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市政方針及び現況報告

公開日 2014年12月28日

 平成23年9月亀山市議会定例会の開会に当たり、市政の現況と今後の見通しについてご報告し、議員並びに市民の皆様の更なるご理解とご協力をお願い申し上げます。

 さて、我が国経済は、東日本大震災で寸断された供給連鎖活動の立て直しなどにより、景気持ち直しの動きも出てまいりましたが、記録的な円高水準と株安の影響もあり、依然として先行き不透明な状況が続いております。
 一方、先月5日の閣議において、各自治体への普通交付税の額を示す平成23年度普通交付税大綱が決定され、普通交付税の総額が前年度比3.4%増の16兆4,193億円と4年連続で増加するとともに、社会保障費等の財政需要の伸びが税収の伸びを上回る自治体が増加したことにより、普通交付税の不交付団体数も、昨年度の75団体から59団体に減少しております。
 本市におきましては、これまで積極的な産業振興施策による液晶関連産業の立地や既存企業の設備投資などに支えられ、平成17年度から普通交付税不交付団体として、財政運営も堅調に推移してきましたが、生産設備の償却による固定資産税の落ち込みに加え、基準財政需要額における公債費の償還の増加などから、7年ぶりに普通交付税交付団体に転じることとなり、行政経営の大きな転換点を迎えております。
 低迷する経済情勢や税収動向等を踏まえた中で、第1次亀山市総合計画の実現を図るため、将来を見据えた安定的かつ持続可能な健全財政を目指し、効率的で無駄のない財政運営に努めてまいりたいと考えております。

 ところで、東日本大震災から半年が経過しようとしておりますが、被災地では懸命の復旧・復興作業が続けられており、ご奮闘いただいておられます関係者の方々に深く敬意を表します。このような中、私も先月2日から5日にかけて、本市と地域特性が類似する内陸部の被災地を訪問し、その実態把握に努める中で大震災に対する幾つかの課題や対応策について深く考えさせられたところであります。今回の経験を通じて、東海・東南海・南海地震への十分な備えとして、共助の発揮を基軸に、市民・地域・行政が一体となった災害に強いまちづくりを一層推進していく必要性について、強く認識した次第であります。
 また、先月22日には、鈴木知事就任後初めてとなる県と市町の地域づくり連携・協働協議会の鈴鹿亀山地域トップ会議が開催され、危機管理や県土形成の方向性などについて意見交換を行い、内陸部の震災対策についても協議をいたしました。今後も、このような場を活かし、広域的な観点からの政策提言を行ってまいりたいと考えております。

 それでは、市政の各部門にわたり、第1次亀山市総合計画の基本施策の体系に沿ってご説明申し上げます。

1. 快適な都市空間の創造

 まず、「美しい都市環境の創造と産業の振興」のうち、産業の集積、雇用の創出でありますが、市内産業の持続的な振興を図るため、亀山商工会議所と連携しながら、市内の製造業等の中小企業者を対象に、経営革新に向けた専門家による「亀山ものづくり経営革新塾」を開催いたします。今月21日には事前公開セミナーを、また、来月からは6回シリーズで経営革新塾を開催することとしており、これらの取組を通じて、中小企業のものづくりを支援してまいります。

 ところで、今月25日には、亀山駅周辺まちづくり研究会、JR東海、各種団体等により、3回目となります亀山"駅"サイティングまつりが亀山駅前で開催されます。駅周辺のにぎわいの向上と地域の絆が更に深まることを期待するところであります。

 次に、景観づくりの推進につきましては、亀山市景観条例に基づく亀山市景観計画の運用を本日から開始いたしました。今後は、この計画に基づき、景観に関する建築等の行為の届け出を通して良好な景観形成を図るとともに、地域の景観資源を活かしたきめ細かな景観づくりを地域の方々と共に進めてまいります。

 次に、住環境の向上のうち、民間活用市営住宅事業につきましては、住宅困窮者の居住の安定を確保するため、最寄駅からの距離など入居者の利便性を考慮した中で、井田川駅前に単身者向けの民間賃貸共同住宅を10戸借上げ、市営住宅として供給してまいりたいと考えておりますので、本議会に亀山市営住宅条例の一部改正を提案させていただいております。
 一方、良好な住環境を確保していくため、住宅リフォーム助成事業として、市内に在住する者が自ら居住する持家について、市内の施工業者により修繕等の住宅改修工事やリフォーム工事を行った場合、更には高齢者や障がい者の日常生活を支援するための住宅改修等の工事を行った場合において、その経費の一部を助成する制度を新たに設けてまいりたいと考えております。そのため、本議会に当該助成事業に係る関係経費の予算補正を提案させていただいております。
 併せて、木造住宅の耐震補強工事と同時に実施するリフォーム工事につきましても、去る7月に県において補助制度が新設されましたので、市といたしましても、市内の施工業者により行われる場合については、県補助制度への上乗せ補助を行ってまいりたいと考えております。
 これら住宅リフォーム関連の取組を通じて、厳しい経済情勢や雇用状況が続く中で、地域経済の活性化を図るため、緊急経済対策を講じてまいりたいと考えております。

2.市民参画・協働と地域づくりの推進

 続きまして、「市民参画・協働と地域づくりの推進」について、ご説明申し上げます。分権自治の推進のうち、地区コミュニティセンター充実事業として実施しております川崎地区コミュニティセンター改築工事につきましては、去る6月に工事契約を締結し、本年度内の完成に向け、現在、既存施設の解体を終え、基礎工事を進めているところであります。

 ところで、去る7月24日の地上波デジタル放送への完全移行につきましては、事前周知の成果もあり、大きな問題も発生せず、順調に移行ができたと考えております。

3.健康で自然の恵み豊かな環境の創造

 続きまして、「健康で自然の恵み豊かな環境の創造」について、ご説明申し上げます。循環型社会の形成・エコシティの実現のうち、地球温暖化防止対策推進事業につきましては、家庭における電力の使用量等を押さえ、二酸化炭素の排出を削減するための取組として、市内各戸に「エコライフチェック10()シート」を配布するとともに、市内の企業や市民団体などにも協力を依頼し、省エネルギー・省資源に対する取組の普及・啓発を行っております。
 また、総合環境研究センター事業につきましては、去る6月17日にかめやま()市民大学「キラリ」を開校し、既に3講座を開催したところであります。中でも、去る7月26日の講座では、市内の家族連れ52名がシャープ亀山工場を見学し、太陽光パネルやLED電球を使った環境や省エネルギーについての体験学習を行いました。また、今月18日には、亀山市中央コミュニティセンターにおいて、三重大学学長の内田淳正氏を講師にお招きし、「超高齢化社会を楽しく生きる」と題して、長寿社会に向けて市民一人ひとりがどのようにいきいきと輝き、健康で人にやさしい地域社会を形成していくかなどについてご講演いただくこととしております。

 一方、所定のごみ集積所に排出された資源物の持ち去り禁止を規定した、亀山市廃棄物の処理及び清掃に関する条例の一部を改正する条例が先月1日に施行されましたので、早朝の監視パトロールを強化し、これまでに2件の禁止命令を行ったところであります。今後も、このような行為者には厳しく対処し、資源物の持ち去り行為の抑止に努めてまいります。

 次に、農業の振興につきましては、本年度より本格実施となりました農業者戸別所得補償制度について、所得補償交付金の交付申請書の取りまとめを終え、現在、作付け等の確認を行っているところであります。
 また、中山間地域における耕作放棄地の防止と農地の多面的機能を確保する中山間地域等直接支払事業につきましては、新たに7集落において約20haの農地について集落協定が締結され、市全体として、16集落で約70haについて取組が展開されることとなりました。今後も、このような地域での取組が拡大されることを期待いたしております。

 次いで、健康づくりと地域医療の充実のうち、任意予防接種のヒブワクチン及び小児用肺炎球菌ワクチンの予防接種費用助成事業につきましては、0歳児から4歳児までの児童を対象に本年1月から全額助成を実施いたしております。これらワクチンは、接種時の月齢により回数が異なりますが、0歳児のほとんどが定期予防接種と同時に接種しており、想定より多くの児童が本年度内に3回接種する見込みであります。また、2歳児から4歳児までの児童につきましても、市や医療機関からの周知効果もあり、大幅な接種率の増加が見込まれますことから、本議会に関係経費の予算補正を提案させていただいております。
 また、先月2日から2日間、名古屋市において第7回健康都市連合日本支部総会及び大会が開催され、副市長及び関係職員が出席いたしました。大会には、健康に関連の深い市民団体の方々など延べ29人もご参加いただき、健康都市の取組について理解を深めていただきました。今後も、市民団体のご協力を得ながら、健康都市の実現に向けた取組を進めてまいりたいと考えております。

 次に、安心・安全なまちづくりのうち、消防力の充実につきましては、去る7月から消防力の適正配置に係る調査を行っているところであります。また、各種の災害に迅速・的確に対応するため、消防職員の資質と技術の向上を目的とした各種訓練を反復実施するとともに、今月4日に名張市及び伊賀市において開催される三重県総合防災訓練には、三重県相互応援隊として、亀山市消防本部から消火隊4名を派遣し、実践的な広域訓練に参加することとしております。
 更に、市消防団につきましては、日々の訓練の成果として、去る7月10日に神辺小学校において亀山市消防団操法大会を実施し、技術の練磨に努めております。
 なお、平素から郷土愛護の精神に基づき、地域防災力の中核を担う消防団員の人材を確保するため、本議会に亀山市消防団条例の一部改正を提案させていただいております。

 一方、台風6号の影響により、去る7月18日には、市内白木町貝下周辺において竜巻が発生し、工場等の屋根材の飛散や電柱の倒壊、停電などの被害が発生いたしました。また、翌19日には、午後からの強い雨により鈴鹿川が増水し、氾濫注意水位に迫る水位となりましたので、南鹿島町の全世帯に対し避難勧告を発令いたしました。早期の電力復旧や速やかな避難等により、幸いにも大きな被害には至らず、安堵したところではありますが、これから本格的な台風シーズンに入りますので、危機管理には万全を期してまいりたいと考えております。
 また、来月2日には、川崎小学校を主会場として住民主導型の総合防災訓練を実施いたします。この訓練を通じて、いつ起こるか分からない地震災害に対して、地域住民お一人おひとりが速やかな対応が図れるよう、地域の実情に応じた避難行動を再確認いただき、地域防災力の更なる向上を図ってまいりたいと考えております。

 ところで、木造住宅の耐震化につきましては、緊急地震対策・木造住宅補強事業により、市内の住宅耐震化率の向上を図ってまいりましたが、耐震補強工事は高額な費用を要しますので、未だ耐震化が進んでいない住宅も存在いたします。そのため、耐震補強工事と同時に実施するリフォーム工事に対する県制度への上乗せ補助や耐震補強計画の作成に要する費用に対する補助上限額の引き上げにより、当該補助金の交付対象者がより利用しやすい制度に改正を行いながら、住宅の耐震化を一層促進し、震災に備えた対策を充実してまいりたいと考えております。

4.生きがいを持てる福祉の展開

 続きまして、「道路・交通ネットワークの形成」について、ご説明申し上げます。道路網の整備のうち、市道和賀白川線整備事業につきましては、国土交通省との鈴鹿川に関する河川協議が整いましたので、去る7月に国土交通省と鈴鹿川橋梁下部工事に係る委託契約を締結いたしました。また、JR東海とのJR関西本線のこ線橋に関する協議も整い、先月、JR東海と委託工事の仮協定を締結いたしております。更に、市発注工事であります鈴鹿川橋梁上・下部工事につきましても、先月、仮契約を締結しましたので、今後は、平成25年度の供用開始に向け、事業進捗を図ってまいりたいと考えております。そのため、本議会に協定の締結並びに工事請負契約の締結を提案させていただいております。

5.次世代を担う人づくりと歴史文化の振興

 続きまして、「生きがいを持てる福祉の展開」について、ご説明申し上げます。生涯学習・生涯スポーツの推進のうち、スポーツの推進につきましては、昭和36年に制定されたスポーツ振興法が50年ぶりに全部改正され、スポーツに関する基本理念をはじめ、国及び地方公共団体の責務やスポーツに関する施策の基本となる事項などを定めたスポーツ基本法が先月24日に施行されました。この法律の施行に伴い、本議会に亀山市スポーツ振興審議会条例の一部改正を提案させていただいております。今後は、国が策定するスポーツ基本計画を参考にしながら、本市の実情に沿った亀山市スポーツ振興計画の見直しを進めてまいります。

 次に、高齢者・障害者の介護・支援のうち、亀山市地域福祉計画の策定につきましては、庁内関係部署及び策定委員会での検討を重ね、素案が作成できましたので、近くパブリックコメントを実施し、早期の計画策定に努めてまいります。

6.次世代を担う人づくりと歴史文化の振興

 続きまして、「次世代を担う人づくりと歴史文化の振興」について、ご説明申し上げます。子育て支援のうち、民間保育所整備事業につきましては、川崎愛児園が園舎の建て替え工事を完了され、本日から新園舎に移って保育を実施されると伺っております。
 また、待機児童施設緊急整備事業につきましては、総合保健福祉センター分館の一部を受入れ施設として改修するための実施設計が完了しましたので、来年1月の開所に向け、順次工事を進めてまいります。なお、この施設の設置に関し、本議会に亀山市待機児童館条例の制定について提案させていただいております。
 これらの取組により、待機児童の解消が図れるものと期待いたしております。
 一方、東日本大震災の影響による企業の夏期の電力需給対策に伴い、保護者が日曜日に児童を保育することができない場合に対応し、去る7月から今月までの3か月間、教育委員会の幼稚園教諭の協力も得ながら、毎週日曜日に和田保育園において保育を実施しております。

 次に、歴史的なまちなみの保存整備のうち、亀山城周辺保存整備事業につきましては、多門櫓石垣の修復工事が6月初旬に完了しましたので、引き続き、城下町亀山のシンボルである多門櫓を文化財調査に基づいて江戸時代の姿に復原するための修復工事に着手いたしました。なお、今回の修復は、明治時代に行われて以来の大規模なものであり、平成の大修理になるものと考えております。

行政経営

 続きまして、「行政経営」について、ご説明申し上げます。行財政改革のうち、事務事業の見直しにつきましては、先月28日に実施しました事業仕分けの判定結果や仕分け委員からの意見を踏まえ、改めて事業の必要性や改善点などを検証し、その結果を今後の予算編成に反映するよう努めてまいります。

 また、コンビニ収納事業につきましては、来月からコンビニエンスストアにおいて、市税等の収納を開始いたします。今回、ご利用が可能となりますのは、来月以降に発行する水道料金の納入通知書及び市税の督促に係る納付書等についての納付であり、来年度からは、市税の納税通知書に係る納付につきましても、実施を予定いたしております。夜間・休日の収納窓口が拡大することで、収納環境と納税者等の利便性の向上が図れるものと期待するところであります。
 一方、住民基本台帳法の一部を改正する法律が来年7月を目途に施行され、外国人住民の利便の増進と市町村等の行政の合理化を目的として、外国人住民が住民基本台帳法の適用対象に加えられることとなります。そのため、外国人住民の住民基本台帳への登録に向けた移行措置として、住民票の基礎となる仮住民票の作成が必要になりますので、それらを的確に作成できるシステムの構築について、本議会に関係経費の予算補正を提案させていただいております。

 ところで、第1次亀山市総合計画後期基本計画の策定につきましては、先月26日に第4回総合計画審議会を開催し、基本施策ごとの現状と課題など、現段階における庁内検討組織での検討資料を提出し、協議をいただいたところであります。

 なお、学校教育、生涯学習等、教育分野の詳細につきましては、後ほど教育委員会当局からご説明申し上げます。

 最後に、本年5月21日から8月20日までに係る3千万円以上1億5千万円未満の工事請負契約の状況は、別紙のとおりでございましたのでご高覧賜りたいと存じます。

 以上簡単ではございますが、市政の現況についてのご報告及びご説明を申し上げました。何卒よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。