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意見・決議

公開日 2014年12月28日

意見書
件名 義務教育費国庫負担制度の存続と全額国負担を求める意見書
本文  政府は、地域主権の確立に向け、補助金のあり方を見直し、「一括交付金」化を進めています。義務教育費国庫負担金が検討の対象となっており、2010年6月に閣議決定された「地域主権戦略大綱」には、「一括交付金化の対象外とする」と示されましたが、今後も注視しなければなりません。
 1950年、地方自治を進めるという観点から義務教育費国庫負担制度は廃止、一般財源化されました。その結果、児童一人あたりの教育費に約2倍の地域間格差が生じ、1953年に義務教育費国庫負担制度は復活しました。しかし、1985年以降、再び義務教育費国庫負担金の一般財源化がおし進められ、2006年には国庫負担率3分の1に縮減されました。現在、義務教育費国庫負担金の対象外である教材費、旅費、高校教職員の給与費は、地方交付税として一般財源の中に組み込まれています。しかし、地方財政が年々厳しくなり、多くの自治体で予算措置されている教育費は削減され、地方交付税で措置されている水準に達しておらず、地域間格差は約6倍に広がっています。義務教育費国庫負担制度の廃止・縮減は、地域間格差を招き「教育の機会均等」を脅かしています。
 義務教育費国庫負担制度は、義務教育の根幹である「無償制」「教育の機会均等」「教育水準の維持向上」を保障するため、国が必要な財源を保障するとの趣旨で確立されたものです。義務教育は全て国が責任を持って行うべきものであり、地域主権を進める等とし、地域に責任を転嫁することは、決して許されることではありません。未来を担う子どもたちの「豊かな学び」を保障することは、社会の基盤づくりにとって極めて重要なことであり、確固とした義務教育費国庫負担制度により保障されなければなりません。その時々の地方の財政状況に影響されることのないよう、全額国負担をすべきです。
 よって、政府におかれては、義務教育費国庫負担制度の存続及び全額国負担をされるよう強く要望します。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。
提出先 内閣総理大臣 総務大臣 財務大臣 文部科学大臣 衆議院議長 参議院議長
可決日 平成23年09月29日