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教育行政の一般方針・現況報告

公開日 2015年08月27日

 平成27年9月亀山市議会定例会の開会に当たり、教育行政の現況と今後の見通しについてご報告し、議員並びに市民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

 まず、教育に関する国の情勢でありますが、本年3月に学習指導要領が一部改正され、それに伴い、中央教育審議会の特別部会や専門家会議の中で、小中学校における学習評価の観点の見直しや、「考え、議論する」道徳への転換に向けて検討がなされています。特に、道徳については、いじめの問題への対応や「生命の尊さ」、「国際理解・国際親善」、「社会参画」、「よりよく生きる喜び」などの内容項目の充実が図られます。子どもたちの道徳性を育むために、小学校は平成30年度、中学校は平成31年度から教科書を導入した「道徳科」の授業が始まることとなっております。

 次に県の情勢でありますが、本年6月にリーフレット「三重のキャリア教育の推進のために」が県教育委員会から小中学校教職員、経済団体や事業所等に配布されています。子どもたちが働くことや職業についての理解を深め、将来自立した社会人として積極的に社会に参画できるよう、地域の教育力を活用したキャリア教育の推進が図られております。また、10月31日、11月1日には、県営サンアリーナをメイン会場として、工業・商業高校等の生徒による学習成果の発表の場として「第25回全国産業教育フェア三重大会」も開催されます。

 一方、本年度、「三重県子ども条例」に基づく取組の一環として「希望がかなうみえ 子どもスマイルプラン」の目指すべき社会像の実現に向け、子どもや保護者、地域の大人等の意識や生活実態を把握するため、「みえの子ども・家庭白書(仮称)」の作成が予定されております。

 このような情勢を踏まえ、教育委員会といたしましては、教育を取り巻く環境の変化を的確に見極めつつ、各種計画における事業を着実に進展させるとともに、平成29年度からの「亀山市学校教育ビジョン」及び「亀山市生涯学習計画」の次期計画の策定準備を進めてまいります。

 それでは、最初に学校教育関係について、ご説明申し上げます。

 まず、この夏も猛暑に見舞われ、児童生徒の安全確保や健康保持につきましては、熱中症や食中毒等に関する注意報及び警報発令時の対応等について注意をしてまいりました。命に関わるような事故報告もなく、子どもたちが、保護者や地域の皆様に支えられながら、有意義な夏休み生活が送れておりますことに、深く感謝申し上げます。

 次に、児童生徒の通学路につきましては、本年度、PTAから改善要望のありました59箇所について、先月下旬から今月上旬にかけて、警察や道路管理者、学校代表者等、関係者の方々と合同現場確認を行いました。この結果を受けまして、子どもたちの交通安全対策について、各関係機関で協議を進めてまいります。

 次いで、学習支援事業につきましては、今月24日から生活困窮者自立支援制度による「学習教室」を開始いたしました。亀山中学校区の公共施設を活用して、講師・スタッフに登録のあった方々を計画的に派遣し、生徒の学びを支援いたしております。11月頃からは、中部中学校区、関中学校区においても学習支援を開始してまいります。

 続きまして、教育研究関係について、ご説明申し上げます。

 まず、先月に開催されました平成27年度鈴亀地区中学校総合体育大会の結果でございますが、団体の部で、亀山中学校の軟式野球・ハンドボール男女・剣道男女・柔道女子、中部中学校の剣道男女が県大会出場を果たしました。個人の部では、テニス男子・ソフトテニス女子・水泳男子・器械体操男子・剣道男女・柔道男女の8種目で13名が県大会へ進み、そのうち、水泳競技男子飛込み種目では、見事優勝を果たして全国大会へ出場しました。また、第61回中学校通信陸上競技三重大会への出場者のうち、男子1年1500m種目で3位に入賞し東海大会へ、女子走幅跳種目では標準記録を突破しての2位に入賞し、全国大会へ出場しました。各大会での選手の健闘を称えるとともに、今後も生徒が活躍できるよう支援を行ってまいります。

 次に、生徒指導につきましては、岩手県矢巾町の中学生がいじめを苦にした自殺の事案を重く受け止め、先月13日に教育委員会から各学校に対して、アンケートや個人ノートの内容、面談の記録などからいじめの兆候を一早く把握するとともに、学校全体で情報を共有し、組織的に対処していくことを徹底するよう指示いたしました。また、いじめやその他の悩み相談に対する、教育委員会や関係諸機関による相談窓口について、夏休み前に児童生徒及び保護者へ改めて周知をいたしたところです。今後も、いじめ問題及びその他の問題行動につきましては、教育委員会と学校が連携を図りながら、未然防止と早期把握・早期対応に向けた組織体制の充実を図り、子どもたちが安心して学校生活を送ることができるように努めてまいります。

 次いで、児童生徒の学力向上につきましては、本年実施のレディネステストの結果から、小学校においては多くの学年で目標値を達成し、小中学校ともに無回答が減るなどの改善が見られました。しかし、国語における書く力や算数・数学における考える力に課題がありました。

 今後は、全国学力学習状況調査の結果も併せて課題を明らかにし、教職員全体での共通認識を持つとともに、保護者にもお知らせして、家庭の協力も得ながら、学力向上に向けた授業改善と学習習慣の定着を図るための取組を進めてまいります。

 続きまして、学校施設の整備関係について、ご説明申し上げます。

 まず、川崎小学校改築事業につきましては、本年10月の設計完成に向けて実施設計に取り組んでいるところであります。空調機に関しましては、設計業務の中で様々な設備の導入による効果を検討するとともに、学校環境の在り方、気候状況などを総合的に勘案した結果、全ての普通教室に設置することとして設計を進めております。また、来年度に予定している校舎改築工事に向け、新規取得用地の造成工事発注の準備も進めているところであります。

 次に、中部中学校クラブハウス建設事業につきましては、本年6月から順調に工事を進めており、現在、基礎工事を施工しているところで、来年3月に完成する予定であります。

 また、非構造部材の耐震化対策といたしまして、市内学校施設の屋内運動場のうち、吊り天井を有する加太小学校屋内運動場について、その改修工事を先月から実施しており、来月に完成する予定であります。

 続きまして、生涯学習関係について、ご説明申し上げます。

 「亀山っ子市民宣言」の趣旨である子どもたちのために大人が何をなすべきかの具現化に向けて、この夏休み期間に関係の諸団体によりサマーキャンプや宿泊体験、ソフト・キックボール大会などの様々な行事を実施していただき、多くの子どもたちが各種体験活動に参加いたしました。

 また、「家族交換日記」・「家庭約束手帳」を夏休み前にご希望のご家庭に配布して、子どもの基本的生活習慣や居場所の確立に家庭が果たす役割を再認識する取組を実践していただいているところであります。

 続きまして、図書館でございますが、学校の夏休み期間中には、子どもたちを中心に大勢のご利用をいただいております。これからも、利用者にとって「楽しむ読書」から「調べ学習」まで、「幅が広く・奥の深い」市立図書館となるよう、更なるサービスの充実を図ってまいります。

 以上、教育行政の現況についてのご報告及びご説明を申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。