の通学路の安全確保につきましては、ブロック塀などの安全点検について、各学校のPTA等のご協力を得て、今月10日までに一次点検を終えました。この点検結果を受け、今後、関係部局と協議するとともに、危険箇所を精査の上、学校と情報共有し、児童生徒の安全確保に向けた取組を進めてまいります。また、毎年実施しております交通安全に関わる通学路の合同現場確認につきましては、今月上旬に実施したところであります。
 次いで、教職員の働き方改革につきましては、総勤務時間縮減に向け、市内各小中学校で進捗管理指標と目標値を設定し、その取組を進めているところでございますが、市全体として更に効果的な取組を進めるために、学校現場の声を反映した改善方策を取りまとめ、総合教育会議の場でも協議を行ったところであります。
 次に、亀山市部活動ガイドラインにつきましては、国や県の部活動ガイドラインとの整合を図るために本年6月20日に一部を改訂し、より適切な活動時間や休養日の設定を示し、部活動指導の充実と教員の負担軽減を目指しているところでございます。
 次いで、先月末に開催されました三重県中学校総合体育大会につきましては、鈴亀地区大会で好成績を収めた7団体と個人7名が県大会へ出場し、そのうち中部中学校女子剣道部が団体で、亀山中学校柔道部2年生男子が個人で東海大会への出場を果たしました。また、陸上競技におきましては、中部中学校が男子400mリレー、男子3年1500m、男子走り幅跳び、男子2年100mで東海大会に出場し、男子3年1500mにおいては優勝し、さらに、全国大会へも出場いたしました。選手の健闘を讃えるとともに、今後も多くの生徒が活躍できるよう支援を行ってまいります。
 また、本年度は、今月上旬に全国高等学校総合体育大会ウエイトリフティング競技大会が本市で開催されましたが、市内中学生に競技への興味関心を持ってもらうよう、亀山高等学校ウエイトリフティング部生徒の実演等も含めた講演会を市内三中学校において開催したところであります。
 次に、今月4日、5日、昨年に引き続き、亀山市で「NHK全国学校音楽コンクール三重県コンクール」が開催され、本市から小学校3校、中学校2校が出場いたしました。どの学校も、これまでの練習の成果を十分に発揮し、元気な歌声をホールに響かせることができました。
 次いで、道徳教育の推進につきましては、学習指導要領の改訂に伴い、今月8日開催の教育委員会第7回臨時会におきまして、平成31年度使用中学校教科用図書の採択を行ったところでございます。今後も、道徳教育研修会等を通じて教職員の授業力向上を図りながら、「考え、議論する」道徳教育の醸成に努めてまいります。
 また、いじめ問題への対応につきましては、亀山市いじめ防止基本方針に基づき、いじめの未然防止や早期発見・対応に努めております。さらに、不登校及び不登校気味の児童生徒に対しましては、本人並びにその保護者の思いに向き合い、適応指導教室と学校、子ども未来課との密接な連携と情報共有を通じて、その対策の充実を図っているところでございます。
 次に、学力向上につきましては、今月、全国学力・学習状況調査の結果が公表されました。本市の状況は、小中学校合わせて10教科中9教科が県の平均正答率を下回りましたが、中学校の1教科は県の平均正答率と並びました。また、中学校の全教科において県との平均正答率の差が縮まり、無回答率も下がるなど一定の成果が見られました。さらに、小学校における自己肯定感の高まりや話し合い活動の充実、中学校におけるボランティア活動への参加状況や粘り強く問題に取り組む姿に改善が見られます。現在、市内児童生徒の学力の状況を分析し、課題となる領域が改善できるよう、組織的な授業改善の継続と教員の授業力向上に努めるとともに、国の事業である「主体的・対話的で深い学びの推進事業」を活用しながら、学力向上を図ってまいります。
 また、英語教育の充実発展に向け、今年度新たに「三重の英語教育改革加速事業」を受け、モデル校を指定して小学校における英語指導法の研究開発や小中連携の推進に向けた取組を始めます。なお、今月上旬、鈴鹿峠自然の家にて、今年度から初めての取組となる「英語デイキャンプin Kameyama」を開催したところ、市内の小学5・6年生から、予想を上回る42名の応募があり、ALTや亀山高等学校の生徒のボランティアスタッフの協力の下、英語に楽しく親しむ1日となりました。
 次いで、学習支援事業につきましては、受講者の拡大を図るため、事業の再周知に努めた結果、学習教室参加者が先月末現在で三中学校区合わせて30名となり、受講者が増えているところでございます。

 続きまして、学校施設の整備関係について、ご説明申し上げます。
 川崎小学校改築事業につきましては、順調に2期工事を進めており、来月末に中棟校舎が完成する予定であります。この中棟への引っ越しは、10月を予定しており、現在、その準備を進めているところでございます。新校舎完成後は、旧校舎第3棟の解体、外構工事及びグラウンド改修工事を進めていきますが、今後も工事の安全管理を徹底するとともに、学校運営に配慮しつつ、来年3月の事業全体の完成に向け、鋭意取り組んでまいります。
 次に、普通教室等空調機整備事業につきましては、亀山中学校及び中部中学校2校について、6月に機器の設置を終え、先月から冷房運転を開始しています。本年の大変厳しい暑さであった期間におきまして、空調機を使用することができたため、事業の効果を大きく得られたものと認識しております。なお、小学校については、来年度の工事に向け、その設計業務を進めているところでございます。
 また、亀山中学校の校舎内部改修工事など、夏休み期間に実施しております工事については、今月中に完成する予定であります。
 一方、学校施設内におけるブロック塀につきましては、去る6月に実施しました点検の結果、亀山東小学校において、建築基準法の要件を満たさない塀が3箇所存在することが判明いたしました。内1箇所については夏休み中に改修工事を実施し、緊急性を要しない2箇所については、年内に改修を実施する予定であります。

 続きまして、生涯学習関係について、ご説明申し上げます。
 昨今の、子どもの安全を脅かす重大事件が発生している中、青少年総合支援センターで実施しております青色回転灯装着車による市内巡回につきましては、そのコースや巡回時間等の検証を進めているところでございます。より実効性の高い巡回を行い、子どもが安心し、安全に暮らせる環境づくりを図ってまいります。
 また、「『亀山っ子』市民宣言」の取組といたしまして関係諸団体や地域の方々のご協力を得て、本年もサマーキャンプやソフト・キックボール大会などの体験活動を重視した行事を夏休み期間に開催していただきました。
 さらに、家庭教育の今後の在り方についての提言書につきまして、社会教育委員会においてご検討をいただいているところであります。
 次に、地域で活躍できる人材の育成を目的とする地域人材キラリ育成事業につきましては、育成事業の方針やカリキュラム編成について協議する委員会を来月に開催するべく準備を行っているところでございます。
 次いで、図書館関係につきましては、亀山市立図書館整備基本計画の実現に向けて、亀山駅周辺地区・2ブロック市街地再開発事業との調整を図りつつ、市民ワークショップなどを開催して広くご意見をいただきながら課題の整理を進めてまいります。
 また、図書館ボランティアの皆様のご協力をいただきながら、夏休み期間中に、読書感想文教室や手作り絵本教室などのイベントを開催したところでございます。引き続き、子どもを含む市民の皆様が本を身近に感じていただけるよう、読書環境づくりに努めてまいります。

 最後に、教育功労者の表彰につきまして、本市の教育、学術及び文化の振興等に貢献していただきました方々に感謝の意を表するため、本年度、表彰制度を創設いたしました。現在、表彰候補者の選定を進めており、表彰式は10月に開催される教育懇談会に合わせて実施する予定であります。

 以上、教育行政の現況についてのご報告及びご説明を申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。