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教育行政現況報告

公開日 2018年06月01日

 平成30年6月亀山市議会定例会の開会に当たり、教育行政の現況と今後の見通しについてご報告し、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 まず、教育に関する国の情勢でありますが、本年3月、中央教育審議会から「第3期教育振興基本計画について」の答申が出されました。人生100年時代や超スマート社会の到来など、2030年以降の社会の変化を見据えた教育政策の在り方が示され、今後、第3期教育振興基本計画の策定に反映される予定です。
 また、本年4月には、第四次「子供の読書活動の推進に関する基本的な計画」が閣議決定されました。この計画では、本年度からおおむね5年間にわたる子どもの読書活動の推進に関する基本方針と具体的な方策が明らかにされました。
 さらに、本年4月には、平成30年度全国学力・学習状況調査が行われました。調査結果の公表は、7月下旬頃の予定とされております。

 次に、県の情勢でありますが、学力の向上におきまして、県指導主事の学校訪問による支援を継続するとともに、授業改善や効果的な少人数指導の推進等を進めているところであります。また、指導資料「わかる・できる育成カリキュラム」を作成するとのことであります。
 また、いじめ防止対策として、いじめを始めとする様々な悩みを有する中高生を対象とした相談窓口「子どもLINE相談みえ」が新規に開設されました。
 一方、教職員の働き方改革につきましては、全ての県内公立学校が統一して総勤務時間縮減の取組を進めるとともに、部活動指導員やスクール・サポート・スタッフの配置事業がスタートしようとしています。
 また、本年3月に「三重県保幼小の円滑な接続のための手引き」が作成され、保幼小の教職員が円滑な接続に資する保育・教育活動を適切に行うための、指導の工夫例が示されているところであります。

 こうした、国や県の動向や施策を見極めつつ、教育委員会といたしましては、引き続き「亀山市教育大綱」の基本理念「学びあふれる教育のまち かめやま」の具現化に向け「亀山市学校教育ビジョン」、「亀山市生涯学習計画」及び「亀山市子どもの読書活動推進計画」の具体的な実践を着実に推進してまいります。

 それでは、最初に学校教育関係について、ご説明申し上げます。
 まず、学校体制の充実につきましては、本年度当初から本市独自の「少人数教育推進教員」を9名、「複式学級解消教員」と「部活動指導員」をそれぞれ2名配置し、指導体制の充実を図ったところです。また、「学習生活相談員」や「介助員」、「看護師」、「生活支援員」等の配置を行うことにより、きめ細やかな支援体制の充実を図っております。
 次に、教職員の働き方改革の取組といたしましては、外部人材の活用や学校閉校日の拡大を進めるとともに、本年度も引き続き各学校で、時間外労働削減に向けた目標を定め、業務改善等の進捗状況を把握しながら、総勤務時間縮減を推進してまいります。
 次いで、学校給食につきましては、県費栄養教諭1名の増員が実現したことに伴い、より一層の安全・安心な学校給食の提供と食育指導の充実に努めてまいります。
 次に、学習環境の厳しい生徒を対象とした学習支援事業につきましては、本年度、三中学校合わせて25名の生徒の参加により順調なスタートを切っております。引き続き、該当家庭への周知を進め、受講生徒数の拡大に努めてまいります。
 次いで、学校保健関係につきまして、現在、沖縄県や愛知県のほか、県内におきましても麻しん(はしか)の感染事例が報道されております。今後も広範な地域における感染拡大が危惧され、これに備えるため、先月、市内小中学生の保護者に対して、児童生徒が予防接種を受けていない場合は、できるだけ早いうちに接種を受けるよう推奨いたしました。また、先月下旬から今月初旬における市内三中学校3年生の沖縄方面の修学旅行実施については、亀山医師会のご協力も得ながら、先行して参加生徒や引率教員の予防接種歴等を把握するとともに、未接種の場合は強く接種を推奨し、感染の危険性を最大限減らして実施しているところであります。
 なお、全教職員に対しまして、予防接種未接種等の場合は、速やかに接種する旨の通知をいたしたところであります。
 次いで、特別支援教育の推進につきましては、これまで市内小中学校4校に設置している通級指導教室に加え、本年度、新たに川崎小学校に「まなびの教室」開設の運びとなり、6月中の開設に向けて準備を進めているところであります。
 次に、新学習指導要領につきましては、市内全ての小学校におきまして「特別の教科道徳」や外国語教育の先行実施が始まっております。本年度から英語担当の指導主事1名を配置し、指導の充実を図るとともに、外国語教育における小中連携した取組を行ってまいります。加えて、小学生が楽しく英語に慣れ親しみ、学校で学習している英語を使用してコミュニケーションを取る機会を創出するため、夏季休業期間中を利用した「英語キャンプ」の準備に取り掛かっているところであります。
 また、中学校では、道徳の教科化に向けた教科書採択等に取り組んでまいります。
 次いで、学力向上につきましては 、教職員の授業力向上、授業改善等に向けた教職員研修を実施するとともに、「書く力」の育成を軸とする学力向上の取組を進め、言語活動の充実による思考・判断・活用力の育成に取り組んでいるところであります。
 一方、体力向上につきましては、1学校1運動プロジェクトを継続するとともに、体力向上に係る外部講師を小学校・幼稚園等に派遣し、子どもの運動能力の向上と教員の指導力の向上を図ってまいります。
 次に、就学前教育の充実につきましては、本年度から保幼小連携の強化に向けて指導主事を1名配置し、「亀山市保幼小接続カリキュラム」及び「保幼共通カリキュラム」の実践を進めてまいります。また、昨年度から毎月市広報に掲載しております「かめやま教育通信」において、0歳からの子育てアドバイスを連載し、就学前教育の重要性について広く市民の皆様に発信しております。
 次いで、豊かな心を育む教育につきましては、本年2月に改訂いたしました「亀山市人権教育基本方針」の周知を図りながら、各校の人権教育カリキュラムづくりを進め、人権を守るために積極的に行動できる主体者づくりに取り組んでまいります。
 次に、生徒指導につきましては、いじめや不登校の問題の未然防止やその解消に向けて、道徳教育、人権教育の充実を始め、全ての学校教育活動を通して、共に認め合い、支え合う学級集団づくりに取り組んでまいります。また、不登校児童生徒への支援等については、個別の支援シートの活用を進め、小中学校間や適応指導教室を始めとした関係機関と連携した取組を進めております。
 次いで、情報教育につきましては、子どもたちの確かな学力を育むため、教職員へのタブレット型パソコンの導入を行い、教職員のICT教育に対する資質向上を支援してまいります。また、新学習指導要領で必修化される小学校でのプログラミング教育については、研究協力校を中心に、計画的に授業研究を進めてまいります。
 最後に、本年3月に、教育委員会と鈴鹿大学・鈴鹿大学短期大学部との連携協定を締結いたしました。今後、学校教育や生涯学習の分野での相互協力を一層深めてまいります。
 なお、現在、鈴鹿大学連携事業「つなぐ育ち研修会」の8月実施に向けて、不登校や特別支援に関する講演会を企画中であります。

 続きまして、学校施設の整備関係について、ご説明申し上げます。
 川崎小学校改築事業につきましては、現在、2期工事の校舎中棟の建設中でありますが、順調に工事は進捗しております。今後も工事の安全管理に十分注意するとともに、学校運営に配慮しながら、9月の校舎完成、さらに来年3月の事業全体完成に向けて進めてまいります。
 なお、新校舎に設置する椅子、机など、什器備品に係る契約について、本議会において議案を提出させていただいております。
 次に、普通教室等空調機整備事業につきましては、亀山中学校及び中部中学校の2校について、今月中に機器設置の完了を目指し、順調に工事を進めております。また、小学校につきましては、来年度の工事に向けた設計業務の発注の事務を進めているところであります。
 そのほか、亀山中学校の校舎内部改修工事など、学校の夏季休業期間に実施予定の工事につきましても、その発注の事務を進めているところであります。

 続きまして、生涯学習関係についてご説明申し上げます。
 まず、昨年度から市民ワークショップなどによって広くご意見をいただきながら策定作業を進めてまいりました「亀山市立図書館整備基本計画」につきましては、先月10日に開催されました総合教育会議も踏まえ、先日、計画の策定を行ったところでございます。今後も、市民ワークショップや図書館整備推進委員会を継続しつつ、関係機関などと充分な連携を図りながら、着実に事業を進めてまいります。
 次に、公民館講座につきましては、4月に募集を行い、477名の市民の皆様から応募をいただき、各講座が順調にスタートしたところであります。
 また、(仮称)市民大学と公民館講座とが一体的になった、地域で活躍する人材育成を進めるための仕組みづくりにつきましては、推進委員会の立ち上げに向けて準備を進めているところでございます。
 次いで、家庭教育支援事業につきましては、長期的展望に立った家庭教育支援の在り方について、先進地視察を行うとともに社会教育委員会等における検討を進めてまいります。
 次に、青少年総合支援センターにつきましては、青少年の自立支援に向け、社会的な自立に向けての就労支援も含めた支援業務とともに、不登校児童生徒への支援など学校との連携強化を進めてまいります。
 また、先月、新潟県において女子児童が下校途中に殺害されるという大変痛ましい事件が発生しました。このことを受け、各学校長に対して防犯教室等を早期に開催し、児童生徒の安全確保に努めるよう指導したところです。併せて、小中学校の入学時に配布しております防犯ブザーの携帯について注意喚起するとともに、パトロール時の声掛けも強化しているところであります。
 最後に、市立図書館につきましては、読書に親しむ環境づくりを一層推進するため、図書資料の展示や各種行事の企画を継続するとともに、その情報発信を積極的に行ってまいります。

 以上、教育行政の現況についてのご報告及びご説明を申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。